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【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|3〜4週目と評価表
公開日:2024年9月6日(金) 更新日:2026年10月6日(火) 犬の育て方
この記事の要点
生後57日で迎えたポメラニアン岳くんの、13日目から26日目までの記録です。サークルを広げる順番、12時間の留守番、抱っこでの外出とスリングの中での粗相。1か月目の評価と、7項目×6段階のものさしも載せます。
生後57日で迎えたポメラニアンの岳くんに、ドッグトレーナーが密着した記録の2回目です。この記事は13日目から26日目(3〜4週目)と、1か月目の評価を扱います。
この2週間は、失敗がほとんど出ませんでした。だから書くことが少ないかというと逆で、「できるようになったあと、何をどの順番で広げるか」がこの時期の中身です。あわせて、記録として残すけれど真似してほしくないこともひとつあります。
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ポメラニアンの子犬を見る岳くんのことと、前回までのあらすじ
| 名前 | 岳(がく) |
|---|---|
| 犬種 | ポメラニアン |
| 性別 | 男の子 |
| 生年月日 | 2024年2月29日 |
| この記事の範囲 | 13日目〜26日目(生後69日〜82日・おおよそ生後10〜12週) |
| 暮らす家 | ドッグトレーナーの家。先住の大型犬2頭と猫1頭がいる |
| 目指しているところ | 将来は室内でのフリー(サークルに入れずに過ごす) |
前回は1日目から12日目まででした。初日はサークルの中で2時間鳴き、2日目は夜中3時間おきに起きてトイレへ促し、4日目には夜に起きる必要がなくなりました。7日目に初めての車で2回吐き、8日目からの帰省先で要求吠えとトイレの失敗が戻り、11日目にまた消えています。
前回はこちらです↓
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|最初の2週間の記録
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13日目〜19日目|サークルを段階的に広げる
| 日 | その日にあったこと | やったこと |
|---|---|---|
| 13〜15日目 | トイレの失敗も吠えもなし | やり方を変えず、そのまま続けた |
| 16日目 | 2度目の長い留守番(12時間)。2回とも自分でトイレを成功した | 前回は使ったままのトレーが汚れていて外でしてしまったので、出かける前に掃除しておいた |
| 17日目 | 居住空間を広げるためサークルを拡張。拡張後の失敗なし | いきなり広くせず、自力でトイレへ行ける範囲で広げた |
| 19日目 | トレーを外し、サークルの床全面をトイレにした。クレートをサークルの中に入れて慣らし始めた | シートにいたずらをしなくなったのを合図にトレーを外した |
16日目の12時間は、記録として残しますが真似しないでください
この密着は「日中も家に面倒を見られる人がいる家庭」を想定しています。そのうえで、たまに長時間の外出があるご家庭のために試した回が16日目です。結果として岳くんはトイレを失敗しませんでした。それでも、12時間は長すぎます。
アメリカンケネルクラブが挙げている、ひとりにしてよい時間の目安です。
| 月齢 | ひとりにできる時間の目安 |
|---|---|
| 生後10週未満 | 1時間 |
| 生後10〜12週 | 2時間 |
| 生後3か月 | 3時間 |
| 生後4か月 | 4時間 |
| 生後5か月 | 5時間 |
| 生後6か月 | 6時間 |
| 生後6か月超 | 最大6〜8時間 |
同じ目安で、生後10週までの子犬は、ふつう1時間より長くは我慢できません。生後10〜12週の犬はだいたい2時間ほど我慢できます。生後3か月になると、たいてい月齢1か月につき1時間ずつ我慢できるようになります。
16日目の岳くんは生後72日、およそ10週です。目安は2時間。12時間はその6倍です。失敗しなかったのは結果であって、12時間が適切だったという意味ではありません。膀胱の問題だけでなく、食事と水、体温、そして何よりひとりで居続ける時間の長さそのものが負担になります。
