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犬が自転車・バイク・車を追いかける|飛びかかる直し方
公開日:2024年11月7日(木) 更新日:2026年10月6日(火) しつけトレーニング
この記事の要点
自転車やバイクに飛びかかるのは、飛びかかった瞬間には止められません。止められるのは、目で追う・体が固まる、の2段階までです。理由を3つに分けて見分ける方法、反応が出ない距離から始める練習、そして今日から変えられる散歩の組み立てまでまとめます。
散歩中、自転車やバイクが横を通るたびに犬が飛びかかる。リードを持つ手がぐいと引かれて、ひやりとする。これは、その場で止められるものではありません。
だから、やることは2つに分かれます。今日から安全に歩くための組み立てと、数週間かけて反応そのものを減らす練習。この2つは別物で、順番も違います。
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子犬を見る止められるのは、走り出す前の2段階だけ
追いかける行動には、決まった順番があります。
| 段階 | 犬の様子 | ここでできること |
|---|---|---|
| 1 | 目で追う。顔だけが動く | ここが本番。名前を呼ぶ、おやつを出す、向きを変える、が全部効く |
| 2 | 体が固まる。じっと見る。呼んでも顔が戻らない | まだ間に合う。ただし言葉より、距離を取るほうが早い |
| 3 | 体重が前にかかる。前のめりになる | もう遅い。この時点で人にできるのは、リードを持ちこたえることだけ |
| 4 | 走り出す・飛びかかる | 言葉は届かない |
多くの方が「飛びかかった瞬間」をどうにかしようとしますが、そこはもう、どうにもならない場所です。見るべきは1と2で、そこに気づけるようになるだけで散歩は変わります。
アメリカンケネルクラブは、体重が前にかかるのは近づきたい合図だとし、長く続く硬い凝視は脅しだとしています。逆に、やわらかい目は落ち着いている状態です。「じっと見ている」は、かわいく見えても止めどきの合図です。
新しく載った子犬
なぜ追いかけるのか|3つに分けると、やることが変わります
同じ「飛びかかる」でも、中身が違います。見分けは体に出ます。
| 理由 | そのときの体 | 効くこと |
|---|---|---|
| 動くものを追いたい | 体重が前にかかる。しっぽが上がる。目で追ってから走り出す。声は高め | 距離を取る+おやつと交換。あわせて、追う気持ちを別の場所で満たす |
| 驚き・怖さ | 体を低くして縮こまる。しっぽを巻き込む。耳が後ろ。白目が見える。吠えながら後ずさる | 距離。とにかく近づけない。慣らすのは、離れた場所から少しずつ |
| 見慣れていない | 固まって見続ける。動くもの全部に反応する。子犬・保護犬に多い | 1回を短く、回数を増やす。強い刺激から始めない |
見分けにくいのは1と2です。どちらも興奮して吠えるからです。しっぽの高さと、体の重心を見てください。前に乗っていれば追いたい、後ろに引いていれば怖い。
なお、しっぽを振っていても安心はできません。同じ解説は、しっぽを振るのは「感情的に高ぶっている」ということだけで、うれしいとは限らないとしています。速く小刻みに振るのは高ぶり、ゆっくり大きく振るのがリラックスです。
追いたい気持ちは、消えません
動くものを追いたい気持ちそのものは、しつけで消せるものではありません。だから、別の場所で満たします。
柵で囲まれたドッグランでのボールやフリスビー、家の中での引っぱりっこ、おやつを隠して探させる遊び。「追って、捕まえて、勝つ」までが1セットになっている遊びほど効きます。散歩だけで発散しきれていない犬は、道の刺激に食いつきやすくなります。
やってはいけない3つ
| やってはいけないこと | なぜ |
|---|---|
| リードを引いて止める | 米国獣医行動学会は、避けるべき関わり方に「リードを引く」を挙げています。首輪7種類とスリップリードを圧力センサー入りの首の模型で試した研究は「試したどの首輪も、リードを引いたときにけがの危険を減らせるほど低い圧にはならなかった」と結論づけています。そして、引かれた不快が「自転車が来た瞬間」と結びつくと、自転車そのものが嫌なものになります |
