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トレーナーに相談したあと|家でやることと続ける判断
公開日:2025年4月22日(火) 更新日:2026年10月6日(火) 犬の育て方
この記事の要点
ドッグトレーナーに相談したあと、変わるかどうかは家での時間で決まります。やることは4つです。その日のうちに聞いたことを「見立て・やること・やめること」の3つに書き出す。家でやる練習は1つだけに絞る。記録をつける。家族で対応をそろえる。いちばん抜けやすいのは「やめること」で、これまでの対応をやめないと打ち消し合います。効果は回数だけで見ないでください。1回あたりの長さが短くなっていれば、変わり始めています。そして2週間ほど動かないときは、罰に切り替えるのではなく、体の問題・やめ残し・条件の高さの順に疑ってください。
ドッグトレーナーに相談したあと、いちばん多いつまずきは「聞いたときは分かったのに、家でやろうとすると思い出せない」です。相談は入口で、変わるかどうかはそのあとの家での時間で決まります。この記事は、相談したその日から次の相談までの間に、何をどう回すかを書きます。
先に結論です。やることは4つ。①その日のうちに聞いたことを書き出す ②家でやる練習は1つだけに絞る ③記録をつける ④家族で対応をそろえる。米国のVCAアニマルホスピタルの解説も、行動の相談の見通しを左右するものとして「家族が必要な変更を実行できるかどうか」と「家族が何を期待しているか」を挙げています。犬だけが変わる話ではありません。
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子犬を見るその日のうちに|聞いたことを3つに書き分ける
相談の直後は、覚えているつもりでも半分は抜けています。帰ってすぐ、3つに分けて書き出してください。長く書く必要はありません。
| 書くこと | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 1. 見立て | トレーナーが「なぜ起きている」と言ったか | 「インターホンで吠えるのは、来客が来る合図になっているから」 |
| 2. やること | 家で実際に手を動かすこと。1つだけ | 「音が鳴る前におやつを玄関から離れた場所に置いておく」 |
| 3. やめること | 今までやっていて、やめる行動 | 「吠えてから名前を呼ぶのをやめる」 |
いちばん抜けやすいのが3の「やめること」です。新しくやることは覚えていても、これまでの対応をやめないと打ち消し合います。アメリカンケネルクラブの解説には、インターホンの例がそのまま出てきます。「チャイムが鳴ると犬が吠え出す。すると飼い主が叫び、犬は止まるどころかもっと吠える」。そして「犬の吠えは、飼い主の叫び声によって強化されている」。悪気なくやっている対応が、そのまま報酬になっていることがあります。
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家でやる練習は1つだけ|1回は短く
相談で複数のことを教わっても、同時に始めないでください。1つに絞ったほうが、効いたかどうかが分かります。2つ同時に始めると、うまくいっても何が効いたのか分かりません。
| 決めること | 目安 |
|---|---|
| 何を | 1つだけ。困りごとのうち、いちばん回数が多い場面か、いちばん危ない場面 |
| いつ | 毎日の決まった時間に結びつける(朝ごはんの前、夜の歯みがきの前) |
| 何分 | 1回は短く。犬が集中していられる間で切り上げる。飽きる前にやめる |
| 誰が | まず1人。できるようになってから家族に広げる |
| どこで | いちばん気が散らない場所から。できたら場所を変える |
ごほうびの出し方も、決めておくと迷いません。ごほうびとは、その犬が価値を感じるもののことです。好きなものを順位表にしておくことをおすすめします。難しい場面ほど、上位のごほうびを使う。家の中の練習ならふだんのフード、外で他の犬がいる場面なら特別なおやつ、という具合です。
記録のつけ方|「減ったか」が見える形で