長い外出があるご家庭は、途中で誰かに来てもらう・ペットシッターに頼む・預けるのどれかを先に用意してください。「留守番できるかどうか」を子犬で試すのではなく、留守番の長さを人の側で区切るのが先です。
広げるのは「できたから」であって「かわいそうだから」ではありません
17日目にサークルを広げました。順番を間違えやすいところなので、はっきり書きます。失敗しなくなったから広げるのであって、狭くてかわいそうだから広げるのではありません。
囲いの広さは、立って向きを変えて楽に伏せられる広さ。ただし、片隅で排泄して別の隅で休めるほど広くはしません。これは失敗させない段階の話です。失敗が出なくなったら、そこから少しずつ広げていきます。
広げ方の目安は「自力でトイレへ行ける範囲まで」。いきなり広げると、トイレまでの距離と、行こうと思ってから着くまでの時間が延びて、間に合わなくなります。そして一度間に合わなくなると、その場所で済ませる形を覚え直してしまいます。広げて失敗が出たら、責めずに一段戻すのが正解です。
19日目|トレーを外して、床を全面トイレにした
合図はシートにいたずらをしなくなったことでした。将来フリーにするのが目標で、先住の犬たちとトイレの場所を同じにしたかったので、トレーを外してサークルの床全面をシートにしています。
このとき置き方に条件があります。クレートとベッドは、トイレからいちばん離れた場所へ置く。床が全面トイレでも、犬は「休む場所」と「する場所」を自分で分けます。その分け方をこちらが用意しておく、という考え方です。
同じ19日目に、クレートをサークルの中へ入れました。まだ練習は始めません。「そこにある」状態に慣らすだけです。教え方の最初は扉を開けたままにして、犬が自分から入ることを大事にします。犬が見ていないときに中へおやつを置いて、見つけさせるのも良い方法です。
20日目〜26日目|おすわりと、はじめての外
| 日 | その日にあったこと | やったこと |
|---|---|---|
| 20日目 | おすわりの練習を開始 | 手で誘導せず、自分から座るのを待って教えた |
| 21日目 | 抱っこでの外出(ホームセンター)。スリングの中でおしっこをした | 地面には降ろさない。時間は気にせず、いろいろな人・音・ものを見せた |
| 22〜26日目 | 変わったことはなし | 同じ生活を続けた |
おすわりを、前回とは別のやり方で教えました
前回の6日目は、おやつを持った手を頭の上へ動かして、鼻で追わせて座らせました。手で誘導するやり方です。20日目はそれをやめて、犬が自分から座るのを待って、座る動きに近づいたところをほめるやり方に変えました。少しずつ目標へ近づけていく教え方です。
| 手で誘導する | 自分から動くのを待つ | |
|---|---|---|
| 形になるまで | 速い。その場でできる | 時間がかかる |
| 犬がしていること | 手を追う | どうしたらほめられるか考える |
| 向いている場面 | まず形を作りたいとき | 落ち着きがない子に、自分で考えて動く習慣をつけたいとき |
| 気をつけること | 手の動きが無いとできない状態で止まりやすい | 待てずに手を出すと、結局は誘導になる |
岳くんは少し落ち着きのない子だったので、後者を選びました。どちらが正しいということではありません。その子に何を身につけてほしいかで選びます。どちらの場合も、できたことにご褒美を返す形で教えます。米国獣医行動学会は2021年の見解で、力・痛み・精神的または身体的な不快に頼る方法は使うべきでないとし、罰を使った方法は攻撃的な行動や不安に関わる行動と関連が見られ、効果の面でも劣るとしています。
21日目|ワクチンが終わる前の「抱っこでの外」
まだ地面を歩かせられない時期です。それでも外へ出したのは、社会化の時計が止まってくれないからです。
犬の社会化期は生後3週から16週までです。同じ学会はさらに絞って「子犬の社会化のいちばん重要な時期は生後3か月まで」とし、この時期は社交性が恐怖を上回るので、新しい人・動物・経験に適応する主要な窓だとしています。21日目の岳くんは生後11週ほど。いちばん重要な時期は、あと2週間ほどしか残っていません。
同じ見解は「ワクチン接種が完了する前に社会化を受けることが、子犬の標準的なケアであるべき」とし、いっぽうでワクチンの状況が分からない犬が多く通る場所は避けるとしています。抱っこやスリングでの外出は、この2つを両立させるやり方です。地面に降ろさず、他の犬と触れさせない。それでも、人・音・においや景色は入ってきます。
| 抱っこの外出で見せたいもの | 具体的に |
|---|---|
