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犬をキッチンや寝室に入れない方法|柵と教え方の順番
公開日:2024年9月5日(木) 更新日:2026年10月6日(火) しつけトレーニング
この記事の要点
入ってほしくない場所は、まず柵やゲートで物理的に行けなくします。そのうえで、境界で止まることを教えます。順番が逆だと、入るたびに叱ることになり、その場所が「人に怒られる場所」になるだけです。とくにキッチンは急ぎます。玉ねぎとネギ類はすべての部分が犬に有毒で、生でも加熱しても粉末でも有害、中毒は命に関わることがあります。食べたと分かっても、獣医師の指示がない限り吐かせないでください。教えるときは「行かない」より「ここにいる」。境界の外にマットを置いて、そこにいることを教えるほうが早く落ち着きます。寝室は、閉め出す前に寝床を用意してください。
キッチンに入ってきてしまう。寝室に入れたくない。この2つは、教え方の前にやることがあります。
先に結論です。入ってほしくない場所は、まず柵やゲートで物理的に行けなくします。そのうえで、境界で止まることを教えます。順番が逆だと、入るたびに叱ることになり、その場所が「人に怒られる場所」になるだけです。とくにキッチンは、覚えるまでの間に命に関わるものを口にしてしまう場所なので、待てないところです。
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子犬を見るまず柵で行けなくする|教えるのはそのあと
「入らないように教える」と「入れない状態にする」は別のことです。先にやるのは後者です。理由は3つあります。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 覚えるまでに時間がかかる | その間も毎日、入る機会があります。入れた経験が積み上がると、教えるのが遅くなります |
| 見ていられない時間がある | 料理中、来客中、寝ている間。人が見ていないときに入るのが、いちばん危ない |
| 叱る回数が減る | 行けなければ、叱る場面そのものが起きません |
使うのは、ペット用のゲート、ベビーゲート、サークル、突っ張り式の仕切り。飛び越えられない高さと、すき間の無いものを選んでください。小型犬でも、助走をつけると思ったより跳びます。
ここで大事なのは、柵を「ずっとそのまま」の前提で置くことです。「覚えたら外す」と思って始めると、中途半端な時期に外してしまい、また入るようになります。外すのは、境界で止まれるようになってから、しかも段階的にです。
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キッチンを急ぐ理由|命に関わるものがある
寝室は「入ってほしくない」ですが、キッチンは「入ると危ない」です。急ぎ方が違います。
| 危ないもの | 何が起きるか |
|---|---|
| 玉ねぎ・ネギ類 | アメリカンケネルクラブは「玉ねぎには N-プロピルジスルフィドという有毒成分が含まれ、これが赤血球の破壊を引き起こし、犬の貧血につながる」とし、「玉ねぎの植物のすべての部分が犬にとって有毒」「生でも加熱しても、炒めても粉末でも、玉ねぎとネギ属(エシャロット、リーキ、チャイブ、ニンニクを含む)は犬に有害」としています。「玉ねぎ中毒は命に関わることがある」 |
| チョコレート・ぶどう | どちらも犬には毒性があります。調理台や食卓に置いたままにしない |
| 加熱した骨 | 落とした鶏の骨は、のどに詰まる危険があります |
| 薬 | 床に落ちた薬は毒になりえます。キッチンや食卓の近くで薬を飲む家庭は多い |
| 熱・刃物 | コンロ、オーブン、落ちた包丁。足元に犬がいると、こちらが転ぶ危険もあります |
| ごみ箱 | においが強く、犬にとっては宝の山です。ふた付き・扉の中へ |
玉ねぎを食べてしまったときの症状は、元気がない、力が入らない、食欲の低下、歯ぐきが白っぽい、失神、赤っぽい尿です。獣医師の指示がない限り、吐かせようとしないでください。食べたと分かったら、自己判断で処置せず、動物病院に連絡してください。
境界で止まることを教える|ドアの練習から
柵を置いたうえで、「ここから先には行かない」を教えます。使うのは、ドアの前で止まる練習と同じやり方です。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | 逃げても危なくない内側のドア(またはゲート)で始める。向こう側に面白いものを置かない |
