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犬同士の仲が悪いサインと仲良くさせる方法|遊びと喧嘩の見分け方
公開日:2024年9月5日(木) 更新日:2026年10月6日(火) 犬の育て方
この記事の要点
他の犬と仲良くできない理由の大半は「こわい」で、性格ではありません。仲が悪いサインは、しっぽや毛ではなく体の硬さ・目・口を組み合わせて読みます。無理に近づけず、吠えない距離から週単位で縮め、合わない相手からは離れてください。
散歩で向こうから犬が来ると吠える。ドッグランに連れて行っても、隅から動かない。逆に、相手が嫌がっているのにぐいぐい行ってしまう。「うちの子は他の犬と仲良くできない」というご相談は、小型犬の飼い主さまからとても多くいただきます。
先に結論を書きます。仲良くできない理由の大半は「こわい」で、性格でも根性でもありません。そして、無理に仲良くさせようとするほど、こわさは増えます。この記事では、仲が悪いときと良いときのサインの読み方、遊びと喧嘩の見分け方、仲良くなるための順番、散歩とドッグランでの対処を、獣医行動学の資料と都立公園の利用規約にそって書きます。
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子犬を見る仲が悪いサイン・仲が良いサインは、体の部位で見ます
「犬同士の仲が悪いサイン」を調べてここへ来られた方が、いちばん多いです。先にお伝えしたいのは、しっぽや背中の毛だけでは判断できないということです。アメリカンケネルクラブ(AKC)の解説では、しっぽを振ることが示すのは「感情的に高ぶっている」ことだけで、うれしいとは限らないとされています。背中の毛が逆立つのも「高ぶっているのは確かだが、必ずしも悪い意味ではない」とあります。
ですから、部位を1つずつ見て、組み合わせで読みます。同じ解説にそって表にしました。
| 見るところ | 受け入れていない(離す) | 落ち着いている・遊びたい |
|---|---|---|
| 体の重心 | 低く縮こまる(こわい)/前のめりで固まる(相手に向かう) | 力が抜けて、弾むように動く |
| 体の硬さ | 硬直して動かない | ゆるんでいる。体を左右に揺らす |
| 目 | 長く続く硬い凝視/白目が見える | まぶたがやわらかい。視線を外す |
| 口 | 閉じている/唇をめくって歯が見える/低いうなり | 口を大きく開けている(遊びの顔) |
| 耳 | 後ろにぴったり倒す | 自然な位置 |
| しっぽ | 巻き込む(こわい)/高く上げて小刻みに速く振る(高ぶり) | ゆっくり大きく振る |
| そのほか | 鼻や口をなめる、あくび(緊張して自分を落ち着かせている) | お尻を上げて胸を下げる(プレイバウ=遊びの誘い) |
左の列が2つ以上重なっていたら、その場から離してください。「もう少し慣らせば」と近づけるのが、いちばん悪化させます。右の列が出ていても、相手の犬が左の列なら同じです。仲良くできるかどうかは、2頭の両方で決まります。
よく誤解される2つ
- お尻のにおいを嗅ぎ合う……犬同士のあいさつです。横から、ゆっくり、互いに嗅ぎ合っているなら問題ありません。正面から顔を突き合わせるほうが、犬にとっては緊張する形です
- お腹を見せる……遊びの中で転がるのは遊びの合図ですが、体が硬く、目をそらし、しっぽを巻いて動かないなら「やめて」の合図です。同じ姿勢でも意味が反対になります
合図の一覧はカーミングシグナルの記事に分けて書いています。
新しく載った子犬
遊びと喧嘩の見分け方
取っ組み合って、うなり声も出ているのに、これは遊びなのか喧嘩なのか。ここで迷って手を出すと、飼い主さまが噛まれます。AKCの解説にそって、見分けるところを分けます。
| 遊び(いわゆるワンプロ) | 喧嘩に変わっている |
|---|---|
| お尻を上げて胸を下げる(プレイバウ)から始まる | 体が硬直し、背中の毛が逆立っている |
| 動きが弾んで大げさ。うなり声も大げさ | 動きが速く、無駄がない。弾まない |
| 口を大きく開けた「笑った」ような顔 | 口を閉じ、唇をめくり、低くうなる。耳を後ろに倒す |
| 役割が入れ替わる。追う側と追われる側、上と下が交代する。追いかけっこでわざと捕まる | 一方が押さえつけたまま離さない |