記録は、次の相談のためだけのものではありません。自分が続けられているかを確かめるためのものです。毎日のことは、記録しないと印象で判断してしまいます。「最近ひどくなった気がする」の多くは、印象です。
| 書く欄 | 中身 |
|---|---|
| 日付と時刻 | 何時に起きたか。時間帯のかたよりが見えます |
| 場面 | どこで、誰がいて、直前に何があったか |
| 回数か長さ | 何回吠えたか、何分続いたか。どちらか決めて、ずっと同じ数え方で |
| やったこと | 自分がどう対応したか |
| 結果 | 止まったか、増えたか、変わらなかったか |
大事なのは数え方を途中で変えないことです。最初は「1日に何回」で数えていたのに、途中から「ひどかった日だけ書く」に変わると、比べられなくなります。1週間分そろえば、それだけで話が進みます。
動画も強い材料です。困っている場面そのものより、始まる10秒前から撮ってください。トレーナーが見たいのは、吠えている姿より、そこに至るまでの様子です。留守中の様子はペットカメラで撮れます。記録のつけ方の詳しい形は相談で伝える内容の記事にまとめています。
家族でそろえる|1人だけ違うと進みません
ここが、家での取り組みがうまくいかない原因の上位です。通ったり通らなかったりが、いちばん強く残ります。誰か1人が「かわいそうだから」と抱き上げてしまうと、その1回のために何日分かが戻ります。
| そろえること | 決め方 |
|---|---|
| 合図の言葉 | 1つの行動に1つ。「おすわり」と「すわれ」を混ぜない |
| やめる対応 | 「吠えたら呼ぶ」「鳴いたら出す」など、やめると決めたことを紙に書いて貼る |
| ごほうびの量 | 1日の食事から出す。家族がそれぞれ追加で与えると太ります |
| やらない人の役 | 練習に加わらなくてよいので、邪魔をしないことだけ頼む |
| 子どもの役 | できる範囲だけ(おやつを渡す係など)。難しい場面は任せない |
家族に説明するときは、「こう言われた」ではなく「これをやめる/これをやる」の2つだけを伝えてください。理屈から説明すると長くなり、結局そろいません。冷蔵庫に貼れる長さにするのがコツです。
効果はいつ分かるか|回数より「長さ」を見る
「何日で直りますか」と聞きたくなりますが、行動によって違います。目安になるのは日数ではなく、記録の形です。
| 見るところ | 変わってきたサイン |
|---|---|
| 回数 | 1日あたりの回数が減ってきた |
| 長さ | 1回あたりの時間が短くなった(回数が同じでも、これは進歩です) |
| 戻りの速さ | 興奮してから落ち着くまでが速くなった |
| 起きる場面 | 起きる場面が減った(家では出なくなり、外だけになった) |
| 強さ | 吠え方が弱くなった、噛む力が弱くなった |
とくに見落とされるのが2つめの「1回あたりの長さ」です。回数が減らないと「効いていない」と感じますが、長さが短くなっていれば変わり始めています。記録に長さの欄を作っておく理由がここにあります。
いったん良くなったあとに戻ることもあります。これは失敗ではなく、よくある経過です。戻ったときの立て直しは問題行動が再発したときの記事にまとめました。
進まないときに疑う3つ
2週間ほど続けても記録が動かないとき、疑う順番があります。
| 順番 | 疑うこと | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 1 | 体の問題 | 体の病気が行動の問題の原因であったり、その一因であったりすることがあるため、治療を始める前に、これらを完全に除外しておきます。まだ受診していないなら、ここが先 |
| 2 | やめると決めたことが、まだ続いている | 家族の誰かがやっていないか。自分でも無意識にやっていないか(動画で確認できます) |
| 3 | 練習の条件が高すぎる | いきなり難しい場面でやっていないか。気が散らない場所・短い時間・近い距離まで戻す |
そして、やり方そのものを見直す前に、罰に切り替えないでください。米国獣医行動学会は2021年の見解で、力・痛み・精神的または身体的な不快に頼る方法は、しつけにも問題行動の治療にも使うべきではないとしています。罰を使った方法は攻撃的な行動や不安に関わる行動と関連が見られ、効果の面でも劣るとされています。2021年の別の研究でも、罰を使う方法を2つ以上使っている飼い主の犬は、判断のしかたが悲観的な方向に傾いていたと報告されています。進まないときこそ、条件を下げるほうです。