| 叱る・大きな声を出す | 同じ学会は2021年の見解で、力・痛み・精神的または身体的な不快に頼る方法は使うべきでないとし、罰を使った方法は攻撃的な行動や不安に関わる行動と関連が見られ、効果の面でも劣るとしています。そもそも走り出したあとの声は届きません |
| 慣れるまで、近くで見せ続ける | いきなり強い刺激にさらす方法は、避けるべき方法に挙げられています。怖がっている最中に続けると、次回の反応がかえって大きくなります |
ここで、よく混ざるものを分けておきます。リードを「短く持つ」ことと「引く」ことは別のものです。短く持つのは、犬が届く範囲をこちらで決めるため。引くのは、犬の体に力をかけることです。短く持って、引かない。これが正解です。
小型犬の場合、危ないときに抱き上げるのは正しい安全策です。ただし毎回そうしていると「自転車が来る=大ごとが起きる」を覚えます。安全のために抱くときと、練習のときを分けてください。練習では抱かずに、距離を取ります。
練習の手順|反応が出ない距離から始めます
この練習には名前が付いています。脱感作(反応がいちばん小さくなるほど弱い刺激から始めて、少しずつ強める)と、カウンターコンディショニング(嫌なものや気になるものと、おいしいおやつを対にする)です。
刺激の強さを決めるのは、距離です。近ければ強く、遠ければ弱い。だから最初にやるのは、練習ではなく「その子の距離」を探すことです。
| 段階 | やること | できたと言える状態 |
|---|---|---|
| 1 | 反応が出ない距離を見つける。動線から外れた場所(駐車場の端、公園の柵ぎわ、歩道橋の上)で、通る自転車を眺める | 見えてはいるが、体が固まらない。おやつを食べられる |
| 2 | 自転車が視界に入った瞬間におやつを出す。通り過ぎたら止める | 「見えた→おやつ」の順番が崩れない |
| 3 | そのまま続ける | 自転車を見たあと、自分からこちらを見る。ここが目標地点 |
| 4 | 1歩だけ近づく。2〜3回うまくいってから | 近づいた場所でも、また自分からこちらを見る |
| 5 | 刺激を強くする。自転車→バイク→車、ゆっくり→速い、1台→複数 | ひとつ強くしたら、ほかは一段やさしく戻す |
3段階目が、この練習のいちばん大事なところです。「自転車が来たら、人を見る」が身につくと、犬は自分で切り替えるようになります。こちらから呼ばなくてよくなる、という意味です。
やりすぎのサインと、進め方の目安
いちばん分かりやすいのはおやつです。それまで食べていたのに、すぐ食べなくなったら距離が近すぎます。合図を出しても落ち着けなくなったときも同じです。
| 1回の長さ | 5〜45分 |
|---|---|
| 頻度 | 週に2回以上。毎日できればなお良い |
| 終わり方 | 必ず良い形で終える |
| 進め方 | 2〜3回うまくいったら、次回ほんの少しだけ強くする |
| かかる期間 | 数時間で済むこともあれば、数か月かかることもある |
うまくいかないときは、たいてい距離が近すぎます。「もう1歩下がる」で解決することがほとんどです。
今日からできる、散歩の組み立て直し
練習には数週間かかります。そのあいだ、散歩は毎日あります。だから先に、そもそも近づかない形を作ります。
| 変えるところ | やること |
|---|---|
| 道 | 自転車が多い道を外す。車道から1本内側へ入る。歩道では建物側を歩く |
| 時間 | 通勤・通学の時間帯を避ける。朝早く、夜遅くのほうが台数が減る |
| 立ち位置 | 人が、自転車が来る側に立つ。犬と自転車のあいだに体を入れる |
| 装備 | 首輪だけで散歩しない。ハーネスを併用すると、力が首の1か所に集中しない |
| リード | 短く持つ。ただし引かない。伸縮リードは、とっさに長さを決められないので、この課題があるあいだは使わない |
| 持ち物 | おやつを袋から出して片手に持っておく。袋を開けてからでは間に合わない |
| 向き | 来ると分かったら、来る前に向きを変えて、離れる方向へ数歩歩く |
この7つのうち、いちばん効くのは立ち位置です。人が壁になるだけで、犬から自転車までの距離が1メートル近く変わります。その1メートルが、反応するかしないかの差になることがあります。
自転車に乗りながら犬を散歩させることについて
「犬 散歩 自転車」で調べる方には、もうひとつの意味があります。自転車に乗って、犬を引きながら走る散歩です。こちらについても書いておきます。
