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【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|マテの教え方と犬同士
公開日:2024年9月6日(金) 更新日:2026年10月6日(火) 犬の育て方
この記事の要点
岳くんの41日目から54日目までの記録です。おすわりとマテは合図だけでできるように、伏せはまだ誘導が必要。友人宅へ泊まり、先住犬以外の犬と初めて遊んで、しつこくして叱られました。2か月目の評価と、動かなかった項目の読み方も書きます。
生後57日で迎えたポメラニアンの岳くんに、ドッグトレーナーが密着した記録の4回目です。この記事は41日目から54日目(7〜8週目)と、2か月目の評価を扱います。
この2週間で大きかったのは2つです。おすわりとマテが合図だけでできるようになったこと。そして先住犬以外の犬と初めて遊んで、しつこくして叱られたことです。
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ポメラニアンの子犬を見る岳くんのことと、前回までのあらすじ
| 名前 | 岳(がく) |
|---|---|
| 犬種 | ポメラニアン |
| 性別 | 男の子 |
| 生年月日 | 2024年2月29日 |
| この記事の範囲 | 41日目〜54日目(生後97日〜110日・おおよそ生後14〜16週) |
| 暮らす家 | ドッグトレーナーの家。先住の大型犬2頭と猫1頭がいる |
| 目指しているところ | 将来は室内でのフリー(サークルに入れずに過ごす) |
前回は27日目から40日目まででした。33日目に2回目の混合ワクチン、そのころクレートの中にベッドを入れたら、クレートで寝るようになりました。38日目に初めての電車で片道2時間、39日目は親戚の集まりで大勢の人に会っています。
前回はこちらです↓
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|電車デビューの手順
ポメラニアンの子犬(124頭)
41日目〜47日目|おすわり・マテ・伏せ
| 日 | その日にあったこと | やったこと |
|---|---|---|
| 41日目 | おすわり・マテ・伏せの練習。おすわりとマテは、誘導なしで合図だけでできるようになった。伏せはまだ誘導が必要 | 抱っこでホームセンターへ。人と音の多い場所に慣らした |
| 42〜47日目 | 特に記載することはなし | 基礎の練習を続けた |
この週の柱は失敗させないことでした。成功体験を積むと犬に自信がつきます。ここでいう成功とは、合図と行動がイコールになることです。まだ完璧でない段階なら、誘導して失敗の可能性を減らします。
伏せが「まだ誘導が必要」なときの次の一手
おすわりとマテが合図だけでできて、伏せだけ残る。これはよくある止まり方です。伏せは、おすわりより体の動きが大きいぶん時間がかかります。
アメリカンケネルクラブは、伏せの教え方を3通り挙げています。
| やり方 | 中身 |
|---|---|
| 誘導する | おすわりの姿勢から、鼻先のおやつを前足のあいだへ下ろし、そのまま床に沿って前へ引く。ほぼエルの字を描く動きです |
| 少しずつ近づける | 床を見る→頭を床へ→肘を曲げる→伏せる、と小さく分けて、ひとつずつほめる。簡単にしすぎるくらいでちょうどよいです |
| 出たところを捕まえる | 自分から伏せた瞬間にほめて、伏せたままごほうび。出る回数が増えてきたら、伏せる直前に言葉を付ける |
誘導から合図だけへ移るときは、おやつを持たない空の手で同じ動きをするところを挟みます。手の動き(床へ下ろす動き)がそのまま手の合図になります。手の合図で伏せるようになってから、その1秒前に言葉を言います。
2つだけ、やってはいけないことがあります。ひとつは押して伏せさせないこと。押すと犬は逆に立とうとして抵抗しますし、伏せそのものが嫌なものになります。もうひとつはごほうびを起き上がってから渡さないこと。渡すのは伏せたままの姿勢のときです。起きてから渡すと、一瞬伏せてすぐ起きる形が身につきます。
コツもあります。練習は犬が疲れているとき(散歩や遊びのあと)のほうが入ります。小型犬なら床に座って自分の脚で橋を作り、その下をくぐらせると、おやつを取るために自然と伏せの形になります。
マテは「失敗させない」で作る
41日目のメモに、この記録でいちばん大事なことが書いてあります。解除する前に動いてしまうなら、その犬にとってそれは長すぎる時間だった。だから1秒ずつでいいので、失敗させずに延ばしていく。
マテの手順も、同じ考え方で組まれています。順番に見ていきます。
先に教えるのは「終わり」の合図です
意外に思われるかもしれませんが、マテより先に「もう動いていいよ」の言葉を教えます。これが無いと、犬はいつ終わったのか分からず、自分で判断して動くようになります。
やり方は、おすわりか伏せをさせて1秒でおやつ、すぐに終わりの言葉、動いたらほめる。これだけです。終わりの言葉によく使われるのは「オーケー」「フリー」などですが、「オーケー」は日常会話でうっかり言ってしまうので、間違って解除されないよう気をつけてください。
