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犬と避難するタイミング|警戒レベル3で動く理由
公開日:2024年9月6日(金) 更新日:2026年10月6日(火) その他
この記事の要点
犬と避難するなら、警戒レベル3で動き始めます。犬がいると、探して、捕まえて、入れて、荷物を持って、と手順が増えるからです。気象庁の資料も、レベル3では高齢者等以外の方も準備を始めるようにとしています。逃げ遅れる仕組みと、情報の取り方もまとめます。
犬と暮らしていると、避難を始めるタイミングが、人だけのときとは変わります。準備に時間がかかるからです。
この記事では、いつ動き始めるかと、どこから情報を取るかを書きます。持ち物の一覧や避難所での過ごし方は別の記事にまとめてあるので、ここは「判断」のところに絞ります。
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子犬を見る犬と逃げるなら、警戒レベル3で動き始めます
まず、5段階の警戒レベルを確認します。
| レベル | 情報 | とるべき行動 |
|---|---|---|
| 1 | 早期注意情報 | 災害への心構えを高める |
| 2 | 注意報 | ハザードマップ等で、災害が想定されている区域・避難先・避難経路を確認する |
| 3 | 高齢者等避難 | 高齢者等は危険な場所から避難 |
| 4 | 避難指示 | 危険な場所から全員避難 |
| 5 | 緊急安全確保 | 災害が発生または切迫。命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保 |
レベル3は「高齢者等避難」で、対象は高齢の方、障害のある方、妊娠中の方、乳幼児を連れた方など、避難に時間がかかる人です。
ここで見てほしいのは、同じ資料に書かれているもう一文です。「高齢者等以外の方も普段の行動を見合わせ始めたり、キキクルや河川の水位情報等を用いて避難の準備をしたり自ら避難の判断をしたりしてください」。
つまりレベル3は、高齢者等以外にとっても「準備を始める合図」です。そして犬を連れての避難は、確実に時間がかかります。
| 犬がいると増える手順 |
|---|
| 犬を探して捕まえる(怖がって隠れていることがある) |
| リードと首輪を着ける。キャリーに入れる |
| 犬の持ち出し袋を持つ(人のぶんと合わせて両手がふさがる) |
| 歩く速度が落ちる。抱かなければならないこともある |
| 途中で犬が止まる・怖がる |
初めての被災で、不安と恐怖のなかを、ふだんの散歩と同じ速さで歩ける方はほとんどいません。だからレベル3で動き始めます。
もうひとつ、覚えておいてほしいことがあります。同じ資料は「多くの場合、防災気象情報は自治体が発令する避難指示等よりも先に発表されます」とし、レベル3や4に相当する気象情報が出た時点で「避難指示等が発令されていなくても…自ら避難の判断をしてください」としています。発令を待たなくてよいということです。
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逃げ遅れるのは、性格ではなく人間の機能です
正常性バイアスという言葉があります。予期せぬ事態や強いストレスに直面したとき、心を落ち着かせようとする人間の働きのことです。
ふだんは役に立つ機能ですが、災害のときだけは逆に働きます。
| 出てくる考え | 実際に起きていること |
|---|---|
| 「みんな逃げていないから、まだ大丈夫」 | まわりも同じことを考えている。人数が多いほど強く働く |
| 「ここは何十年も被害が出ていない」 | 過去の記録は、今回の保証にならない |
| 「まさか自分が巻き込まれるわけがない」 | 事態を過小評価している |
大事なのは、これは気の緩みでも性格でもないということです。誰にでも働きます。だから、気持ちで乗り越えようとしないでください。「レベル3が出たら準備を始める」と、先に決めておくほうが確実です。
もし余裕があれば、レベル3が出たときに近所の方へも声をかけてください。誰かが動き始めると、正常性バイアスは弱まります。
情報は、2種類に分けて取ります
災害のときは、情報が多すぎて、かえって判断できなくなります。出どころで分けてください。
| 種類 | どこから | 使い方 |
|---|---|---|
| 命に関わる判断 | 自治体(市区町村)の発表、気象庁、ラジオ、テレビ | 避難するかどうか、どこへ行くか。ここは出どころが確かなものだけを見る |
| まわりの状況 | 交流サイトなど | 近所の道が通れるか、店が開いているか。参考にとどめる |
交流サイトは速い代わりに、確かめられていない情報や、不安をあおるだけの投稿が混ざります。全部を信じるのでも、全部を無視するのでもなく、使い分けてください。
ラジオは、停電しても電池で動きます。スマートフォンの充電が切れたあと、残る情報源になります。持ち出し袋に1台入れておくと効きます。
知っておくと効く7つ
| 中身 | |
|---|---|
| ペットシーツは何にでも使える | 犬の排泄だけのものではありません。おねしょ防止、出血しているところを押さえる、人のトイレの処理。「犬用」と決めずに持つと、数の目安が変わります |
| アンダーパスは避ける | 線路や道路の下をくぐる道は、真ん中がいちばん低いので、大雨のとき水が集まって冠水します。避難経路にアンダーパスが入っているなら、別のルートを決めておいてください |