| いったん離れても、また自分から戻ってくる | 負けた側がその場を離れようとする |
いちばん分かりやすいのは右から2つめと1つめです。役割が入れ替わっているか、離れてもまた戻ってくるか。この2つがあれば遊びです。片方だけが追い、片方が逃げ続けているなら、追われている側にとっては遊びではありません。
小型犬同士でも、体格差があると同じことが起きます。大きい側が楽しくても、小さい側が逃げ続けているなら止めてください。
他の犬と仲良くできない理由は、この3つです
「社会化不足でしょう」と言われることが多いのですが、それだけではありません。他の犬とうまくいかない子は、だいたい次の3つに分かれます。
1. こわい(慣れていない、または嫌な経験がある)
いちばん多い理由です。環境省の資料では、犬の社会化期は生後3週から16週までとされ、いろいろなことを受け入れやすい時期です。この時期に他の犬とほとんど会わずに育った子は、犬という生き物の距離の取り方を知りません。吠えて追い払うか、逃げるかのどちらかになります。
もうひとつは、嫌な経験です。ドッグランで大きな犬に追い回された、散歩中に飛びかかられた。一度で十分です。それ以来、犬を見ると先に吠えるようになります。「吠えている」ように見えて、中身は「来ないで」です。同じ資料には、社会化期を過ぎても時間をかければ慣らすことは可能、とあります。慣らせないのではなく、順番と時間が要るということです。
2. こちらの反応で、こわさが増えている
犬を見て吠えたときに叱る、リードを強く引く、大きな声を出す。これを続けると、犬の中で「他の犬が来る=嫌なことが起きる」がつながります。米国獣医行動学会(AVSAB)は2021年の見解で、力や不快に頼る方法は、人や他の犬への攻撃的な行動や不安に関わる行動と関連が見られるとしています。吠えたから叱る、は、次にもっと吠える理由を作っています。
飼い主さまが緊張して、リードを短く握りしめるだけでも伝わります。犬が来るたびにリードがぴんと張る子は、その張りを「警戒しろ」の合図として覚えます。
3. 体のどこかが痛い、または相性
これまで平気だったのに急に他の犬を嫌がるようになったなら、体を先に疑ってください。触られると痛いところがある子は、近づいてくる犬を追い払います。年齢が上がってからの変化なら、なおさらです。
そして、単純に合わない相手もいます。人と同じで、全員と仲良くなる必要はありません。「この子とは合わない」を認めて離すのは、飼い主さまの大事な役目です。
仲良くさせる方法は「近づけない」から始めます
「犬同士を仲良くさせる方法」を調べると、対面させる手順が出てきます。ですが、こわがっている子に必要なのは対面ではなく、「犬がいても、嫌なことは起きない」という経験の回数です。順番に書きます。
1. 吠えない距離を見つける
他の犬が見えても、うちの子がこちらを見られる距離。それがその子の今の距離です。10メートルかもしれませんし、道路の向こう側かもしれません。その距離で、犬を見た瞬間におやつを渡します。「犬が見える=良いことが起きる」を積みます。吠えたら、その日はもっと遠くからやり直しです。
2. 距離を少しずつ縮める。数週間かけて
吠えずにこちらを見られる回数が増えたら、1〜2メートルだけ近づきます。ここを急ぐと戻ります。日の単位ではなく、週の単位で見てください。
3. あいさつは、横から、リードをゆるめて、3秒
相手の飼い主さまに了解を取り、両方の犬が上の表の「右の列」であることを確かめてから。正面からではなく横から、リードはゆるめて、3秒ほど嗅ぎ合ったら「行こう」と声をかけて離れます。長くさせないのが大事です。うまくいったところで終えると、次も嗅ぎに行けます。
やってはいけないのは、抱っこして正面から相手に差し出すことと、リードを張ったまま鼻先を突き合わせることです。逃げ道が無い状態での対面は、犬にとって一番こわい形です。
4. 合わない相手からは離れる。それでいい
相手が硬直している、うちの子がしっぽを巻いている。どちらかが出たら、あいさつは中止です。「せっかくだから」は要りません。離れることも、正しい対応です。
散歩中に他の犬に吠える・向かっていくとき
散歩は毎日あるので、ここがいちばん困ります。やることは3つだけです。
- 先に見つけて、先に曲がる……犬が吠える前に、道の反対側へ移るか、角を曲がります。吠えてから動くのでは遅く、吠えなかった経験にはなりません