3つを、一度にひとつずつ足す
マテを難しくする要素は3つあります。時間・距離・気を散らすもの。足すのは、必ずひとつずつです。
| 順番 | やること | 次へ進む目安 |
|---|---|---|
| 1|時間 | おすわりか伏せ→手のひらを前に出す止まれの合図と言葉→1〜2秒でおやつ→終わりの言葉。数秒ずつ延ばす | まず30秒 |
| 2|気を散らすもの | 小さなもの(手をたたく)から。大きなもの(ボールを投げる)へ | 気を散らすものがある中で30秒 |
| 3|距離 | 1歩下がってすぐ戻っておやつ→終わりの言葉。2歩、3歩と増やし、部屋の端まで | 部屋の端から戻れる |
新しい要素を足すときは、ほかの要求を下げます。2分待てる犬でも、気を散らすものがある場面では数秒からやり直す。これが失敗させないということです。
ごほうびは「待っている最中」に渡します
ここを間違えている方がとても多いところです。終わりの合図がごほうびになってしまうと、自分で解除する犬になります。だからおやつは、待っている最中に渡します。
10秒以上待てるようになったら、待っている途中で何度かおやつを渡し、合図を言い直して「まだ終わっていない」と伝えてください。そもそもマテは犬にとって退屈な作業です。退屈な時間の中にごほうびが入るから、続けられます。
距離を足すときも同じで、必ず犬のところへ戻ってから解除します。遠くから解除すると、待っている最中にごほうびを渡せませんし、「この距離まで離れたら行っていい」を覚えてしまいます。
途中で動いてしまったときは、叱らないでください。犬を罰せず、たいていは人が体の動きで誘ってしまったか、要求が多すぎたのが原因です。合図を出し直して、数段階戻ります。
そして、練習の場を作らなくてもいい方法があります。ごはんの前に1秒。岳くんもここから始めました。日常の中にきっかけを埋め込むと、1日に何度も練習できます。
48日目〜54日目|友人宅へお泊りと、先輩犬に叱られた話
| 日 | その日にあったこと | やったこと |
|---|---|---|
| 48〜49日目 | 友人宅へお泊り。車で約40分、休憩なしでトイレの失敗なし。ジャックラッセルテリアの先輩犬2頭(9歳と5歳)と遊んだ。先住犬以外との初めての交流 | 寝るとき以外はフリー。オムツを着用した |
| 50日目 | 自宅のサークルを拡張。拡張後もトイレの失敗なし | 自力でトイレへ行ける範囲で広げた |
| 51日目 | 特に何もなく過ごした | — |
| 52〜53日目 | 用事があり実家で留守番。車で約1時間半、休憩なしで失敗なし。52日目は3時間、53日目は9時間の留守番 | — |
| 54日目 | 特に何もなく過ごした | — |
53日目の9時間は、記録として残しますが真似しないでください
52日目の3時間は、月齢どおりです。問題は53日目の9時間です。
同じ説明が挙げている、ひとりにしてよい時間の目安はこうです。生後10週未満は1時間、生後10〜12週は2時間、3か月は3時間、4か月は4時間、5か月は5時間、6か月は6時間、6か月を超えると最大6〜8時間。同じ説明は「生後3か月になると、たいてい月齢1か月につき1時間ずつ我慢できるようになる」としています。
53日目の岳くんは生後109日、およそ3か月半です。目安は3〜4時間。9時間はその倍以上で、6か月を超えた成犬の上限(6〜8時間)よりも長い時間でした。失敗しなかったのは結果であって、9時間が適切だったという意味ではありません。
長い外出があるときは、途中で誰かに来てもらう・ペットシッターに頼む・預ける、のどれかを先に用意してください。留守番の長さは、犬に試させるものではなく、人の側で区切るものです。
先輩犬に「いい加減にしろ」と言われた
48日目、友人宅でジャックラッセルテリアの先輩犬2頭(9歳と5歳)と遊びました。先住犬以外との初めての交流でしたが、挨拶はきちんとできています。ここまでの社会化が実った場面でした。
そのあと、岳くんがしつこく遊びに誘いすぎて、先輩犬に叱られました。これが初めての「叱られた経験」です。理由もはっきりしています。家の先住犬2頭は大型で性格も穏やかなので、岳くんのいたずらやちょっかいを無抵抗で受け流していたからです。
叱られたあと、岳くんは「しつこくするのはだめなんだ」と自分で気づき、誘い方を変えて、最後は楽しく遊んでいました。
犬同士でしか学べないこと、学べないままになること
犬のやりとりのルールは、人が教えられません。相手の犬が「やめて」と言い、それが伝わることでしか身につかないものがあります。岳くんの48日目は、まさにそれが起きた日でした。
ただし、ここは書き方をひとつ間違えると危ないところなので、はっきりさせておきます。大事なのは「叱られること」ではありません。「やめてと言える犬に会えたこと」です。
同じ説明は唸りについて、噛む前に気持ちを伝える価値の高い警告だとし、「警告なしに襲う犬のほうが、不快をはっきり伝える犬よりもはるかに危険だ」としています。9歳と5歳の落ち着いた成犬が、届く形で「もうやめて」を伝えてくれた。相手がそういう犬だったから成立しています。
