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犬がうんちを食べる理由とやめさせ方|老犬・子犬の食糞も
公開日:2024年9月6日(金) 更新日:2026年10月6日(火) 犬の育て方
この記事の要点
犬の食糞は珍しくなく、飼い主の約23%が見ています。「これで治る」方法は見つかっておらず、行動の方法も市販品も成功率は数%です。確実に効くのは、出たらすぐ片づけること。成犬や老犬で急に始まったときは、先に動物病院へ。
愛犬がうんちを食べている場面を見てしまった。帰ってきたらトイレにうんちの跡だけがあって、本体が無い。気づいた瞬間はかなりのショックだと思います。
先に、いちばん大事なことを書きます。食糞は珍しい行動ではなく、「これをすれば治る」という方法も見つかっていません。そのかわり、出たらすぐ片づけることだけは、どの子にも確実に効きます。この記事では、分かっていることと分かっていないことを分けて、今日からできる形で書きます。
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子犬を見る犬がうんちを食べるのは、珍しいことではありません
海外の飼い主さん1,552件に聞いた調査(獣医学の学術誌に2018年に載ったもの)では、「うんちを食べているのを6回以上見た」が16%、「1回以上見た」は約23%でした。4〜5頭に1頭は、飼い主さんが目にしています。見ていないところで食べている分は、この数に入っていません。
アニコム損害保険の説明では、子犬の食糞は「子育て中の母犬の行動と同様、子犬では正常な行動」です。母犬は子犬のおしっこやうんちをなめて片づけますし、妊娠中・授乳中の母犬の食糞も母性行動のひとつと考えられています。つまりうちの子が変なのではなく、犬がもともと持っている行動です。
新しく載った子犬
なぜ食べるのか|分かっていることだけ書きます
「原因は◯◯です」と言い切っている記事をよく見かけますが、実際にはっきり分かっていることは多くありません。上の調査で、食べる犬と食べない犬を比べて差が出たものと、差が出なかったものを分けます。
| 比べたこと | 結果 |
|---|---|
| 多頭飼いかどうか | 食べる犬は、複数の犬がいる家に多い |
| ごはんの食べ方 | 「がっついて食べる子」が食べる犬の51%、食べない犬の28% |
| うんちの新しさ | 食べるのは新しいうんち(2日以内)が85% |
| 年齢 | 差なし |
| 性別・去勢避妊 | 差なし |
| 主食の種類 | 差なし(どちらも8割前後がドライフード) |
| トイレの覚えやすさ | 差なし(78%対82%) |
ここから言えるのは、「老犬だから」「子犬だから」「フードが合わないから」では説明できないということです。年齢にも主食にも差が出ていません。
この調査をまとめた研究者は、「寄生虫の幼虫がうんちの中で感染力を持つまで約2日かかる。新しいうんちのうちに食べてしまうのは、巣を寄生虫から守ろうとする祖先(オオカミ)の性質を受け継いだもの」という説を出しています。仮説であって証明ではありませんが、「新しいうんちだけを食べる」という観察とは合っています。
一方、同じ説明は、家庭で起きやすい理由として次を挙げています。
- ごはんが足りていない……カロリー不足と空腹感から
- 体の病気……寄生虫感染、内分泌疾患、腸の疾患などで「食べていてもおなかが空く」
- 消化やフードの相性、フードのにおい
- 退屈、気を引きたい……食べたら飼い主さんが飛んできた、という経験
このうち、飼い主さんが自分で見分けられないのは「体の病気」です。だから次の章が先になります。
急に始まったときは、しつけより先に体を見ます
同じ説明には、「成犬が急に食糞するようになったときは注意が必要です。何か空腹感が増すような病気があるかもしれません」と書かれています。子犬のころは無かったのに、大人になってから、あるいは年をとってから始まった。この場合は、やめさせる前に動物病院へ。
動物病院で相談したほうがよい形
- 成犬・老犬になってから急に始まった
- しっかり食べているのに体重が増えない
- 下痢や軟便がある
- 散歩でよそのうんちを食べてしまった(寄生虫の検査を)
受診のときに、いつから・1日に何回・自分のか他の犬のか・ごはんの量と体重を伝えると話が早く進みます。うんちの寄生虫は便を持っていけば調べてもらえます。
老犬の食糞について
「年をとったから食べるようになった」と言われることがありますが、上の調査では年齢による差は出ていません。年齢そのものより、「急に始まった」ことのほうが大事な手がかりです。空腹感が増す病気や、腸の病気が隠れていないかを先に見てもらってください。
老犬で食糞と一緒に、夜鳴き・徘徊・失禁・呼びかけへの反応の鈍さが出てきたときは、それも一緒に伝えてください。同じ説明では、11歳以上の犬の約3割、15歳以上では6割以上に何らかの認知症の症状が見られるという報告が紹介されています。食糞が認知症の症状だと決めつけることはできませんが、同じ時期に始まった変化はまとめて診てもらうほうが確かです。