- すれ違うときは、うちの子を外側に……飼い主さまが相手の犬との間に入ります。壁になってあげると、それだけで吠えない子がいます
- 吠えても叱らない。黙って離れる……上の2つめの理由のとおりです。離れて、落ち着いたところでおやつ
相手に向かって行く、リードを引きずって飛びかかる、という場合は、飼い主さまが引かれて転ぶ危険があります。ひとりで直そうとせず、ドッグトレーナーへご相談ください。フローエンスでは、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。吠え方の種類の見分けは吠えの種類の記事にあります。
ドッグランで喧嘩になったときと、その前に
ドッグランは「仲良くさせる場所」ではなく「すでに仲良くできる子が走る場所」です。ここを取り違えると事故になります。都立公園のドッグラン利用規約(都立12公園共通・2026年3月)に、そのまま書いてあります。
都立公園のドッグラン利用規約から
- 利用できない犬……噛み癖など他の犬に危害を加える恐れのある犬/発情期のメス犬/病気や外部寄生虫のいる犬/飼い主の指示を聞けない・制御できない犬
- 登録には当該年度の狂犬病予防注射済票が必須。生後4か月未満は登録できない
- リードを外しているときは目を離さず、興奮状態になったら直ちに制止する。指示を聞けない犬はリードを外さない
- マウンティング、追い回し、吠え続けは速やかに制止する
- 犬へのおやつ、おもちゃ・ボールの持ち込みは禁止
- エリアは体重別で、超小型犬専用(5キロまで)・小中型(12キロまで)・中大型(10キロ以上)
つまり、呼んで来ない子は、まだリードを外す段階ではありません。それは規約でもそうなっています。おやつで呼び戻す練習は、都立公園のドッグランの中ではできません(持ち込み禁止)。呼び戻しは、ドッグランに行く前に、家と散歩で作っておくものです。
喧嘩の止め方。手を入れない
AKCの解説では、本当の喧嘩を止めるときは「首輪をつかんだり、体のどの部分も使って犬を引き離そうとしない」とされています。噛まれるのは、間に入った人です。代わりに、大きな音を出す、水をかける、犬のあいだに物(バッグ、板、傘)を差し込む。離れた瞬間に、それぞれの飼い主が自分の犬を確保します。
その前の段階で止められるのがいちばんです。上の表の「喧嘩に変わっている」が1つでも見えたら、呼び戻すか、近づいてリードを付けて、いったん外へ出ます。
怪我をさせてしまったら
まず相手の犬の状態を見て、動物病院へ。それから飼い主さま同士で連絡先を交換します。都立公園の規約では、園内のトラブルは当事者同士で解決することになっていて、管理者は相手の連絡先を教えてくれません。その場で交換しておかないと、あとから連絡が取れなくなります。
人を噛んでしまった場合は届出があります。たとえば東京都では、条例に基づき、発生後24時間以内に動物愛護相談センターか保健所へ届け出て、48時間以内に獣医師に狂犬病の検診をさせることになっています。自治体によって決まりが違うので、お住まいの保健所に確認してください。
ドッグランで嫌われる犬種はありますか
「ドッグランで嫌われる犬種」で調べている方もいるので、規約のとおりに答えます。規約が利用を断っているのは犬種ではなく、噛み癖・発情中・病気・制御できないことです。犬種そのものを条件にしているのは、闘犬種に口輪を求めている1か所だけです。嫌われるのは犬種ではなく、追い回しやマウンティングを止めない飼い主のほうです。逆に、超小型犬専用のエリアがあるので、小さい子が大きい犬に追い回される心配は、そこでは避けられます。
ドッグランのマナー全体はドッグランで守るべきマナーの記事に書いています。
先住犬と新しい子が仲良くできないとき
家の中で2頭が合わない場合は、外での話とは順番が違います。先住犬の居場所と時間を先に守ることから始めます。新しい子を守りすぎると、先住犬にとっては「あの子が来てから、自分の場所と飼い主を取られた」になります。
先住犬が子犬に吠える、子犬が先住犬を噛む、といった場面ごとの対処は先住犬が新しい子と仲良くしないときの記事に分けて書いています。ここでは、上の表の「離す」サインが家の中で出たら、ケージやサークルで物理的に分けてから考える、とだけお伝えしておきます。
よくある質問
犬同士の仲が悪いサインは何ですか?
