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犬は家族内で順位をつけたがる?真相をドックトレーナーに聞いてみた
公開日:2024年9月5日(木) 更新日:2026年10月21日(水) 犬の育て方
この記事の要点
犬は家族を1位・2位と並べてはいません。相手ごとに別の関係を覚えていて、「この人には要求が通る」「この人は信用できる」を学んでいます。家族によって態度が違うのはそのためで、なめられているからではありません。仰向けに押さえつける・目をそらすまで見つめるといった方法は、順位を教えるどころか噛みつきの原因になります。
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子犬を見る家族内で順位をつけるってホント?
「犬は狼の子孫だから順位をつける動物」といわれてきましたが、最近ではワンちゃんには順位付けや上下関係は存在しないと言われています。
なぜ今は上下関係はないと言われているかというと、最近の研究では野生犬を観察した結果上下関係がないということがわかってきており、野生のオオカミでも上下関係は存在しておらず互いに助け合いながら生活していることが分かりました。
このことから【犬はオオカミの子孫だから上下関係をしっかり教え込まなければいけない】といった考え方は現在されていません。
ワンちゃんの要求に応えているから
現在ではワンちゃんとの上下関係をはっきりさせないと問題行動に繋がるという考えはされていません。また、「犬が言いうことを聞かないから人が下に見られている」=「犬よりも人が上にならなければいけない」と力で押さえつけようとしたりしてしまっては不信感や恐怖心を感じてしまい、かえって関係性が悪化してしまうリスクがあります。
ワンちゃんが言うことを聞かないのは普段の生活で指示を聞かなくても許してしまうことが原因だと考えられます。普段からワンちゃんのわがままに従ってしまうと「指示を聞く必要はない」「この人はわがままを許してくれる」と誤った学習をしてしまうため、日常でのワンちゃんとの関わり方を見直す必要があります。
上下関係をはっきりさせるべき?
上記で説明した通り、【上下関係】ではなく【関係性】や【普段の接し方】を見直す必要があります。
過去の愛犬との接し方で要求に応じてしまっていた、指示を出してもおやつがないから愛犬が指示に従わなくても許してしまっていた、近所迷惑が心配で吠えたらサークルから出してかまってあげていた、などの経験はありませんか?
今からでも遅くはないので、『関係性』や『普段の接し方』を見直してみましょう。
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家族によって態度が違う理由
ワンちゃんにとって上下関係は関係ないことが分かりました。それでは、なぜ家族内でのリアクションや態度が違うのかを解説します。読んで該当する方は少なくないと思いますが、少しずつ改善していけば問題ありません。是非参考にして頂ければと思います。
家族によって愛犬の接し方が違う
ワンちゃんはどうしたら自分にとって良いことが起こるのか、イヤなことが無くなるのかを日常の生活の中で学習していきます。
例えば、お父さんの時は「マテ」の指示に従わないとごはんが食べられない。お母さんの時は吠えたらごはんかもらえた、という経験をするとワンちゃんはお母さんの時は吠えるけどお父さんの時はしっかり待つようになります。
このように家族によってワンちゃんの関わり方が変わればワンちゃんは家族によって接し方を変えるように学習してしまうのです。
信頼や安心できる存在
ワンちゃんは信頼できる相手なのかを普段の生活で見極めています。また、信頼している相手であれば安心し甘えたり、呼ばれたら駆けつけてきてくれます。
ワンちゃんにとって信頼できる相手になるには、決して暴力に頼ったしつけをしない事や感情的になり叱ったりしない人です。
人間同士でも同じですが、すぐ感情的に怒る人やイヤなことがあるとカッとなりやすい人に対し信頼し安心感を抱くことはできません。
まずは、心当たりがないか今までの接し方を振り返り、思い当たる節があるのであれば改善しましょう。
わくわくする相手
ワンちゃんの性格によって楽しいこと・うれしいことは違いますがワンちゃんも人間と一緒で『一緒にいて楽しい人』が好きです。
ワンちゃんにとってのわくわくする相手になれるよう、普段の生活の中に一緒に遊ぶ時間を設けたり、トレーニングなどを通してわくわく感を与えることができればワンちゃんとの関係が変わってくることもあります。
まずはワンちゃんが何をすることが好きな子なのか見極めてみましょう。
「下に見られている」わけではありません
上記で説明した通りワンちゃんは上下関係をつけて人と接しているのではなく、普段の生活の中でどのような行動を取れば自分にとって良いことが起こるのか、イヤなことが無くなるのかを考え行動することが多いです。ワンちゃんと生活していく中での関係性や普段の接し方をまずは見直してみましょう。
重要なポイントとなるので、もう一度お伝えしますが、
【飼い主の行動が下に見られる訳ではなく、ワンちゃんにとって”要求が通ったから”や”信用できないから”など学習しての態度】となります。
「一番好きな人」は、どこを見れば分かりますか
いちばん多いご質問です。順位ではありませんが、「その人といるときの安心のしかた」には差が出ます。
言葉では聞けないので、行動で見ます。
| 行動 | 何が表れているか |
|---|---|
| その人のそばで、体を伸ばして寝る | いちばん分かりやすい合図です。無防備な姿勢は、安心しているときにしか取りません |
| 帰宅したとき、いちばん長く喜ぶ | — |
| 知らない音がしたとき、その人を見る | 「どうすればいい?」と確認しています。これは信頼の表れです |
| おもちゃをその人のところへ持っていく | 一緒に遊びたい相手として選んでいます |
| その人が部屋を移ると、ついていく | — |
| そばで、ふーっと大きく息を吐く | 緊張がとけたときに出ます |