自分のうんちと、よそのうんちで危なさが違います
ここも、ひとまとめにしないでください。自分のうんちを食べても、特に心配はいりません(寄生虫の治療中を除く)。気持ちのよいものではありませんが、それだけで病気になることは基本的にありません。
危ないのは、よその犬や動物のうんちです。他のどうぶつのうんちを食べると、感染症が成立する恐れがあります。屋外にあるうんちは、同居どうぶつのうんちと比べると、寄生虫や感染症のリスクがより高いです。
| 食べたのは | どう考えるか |
|---|---|
| 自分のうんち(家の中) | 基本的に心配はいらない。片づけの速さで減らす |
| 同居犬のうんち | 屋外のものよりはリスクが低い。同居犬の便検査が済んでいれば安心材料になる |
| 散歩中に落ちていたうんち | 寄生虫・感染症のリスクがいちばん高い。食べたら動物病院で便の検査を |
食べたあとに吐いた、下痢をしている、元気が無い、という場合は、何を食べたかにかかわらず受診してください。
やめさせる方法は「片づける速さ」がほぼすべてです
正直に書きます。上の調査では、行動でやめさせる方法(叱る、追い払う、ご褒美で呼ぶ、など)の成功率は1〜2%でした。「それは放っておいて」と教える方法だけがやや高く、それでも4%です。ネットの「これで治った」は、たまたま治った1〜4%の話だと思ってください。
ただし同じ調査で、食べるのは新しいうんち(2日以内)が85%でした。つまり出たそばから片づければ、食べる機会そのものが無くなります。「やめさせる」より「食べられない状態にする」ほうが確実です。
目の前で食べてしまう場合
- 叱らない、騒がない……食糞しても叱らない、反応しないことが大事です。慌てて取り上げると、うんちの取り合いになり、早く食べるようになります
- うんちが出たら、反対方向へ呼ぶ……名前を呼んでおやつを見せ、来たら渡す。犬がこちらへ来ているあいだに片づける
- 片づけは淡々と……犬に背を向けず、静かに
叱るのは逆効果です。米国獣医行動学会(AVSAB)は、しつけにも問題行動の対応にも、痛みや不快に頼る方法を使うべきではないという見解を2021年に出しています。うんちのことで叱られた子は、証拠を消すために早く食べるようになります。
留守番中に食べてしまう場合
片づける人がいないので、いちばん止めにくい形です。やることは留守番中にうんちが出る回数を減らすことです。
- 出かける前に出させる……散歩か、部屋で少し遊んでからトイレへ。ごはんのあとに出る子は、ごはんの時間を出かける1〜2時間前にずらす
- ごはんの回数と量を見直す……空腹が理由の子は、量が足りていないことがある。体重と一緒に獣医師へ
- 暇にしない……フードを詰められる知育おもちゃを出かける直前に渡す
- 留守番カメラで、いつ出しているかを見る……出かけてすぐなら出かける前の対処、帰る直前なら留守番の時間の問題
留守番中のうんちを踏んでしまう場合の片づけと対策は、お留守番中にうんちを踏んでしまう記事に書いています。
散歩中に食べてしまう場合
自分のうんちなら、出たらすぐ拾う。これで終わりです。落ちているよそのうんちは、リスクがいちばん高いので、口に入る前に止めます。
- リードを短く持ち、地面に鼻が届く距離を作らない……とくに草むら・電柱の根元
- 「見つけたら飼い主を見る」を教える……地面のものを見た瞬間に名前を呼び、こちらを見たらおやつ。拾い食い全般に効く形
- 口に入れてしまったら、無理に口をこじ開けない……取り合いになる。おやつと交換する
苦味スプレーやサプリメントは効きますか
市販の食糞防止用品について、上の調査は11種類を調べて、成功率は0〜2%と報告しています。うんちにかける苦味用品、フードに混ぜてうんちの味を変えるもの、いずれもです。
ヨーグルトや乳酸菌のサプリメントは「うんちの質を変えるひとつの要素になりえます」という書き方で、治るとは言われていません。試すのは構いませんが、それで解決する前提で待たないでください。その間もうんちは片づけます。
ひとつだけ別なのは、寄生虫や病気が原因だった場合の治療です。これは薬で原因が消えるので、食糞も止まります。だから受診が先なのです。
子犬の食糞はいつまで続きますか
「◯か月で終わる」という決まりはありません。子犬の食糞は正常な行動ですし、上の調査では年齢による差も出ていません。自然に消えるのを待つより、食べる機会を作らないほうが早いです。
毎日たくさんの子犬を見ている立場から言えるのは、うんちが出たらすぐ片づける環境で育った子は、そもそも食べる習慣がつきにくいということです。お迎えしたばかりの時期は、トイレの回数も多く、目も届きます。この時期に「出たら片づける」を家の習慣にしておくのが、いちばん確実な予防になります。
ごはんの量が足りているかも一緒に見てください。子犬は成長が速く、量が追いつかないことがあります。ごはんを食べないときの記事とトイレトレーニングの記事もあわせてどうぞ。
よくある質問
犬がうんちを食べるのはなぜですか?