| 2 | 少し開ける。犬が近づいたら閉める。これを繰り返す |
| 3 | 犬が止まる・目をそらす・下がる・座る、など「通れない」と分かった様子を見せた瞬間にほめて、おやつ |
| 4 | 開ける幅を少しずつ広げる。動いたら閉める |
| 5 | 全開でも動かなくなってから、合図の言葉と手の合図を、開ける前に出す |
| 6 | 自分が1歩だけ向こうへ出て、戻っておやつ。歩数を増やしていく |
ポイントは3段階目です。「止まった」ではなく「通れないと分かった様子」をほめます。近づくのをやめた、目をそらした、下がった。どれもその瞬間が合図です。
「待て」と「じっとして」は分けて教えるとよいです。「待て」は「ちょっと止まって」で、待っている間の姿勢は問いません(座っても立っても、離れてもよい)。キッチンや寝室の境界では、この「待て」のほうが使いやすいです。座らせる必要はありません。
代わりの居場所を作る|「行かない」より「ここにいる」
「入らない」だけを教えると、犬は境界の前でうろうろします。代わりに行く場所を決めてあげるほうが、ずっと早く落ち着きます。
マットやベッドを「自分の場所」にする教え方があります。クレートでもよいのですが、持ち運べるマットやベッドを選ぶと、どこでも同じ場所を作れます。旅行先や動物病院でも、その子にとって落ち着ける場所になります。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | マットを見せて、そちらへ向いただけでほめる。ごほうびはマットの上に置く |
| 2 | 四本の足が乗るまで進める |
| 3 | 解除の言葉でマットから出す。解除にはごほうびを出さない |
| 4 | マットの上で伏せまで |
| 5 | 時間を延ばす。距離・時間・気を散らすものは、一度に1つだけ上げる |
| 6 | 最後に「マット」「ハウス」などの合図を付ける |
料理をしている間、犬がキッチンの外のマットで伏せていられるようになれば、境界の問題はほぼ解決します。うまくいかないときは、進めすぎです。同じ解説も「犬が苦戦しているなら、たいていは進むのが速すぎる。前の段階に戻ってください」としています。
寝室に入れたくないとき|寝床を先に作る
寝室は、危険というより暮らし方の線引きです。人の睡眠、アレルギー、来客、家族の希望。理由は何であれ、「入れない」を決めるなら、その前に「どこで寝るか」を用意してください。
犬はもともと巣穴で暮らしていたため、広い部屋よりも狭く薄暗い場所の方が安心することができます。1番良いのは「クレート」と呼ばれるハウスです。全体的に囲われているので光が入りにくく、巣穴のような安心感が得られます。
| 寝床の条件 | 中身 |
|---|---|
| 広さ | 中で1周回れるくらい。体勢を変えられないほどでは狭すぎます。成長に合わせて新調を |
| 暗さ | ケージは光が入りやすいので、中にクレートを入れるか、タオルや段ボールで天井と側面を覆う |
| トイレとの距離 | トイレと寝床は別々の場所に。犬は寝床を汚すことを嫌います |
| 置く場所 | 人の行き来が多い廊下や扉付近、テレビの近く、エアコンの風が直接当たる場所は避ける。警戒心の強い子は玄関や窓から離す |
| 距離感 | 「飼い主さんの気配を感じられる部屋で、刺激を受けにくい場所」 |
いっしょに寝ている子を、途中から寝室の外にする場合は、段階を踏んでください。いきなり閉め出すと鳴きます。寝室の中にクレートを置く→クレートの扉を閉めて寝る→クレートを寝室の入口に移す→部屋の外へ、という順です。いっしょに寝る場合も、時にはクレートなど別の場所で寝かせることをしつけておくとよいです。災害時や旅行先でも役に立ちます。
やってはいけない教え方
| やらないこと | なぜ |
|---|---|
| 入ってきたら叱る | その場所ではなく、人が嫌なものになります。呼んでも来なくなります |
| 入ったところを捕まえる | 次からもっと速く入って、逃げるようになります |
| 音や物で驚かせる | 何に驚いたかを犬は特定できません。関係のないものを怖がるようになることがあります |
| 入ったときだけ反応する | 入る=かまってもらえる、になります。境界の外にいるときにこそ、声をかけてください |
| 家族で対応がばらばら | 1人が入れていると、ほかの人が何をしても覚えません |
