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【2026】犬の遺伝子検査とは?子犬を迎える前に確かめること
公開日:2026年10月24日(土) 更新日:2026年10月24日(土) 初めて飼う
この記事の要点
犬の遺伝子検査は、親犬が遺伝の病気のもとを持っているかを調べる検査です。犬の遺伝の病気は、両親の両方から受け継いだときだけ出るものがほとんどです。迎える前は、どの病気をどの親で調べたかを聞きましょう。
「遺伝子検査をしている親の子なら安心なの?」「お父さん犬だけの検査で大丈夫?」「キャリアって何?」。犬を迎える前に気になるこうしたことに、ブリーダーが答えます。
フローエンスは、自分たちの施設で子犬を育てて、ご家族に直接お渡ししているブリーダーです。この記事は、これから子犬を迎える方に向けて、遺伝子検査で分かること、劣性と優性の違い、当犬舎の検査のやり方、犬種ごとに調べる病気、迎える前に聞くこと、遺伝子検査で分からないことを、順に書きます。
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子犬を見る犬の遺伝子検査とは?|親から受け継ぐ病気のもとを調べる
犬の体の設計図(遺伝子)を調べて、親から子へ伝わる病気のもとを持っているかを知る検査です。検査の材料は、頬や唇の内側を綿棒でこすって取れます。
遺伝子は、体のつくりを決める設計図のようなものです。病気の中には、設計図の一部が変わっていることで起きるものがあり、この変わった部分を「病気のもと」と呼ぶことにします。犬の遺伝の病気は、いま700ほどが見つかっていて、そのうち200以上で、もとになる変化が分かっています。
遺伝子検査で分かることは、主に3つあります。
- 遺伝の病気のもとを持っているか(この記事の中心です)
- 毛の色や長さのもと(たとえばチワワの長い毛は、両親の両方から長い毛のもとを受け継いだときに出ます)
- ミックス犬の親の犬種の割合
子犬を迎える人に関係が深いのは、1つ目です。大切なのは、子犬が生まれる前に、親犬を調べてあるかという点です。この記事で「検査」と書くのは、親犬の検査のことです。
新しく載った子犬
両親から受け継ぐと出る病気と、片方でも出る病気
両親の両方から病気のもとを受け継いだときだけ出る病気を「劣性」、片方からでも出る病気を「優性」といいます。犬の遺伝の病気は、ほとんどが劣性です。
「劣性」「優性」は、遺伝子の良い悪いを表す言葉ではありません。受け継ぎ方の名前です。いまは「潜性」「顕性」と呼ぶこともあります。
クリア、キャリア、アフェクテッドの読み方
検査の結果は、病気のもとをいくつ持っているかで、3つに分かれます。劣性の病気の場合は、次のとおりです。
| 結果の名前 | 病気のもとの数 | 劣性の病気なら |
|---|---|---|
| クリア | 0個 | 病気のもとを持っていません |
| キャリア | 1個 | 病気は出ません。子に病気のもとを伝えることはあります |
| アフェクテッド | 2個 | 病気が出る可能性が高くなります(必ず出るわけではありません) |
親の組み合わせで、子犬はどうなる?
劣性の病気では、親の結果の組み合わせで、生まれる子犬の結果が変わります。表の数字は、子犬1頭ずつの確率です。ひと腹で必ずその数になるわけではありません。
| お父さん犬×お母さん犬 | 生まれる子犬 | アフェクテッドの子 |
|---|---|---|
| クリア×クリア | 全部クリア | 生まれません |
| クリア×キャリア | 2分の1がクリア、2分の1がキャリア | 生まれません |
| クリア×アフェクテッド | 全部キャリア | 生まれません |
| キャリア×キャリア | 4分の1がクリア、2分の1がキャリア、4分の1がアフェクテッド | 4頭に1頭の割合で生まれます |
片方の親がクリアなら、もう片方の親を調べていなくても、その病気が出る子犬は生まれません。次の節の「お父さん犬を調べる」やり方は、このしくみにもとづいています。
キャリアの子犬を迎えても大丈夫?