| 人 | 年齢も見た目も違う人。帽子・サングラス・傘・杖・車いす |
| 音 | 車、自転車、台車、店内の放送、工事 |
| もの | 大きな看板、自動ドア、カート、のぼり |
| 足もと | 抱っこのままでも、揺れ・段差・エレベーターの動きは伝わる |
岳くんは物おじしない子だったので、時間を気にせず回りました。怖がりな子には、同じやり方をしないでください。子犬には正常な発達として「怖がる時期」があり、1回目は生後8〜11週です。まさにこの時期です。無理に近づけて「怖くない」と教えようとすると、より大きく長く続く恐怖を作りかねません。どこまで近づくかは犬が決める。怖いものを見たらほめておやつ。短く、楽しく終える。その日に克服しなくてよい。これが手順です。
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抱っこ散歩でおしっこをしてしまう
21日目、スリングの中でおしっこをしました。家では自分の行きたいときにトイレへ行けていたのに、です。
考えられることは3つあります。
| 考えられること | 中身 |
|---|---|
| まだ我慢できない月齢 | 生後11週ほど。目安は2時間で、外出はそれより長くなりやすい |
| 自分で行けない状況だった | 家では行きたいときに行けた。抱っこ中は行けない |
| 出かける前に済ませていなかった | 家を出る直前のトイレを日課にしていなかった |
やることは、原因を決めるより先にあります。
| やること | なぜ |
|---|---|
| 出かける直前に必ずトイレを済ませる | 間に合わない時間そのものを短くするため |
| スリングやキャリーにペットシーツを敷く | 失敗しても本人にも人にも被害が出ないようにするため |
| 外出は短く、回数を増やす | 長さより回数のほうが慣れにつながるため |
| 叱らない | スリングを嫌な場所にしないため。次から入るのを嫌がる |
岳くんについては、月齢によるものか、癖になりつつあるのか、この時点では決めていません。1回か2回で「癖だ」と決めると、直しにいく先を間違えます。次の回で、同じことが続くかどうかを見ます。
1か月目の評価|7つの項目で今どこにいるか
トレーナーが作った評価のものさしをもとに、月に一度、7つの項目で今どこにいるかを出します。0から5までの6段階です。
| 項目 | 1か月目 | 目指すところ |
|---|---|---|
| 生活(いたずら) | 2 / 5 | フリーでの生活 |
| トイレ | 2 / 5 | 合図でコントロールできる |
| お散歩 | 0 / 5 | 引っ張りなし |
| 吠え(要求) | 3 / 5 | なし |
| 吠え(警戒) | 3 / 5 | なし |
| 噛み | 3 / 5 | なし |
| 基本トレーニング | 0 / 5 | オスワリ・フセ・マテ・コイ |
お散歩と基本トレーニングの0は、まだ始めていない、という意味です。悪いという意味ではありません。1か月目でこの2つが0なのは、順番どおりです。逆に、生活とトイレが2まで来ているので、次の1か月はここを3へ上げにいきます。
数字にしておくと、「なんとなく良くなった気がする」を避けられます。できていないところも同時に見えるので、次に何をするかが決まります。
評価のものさし|7項目×6段階の基準
上の数字がどういう意味なのか、基準をそのまま載せます。ご家庭の子に当てて使っていただけます。表の中の言葉を先に説明しておきます。
| モチベーター | おやつやおもちゃなど、その子のやる気を引き出すもの |
|---|---|
| 声符(せいふ) | 声で出す合図。「オスワリ」などの言葉のこと |
| 落ち着き | 起きているときでも自ら休む姿勢を取り、精神的にも興奮していない状態 |
生活(いたずら)|目標はフリーでの生活
| 段階 | できていること |
|---|---|
| 0 | サークルの中でベッドやトイレへのいたずらがあり、落ち着きがない |
| 1 | サークルの中でいたずらはあるが、落ち着くことができる |
| 2 | サークルの中で問題なく生活することができる(留守番を含む)※ベッドやトイレへのいたずらがなく、落ち着いた状態を保てている |
| 3 | フリーにしても、整った環境ではいたずらをせず落ち着いて過ごす場面がある |
| 4 | 家の中の別の部屋にいても、問題なく落ち着いて過ごすことができる |
| 5 | 留守番も問題なく過ごすことができる |
トイレ|目標は合図でコントロールできること