次の相談で持っていくもの
2回目からは、伝えることが変わります。1回目は「何が起きているか」でしたが、2回目は「言われたことをやってみてどうだったか」です。
| 持っていくもの | 言い方の例 |
|---|---|
| 記録(1〜2週間分) | 「1日平均7回だったのが、4回になりました」 |
| できなかったこと | 「朝は毎日できましたが、夜は3日に1回しかできませんでした」 |
| 新しく出たこと | 「吠えは減りましたが、代わりに前足で引っかくようになりました」 |
| 動画 | うまくいった回と、いかなかった回の両方 |
| 質問 | その場で聞きそびれないよう、紙に書いていく |
できなかったことを隠さないでください。「言われたとおりにやりました」とだけ伝えると、次の手が合わなくなります。できなかったのは、やり方がその家の暮らしに合っていなかったからかもしれません。そこを伝えると、続けられる形に変えてもらえます。
フローエンスはブリーダー直販で、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。「教わったけれど、家でやってみたらこうなった」という段階のご相談も大丈夫です。記録を見せていただければ、条件をどこまで下げるかを一緒に決められます。専門トレーナーのトレーナーダイヤルへどうぞ。
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犬の飼い方|初心者が迎える前に知ること・手続き・最初の1週間
よくある質問
トレーナーに相談したあと、まず何をすればいいですか?
帰ってすぐ、聞いたことを3つに分けて書き出してください。1つめは見立て(トレーナーが「なぜ起きている」と言ったか)。2つめはやること(家で実際に手を動かすこと。1つだけ)。3つめはやめること(今までやっていて、やめる行動)。いちばん抜けやすいのが3つめです。新しくやることは覚えていても、これまでの対応をやめないと打ち消し合います。チャイムが鳴って犬が吠え、飼い主が叫び、犬がもっと吠える、という例があります。犬の吠えは、飼い主の叫び声によって強化されています。悪気なくやっている対応が、そのまま報酬になっていることがあります。
教わったことが複数あります。全部いっぺんに始めていいですか?
1つに絞ってください。2つ同時に始めると、うまくいっても何が効いたのか分かりません。選ぶなら、困りごとのうち、いちばん回数が多い場面か、いちばん危ない場面です。そして、いつやるかを毎日の決まった時間に結びつけてください(朝ごはんの前、夜の歯みがきの前など)。1回は短く、犬が飽きる前に切り上げます。まずは1人でやって、できるようになってから家族に広げてください。場所も、いちばん気が散らないところから始めて、できたら変えていきます。
記録には何を書けばいいですか?
日付と時刻、場面(どこで、誰がいて、直前に何があったか)、回数か長さ、自分がどう対応したか、その結果。この5つで足ります。大事なのは、数え方を途中で変えないことです。最初は「1日に何回」で数えていたのに、途中から「ひどかった日だけ書く」に変わると、比べられなくなります。記録は次の相談のためだけのものではなく、自分が続けられているかを確かめるためのものです。毎日のことは、記録しないと印象で判断してしまいます。「最近ひどくなった気がする」の多くは、印象です。1週間分そろえば、それだけで話が進みます。
家族がやり方をそろえてくれません。どうすればいいですか?
伝える内容を減らしてください。「こう言われた」という説明ではなく、「これをやめる」「これをやる」の2つだけを、冷蔵庫に貼れる長さで共有します。理屈から説明すると長くなり、結局そろいません。そろえるのは、合図の言葉(1つの行動に1つ)、やめると決めた対応、ごほうびの量(1日の食事から出す)の3つで足ります。練習に加わらない人には、邪魔をしないことだけ頼んでください。通ったり通らなかったりが、犬にはいちばん強く残ります。誰か1人が「かわいそうだから」と応じてしまうと、その1回で何日分かが戻ります。
どれくらいで効果が出ますか?