キャリアは、劣性の病気にはなりません。家族として一緒に暮らすのに、問題はありません。気をつけるのは、その子に将来、子どもを生ませるときだけです。その場合は、相手をクリアの犬にして、病気が出る子が生まれない組み合わせにします。
当犬舎のやり方|劣性の病気はお父さん犬を調べて交配
当犬舎では、両親の両方から受け継いだときだけ出る病気は、基本的にお父さん犬の遺伝子検査をして、子犬が発症しない組み合わせで交配しています。
たとえば目の病気(PRA)のような劣性の病気は、お父さん犬を検査します。そして、生まれる子犬が病気を発症しない組み合わせにします。悪くても、病気のもとを1つだけ持つ「キャリア」で、キャリアは発症しません。片方の親から受け継いだだけで出る病気(優性)なら、両親とも調べます。
お母さん犬については、前の持ち主(ペットショップやほかのブリーダー)が検査していることもあります。ミックス犬も、同じ形で交配しています。ミックス犬でも、親の犬種が持つ病気のもとを受け継ぐことはあるので、親の犬種ごとに調べる病気を決めています。
検査をしているのは親犬で、子犬そのものではありません。検査をしたから健康な子が生まれる、という意味でもありません。調べているのは、決めた病気を発症する子が生まれない組み合わせにするため、という一点です。
犬種ごとに調べる病気|当犬舎の親犬の検査
調べる病気は犬種で違います。当犬舎が親犬に調べている病気は、下の表のとおりです。
表は、当犬舎でご家族が決まった子の多い犬種の順(トイ・プードル、ミックス犬、ダックスフンド、チワワ、ポメラニアン)に並べ、残りは五十音順にしています。
| 犬種 | 親犬の遺伝子検査で調べる病気 |
|---|---|
| トイ・プードル(タイニー、ティーカップも) | 目の病気(PRA)、背骨の中の神経の病気(DM)、血が止まりにくい病気(vWD Ⅰ型) |
| ミックス犬 | それぞれの親の犬種で調べる病気 |
| ミニチュア・ダックスフンド、カニンヘン・ダックスフンド | 目の病気(PRA) |
| チワワ | 目の病気(PRA) |
| ポメラニアン | おしっこに石ができやすくなる体質(HUU) |
| ビションフリーゼ | 背骨の中の神経の病気(DM) |
| ペキニーズ | 貧血の病気(PK欠乏症) |
| マルチーズ | 糖の病気(糖原病、GSD) |
| ヨークシャー・テリア | 目の病気(PRA) |
表にない犬種は、その犬種で調べる病気を、見学のときにお聞きください。
目の病気(PRA)
目の奥の、光を感じる細胞が少しずつ弱って、やがて見えなくなる病気です。痛みがないので、はじめは気づかれにくく、いまのところ効く治療はありません。ほとんどの犬で、両親の両方から受け継いだときに出る劣性の遺伝と考えられています。
背骨の中の神経の病気(DM)
痛みがないまま、ゆっくり進む神経の病気で、症状は後ろ足から出ます。コーギーでは、10歳を過ぎてから出るのが典型的で、いまのところ治す方法はありません。名前の似た「変形性脊椎症」とは、別の病気です。
血が止まりにくい病気(vWD Ⅰ型)
血を止めるのに必要なものが少なかったり、うまく働かなかったりして、血が止まりにくくなる病気です。Ⅰ型は、そのものが少ないタイプで、症状は軽めです。
おしっこに石ができやすくなる体質(HUU)
おしっこの中に、尿酸という成分がたくさん出てしまう体質です。尿酸が多いと、膀胱の中に石ができて、おしっこが出にくくなることがあります。ポメラニアンは、お父さん犬のHUUの結果をもとに、交配の組み合わせを決めています。
糖の病気(糖原病、GSD)
体にためた糖(グリコーゲン)を、うまく分けられない病気です。血の中の糖が足りなくなって、けいれんを起こします。
貧血の病気(PK欠乏症)
赤血球(血の中で酸素を運ぶ細胞)がうまく働けず、貧血になることがある、生まれつきの病気です。
犬種ごとの寿命や、かかりやすい病気は、各犬種の寿命の記事にまとめています。トイ・プードル、チワワ、ダックスフンド、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、ポメラニアン、ペキニーズ、ミックス犬の記事があります。犬全体の寿命は犬の寿命の記事です。
迎える前にブリーダーへ確かめる3つのこと
「遺伝子検査をしています」だけでは分かりません。①どの病気を ②お父さんとお母さんのどちらを ③結果はどうだったか、の3つを聞きましょう。
犬を売るブリーダーやお店が、買う人に会って説明することが、法律で18個決まっています。その17番が「その子の親と、一緒に生まれた兄弟に、遺伝の病気が出ているか」です(関係する人に聞いても分からないものは除きます)。だから、迎える前に聞いて大丈夫です。18個の全部と、見学で聞くことは、ブリーダー見学の記事にまとめています。