まず決まりのことです。道路交通法の第71条は運転者が守るべきことを並べていて、その第6号が「前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」としています。つまり、中身は都道府県の公安委員会が定めます。
動物を引きながらの運転を、この規則で禁じている都道府県があります。お住まいの都道府県の規則を確認してください。同じ日本でも、住んでいる場所で答えが変わります。
決まりを別にしても、犬の側の負担があります。
| 負担 | 中身 |
|---|---|
| 速度を犬が決められない | 疲れても、痛くても、止まれません。人は自転車の上にいるので、犬の歩き方の変化に気づきにくくなります |
| 地面の熱 | 肉球は毛が生えていないので、人の手のひらのように温度を感じます。真夏のアスファルトやマンホールはけがの原因になります |
| 転倒 | 犬が急に向きを変えると、自転車ごと倒れます。リードが車輪に巻き込まれることもあります |
| とっさに止まれない | この記事の本題である「飛びかかる」が起きたとき、自転車の上からは何もできません |
散歩のあとは足を拭くか洗ってください。獣医師監修の解説は、「お散歩の後には手足を拭いたり、洗ってあげるようにしましょう」とし、散歩のあとに急に肉球をなめるようになったら、すぐに動物病院を受診するようにとしています。
フローエンスはブリーダー直販で、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。飛びかかりは、散歩の道と時間を変えるだけで半分は減ることがあります。いまの散歩コースと、どの段階(目で追う/固まる/前のめり)で気づけているかを教えていただければ、次にやることをお伝えできます。専門トレーナーのトレーナーダイヤルへどうぞ。
よくある質問
自転車やバイクに飛びかかった瞬間、どうすればいいですか?
その瞬間にできることは、ほとんどありません。追いかける行動には順番があって、①目で追う(顔だけが動く)②体が固まる・じっと見る③体重が前にかかる④走り出す、と進みます。止められるのは①と②までです。③まで来たら、人にできるのはリードを持ちこたえることだけで、④では言葉は届きません。だから練習も対策も、すべて①と②に気づくためのものだと考えてください。アメリカンケネルクラブは、体重が前にかかるのは近づきたい合図で、長く続く硬い凝視は脅しだとしています。「じっと見ている」は、かわいく見えても止めどきの合図です。
追いかける理由は、どう見分けますか?
体に出ます。見るのは、しっぽの高さと体の重心です。動くものを追いたいときは、体重が前にかかり、しっぽが上がり、目で追ってから走り出します。驚きや怖さのときは、体を低くして縮こまり、しっぽを巻き込み、耳が後ろに倒れ、白目が見え、吠えながら後ずさります。前に乗っていれば追いたい、後ろに引いていれば怖い、が目安です。どちらも興奮して吠えるので、声だけでは見分けられません。なお、しっぽを振っていても安心はできません。アメリカンケネルクラブは、しっぽを振るのは「感情的に高ぶっている」ということだけで、うれしいとは限らないとしています。
飛びかかろうとしたら、リードを引いて止めていいですか?
引かないでください。米国獣医行動学会は、避けるべき関わり方に「リードを引く」を挙げています。首輪7種類とスリップリードを圧力センサー入りの首の模型で試した研究も「試したどの首輪も、リードを引いたときにけがの危険を減らせるほど低い圧にはならなかった」と結論づけています。そしてもうひとつ、引かれた不快が「自転車が来た瞬間」と結びつくと、自転車そのものが嫌なものになります。混ざりやすいので分けて書きます。リードを「短く持つ」ことと「引く」ことは別のものです。短く持つのは犬が届く範囲をこちらで決めるため、引くのは犬の体に力をかけること。短く持って、引かない。これが正解です。
叱って止めるのは、なぜだめなのですか?
効かないうえに、悪くなるからです。米国獣医行動学会は2021年の見解で、力・痛み・精神的または身体的な不快に頼る方法は、しつけにも問題行動の治療にも使うべきでないとし、罰を使った方法は人や他の犬への攻撃的な行動、不安に関わる行動と関連が見られ、効果の面でも劣るとしています。そして実際問題として、走り出したあとの声は届きません。自転車が通るたびに叱られる犬は、「自転車が来ると嫌なことが起きる」を覚えるので、反応はむしろ強くなります。
慣れさせるために、わざと自転車の近くを歩かせてもいいですか?