叱って止めない理由は、しつけ全体に共通します。米国獣医行動学会は2021年の見解で、力・痛み・精神的または身体的な不快に頼る方法は、しつけにも問題行動の治療にも使うべきではないとしています。罰を使った方法は、人や他の犬への攻撃的な行動や不安に関わる行動と関連が見られ、効果の面でも劣るとされています。
もう入る癖がついているとき
途中からでも変えられます。ただし、最初に決めるより時間はかかります。すでに「入ると良いことがある」を覚えているからです。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | まず柵を置いて、入れる時間をゼロにする(数週間は開けない) |
| 2 | キッチンの中の「良いこと」を無くす。落ちているもの、ごみ箱、食べこぼし |
| 3 | 境界の外に、代わりの居場所(マット)を作る |
| 4 | 境界で止まる練習を、柵を閉めたまま始める |
| 5 | 柵を少しだけ開けた状態で練習。止まれなければ戻す |
| 6 | 人が見ているときだけ柵を外す。見ていない時間は、必ず閉める |
2番目を飛ばさないでください。床に何も落ちていないキッチンは、犬にとって用事のない場所です。拾い食いそのものへの対処は犬の拾い食いの記事に、口に入れたものを出す練習は出して・ちょうだいの記事にまとめました。
フローエンスはブリーダー直販で、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。「柵を置いたら鳴き続ける」でつまずくことがあります。これは境界の問題ではなく、ひとりでいられるかの問題なので、やることが変わります。どの場面で困っているかを教えていただければ、そこからの順番をお伝えできます。専門トレーナーのトレーナーダイヤルへどうぞ。
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犬の飼い方|初心者が迎える前に知ること・手続き・最初の1週間
よくある質問
犬をキッチンに入らせないようにするには?
教える前に、柵やゲートで物理的に行けなくしてください。理由は3つあります。覚えるまでに時間がかかり、その間も毎日入る機会があること。料理中・来客中・寝ている間など、人が見ていられない時間があること。そして、行けなければ叱る場面そのものが起きないこと。ゲートは、飛び越えられない高さで、すき間の無いものを選んでください。小型犬でも助走をつけると思ったより跳びます。そのうえで、境界で止まることを教えます。柵は「覚えたら外す」ではなく「ずっとそのまま」の前提で置いてください。中途半端な時期に外すと、また入るようになります。
キッチンに入ると、何が危ないのですか?
いちばん急ぐのは玉ねぎとネギ類です。玉ねぎには N-プロピルジスルフィドという有毒な成分が含まれていて、赤血球が壊され、貧血につながります。玉ねぎの植物はすべての部分が犬にとって有毒で、生でも加熱しても、炒めても粉末でも、玉ねぎとネギ属(エシャロット、リーキ、チャイブ、ニンニクを含む)は犬に有害です。中毒は命に関わることがあります。症状は、元気がない、力が入らない、食欲の低下、歯ぐきが白っぽい、失神、赤っぽい尿です。ほかにも、チョコレートやぶどう、落とした加熱済みの骨(のどに詰まります)、床に落ちた薬、熱と刃物、ごみ箱。どれも、覚えるのを待っていられません。
玉ねぎを食べてしまったら、吐かせたほうがいいですか?
自己判断で吐かせないでください。獣医師の指示がない限り、吐かせようとしないでください。やることは、動物病院に連絡することです。伝えるのは「いつ」「何を」「どれくらい」の3つ。同じものが残っていれば持って行ってください。元気に見えても連絡はしてください。玉ねぎ中毒は、食べてすぐより時間が経ってから症状が出ることがあります。そして、そのあとに必要なのは反省ではなく、置き場所を変えることです。床に落ちない・届かない・入れない、のどれかにしてください。
境界で止まることは、どうやって教えますか?
ドアの前で止まる練習と同じやり方です。まず逃げても危なくない内側のドア(またはゲート)で、向こう側に面白いものを置かない状態から始めます。ドアを少し開け、犬が近づいたら閉める。これを繰り返します。犬が止まる・目をそらす・下がる・座るなど「通れない」と分かった様子を見せた瞬間にほめて、おやつ。開ける幅を少しずつ広げ、動いたら閉めます。全開でも動かなくなってから、合図の言葉と手の合図を、開ける前に出すようにします。ポイントは「止まった」ではなく「通れないと分かった様子」をほめることです。
「入らない」だけ教えれば足りますか?