行動によって違うので、日数では言えません。見るのは記録の形です。1日あたりの回数が減ってきた。1回あたりの時間が短くなった。興奮してから落ち着くまでが速くなった。起きる場面が減った。吠え方や噛む力が弱くなった。とくに見落とされるのが2つめで、回数が減らないと「効いていない」と感じますが、長さが短くなっていれば変わり始めています。記録に長さの欄を作っておく理由がここにあります。なお、いったん良くなったあとに戻ることもあります。これは失敗ではなく、よくある経過です。
2週間やっても変わりません。何を疑えばいいですか?
順番があります。1つめは体の問題です。体の病気が行動の問題の原因であったり、その一因であったりすることがあるため、治療を始める前に、これらを完全に除外しておきます。まだ受診していないなら、ここが先です。2つめは、やめると決めたことがまだ続いていないか。家族の誰かがやっていないか、自分でも無意識にやっていないか(動画で確認できます)。3つめは、練習の条件が高すぎないか。気が散らない場所・短い時間・近い距離まで戻してください。そして、やり方を見直す前に罰へ切り替えないでください。
うまくいかないので、少し厳しくしたほうがいいでしょうか?
おすすめしません。力・痛み・精神的または身体的な不快に頼る方法は、しつけにも問題行動の治療にも使うべきではありません。そうした方法が必要だという証拠は無く、同じ学会の2021年の見解では、罰を使った方法は人や他の犬への攻撃的な行動、不安に関わる行動と関連が見られ、効果の面でも劣るとされています。2021年の別の研究でも、罰を使う方法を2つ以上使っている飼い主の犬は、判断のしかたが悲観的な方向に傾いていたと報告されています。進まないときにやることは逆で、条件を下げることです。距離を近くし、時間を短くし、気の散るものを減らしてやり直してください。
2回目の相談では、何を持っていけばいいですか?
1回目は「何が起きているか」でしたが、2回目は「言われたことをやってみてどうだったか」です。持っていくのは、1〜2週間分の記録、できなかったこと、新しく出たこと、動画(うまくいった回といかなかった回の両方)、聞きたいことを書いた紙。とくに、できなかったことを隠さないでください。「言われたとおりにやりました」とだけ伝えると、次の手が合わなくなります。できなかったのは、やり方がその家の暮らしに合っていなかったからかもしれません。そこを伝えると、続けられる形に変えてもらえます。
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まとめ
ドッグトレーナーへの相談は入口で、変わるかどうかは家での時間で決まります。見通しを左右するのは「家族が必要な変更を実行できるかどうか」と「家族が何を期待しているか」です。やることは4つです。①その日のうちに、聞いたことを「見立て・やること・やめること」の3つに書き出す ②家でやる練習は1つだけに絞る ③記録をつける ④家族で対応をそろえる。いちばん抜けやすいのが「やめること」です。チャイムで犬が吠え、飼い主が叫び、その叫び声が吠えを強化している、という例があります。悪気なくやっている対応が報酬になっていることがあります。記録は、日付と時刻・場面・回数か長さ・やったこと・結果の5つ。数え方を途中で変えないでください。効果は回数だけで見ないこと。1回あたりの長さが短くなっていれば、変わり始めています。いったん良くなってから戻るのも、よくある経過です。2週間ほど動かないときは、①体の問題 ②やめると決めたことのやり残し ③条件が高すぎないか、の順に疑ってください。そして、進まないからといって罰に切り替えないこと。力・痛み・不快に頼る方法は使うべきでなく、効果の面でも劣ります。やることは逆で、条件を下げることです。




























