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犬と防災キャンプ|お泊まりで避難の予行練習をする
公開日:2024年9月6日(金) 更新日:2026年10月6日(火) その他
この記事の要点
防災の準備が進まないのは、準備そのものが楽しくないからだと思います。だから、旅行やお泊まりをそのまま予行練習にします。非常食・水は1人3リットル・持ち物は袋に収まる量・犬はクレート。この4つだけ守れば、足りないものが1泊で分かります。
防災の準備は「やろうと思っているけれど、まだ」になりがちです。その理由のひとつは、準備そのものが楽しくないからだと思います。
だからこの記事では、旅行やお泊まりを、そのまま避難の予行練習にするやり方を書きます。目的は防災でなくてかまいません。思い出を作りながら、足りないものが分かればそれで十分です。
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子犬を見るなぜ家ではなく、出かけて練習するのか
災害で家が使えなくなったとき、行き先は避難所か、テントか、車の中です。そのどれも、家とは条件が違います。
| 家では分からないこと | 泊まってみると分かること |
|---|---|
| 犬が慣れない場所で眠れるか | 何時間で落ち着くか。鳴くか。どこに置けば落ち着くか |
| クレートで過ごせる時間 | 実際に何時間もつか。出たがったときにどうするか |
| 持ち物の量 | 袋に入りきるか。背負って歩けるか |
| 水の量 | 1日でどれだけ使うか(犬の飲み水・食器を洗う水・体を拭く水) |
| 非常食の味と量 | 食べられるか。どれくらいで満腹になるか |
| 暑さ・寒さ | 温度をどう作るか。犬のほうが先に参ることもある |
環境省の資料も、いちばん有効な災害対策は「健康面やしつけを含めたペットの平常時からの適正な飼養」だとしています。道具より先に、ふだんの状態が効くということです。泊まってみると、そのふだんの状態がどこまで通用するかが分かります。
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防災キャンプの4つのルール
場所はどこでもかまいません。犬と泊まれるところを選んでください。そのうえで、この4つだけ意識します。
| ルール | 中身 | 分かること |
|---|---|---|
| 1 | ごはんは非常食にする | 作り方と味。どれくらいで満腹になるか |
| 2 | 水は1人3リットルまで | 1日にどれだけ要るか。何に使って足りなくなるか |
| 3 | 持ち物は避難用の袋に収まる量だけ | 袋の大きさが足りるか。季節で何が変わるか |
| 4 | 犬はクレートの中で過ごす | 避難先での居場所はクレートになるので、そこで何時間もつか |
初めての方は、予備を持って行ってかまいません。無理に続けるのが目的ではないからです。途中でやめて予備を使ったら、なぜ無理だったのか、何が足りなかったのかを書き留めてください。それがそのまま、次に用意するものの一覧になります。
時期は、夏のピークを過ぎたころが始めやすいです。蒸し暑さも虫も落ち着いて、犬にも人にも負担が少なくなります。
車中泊という選択肢|避難所に入れなかったとき
テントの次に、車の中も試しておく価値があります。理由は現実的なものです。ペットと一緒に避難した方が、車中泊を選ぶことは珍しくありません。避難所でペットを受け入れていない場合があるからです。
受け入れられない側にも事情があります。ペットを置くスペースが取れない、吠えやにおいの問題、犬アレルギーの方がいる。人命が優先される場面では、断らざるを得ないことがあります。
ただし、車中泊には知っておくべき危険があります。環境省の資料は、2004年の新潟県中越地震について「車中避難によるエコノミークラス症候群が問題となった」とし、2016年の熊本地震についても「家屋倒壊の不安から車中やテントへの避難者が多く、エコノミークラス症候群や熱中症対策が問題となる。また、同行避難後、ペットの受入れ体制が十分でない避難所もあり、飼養環境の確保等が課題となった」と書いています。
同じことが2回起きているということです。車中泊を選ぶなら、足を動かす時間を決める、水を切らさない、温度を作る。ここは先に決めておいてください。
予行練習で分かる3つのこと
泊まってみると、犬の側の課題が3つに絞られます。クレート・トイレ・吠えです。環境省のガイドラインが避難所で必要なこととして挙げている3つ(人や他の動物を怖がったり、むやみに吠えたりしない/ケージやキャリーバッグに慣れている/決められた場所で排泄ができる)と、ぴったり重なります。
| 課題 | 泊まって分かること | 足りなかったときにやること |
|---|---|---|
| クレート | 初めての場所でも入れるか。何時間もつか | 扉を開けたまま入る段階まで戻す。家で時間を延ばす |
| トイレ | いつものトレーが無くてもできるか | 合図でトイレを教える(次の章) |
| 吠え | 知らない音・人・犬がいる場所で吠えるか | 何に反応しているかを書き出して、離れた距離から慣らす |