足りません。行き場が無いと、境界の前でうろうろします。代わりに行く場所を決めてあげるほうが、ずっと早く落ち着きます。マットやベッドを「自分の場所」にする教え方があります。クレートでもよいのですが、持ち運べるマットやベッドを選ぶと、旅行先や動物病院でも同じ場所を作れます。手順は、マットへ向いただけでほめる(ごほうびはマットの上に置きます)→四本の足が乗る→解除の言葉で出す(解除にはごほうびを出しません)→マットの上で伏せ→時間を延ばす、の順。距離・時間・気を散らすものは、一度に1つだけ上げてください。
犬を寝室に入れないようにするには?
閉め出す前に、どこで寝るかを用意してください。犬はもともと巣穴で暮らしていたため、広い部屋よりも狭く薄暗い場所の方が安心します。1番良いのは「クレート」と呼ばれるハウスです。広さは中で1周回れるくらい。ケージは光が入りやすいので、中にクレートを入れるか、タオルや段ボールで天井と側面を覆います。トイレと寝床は別々の場所に。置く場所は、人の行き来が多い廊下や扉付近、テレビの近く、エアコンの風が直接当たる場所を避け、「飼い主さんの気配を感じられる部屋で刺激を受けにくい場所」にしてください。
いっしょに寝ていた犬を、途中から寝室の外にできますか?
できますが、段階を踏んでください。いきなり閉め出すと鳴きます。順番は、寝室の中にクレートを置く→クレートの扉を閉めて寝る→クレートを寝室の入口に移す→部屋の外へ、です。数日ずつ進めて、鳴くようなら前の段階に戻します。なお、いっしょに寝ること自体が悪いわけではありません。いっしょに寝る場合も、時にはクレートなど別の場所で寝かせることをしつけておくとよいです。ずっといっしょでないと眠れない状態にしないことと、災害時や旅行先で別の場所でも眠れることが目的です。
もう入る癖がついています。今からでも直りますか?
直りますが、最初に決めるより時間はかかります。すでに「入ると良いことがある」を覚えているからです。順番は6つ。①まず柵を置いて、入れる時間をゼロにする(数週間は開けない)②キッチンの中の「良いこと」を無くす(落ちているもの、ごみ箱、食べこぼし)③境界の外に代わりの居場所を作る④境界で止まる練習を、柵を閉めたまま始める⑤柵を少しだけ開けた状態で練習し、止まれなければ戻す⑥人が見ているときだけ柵を外す。見ていない時間は必ず閉める。とくに②を飛ばさないでください。床に何も落ちていないキッチンは、犬にとって用事のない場所です。
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まとめ
入ってほしくない場所は、まず柵やゲートで物理的に行けなくしてから、境界で止まることを教えます。順番が逆だと、入るたびに叱ることになり、その場所が「人に怒られる場所」になるだけです。とくにキッチンは急ぎます。玉ねぎとネギ類はすべての部分が犬に有毒で、生でも加熱しても粉末でも有害、中毒は命に関わることがあります。ほかにもチョコレートやぶどう、落とした加熱済みの骨、床の薬、熱と刃物、ごみ箱。食べてしまったときは、獣医師の指示がない限り吐かせないでください。動物病院に「いつ・何を・どれくらい」を伝えます。境界の教え方は、ドアの前で止まる練習と同じです。少し開けて、近づいたら閉める。「通れないと分かった様子」を見せた瞬間にほめます。そして「行かない」だけでなく「ここにいる」を作ってください。境界の外にマットを置き、そこにいることを教えます。距離・時間・気を散らすものは一度に1つだけ上げます。寝室は、閉め出す前に寝床を用意します。狭く薄暗いクレートがいちばん落ち着き、広さは中で1周回れるくらい。トイレと寝床は別の場所に。いっしょに寝ていた子を外にするなら、寝室の中にクレート→扉を閉める→入口に移す→部屋の外、と段階を踏んでください。叱って止めるのは避けてください。その場所ではなく、人のほうが嫌なものになります。
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