| 会わせる相手の条件 | なぜ |
|---|---|
| 飼い主が性格を知っている犬 | 初対面同士では、どちらの限界も分からない |
| 落ち着いた成犬 | 加減を知っている。子犬同士だと止まらずに興奮が上がる |
| 逃げ場のある場所 | 逃げられない状況は、唸りではなく歯が出る理由になる |
| 人が2人以上いる | 止めるときに、それぞれの犬を別々に離せる |
| 短く終える | 疲れてくると、遊びが遊びでなくなる |
遊びか、そうでないかの見分け方
見ている人が判断できないと、止めどきが分かりません。見分け方はこうです。
| 遊んでいるとき | そうでないとき |
|---|---|
| 前足を低くしたお辞儀の姿勢(プレイバウ)が出る | 体が硬直する |
| 弾むような大げさな動き。うなり声も大げさ | 背中の毛が逆立つ |
| 口を大きく開けた表情 | 低い警告のうなり。口を閉じる。唇をめくる |
| 役割を交代する(追う・追われるが入れ替わる。わざと捕まる) | 耳を後ろに倒す |
| 離れても、また自分から戻ってくる | 動きが速く無駄がない(弾まない) |
| — | 負けた側がその場に留まらず、離れようとする |
最後の行が、いちばん分かりやすい目印です。離れていった犬が、また自分から戻ってくるなら遊び。戻ってこないなら、もう遊びではありません。
止めるときの注意もあります。首輪をつかんだり、体のどの部分も使っても、犬を引き離そうとしないでください。噛まれます。大きな音を出す、水をかける、犬のあいだに物理的な仕切りを入れる、のどれかで離してください。
やさしい犬とばかり遊ぶと、やめ方を覚えません
岳くんの記録で見逃せないのは、家の先住犬2頭が無抵抗だったので、この日まで叱られた経験が無かったという点です。多頭飼いだから犬同士のルールが身につく、とは限りません。相手がずっと受け流してくれる犬なら、やめ方を覚える機会そのものが無いということです。
そして、唸られたときに人がやってはいけないことがひとつあります。唸りを叱らないでください。同じ説明は、罰で音は止められても原因の気持ちは消えないとし、唸って罰された犬は唸らないまま不快でいるようになると書いています。人は「大丈夫だ」と思い込みますが、警告が消えただけです。しかも罰が相手の犬と結びついて、他の犬への嫌な気持ちがかえって強くなります。
2か月目の評価|1か月目から何が動いたか
トレーナーが作った7項目のものさしで、2か月目を出します。0から5までの6段階で、各段階の基準は前回の記事に表で載せています。
| 項目 | 1か月目 | 2か月目 | 動き |
|---|---|---|---|
| 生活(いたずら) | 2 / 5 | 3 / 5 | +1 |
| トイレ | 2 / 5 | 2 / 5 | — |
| お散歩 | 0 / 5 | 0 / 5 | — |
| 吠え(要求) | 3 / 5 | 3 / 5 | — |
| 吠え(警戒) | 3 / 5 | 3 / 5 | — |
| 噛み | 3 / 5 | 4 / 5 | +1 |
| 基本トレーニング | 0 / 5 | 3 / 5 | +3(伏せ以外) |
この表の本当の使いどころは、動かなかった行のほうです。
| 動かなかった項目 | 止まっている理由 | 次にやること |
|---|---|---|
| トイレ 2のまま | 2は「生活する場所の中ならほぼ成功(成功率90%以上)」。3は「タイミングを見て合図を出せば、トイレに行ってする」。つまり合図をまだ教えていない | 行きそうなタイミングで同じ言葉をかけ、済んだらほめる |
| お散歩 0のまま | 0は「室内でリードや首輪を意識せず過ごせる」。ここから動いていない=まだ地面を歩く散歩を始めていない | 1(屋外で問題なく歩ける。リードが張ってもよい)へ。次の1か月の宿題はここ |
| 吠え 3のまま | 3は「人がいる環境で単発的に吠えてしまう」。4は「刺激の少ない環境なら1日を通して吠えずに過ごせる」 | 吠えた場面を記録して、何に反応しているかを絞る |
動かない項目は、悪いのではありません。まだ手をつけていないだけです。ここが数字にしておくことの効き目で、「なんとなく良くなった気がする」では絶対に見えません。
基準の表は前回の記事にあります↓
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|3〜4週目と評価表
フローエンスはブリーダー直販で、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。「どの項目が止まっているか」が分かると、次の1か月に何をするかが決まります。止まっている項目と、いまの段階を教えていただければ、次の一手をお伝えできます。専門トレーナーのトレーナーダイヤルへどうぞ。
続きはこちらです↓
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|動物病院に慣らす
よくある質問
「マテ」はどうやって教えますか?