| 段階 | できていること |
|---|---|
| 0 | 生活する場所のどこででもしてしまう(成功率30%以下) |
| 1 | トイレの付近であれば成功することができる(成功率60%以下) |
| 2 | 生活する場所の中であれば、ほぼ成功することができる(成功率90%以上) |
| 3 | タイミングを見て合図を出せば、トイレに行ってすることができる |
| 4 | 室内で合図を出せば、自分からトイレに行ってすることができる |
| 5 | 屋外でも合図を出せばすることができる |
お散歩|目標は引っ張りなし
| 段階 | できていること |
|---|---|
| 0 | 室内で、リードや首輪またはハーネスを意識することなく過ごすことができる |
| 1 | 屋外で問題なく歩くことができる(リードが張ってしまってもよい) |
| 2 | 刺激の少ない場で、おやつや指示があればリードを張ることなく歩ける |
| 3 | 刺激の少ない場で、リードがたるんだ状態で歩ける |
| 4 | 刺激のある場でも、おやつや指示があればリードを張ることなく歩ける |
| 5 | 刺激のある場でも、リードがたるんだ状態で歩ける |
吠え(要求)|目標はなし
| 段階 | できていること |
|---|---|
| 0 | 人が見えない環境でも、途切れながら1分以上吠えてしまう |
| 1 | 人が見えない環境で、単発的に吠えてしまう |
| 2 | 人がいる環境で、途切れながら1分以上吠えてしまう |
| 3 | 人がいる環境で、単発的に吠えてしまう |
| 4 | 刺激の少ない環境であれば、1日を通して吠えずに過ごすことができる |
| 5 | 刺激のある環境でも、吠えることなく過ごすことができる |
吠え(警戒)|目標はなし
警戒の対象は、音・物・生き物など警戒しうるものすべてです。
| 段階 | できていること |
|---|---|
| 0 | 人が止めても、止まることなく吠えてしまう |
| 1 | 人が止めれば、数回吠えてしまってもやめることができる |
| 2 | 人が止めれば、吠えずに我慢することができる |
| 3 | 人がいれば、吠えずに我慢することができる |
| 4 | 警戒の対象を意識してしまっても、自分から我慢して吠えずにいられる |
| 5 | 警戒の対象を意識せず、やり過ごすことができる |
噛み|目標はなし
| 段階 | できていること |
|---|---|
| 0 | 興奮していないときでも、噛んではいけないものを噛んでしまう |
| 1 | 興奮すると噛んでしまう(興奮していなければ噛まない) |
| 2 | 人が止めれば、噛まずに過ごすことができる |
| 3 | 人がいる空間であれば、噛んではいけないものを噛まない |
| 4 | フリーで1日中過ごしていても、人も、噛んではいけないものも噛まない |
| 5 | 興奮していても、人など噛んではいけないものを噛まない |
基本トレーニング|オスワリ・フセ・マテ・コイ
オスワリとフセの基準です。マテとコイも、同じ考え方で段階を上げていきます。
| 段階 | オスワリ | フセ |
|---|---|---|
| 0 | 手の誘導(おやつあり)があればできる | 手の誘導(おやつあり)があればできる |
| 1 | 手の誘導(おやつなし)があればできる | 手の誘導(おやつなし)があればできる |
| 2 | 声の合図だけ(おやつあり)でできる(刺激が少ない場所) | 声の合図だけ(おやつあり)でできる(刺激が少ない場所) |
| 3 | 声の合図だけ(おやつなし)でできる(刺激が少ない場所) | 声の合図だけ(おやつなし)でできる(刺激が少ない場所) |
| 4 | 声の合図だけ(おやつあり)でできる(刺激が多い場所) | 声の合図だけ(おやつあり)でできる(刺激が多い場所) |
| 5 | 声の合図だけ(おやつなし)でできる(刺激が多い場所) | 声の合図だけ(おやつなし)でできる(刺激が多い場所) |
この表の使い方は簡単です。今いる段階に印を付けて、1か月後にもう一度付ける。それだけで、何が進んで何が止まっているかが見えます。ひとつ上の段階に書いてあることが、次にやることです。
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続きはこちらです↓
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|電車デビューの手順
よくある質問
子犬をひとりにしていい時間は、どれくらいですか?