子犬ページの印の見方(当犬舎)
当犬舎の純血の犬種の子犬ページには、健康の欄に「親犬の遺伝子検査クリア」の印があります。トイ・プードル、チワワ、ダックスフンドなど、PRA、vWD Ⅰ型、DMを調べる犬種では、「PRA発症無し」のような病名の印も出ます。どの病気を調べたかは、見学のときにも聞けます。
毛色の遺伝で避ける組み合わせ
毛色にも、遺伝で気をつけたい組み合わせがあります。「マール」は、大理石のようなまだら模様の毛色です。マールどうしを交配すると、マールの模様のもとを両方の親から受け継ぐ子犬が生まれることがあり、こうした子犬は、耳が聞こえにくくなる割合が大きくなります。いろいろな犬種のマールの犬を調べた研究では、両方の親から受け継いだ40頭のうち、片耳が聞こえない子が10%、両耳が聞こえない子が15%でした。
ダックスフンドの「ダップル」は、ほかの犬種でいうマールと同じ模様です。当犬舎では、ダップルどうしの交配はしていません。迎える前は、子犬ページで、お父さんとお母さんの毛色を確かめましょう。赤、アプリコット、クリーム、白の犬では、マールでも模様が目立たないことがあります。毛色の名前だけで判断しないことが大切です。くわしくは、チワワの毛色の記事とダックスフンドの毛色の記事にあります。
遺伝子検査で分からないこと|体を診て確かめる病気
遺伝子検査で分かる病気は、原因が1つの遺伝子に分かっているものだけです。パテラのように、獣医師が体を診て確かめる病気もあります。
犬の遺伝の病気の多くは、いくつもの遺伝子が関わる病気で、遺伝子検査ではなく、それぞれの病気の検査で分かります。パテラ(ひざのお皿がずれる病気)は、遺伝する病気と考えられていて、獣医師がひざを手で触って調べます。また、検査でクリアでも、ほかの原因でその病気にならないとは言い切れません。
だから、親犬の検査だけで安心せず、子犬そのものの様子と、保証の中身も確かめましょう。当犬舎のやり方は、次のとおりです。
- 生後50日前後に、獣医師が全頭の健康診断をしています
- スタッフが、毎日子犬の様子を見ています
- お迎えの日には「お引渡し前確認シート」を、お客様と一緒に見ながら確かめ、最後に署名をいただきます。シートには、体調、お手入れ、狼爪、頭のすき間、鼠径ヘルニア、でべそ、噛み合わせ、関節形成不全などの項目があります
- お迎えから60日のうちに、生まれつきの病気で亡くなってしまった場合は、同じくらいの同じ犬種の子犬をお渡しする生体保証が、どの子にも付いています(治療費の保証ではありません)
保証の細かい条件は、契約書と見学のときにご説明します。生後56日の決まりと、お迎えの時期は、子犬はいつから迎えられるかの記事にあります。どこで迎えても同じ質問は、犬の選び方の記事が役に立ちます。
よくある質問
犬のPRAとはどんな病気ですか?
目の奥の、光を感じる細胞が少しずつ弱って、見えにくくなる病気です。痛みがないので、はじめは気づきにくく、いまのところ効く治療はありません。親から受け継ぐ病気なので、当犬舎では、基本的にお父さん犬を調べて、PRAを発症する子が生まれない組み合わせで交配しています。
遺伝子検査はお父さん犬だけで大丈夫ですか?
両親の両方から受け継いだときだけ出る病気なら、片方の親がクリアであれば、もう片方を調べていなくても、病気が出る子は生まれません。当犬舎はこのため、基本的にお父さん犬を調べています。片方の親から受け継いだだけで出る病気なら、両親とも調べます。
キャリアの子犬は病気になりますか?
劣性の病気では、キャリアはその病気になりません。家族として暮らすのに問題はありません。気をつけるのは、その子に将来、子どもを生ませるときだけです。当犬舎の子犬は、調べた劣性の病気では、悪くてもキャリアになる組み合わせで生まれています(調べているのは親犬で、子犬そのものではありません)。
遺伝子検査をした親犬の子なら、病気になりませんか?
調べたのは、決めた病気だけです。ほかの病気やけがは別です。パテラのように、獣医師が体を診て確かめる病気もあります。迎える前は、健康診断と保証の中身も確かめましょう。当犬舎では、生後50日前後に獣医師が全頭の健康診断をして、お迎えの日にはお引渡し前確認シートを一緒に見ながら確かめます。
ミックス犬にも遺伝子検査は要りますか?
ミックス犬も、親の犬種の病気のもとを受け継ぐことがあります。当犬舎は、ミックス犬も、親の犬種ごとに調べる病気を決めて、子犬が発症しない組み合わせで交配しています。たとえばチワプーなら、親のチワワとトイ・プードルで調べる病気(上の表)をもとに、組み合わせを決めます。
迎えたあとに、自分で遺伝子検査をすることはできますか?