しっぽや背中の毛だけでは判断できません。アメリカンケネルクラブの解説では、しっぽを振るのは「感情的に高ぶっている」ことだけを示し、毛が逆立つのも必ずしも悪い意味ではないとされています。見るのは、体が硬直しているか、長く続く硬い凝視や白目、口を閉じて唇をめくっているか、耳を後ろに倒しているか、しっぽを巻き込んでいるか、鼻や口をなめたりあくびをしたりしているか、です。2つ以上重なっていたら、その場から離してください。
犬同士が遊んでいるのか喧嘩しているのか、どう見分けますか?
役割が入れ替わっているか、離れてもまた自分から戻ってくるか、の2つで見分けます。遊びなら、追う側と追われる側や上と下が交代し、動きは弾んで大げさで、口を大きく開けています。喧嘩に変わると、体が硬直し、動きが速く無駄がなくなり、口を閉じて低くうなり、一方が押さえつけたまま離さず、負けた側はその場を離れようとします。片方だけが追い、片方が逃げ続けているなら、追われている側にとって遊びではありません。
他の犬と仲良くできないのは社会化不足ですか?
それだけではありません。理由は3つに分かれます。こわい(生後3週から16週の社会化期に犬とほとんど会っていない、または追い回された・飛びかかられたなどの嫌な経験がある)、こちらの反応でこわさが増えている(吠えたときに叱る・リードを強く引く)、体のどこかが痛いか、単純に合わない相手か、です。急に嫌がるようになった場合は、体を先に疑ってください。社会化期を過ぎても時間をかければ慣らすことは可能とされています。
仲の悪い犬を仲良くさせる方法はありますか?
対面させることからは始めません。まず、他の犬が見えても吠えずにこちらを見られる距離を見つけ、その距離で犬を見た瞬間におやつを渡して「犬が見える=良いことが起きる」を積みます。数週間かけて少しずつ縮め、両方の犬が落ち着いているときだけ、横から、リードをゆるめて、3秒ほど嗅ぎ合ったら声をかけて離れます。抱っこして正面から差し出すのは、逃げ道が無く一番こわい形です。合わない相手からは離れてください。それも正しい対応です。
散歩中に他の犬に吠えます。どうすればいいですか?
犬が吠える前に先に見つけて、道の反対側へ移るか角を曲がります。すれ違うときは飼い主さまが相手の犬との間に入り、うちの子を外側にします。吠えても叱らず、黙って離れて、落ち着いたところでおやつを渡してください。叱ると「他の犬が来る=嫌なことが起きる」がつながり、次はもっと吠えます。相手に向かって行く、飛びかかるという場合は、飼い主さまが引かれて転ぶ危険があるので、ドッグトレーナーへご相談ください。
ドッグランで喧嘩になったら、どう止めますか?
首輪をつかんだり、体のどの部分も使って引き離そうとしないでください。噛まれるのは間に入った人です。大きな音を出す、水をかける、犬のあいだにバッグや板を差し込む、で離し、離れた瞬間にそれぞれの飼い主が自分の犬を確保します。その前に、体の硬直・低いうなり・押さえつけたまま離さない、が1つでも見えたら、呼び戻すかリードを付けていったん外へ出てください。
ドッグランで嫌われる犬種はありますか?
都立公園のドッグラン利用規約が利用を断っているのは犬種ではなく、噛み癖など他の犬に危害を加える恐れのある犬、発情期のメス犬、病気や外部寄生虫のいる犬、飼い主の指示を聞けない・制御できない犬です。犬種を条件にしているのは、闘犬種に口輪を求めている1か所だけです。嫌われるのは犬種ではなく、追い回しやマウンティングを止めない飼い主のほうです。超小型犬専用のエリア(5キロまで)があるので、小さい子はそこを使えます。
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まとめ
他の犬と仲良くできない理由の大半は「こわい」で、性格でも根性でもありません。仲が悪いサインは、しっぽや背中の毛だけでは読めず、体の硬さ・目・口・耳を組み合わせて見ます。遊びか喧嘩かは、役割が入れ替わるか、離れてもまた戻ってくるかで見分けます。仲良くさせたいなら対面ではなく、吠えない距離から週単位で縮め、あいさつは横から3秒。合わない相手からは離れてください。散歩では先に見つけて先に曲がり、吠えても叱らない。ドッグランは仲良くさせる場所ではなく、呼んで来る子が走る場所です。喧嘩になったら手を入れず、音や水や仕切りで離してください。
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