ひとりにしてよい時間の目安は、生後10週未満は1時間、生後10〜12週は2時間、生後3か月は3時間、4か月は4時間、5か月は5時間、6か月は6時間、6か月を超えると最大6〜8時間です。生後10週までの子犬は、ふつう1時間より長くは我慢できません。生後10〜12週の犬はだいたい2時間ほど我慢できます。生後3か月になると、たいてい月齢1か月につき1時間ずつ我慢できるようになります。岳くんは16日目に12時間の留守番をしていますが、これは生後10週ほどの時期で、目安の6倍です。トイレを失敗しなかったのは結果であって、適切だったという意味ではありません。長い外出があるご家庭は、途中で誰かに来てもらう、ペットシッターに頼む、預ける、のどれかを先に用意してください。
サークルは、いつ、どれくらい広げればいいですか?
失敗しなくなったら広げます。狭くてかわいそうだから、ではありません。囲いの広さは、立って向きを変えて楽に伏せられる広さにします。ただし、片隅で排泄して別の隅で休めるほど広くはしません。これは失敗させない段階の話です。失敗が出なくなったら、そこから少しずつ広げます。広げ方の目安は「自力でトイレへ行ける範囲まで」。いきなり広げると、トイレまでの距離と、行こうと思ってから着くまでの時間が延びて、間に合わなくなります。一度間に合わなくなると、その場所で済ませる形を覚え直してしまいます。広げて失敗が出たら、責めずに一段戻してください。
トイレトレーを外して、サークルの床を全面シートにしてもいいですか?
シートにいたずらをしなくなってからなら、やり方のひとつです。岳くんは19日目に外しました。将来フリー(サークルに入れずに過ごす)にするのが目標で、先住の犬たちとトイレの場所を同じにしたかったからです。ただし条件があります。クレートとベッドは、トイレからいちばん離れた場所に置いてください。床が全面トイレでも、犬は「休む場所」と「する場所」を自分で分けます。その分け方をこちらが用意しておく、という考え方です。なお、ベッドや毛布を入れるのは失敗しなくなってからにしてください。子犬は柔らかい面で排泄しやすいです。
クレートは、いつから使い始めればいいですか?
練習を始める前に、まず「そこにある」状態に慣らすところからです。岳くんは19日目に、サークルの中へクレートを入れただけで、まだ何もしていません。教え方の最初は、扉を開けたままにして、犬が自分から入ることを大事にします。クレートの横に座って、犬が近づいたらおやつを中へ投げる。中にいる間は数秒ごとにおやつ。犬が見ていないときに中へおやつを置いて、見つけさせるのも良い方法です。そして、罰として使わないこと、無理に中へ入れないこと、泣かせきりにしないこと。うろうろする、震える、扉をかじる、よだれが出るといったサインが出たら、段階を戻してください。
おすわりは、手で誘導するのと、自分から座るのを待つのと、どちらがいいですか?
どちらが正しいということはありません。目的が違います。手で誘導するやり方は、おやつを持った手を頭の上へ動かして、鼻で追わせて座らせます。その場で形になるのが利点で、手の動きが無いとできない状態で止まりやすいのが弱点です。自分から座るのを待つやり方は、座る動きに近づいたところをほめて、少しずつ目標へ近づけます。時間はかかりますが、犬は「どうしたらほめられるか」を自分で考えるようになります。岳くんは前回の6日目に前者で、20日目から後者に切り替えました。少し落ち着きのない子だったので、自分で考えて動く習慣をつけたかったからです。どちらの場合も、できたことにご褒美を返す形で教えます。
ワクチンが終わる前に、外へ出してもいいですか?