先に「終わり」の合図を教えてください。これが無いと、犬はいつ終わったのか分からず、自分で判断して動くようになります。おすわりか伏せをさせて1秒でおやつ、すぐに終わりの言葉、動いたらほめる。よく使われるのは「オーケー」「フリー」などですが、「オーケー」は日常会話でうっかり言ってしまうので気をつけてください。そのあと、マテを難しくする3つの要素を、ひとつずつ足していきます。時間・距離・気を散らすもの。まず時間だけで30秒。次に気を散らすもの(手をたたく、から、ボールを投げる、へ)。それが30秒できたら距離(1歩下がってすぐ戻る、から、部屋の端まで)。新しい要素を足すときは、ほかの要求を下げます。2分待てる犬でも、気を散らすものがある場面では数秒からやり直してください。
マテの途中で動いてしまいます。どうすればいいですか?
その犬にとって、要求が長すぎたか難しすぎたということです。岳くんの記録にも「解除する前に動いてしまう場合は、ワンちゃんにとってそれは長い時間になっている」とあります。1秒ずつでいいので、失敗させずに延ばしてください。犬を罰せず、たいていは人が体の動きで誘ってしまったか、要求が多すぎたのが原因です。後ろに下がると犬はついて来たがるので、人の動きが誘っていることも多いです。合図を出し直して、数段階戻ってください。なお、ごほうびは待っている最中に渡します。終わりの合図がごほうびになってしまうと、自分で解除する犬になります。距離を足すときも、必ず犬のところへ戻ってから解除してください。
「伏せ」だけ、手で誘導しないとできません。
伏せはおすわりより体の動きが大きいぶん、時間がかかります。教え方は3通りです。ひとつは誘導で、おすわりの姿勢から鼻先のおやつを前足のあいだへ下ろし、そのまま床に沿って前へ引きます(ほぼエルの字を描く動きです)。ふたつめは少しずつ近づける方法で、床を見る→頭を床へ→肘を曲げる→伏せる、と小さく分けてひとつずつほめます。みっつめは、自分から伏せた瞬間をほめて、増えてきたら伏せる直前に言葉を付ける方法です。誘導から合図だけへ移るときは、おやつを持たない空の手で同じ動きをするところを挟みます。その手の動きがそのまま手の合図になります。そして、押して伏せさせないでください。押すと逆に立とうとして抵抗し、伏せそのものが嫌なものになります。
伏せがすぐ解けてしまいます(一瞬伏せて起き上がる)。
ごほうびを渡すタイミングが原因のことが多いです。起き上がってから渡すと「一瞬伏せてすぐ起きる」形が身につきます。渡すのは、伏せたままの姿勢のときです。あわせて、練習は犬が疲れているとき(散歩や遊びのあと)のほうが入ります。小型犬なら床に座って自分の脚で橋を作り、その下をくぐらせると、おやつを取るために自然と伏せの形になります。
子犬をひとりにしていい時間は、どれくらいですか?