「一番好き」と「頼りにしている」は別のことがあります。遊んでくれる人にはよくじゃれつくのに、怖いことがあると別の人のところへ行く——よくあることです。
犬は相手ごとに違う関係を作っています。順位を1列に並べているのではなく、「この人とは遊ぶ」「この人のそばだと落ち着く」と、それぞれ別に覚えているのです。
誰と寝たがるかで分かりますか
寝る場所は、好みだけでは決まりません。
- 温かい・寝返りが少ない……単純に眠りやすい相手が選ばれます
- 寝る時間が犬と合っている……夜ふかしする人のそばでは眠れません
- その部屋のドアが開いている……物理的な条件のほうが大きいことがあります
寝る相手=一番好きな人、とは限りません。気にしすぎないでください。
「順位を教えるべき」と言われたら
いまも、次のような方法をすすめられることがあります。どれも、おすすめしません。
| 言われがちな方法 | 実際どうなるか |
|---|---|
| 人が先に食べ、そのあと犬に与える | 順位は伝わりません。犬は「待つ」を覚えるだけで、順番そのものに意味はありません |
| ソファやベッドに乗せない | 高さと立場は関係ありません。乗せるかどうかはその家のルールとして決めれば十分です |
| 目をそらすまで見つめる | 危険です。見つめ続けるのは犬にとって圧で、追い詰められた子は噛みます |
| 仰向けに押さえつける | 絶対にやめてください。人の手が怖いものになり、噛みが強くなります |
| ドアを人が先に通る | 順位は伝わりません。ただし飛び出し防止としては意味があります |
中には「結果として役に立つもの」もあります(待つ・飛び出さない)。ただしそれは安全のためであって、順位を教えているのではありません。
目的をはき違えると、「効かないから、もっと強くやろう」となります。そこから関係が壊れます。
言うことを聞かないのは、なめられているからですか
違います。「その場面で、聞いたほうが得だと思えていない」だけです。
- その人の言葉で練習していない……お母さんの「おすわり」しか練習していなければ、他の人の声では通じません
- 家族で言い方が違う……「おすわり」「すわれ」「シット」が混ざっていませんか
- できたときに何も起きない……従っても何も良いことがなければ、続きません
- その人だけが叱る役になっている……近づきたくない相手になります
言うことを聞いてほしい人が、その子と練習してください。2〜3日、1回5分で変わります。立場を上げる必要はありません。
犬どうしの「順位」は、また別の話です
ここまでは人と犬の関係でした。多頭飼いの場合、犬どうしには「先に譲る/譲られる」の関係ができることがあります。
ただしこれも、1位・2位と固定された序列ではありません。おもちゃでは先に譲る子が、寝床では譲らない——場面ごとに違うのがふつうです。
人が順位を決めようとしないでください
- 「先住犬を立てるために、先にごはんを出す」……必要ありません
- ただし食器と寝床は分けてください。取り合いは、順位ではなく物の問題です
- 取り合いが起きたら、犬に任せず人が物を片づける
先住犬と新入りがうまくいかないときは、先住犬が新しい子と仲良くしないときの対処法もあわせてご覧ください。
リーダーではなくパートナーとして暮らす
ワンちゃんは家族内での順位を決めていないことが理解できたと思います。共に生活をしていく上で、絶対的な立場を確立することは重要ではなく、信頼関係を築き【家族の一員であり、パートナー】としてワンちゃんとの関係性を構築しましょう。
よくある質問
犬は家族の中で一番好きな人を決めていますか?
順位として決めてはいませんが、相手ごとに違う関係を作っています。見分けたいなら、その人のそばで体を伸ばして寝るかを見てください。無防備な姿勢は、安心しているときにしか取りません。また、知らない音がしたときに見る相手は、その子が頼りにしている人です。
家族によって態度が違うのはなぜですか?
相手ごとに「何が起きたか」を別々に覚えているからです。吠えたらおやつをくれた人には吠えますし、嫌がっても抱き上げる人からは離れます。立場の上下ではなく、その人との間で起きたことの積み重ねです。
人が先に食事をすると順位が伝わりますか?
伝わりません。犬は「待つ」を覚えるだけで、順番そのものに意味はありません。落ち着いて待てるようになるのは良いことですが、それは待つ練習の成果であって、順位を教えた結果ではありません。
ソファやベッドに乗せると、なめられますか?
なりません。高さと立場は関係ありません。乗せるかどうかは、抜け毛や落下のけが、来客のことなどを考えてその家のルールとして決めれば十分です。ただし決めたら家族全員で同じにしてください。人によって違うと、犬が混乱します。
言うことを聞かないのは、なめられているからですか?
違います。「その場面で、聞いたほうが得だと思えていない」だけです。その人の声で練習していない、家族で言い方が違う、できても何も起きない——このどれかが多いものです。聞いてほしい人が、その子と1日5分だけ練習してください。
仰向けに押さえつけて上下関係を教える方法はどうですか?
やめてください。順位は伝わらないうえに、人の手が怖いものになり、噛みが強くなります。目をそらすまで見つめるのも同じで、追い詰められた子は噛みます。どちらも、いま最も避けるべき方法です。
多頭飼いでは、犬どうしの順位を人が決めるべきですか?
決めなくて構いません。犬どうしには「先に譲る/譲られる」の関係ができることがありますが、場面ごとに違い、固定された序列ではありません。人がすべきなのは順位づけではなく、食器と寝床を分けることです。取り合いが起きたら、犬に任せず人が物を片づけてください。
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まとめ
犬は家族を1位・2位と並べてはいません。相手ごとに別の関係を覚えているので、家族によって態度が違うのは自然なことです。「なめられている」と考えて押さえつけたり見つめ続けたりすると、順位が伝わらないどころか、噛みつきの原因になります。言うことを聞いてほしい人が、その子と少しずつ練習してください。それがいちばん近道です。


