| 迷子札と鑑札は首輪に着けたまま | マイクロチップは読み取る機械が要ります。災害のときは、その機械にたどり着くまでに時間がかかります。目で読める情報が、いちばん早いです |
| ガムテープを1つ | クレートの補修に使えます。書いて貼ればメモになります。段ボールがあれば、トイレのスペースや囲いも作れます |
| ローリングストック | 使ったぶんだけ買い足す。期限切れを防げるうえ、中身を把握し続けられるので、抜けが出ません |
| 小分けにして入れる | ペットシーツなどは、ぬれたときの被害を分けられます。防水の袋なら、水を入れる容器にも、においを閉じる袋にもなります |
| クレートに情報を貼っておく | ふだん使っているクレートに、犬の情報を書いたメモを貼っておきます。一緒に避難できなかったとき、見つけた人が対応できます |
この中でいちばん軽くて、いちばん効くのが迷子札です。名前、犬種、持病、飼い主の名前と連絡先。首輪に着けておくだけで、はぐれたときに戻ってくる確率が変わります。
ノミ・ダニ予防と体温調整|避難所で断られないために
意外と知られていないことを書きます。避難所で、ワクチンやノミ・ダニ予防をしていることの証明を求められることがあります。
避難所は多くの人と動物が集まる場所なので、感染症が広がりやすくなります。だから最低限のルールを設けている施設があり、予防ができていないと断られることがあります。
| 用意しておくもの | なぜ |
|---|---|
| 混合ワクチンの接種証明 | 提示を求められることがある。ペットホテルやトリミングも同じ |
| 狂犬病の注射済票 | 首輪に着けておく |
| ノミ・ダニ予防の記録 | 忘れているだけなら、かかりつけの獣医師に相談する |
もうひとつ、災害時に効いてくるのが体温調整です。寒ければ体温が下がって体調を崩しやすくなり、暑ければ脱水や熱中症になります。どちらも命に関わります。
持ち出し袋には、季節に合わせたものを入れてください。夏は保冷剤と多めの水、冬はタオルと毛布。だから袋は半年に1回、開けて入れ替えます。
パニックが起きる条件と、そのときの動き方
外出先で災害に遭うと、出入口のあたりに人が集まります。人がパニックに陥りやすいのは、次の条件がそろったときだとされています。
| 条件 |
|---|
| 危険が迫っているとき |
| 全員が脱出するのが難しいとき |
| それでも脱出できる可能性があるとき |
| 正常なやりとりができなくなっているとき |
犬を連れているときは、ここに「犬が押される」「リードが引っかかる」「犬が驚いて逃げる」が加わります。人の流れにそのまま入るのが、いちばん危ない形です。
| やること | 中身 |
|---|---|
| 1|まず深呼吸する | 不安と恐怖のなかでは正常な判断ができません。一度止まるだけで変わります |
| 2|状況を見る | どこが危ないか、どこへ逃げるか、何を置いていくか |
| 3|犬を抱くか決める | 小型犬なら抱くかキャリーへ。人の足のあいだで踏まれないようにする |
| 4|人の流れから外れる | 出入口に殺到する流れに入らない。少し待つか、別の出口を探す |
| 5|決めた場所へ向かう | あらかじめ指定された避難場所にこだわらず、そのとき最善の場所へ |
5つめは、気象庁の資料にも書かれています。「避難にあたっては、あらかじめ指定された避難場所へ向かうことにこだわらず、川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するなど、自らの判断でその時点で最善の安全確保行動をとることが重要です」。
フローエンスはブリーダー直販で、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。レベル3で動き始めるには、その時間で犬を捕まえてキャリーに入れられることが前提になります。いま何分かかるか、一度はかってみてください。そのうえで長すぎるようなら、どこを練習するかをお伝えできます。専門トレーナーのトレーナーダイヤルへどうぞ。
よくある質問
犬と避難するとき、いつ動き始めればいいですか?
警戒レベル3で動き始めてください。レベル3は「高齢者等避難」で、対象は高齢の方、障害のある方、妊娠中の方、乳幼児を連れた方など、避難に時間がかかる人です。ここで見てほしいのは、気象庁の資料に書かれているもう一文で、「高齢者等以外の方も普段の行動を見合わせ始めたり、キキクルや河川の水位情報等を用いて避難の準備をしたり自ら避難の判断をしたりしてください」とあります。つまりレベル3は、全員にとって準備を始める合図です。そして犬がいると、探して捕まえて、リードや首輪を着けて、キャリーに入れて、荷物を持って、歩く速度が落ちて、と手順が増えます。初めての被災で、ふだんの散歩と同じ速さで歩ける方はほとんどいません。
避難指示(レベル4)が出るまで待ったほうがいいですか?
待たなくてかまいません。気象庁の資料は「多くの場合、防災気象情報は自治体が発令する避難指示等よりも先に発表されます」とし、レベル3や4に相当する気象情報が発表された時点で「避難指示等が発令されていなくてもキキクルや河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断をしてください」としています。発令を待つ必要はない、とはっきり書かれています。とくに犬を連れている場合は、準備の時間が必要なので、早いほうが安全です。
「まだ大丈夫」と思ってしまうのは、気の緩みですか?