抱っこやスリングなら、出してください。ワクチン接種が完了する前に社会化を受けることは、子犬の標準的なケアです。母犬からの免疫と初回のワクチン、そして場所を選ぶことを組み合わせれば感染の危険は比較的小さく、行動の問題で命を落とす危険のほうが大きい、という考え方です。いっぽうで、ワクチンの状況が分からない犬が多く通る場所は避けてください。抱っこやスリングは、この2つを両立させるやり方です。地面に降ろさず、他の犬と触れさせない。それでも人・音・景色は入ってきます。社会化期は生後3週から16週まで、そのうちいちばん重要な時期は生後3か月までです。待っているあいだも、時計は進みます。
抱っこ紐やスリングの中でおしっこをしてしまいます。
まず、原因を決める前にやることがあります。出かける直前に必ずトイレを済ませる、スリングやキャリーにペットシーツを敷く、外出は短く回数を増やす、そして叱らない。叱るとスリングそのものが嫌な場所になり、次から入るのを嫌がります。そのうえで考えられるのは、まだ我慢できない月齢であること、抱っこ中は自分でトイレへ行けないこと、出かける前に済ませていなかったこと、の3つです。岳くんは21日目に一度ありましたが、月齢によるものか癖になりつつあるのかは、この時点では決めていません。1回か2回で「癖だ」と決めると、直しにいく先を間違えます。
進捗の評価表は、どう使えばいいですか?
今いる段階に印を付けて、1か月後にもう一度付けるだけです。7つの項目(生活・トイレ・お散歩・吠え(要求)・吠え(警戒)・噛み・基本トレーニング)を、それぞれ0から5までの6段階で見ます。ひとつ上の段階に書いてあることが、次にやることです。数字にしておくと「なんとなく良くなった気がする」を避けられますし、できていないところも同時に見えます。岳くんの1か月目は、生活2・トイレ2・お散歩0・吠え(要求)3・吠え(警戒)3・噛み3・基本トレーニング0でした。お散歩と基本トレーニングの0は、まだ始めていないという意味で、悪いという意味ではありません。1か月目でこの2つが0なのは順番どおりです。
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まとめ
岳くんの13日目から26日目までの記録です。この2週間は失敗がほとんど出ませんでした。だからこの時期の中身は「できるようになったあと、何をどの順番で広げるか」になります。17日目にサークルを広げ、19日目にトレーを外して床を全面シートにしました。広げるのは失敗しなくなったからであって、狭くてかわいそうだからではありません。広げる幅は、自力でトイレへ行ける範囲まで。失敗が出たら責めずに一段戻します。全面シートにするときは、クレートとベッドをトイレからいちばん離れた場所へ置いてください。同じ19日目に、クレートをサークルの中へ入れました。まだ練習はしません。扉を開けたまま、自分から入るのを待つところからです。16日目の12時間の留守番は、記録として残しますが真似しないでください。生後10〜12週の目安は2時間で、12時間はその6倍です。失敗しなかったのは結果であって、適切だったという意味ではありません。長い外出は、人の側で区切ってください。20日目のおすわりは、前回の手で誘導するやり方から、自分から座るのを待つやり方へ切り替えました。落ち着きのない子に、自分で考えて動く習慣をつけたかったからです。21日目は抱っこでの外出。ワクチンが終わる前でも、地面に降ろさなければ社会化は進められます。ただし怖がりな子には同じやり方をしないでください。ちょうど1回目の怖がる時期に重なります。スリングの中での粗相は、原因を決める前に、出かける前のトイレ・シートを敷く・短く区切る・叱らない、の4つから始めます。最後に、1か月目の評価と、7項目×6段階のものさしを載せました。今いる段階に印を付けて、1か月後にもう一度付ける。ひとつ上に書いてあることが、次にやることです。

