検査会社に申し込み、頬や唇の内側を綿棒でこすって送ります。乳を飲んでいる時期は、母犬の細胞が混ざるおそれがあるので避けます。値段は、1項目4,950円(税込)の検査会社があります(VEQTA、2026年10月に確認)。
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まとめ
犬の遺伝子検査は、親犬が遺伝の病気のもとを持っているかを調べる検査です。犬の遺伝の病気はほとんどが劣性で、片方の親がクリアなら、その病気が出る子犬は生まれません。キャリアは病気になりません。迎える前は、どの病気を、どの親で、結果はどうだったかをブリーダーに聞きましょう。遺伝子検査で分からない病気もあるので、健康診断と保証の中身も確かめてください。
フローエンスはブリーダー直販です。劣性の病気は基本的にお父さん犬の遺伝子検査をして、子犬が発症しない組み合わせで交配しています。生後50日前後に獣医師が全頭の健康診断をして、お迎えの日にはお引渡し前確認シートを一緒に見ながら確かめます。子犬ページには、お父さんとお母さんの犬種と毛色と体重を載せていて、お迎えから60日の生体保証も付いています。見学は事前予約制で、子犬にさわったり、抱っこしたりしていただけます。
出典
- ジャパンケネルクラブ「遺伝子疾患について考えよう」(変異のほとんどが劣性、キャリアは発症しない、クリアの犬と交配すれば相手が未検査でも子犬はアフェクテッドにならない、キャリアを飼うことに問題はない、遺伝子疾患は700ほど特定され200以上で原因変異が分かっていること)
- VEQTA「よくあるご質問」(劣性と優性の意味、優劣ではないこと、潜性と顕性の呼び方、アフェクテッドは発症の可能性が高いが必ずではないこと、検査で診断できるのは原因の分かった1つの遺伝子の病気に限られ多くは多因子の病気であること、クリアでもほかの変異で発症する可能性があること、授乳期間を避けること、綿棒での採取)
- アメリカンケネルクラブ「犬の劣性の遺伝の病気を知る」(英語のページ)(親の組み合わせごとの子犬の割合、キャリアには病気の様子が出ないこと)
- VEQTA「犬の遺伝性疾患のDNA検査」(PRA、vWDとⅠ型の症状が軽いこと、HUUで尿酸が多く出て膀胱に石ができることがあること、GSDの説明、遺伝子疾患検査の1項目の値段)
- VCA Animal Hospitals「犬の進行性網膜萎縮症」(動物病院の解説、英語のページ)(PRAは痛みがないこと、目の細胞が弱りやがて見えなくなること、効く治療がないこと、ほとんどの犬で劣性の遺伝と考えられること)
- VCA Animal Hospitals「ロングコート・チワワ」(動物病院の犬種の解説、英語のページ)(長い毛は、長い毛の劣性の遺伝子を2つ持つときに出ること)
- Wisdom Panel「犬のDNA検査」(検査会社、英語のページ)(ミックス犬の犬種の割合が分かること)
- 岐阜大学動物病院 神経科「ウェルシュ・コーギーの変性性脊髄症」(痛みがなくゆっくり進むこと、後ろ足から出ること、コーギーでは10歳過ぎから出るのが典型的なこと、治す方法がないこと)
- PetMD「犬のピルビン酸キナーゼ欠乏症」(英語のページ)(赤血球の働きが落ちて貧血になることがあること、生まれつきの遺伝の欠陥と関わること)
- アメリカの動物の整形外科の財団(OFA)「パテラ」(英語のページ)(パテラは遺伝する病気と考えること、ひざの皿の位置を触って調べられること、獣医師が分類すること)
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第21条の4(e-Gov 法令検索)、同じ法律の施行規則 第8条の2 第2項 第17号(e-Gov 法令検索)、環境省「対面説明が必要な18項目」(販売のときに買う人へ対面で説明すること、17番が親と同腹子の遺伝性疾患の発生状況であること)
- Strain GM ほか「マールの遺伝子を片方または両方の親から受け継いだ犬の、耳が聞こえない割合」Journal of Veterinary Internal Medicine 23巻2号(2009年、英語の論文)(いろいろな犬種のマールの犬で、両方の親から受け継いだ40頭の片耳と両耳の聞こえない割合)
- Clark LA ほか「犬のマールの模様の原因の遺伝子」PNAS(2006年、英語の論文)(ダックスフンドではマールをダップルと呼ぶこと)
- United Poodle Association「プードルの毛色」p.7(英語の資料)(赤、アプリコット、クリーム、白の犬では、マールの模様が目立たないことがあること)
- 当犬舎の子犬ページ、お引渡し前確認シート、生体売買契約書、犬種ごとの検査の記録
※記事内の子犬の写真は、当犬舎がHPに載せている写真です。
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