やめてください。いきなり強い刺激にさらす方法は、避けるべき方法に挙げられています。怖がっている最中に続けると、次回の反応がかえって大きくなります。正しいのは逆で、反応が出ない距離から始めます。刺激の強さを決めるのは距離で、近ければ強く、遠ければ弱い。だから最初にやるのは練習ではなく、「その子の距離」を探すことです。見えてはいるけれど体が固まらない、おやつを食べられる。その距離が出発点です。動線から外れた場所(駐車場の端、公園の柵ぎわ、歩道橋の上)から始めてください。
練習は、どこまでできたら次へ進めますか?
自転車が視界に入った瞬間におやつを出し、通り過ぎたら止める。これを続けると、犬は「自転車を見たあと、自分からこちらを見る」ようになります。ここが目標地点で、そうなったら1歩だけ近づきます。2〜3回うまくいってから、次回ほんの少しだけ。進めすぎのサインはおやつです。それまで食べていたのにすぐ食べなくなったら、距離が近すぎます。1回は5〜45分、週に2回以上(毎日できればなお良い)、必ず良い形で終える。かかる期間は数時間で済むこともあれば、数か月かかることもあります。うまくいかないときは、たいてい距離が近すぎるので、もう1歩下がってください。
練習が終わるまで、毎日の散歩はどうすればいいですか?
そもそも近づかない形を先に作ります。変えるのは7つです。道(自転車が多い道を外す。車道から1本内側へ。歩道では建物側を歩く)、時間(通勤・通学の時間帯を避ける)、立ち位置(人が、自転車が来る側に立つ)、装備(首輪だけにせずハーネスを併用する)、リード(短く持つが引かない。伸縮リードはこの課題があるあいだ使わない)、持ち物(おやつを袋から出して片手に)、向き(来ると分かったら、来る前に向きを変えて離れる方向へ数歩)。いちばん効くのは立ち位置です。人が壁になるだけで犬から自転車までの距離が1メートル近く変わり、その1メートルが反応するかしないかの差になることがあります。
自転車に乗って、犬を引きながら散歩させてもいいですか?
まず決まりのことです。道路交通法の第71条は運転者が守るべきことを並べていて、その第6号が「前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」としています。つまり中身は都道府県の公安委員会が定めます。動物を引きながらの運転をこの規則で禁じている都道府県があるので、お住まいの都道府県の規則を確認してください。住んでいる場所で答えが変わります。決まりを別にしても負担があります。速度を犬が決められないので、疲れても痛くても止まれません。肉球は毛が生えていないので人の手のひらのように温度を感じ、真夏のアスファルトやマンホールはけがの原因になります。犬が急に向きを変えれば自転車ごと倒れ、リードが車輪に巻き込まれることもあります。
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まとめ
自転車やバイクに飛びかかるのは、その瞬間には止められません。追いかける行動は、目で追う→体が固まる→体重が前にかかる→走り出す、の順番で進み、止められるのは最初の2つまでです。飛びかかった瞬間をどうにかしようとするから、うまくいきません。理由は3つに分かれます。動くものを追いたい(体重が前・しっぽが上がる)、驚きや怖さ(体を低くする・しっぽを巻き込む・白目が見える)、見慣れていない(固まって見続ける)。見分けは、しっぽの高さと体の重心です。やってはいけないのは3つ。リードを引いて止めること、叱ること、慣れるまで近くで見せ続けること。リードを「短く持つ」ことと「引く」ことは別のもので、短く持って引かない、が正解です。練習は、反応が出ない距離を探すところから始めます。刺激の強さを決めるのは距離で、見えてはいるけれど体が固まらず、おやつを食べられる距離が出発点です。自転車が視界に入った瞬間におやつ、通り過ぎたら止める。続けると「自転車を見たあと、自分からこちらを見る」ようになります。ここが目標です。おやつをすぐ食べなくなったら距離が近すぎます。練習には数週間かかるので、そのあいだは散歩のほうを変えます。道・時間・立ち位置・装備・リード・持ち物・向きの7つ。いちばん効くのは立ち位置で、人が自転車の来る側に立つだけで距離が1メートル近く変わります。最後に、自転車に乗って犬を引く散歩について。道路交通法の第71条第6号により、中身は都道府県の公安委員会が定めます。禁じている都道府県があるので、お住まいの規則を確認してください。決まりを別にしても、速度を犬が決められない、肉球が熱を受ける、転倒してリードが車輪に巻き込まれる、といった負担があります。
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