はっきり分かっていることは多くありません。飼い主1,552件を調べた2018年の調査では、食べる犬は多頭飼いの家に多く、がっついて食べる子に多く、食べるのは2日以内の新しいうんちが85%でした。一方で年齢・性別・主食の種類には差がありませんでした。ペット保険会社の説明では、ごはんの不足、空腹感が増す病気、消化やフードの相性、退屈や気を引きたい気持ちが理由として挙げられています。子犬の食糞は正常な行動です。
犬の食糞をやめさせる方法はありますか?
確実に効くのは、うんちが出たらすぐ片づけることです。食べるのは新しいうんちがほとんどなので、食べる機会そのものを無くします。叱ったり追い払ったりする方法の成功率は調査で1〜2%、「放っておいて」と教える方法でも4%でした。うんちが出たら反対方向へ名前を呼び、おやつを渡しているあいだに片づける形が、叱らずにできて続けやすい方法です。
老犬が急に食糞するようになりました。年のせいですか?
年齢そのものより「急に始まった」ことが大事な手がかりです。調査では年齢による差は出ておらず、「成犬が急に食糞するようになったときは注意が必要です。何か空腹感が増すような病気があるかもしれません」とも言われています。しつけの前に動物病院で相談してください。夜鳴きや徘徊、失禁など、同じ時期に始まった変化があれば一緒に伝えてください。
自分のうんちを食べても大丈夫ですか?
自分のうんちを食べても特に心配はいりません(寄生虫の治療中を除く)。危ないのは他の犬や動物のうんちで、感染症が成立する恐れがあり、とくに屋外に落ちているものはリスクが高いです。散歩中によそのうんちを食べてしまったら、動物病院で便の検査を受けてください。吐いた、下痢をしている、元気が無いときは、何を食べたかにかかわらず受診を。
苦味スプレーやサプリメントは効きますか?
2018年の調査では、市販の食糞防止用品11種類の成功率は0〜2%でした。ヨーグルトや乳酸菌のサプリメントは「うんちの質を変えるひとつの要素になりえます」という書き方で、治るとは言われていません。試すのは構いませんが、それで解決する前提で待たず、その間もうんちは片づけてください。寄生虫や病気が原因だった場合は、治療で原因が消えれば食糞も止まります。
子犬の食糞はいつまで続きますか?
「何か月で終わる」という決まりはありません。子犬の食糞は正常な行動で、調査でも年齢による差は出ていません。自然に消えるのを待つより、出たらすぐ片づけて食べる機会を作らないほうが早いです。お迎えしたばかりの時期はトイレの回数が多く目も届くので、この時期に「出たら片づける」を家の習慣にしておくのがいちばん確実な予防になります。ごはんの量が成長に追いついているかも一緒に見てください。
留守番中に食べてしまいます。どうすればいいですか?
片づける人がいないので、留守番中にうんちが出る回数を減らします。出かける前に散歩や遊びのあとでトイレを済ませる、ごはんのあとに出る子はごはんの時間を出かける1〜2時間前にずらす、フードを詰められる知育おもちゃを出かける直前に渡す、の3つから始めてください。留守番カメラで何時間目に出しているかが分かると、打つ手が絞れます。
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まとめ
犬の食糞は珍しい行動ではなく、飼い主の約23%が目にしています。子犬や母犬では正常な行動です。原因は多頭飼いやがっついて食べる性質と関係がある一方、年齢や主食の種類には差がなく、「老犬だから」「フードが合わないから」では説明できません。「これをすれば治る」という方法は見つかっておらず、叱る・追い払うなどの方法も市販品も成功率は数%です。確実に効くのは、出たらすぐ片づけて食べる機会を作らないことです。成犬や老犬で急に始まったとき、体重が増えないとき、下痢や軟便があるときは、しつけより先に動物病院へ。自分のうんちは基本的に心配いりませんが、散歩中によそのうんちを食べたら便の検査を受けてください。

