同じ説明の目安は、生後10週未満は1時間、生後10〜12週は2時間、3か月は3時間、4か月は4時間、5か月は5時間、6か月は6時間、6か月を超えると最大6〜8時間です。同じ説明は「生後3か月になると、たいてい月齢1か月につき1時間ずつ我慢できるようになる」としています。岳くんは53日目に9時間の留守番をしていますが、そのとき生後109日(およそ3か月半)で、目安は3〜4時間でした。9時間は、6か月を超えた成犬の上限よりも長い時間です。失敗しなかったのは結果であって、適切だったという意味ではありません。長い外出があるときは、途中で誰かに来てもらう、ペットシッターに頼む、預ける、のどれかを先に用意してください。留守番の長さは、犬に試させるものではなく、人の側で区切るものです。
よその犬と遊ばせたほうがいいですか? 叱られる経験は必要ですか?
犬同士のやりとりのルールは人が教えられないので、犬と会う機会は要ります。ただし、大事なのは「叱られること」ではなく「やめてと言える犬に会えたこと」です。同じ説明は唸りについて、噛む前に気持ちを伝える価値の高い警告だとし、「警告なしに襲う犬のほうが、不快をはっきり伝える犬よりもはるかに危険だ」としています。岳くんが叱られた相手は9歳と5歳の落ち着いた成犬で、届く形で「もうやめて」を伝えてくれました。相手がそういう犬だったから成立しています。会わせる相手は、飼い主が性格を知っている犬、落ち着いた成犬、逃げ場のある場所、人が2人以上いる、短く終える。この5つを満たすところから始めてください。
遊んでいるのか、喧嘩なのか分かりません。
見分け方はこうです。遊びのサインは、前足を低くしたお辞儀の姿勢(プレイバウ)が出る、弾むような大げさな動き(うなり声も大げさ)、口を大きく開けた表情、役割を交代する(追う・追われるが入れ替わる。わざと捕まる)、離れてもまた自分から戻ってくる。そうでないときのサインは、体が硬直する、背中の毛が逆立つ、低い警告のうなり・口を閉じる・唇をめくる、耳を後ろに倒す、動きが速く無駄がない(弾まない)、そして負けた側がその場に留まらず離れようとする。いちばん分かりやすいのは最後で、離れていった犬がまた自分から戻ってくるなら遊び、戻ってこないならもう遊びではありません。止めるときは「首輪をつかんだり、体のどの部分も使って犬を引き離そうとしない」でください。大きな音、水、犬のあいだに物理的な仕切りを入れる、のどれかです。
犬が唸ったら、叱ったほうがいいですか?
叱らないでください。同じ説明は、罰で音は止められても原因の気持ちは消えないとしています。唸って罰された犬は、唸らないまま不快でいるようになります。人は「大丈夫になった」と思い込みますが、警告が消えただけで、次は警告なしに出ます。しかも罰が相手の犬と結びついて、他の犬への嫌な気持ちがかえって強くなります。やることは、その場で犬が安全に感じられるようにすること(道を渡る、その場を出る、距離を空ける)、次に引き金を管理すること、そして必要なら専門家に相談することです。
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まとめ
岳くんの41日目から54日目までの記録です。この2週間で大きかったのは2つ。おすわりとマテが合図だけでできるようになったことと、先住犬以外の犬と初めて遊んで、しつこくして叱られたことです。マテの芯は、解除する前に動いてしまうなら、その犬にとってそれは長すぎた、ということです。1秒ずつでいいので失敗させずに延ばします。先に教えるのは「終わり」の合図。これが無いと犬が自分で解除するようになります。難しくする要素は時間・距離・気を散らすもの の3つで、足すのはひとつずつ。新しいものを足すときは、ほかの要求を下げます。ごほうびは待っている最中に渡してください。終わりの合図がごほうびになると、自分で解除する犬になります。動いてしまっても叱りません。伏せが誘導のままで止まっているなら、空の手で同じ動きをするところを挟んで、手の合図へ移します。押して伏せさせないこと、ごほうびは伏せたままの姿勢で渡すことの2つを守ってください。53日目の9時間の留守番は、記録として残しますが真似しないでください。そのとき生後3か月半で、目安は3〜4時間。9時間は6か月を超えた成犬の上限よりも長い時間です。先輩犬に叱られた話でいちばん大事なのは、叱られたことではなく、やめてと言える犬に会えたことです。警告なしに襲う犬のほうが、不快をはっきり伝える犬よりもはるかに危険です。相手は選んでください。そして、家の先住犬が無抵抗だったので、この日まで叱られた経験がありませんでした。多頭飼いだから犬同士のルールが身につく、とは限りません。2か月目の評価は、生活と噛みが1つずつ、基本トレーニングが3つ上がりました。トイレ・お散歩・吠えは動いていません。動かない項目は悪いのではなく、まだ手をつけていないだけです。



