吠えは、避難所でいちばん問題になりやすいところです。仕切りは段ボールやパーテーション程度で、音は建物の中に響きます。ふだんは犬が平気な方でも、避難生活のストレスで小さな音に過敏になります。
いっぽうで犬の側も、飼い主と離れて、知らない場所で、知らない動物がいる部屋に置かれます。不安で鳴くのは当たり前です。だからこそ、クレートが「自分の部屋」になっているかどうかで差が出ます。
合図でトイレ|避難でいちばん効く練習
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。避難先に、いつものトイレトレーはありません。
避難先では、シートだけ敷いて済ませるか、決められた時間に決められた場所で散歩に出て済ませるか、のどちらかになります。つまり犬のタイミングではなく、人のタイミングで排泄してもらう必要が出てきます。
| 合図が無いと起きること |
|---|
| 我慢できてしまう子は、我慢し続ける。膀胱炎の危険がある |
| 我慢できない子は、クレートの中でしてしまう |
| そして洗う水がない。人の水が先に配られるので、犬の洗い水が回ってくるのはかなり後になる |
教え方は難しくありません。おすわりやマテと同じやり方です。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | 言葉を決める。言いやすければ何でもかまいません |
| 2 | 犬がトイレをしている最中に、その言葉を言う |
| 3 | 済んだらほめる。「言葉=トイレ=いいことがある」を作る |
| 4 | くり返したら、行きそうなタイミングで先に言葉を出す |
| 5 | 言葉を出せば行く、になったら完成 |
トイレの回数が多い子犬のうちに始めるのがいちばん楽です。回数が多いぶん、練習の機会も多いからです。成犬でも同じやり方で教えられます。
持っていくもの
予行練習なので、本番で使うものをそのまま持って行きます。使ってみて足りなかったものを足す、という順番です。
| 持ち物 | 見るところ |
|---|---|
| クレートかキャリー | 運べる重さか。片手がふさがらないか |
| フードと水 | 1日でどれだけ減るか。備蓄の量の目安になる |
| ペットシーツ | 1日で何枚使うか |
| 常備薬 | いつもの時間に飲ませられるか |
| 犬の情報を書いたメモと写真 | 袋に入れたままにしておく |
| タオル | 拭く・敷く・覆う。何枚要るか |
災害のときは、道なき道を歩くこともあります。犬用の靴も、お出かけのついでに履かせて慣らしておくと、いざというときに使えます。履かせたその日に歩ける子は多くありません。
避難用キャリー(リュック型)
・クレートを手で持つと両手がふさがるので、小型犬ならリュック型が運びやすい
・待っているあいだに広げられるので、圧迫感が出にくい
・電車移動や通院など、ふだんも使える
避難用キャリー(キャスター付き)
・力に自信がない方向け。防災リュックを背負って、こちらは押して歩ける
・飛び出しを防ぐ機能が付いている
防災リュック(人用)
・何から揃えればいいか分からないときの出発点に
・給水に並ぶときに効くキャリー付き
・予行練習で実際に使って、足りないものを足していく
防災リュック(犬用)
・犬の持ち出し袋の作り方に自信がないときの出発点に
・中に犬の情報・薬・フードを入れておく
・玄関に置いておける見た目
フローエンスはブリーダー直販で、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。合図でトイレ、クレートで過ごす。この2つは、覚えるのに時間がかかるぶん、覚えておくといちばん効きます。いまどこで止まっているかを教えていただければ、次の一段をお伝えできます。専門トレーナーのトレーナーダイヤルへどうぞ。
よくある質問
防災の準備が、なかなか進みません。
旅行やお泊まりを、そのまま予行練習にしてみてください。目的は防災でなくてかまいません。ルールは4つだけです。ごはんは非常食にする(作り方と味、どれくらいで満腹になるかが分かります)。水は1人3リットルまで(1日にどれだけ要るか、何に使って足りなくなるかが分かります)。持ち物は避難用の袋に収まる量だけ(袋の大きさが足りるか、季節で何が変わるかが分かります)。そして犬はクレートの中で過ごす(避難先での居場所はクレートになるので、そこで何時間もつかが分かります)。初めてなら予備を持って行ってかまいません。途中でやめたら、なぜ無理だったのか、何が足りなかったのかを書き留めてください。それが次に用意するものの一覧になります。
家で練習するのでは、だめですか?
家では分からないことがあります。犬が慣れない場所で眠れるか、何時間で落ち着くか。クレートで実際に何時間もつか。持ち物が袋に入りきるか、背負って歩けるか。1日に水をどれだけ使うか(犬の飲み水、食器を洗う水、体を拭く水)。非常食が食べられるか。暑さ寒さをどう作るか。どれも、泊まってみないと数字が出ません。環境省の資料も、いちばん有効な災害対策は「健康面やしつけを含めたペットの平常時からの適正な飼養」だとしています。泊まってみると、そのふだんの状態がどこまで通用するかが分かります。
車中泊の練習もしたほうがいいですか?