違います。正常性バイアスという、人間の機能です。予期せぬ事態や強いストレスに直面したとき、心を落ち着かせようとする働きで、ふだんは役に立ちます。ところが災害のときだけ逆に働いて、「みんな逃げていないから、まだ大丈夫」「ここは何十年も被害が出ていない」「まさか自分が巻き込まれるわけがない」と、事態を過小評価させます。しかも人数が多いほど強く働きます。だから気持ちで乗り越えようとしないでください。「レベル3が出たら準備を始める」と先に決めておくほうが確実です。余裕があれば、近所の方にも声をかけてください。誰かが動き始めると、この働きは弱まります。
災害のとき、どこから情報を取ればいいですか?
2種類に分けてください。命に関わる判断(避難するかどうか、どこへ行くか)は、自治体の発表、気象庁、ラジオ、テレビ。出どころが確かなものだけを見ます。まわりの状況(近所の道が通れるか、店が開いているか)は交流サイトも使えますが、参考にとどめてください。速い代わりに、確かめられていない情報や、不安をあおるだけの投稿が混ざります。全部を信じるのでも、全部を無視するのでもなく、使い分けです。あわせて、ラジオを1台。停電しても電池で動くので、スマートフォンの充電が切れたあとに残る情報源になります。
持ち出し袋に入れておくと効くものはありますか?
7つ挙げます。ペットシーツは犬の排泄だけのものではなく、おねしょ防止、出血しているところを押さえる、人のトイレの処理にも使えます。ガムテープは、クレートの補修に使えて、書いて貼ればメモになり、段ボールがあればトイレのスペースも作れます。備蓄は使ったぶんだけ買い足すローリングストックにすると、期限切れを防げるうえ中身を把握し続けられます。ペットシーツなどは小分けにすると、ぬれたときの被害を分けられます。防水の袋なら水の容器にも、においを閉じる袋にもなります。そしてクレートに犬の情報を書いたメモを貼っておくと、一緒に避難できなかったときに見つけた人が対応できます。
マイクロチップがあれば、迷子札は要りませんか?
要ります。マイクロチップは読み取る機械が必要で、災害のときはその機械にたどり着くまでに時間がかかります。目で読める情報が、いちばん早いです。迷子札には、名前、犬種、持病、飼い主の名前と連絡先を。狂犬病の注射済票と鑑札も首輪に着けたままにしておいてください。いちばん軽くて、いちばん効く備えです。
避難所で、ワクチンの証明を求められることはありますか?
あります。避難所は多くの人と動物が集まる場所なので、感染症が広がりやすくなります。だから最低限のルールを設けている施設があり、予防ができていないと断られることがあります。用意しておくのは、混合ワクチンの接種証明、狂犬病の注射済票(首輪に着けておく)、ノミ・ダニ予防の記録です。忘れているだけなら、かかりつけの獣医師に相談してください。あわせて体温調整も大事です。寒ければ体温が下がって体調を崩しやすく、暑ければ脱水や熱中症になります。持ち出し袋には季節に合わせたものを入れて、半年に1回は入れ替えてください。
外出先で被災したら、どう動けばいいですか?
まず深呼吸してください。不安と恐怖のなかでは正常な判断ができません。一度止まるだけで変わります。そのあと、どこが危ないか、どこへ逃げるか、何を置いていくかを見ます。小型犬なら抱くかキャリーへ入れて、人の足のあいだで踏まれないようにしてください。そして、出入口に殺到する人の流れには入らないこと。少し待つか、別の出口を探します。気象庁の資料は「避難にあたっては、あらかじめ指定された避難場所へ向かうことにこだわらず、川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するなど、自らの判断でその時点で最善の安全確保行動をとることが重要です」としています。
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まとめ
犬と避難するなら、警戒レベル3で動き始めます。レベル3は「高齢者等避難」ですが、気象庁の資料は「高齢者等以外の方も普段の行動を見合わせ始めたり…避難の準備をしたり自ら避難の判断をしたりしてください」としています。全員にとって準備の合図です。犬がいると、探して捕まえて、リードを着けて、キャリーに入れて、荷物を持って、歩く速度が落ちる、と手順が増えます。だから早く動きます。避難指示を待つ必要もありません。同じ資料は、気象情報は避難指示より先に出るので、発令されていなくても自ら判断するように、としています。「まだ大丈夫」と思ってしまうのは正常性バイアスで、気の緩みではなく人間の機能です。人数が多いほど強く働きます。だから気持ちで乗り越えようとせず、「レベル3が出たら準備」と先に決めておいてください。情報は2種類に分けます。命に関わる判断は自治体・気象庁・ラジオ・テレビ。まわりの状況は交流サイトも使えますが参考にとどめます。停電に備えてラジオを1台。持ち出し袋では、ペットシーツは犬用と決めずに、ガムテープを1つ、備蓄はローリングストック、小分けにして防水の袋へ、クレートに情報を貼っておく。いちばん軽くていちばん効くのは迷子札です。マイクロチップは読み取る機械が要ります。そして、避難所ではワクチンやノミ・ダニ予防の証明を求められることがあります。
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