しておく価値があります。ペットと避難した方が車中泊を選ぶことは珍しくないからです。避難所でペットを受け入れていない場合があり、スペースが取れない、吠えやにおいの問題、犬アレルギーの方がいる、といった事情があります。ただし危険も知っておいてください。環境省の資料は、2004年の新潟県中越地震について「車中避難によるエコノミークラス症候群が問題となった」とし、2016年の熊本地震についても「家屋倒壊の不安から車中やテントへの避難者が多く、エコノミークラス症候群や熱中症対策が問題となる」と書いています。同じことが2回起きています。足を動かす時間を決める、水を切らさない、温度を作る。ここは先に決めておいてください。
泊まってみて、犬の何を見ればいいですか?
3つに絞られます。クレート・トイレ・吠えです。環境省のガイドラインが避難所で必要なこととして挙げている3つ(人や他の動物を怖がったり、むやみに吠えたりしない/ケージやキャリーバッグに慣れている/決められた場所で排泄ができる)と、ぴったり重なります。クレートは、初めての場所でも入れるか、何時間もつか。トイレは、いつものトレーが無くてもできるか。吠えは、知らない音・人・犬がいる場所で吠えるか。できなかったところが、そのまま次の課題になります。
避難所でいちばん困るのは、何ですか?
吠えです。仕切りは段ボールやパーテーション程度で、音は建物の中に響きます。ふだんは犬が平気な方でも、避難生活のストレスで小さな音に過敏になります。いっぽうで犬の側も、飼い主と離れて、知らない場所で、知らない動物がいる部屋に置かれます。不安で鳴くのは当たり前です。だからこそ、クレートが「自分の部屋」になっているかどうかで差が出ます。扉を開けたまま自分から入る段階から始めて、時間を延ばしておいてください。
「合図でトイレ」とは、どういうことですか?
人のタイミングで排泄してもらう、ということです。避難先にはいつものトイレトレーがありません。シートだけ敷いて済ませるか、決められた時間に決められた場所で散歩に出て済ませるか、のどちらかになります。合図が無いと、我慢できてしまう子は我慢し続けて膀胱炎の危険があり、我慢できない子はクレートの中でしてしまいます。そして洗う水がありません。人の水が先に配られるので、犬の洗い水が回ってくるのはかなり後になります。教え方は、おすわりやマテと同じです。
「合図でトイレ」は、どうやって教えますか?
5段階です。①言葉を決める(言いやすければ何でもかまいません)②犬がトイレをしている最中に、その言葉を言う③済んだらほめて「言葉=トイレ=いいことがある」を作る④くり返したら、行きそうなタイミングで先に言葉を出す⑤言葉を出せば行く、になったら完成。難しい練習ではありません。トイレの回数が多い子犬のうちに始めるのがいちばん楽です。回数が多いぶん、練習の機会も多いからです。成犬でも同じやり方で教えられます。
犬用の靴も要りますか?
あると効きます。災害のときは、道なき道を歩くこともあるからです。ただし、履かせたその日に歩ける子は多くありません。だからお出かけのついでに履かせて、慣らしておいてください。持ち出し袋に入れておくだけでは、当日は歩けません。同じことがキャリーにも言えます。当日はじめて入れようとすると入らないので、ふだんの通院やお出かけで使っておいてください。
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まとめ
防災の準備が進まないのは、準備そのものが楽しくないからです。だから旅行やお泊まりを、そのまま予行練習にします。ルールは4つ。ごはんは非常食、水は1人3リットルまで、持ち物は避難用の袋に収まる量、犬はクレートの中で過ごす。初めてなら予備を持って行ってかまいません。できなかったら、なぜ無理だったかを書き留める。それが次に用意するものの一覧になります。泊まってみると、犬の課題は3つに絞られます。クレート・トイレ・吠え。環境省が避難所で必要だとしている3つと、そのまま重なります。車中泊も試しておく価値があります。避難所でペットを受け入れていない場合があるからです。ただしエコノミークラス症候群と熱中症は、2004年と2016年に繰り返し問題になっています。足を動かす時間、水、温度を先に決めてください。この記事でいちばんお伝えしたいのは「合図でトイレ」です。避難先にいつものトレーはありません。人のタイミングで排泄してもらう必要が出てきます。合図が無いと、我慢し続けるか、クレートの中でしてしまうかで、しかも洗う水がありません。教え方はおすわりやマテと同じで、している最中に言葉を言い、済んだらほめる。それだけです。
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