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           犬からの信号を読み取ろう!カーミングシグナルの一覧と注意点とは        

2024.02.29

flowens

この記事の監修

フローエンスメディアライター   大久保 祐太のプロフィール写真

フローエンスメディアライター   大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴:
ゴールデンレトリーバー
ミニチュアダックスフンド
オーストラリアンキャトルドッグ

資格:
ペット・トラベルアドバイザー
ペット災害危機管理士 2級
家庭動物管理士  3級

※しつけ記事ではアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています

カーミングシグナルであるあくびをする犬

前回は【犬の言葉】ボディランゲージについての解説をしました。
【犬と対話】ボディランゲージを読み取るための必要知識のまとめ

ワンちゃんのボディランゲージを細分化すると「カーミングシグナル」という表現方法が存在します。
今回はカーミングシグナルにフォーカスを当てた記事となりますので、ボディランゲージの記事とセットでお読み頂ければと思います。


カーミングシグナルとは

カーミングシグナルとは

カーミング→Calming(落ち着かせる)
シグナル→Signal(信号・サイン)

を意味する言葉であり、【自分や相手を落ち着かせる行動】を指します。

主なカーミングシグナルの役割は下記の通りです。↓

1、相手や自分を落ち着かせる
2、敵意がないことを示す
3、不安や不快を感じていることを示す
4、自分以外の犬同士、人間同士の争いをやめさせる

これらはワンちゃんが本来持つ本能的な【群れの平和を維持する】といった作用が働くことで、言葉を話せない代わりに身体を使った表現行動がカーミングシグナルとなります。

ボディランゲージとの違いは?

一方でボディランゲージは喜怒哀楽や遊びの誘いなどと言った【感情表現】を表す意味を指します。

言葉を話せないワンちゃんにとって、ボディランゲージもカーミングシグナルも【表現】としては同じ意味を指しますが、【感情表現】と【落ち着かせる行動】の違いがあるので覚えておきましょう。

ボディランゲージについては別記事でまとめて解説しているので、よかったら合わせてお読みください。

【犬と対話】ボディランゲージを読み取るための必要知識のまとめ

カーミングシグナルはストレスサイン?

ワンちゃんはストレスの度合いに応じて、カーミングシグナルを出します。

そのため、カーミングシグナルは【ストレスサイン】としての指標の役割を担っているため、サインを読み取ることが出来れば早期改善が見込めるメリットがあります。

ワンちゃんの精神状態や体調管理を行う上で、飼い主さまのカーミングシグナルの理解度は重要であるでしょう。

見分けにくい犬種がいる

耳が垂れている犬種や断耳しているワンちゃん、尻尾が短い犬種や、断尾しているワンちゃんは耳の位置や尻尾によるボディランゲージを示しにくく、長毛の犬種や柔らかい毛のワンちゃんは背中の毛の逆立てることができません。このようにボディランゲージを示しにくいワンちゃんの場合は、観察に一層の注意が必要となります。

カーミングシグナル一覧

カーミングシグナルである顔周りを舐める犬

下記のカーミングシグナルが一般的にワンちゃんが見せるサインとなります。

・顔を背ける・視線を避ける・身体を背ける
→興奮している相手を落ち着かせようとしている、敵意がないことを示している

・床や地面の匂いを嗅ぐ
→自分や相手が興奮していたり、不安を抱いた時に落ち着かせるための行動。または、情報収集や緊張しているときにもみられます。

・背中をかく
→ストレスを感じた際に身体の刺激で緩和させようとしている、または敵意がないことを示している

・身体をブルッと振るう
→不安や緊張を感じた時、あるいは解放された時に気持ちを切り替える時の行動

・自分の鼻や口を舐める
→自分や相手を落ち着かせようとしている時や、争いごとに発展させないようにしている時にみられる行動

・プレイバウ(遊びを誘うおじき)
→遊びを誘う仕草

カーミングシグナルであるプレイバウをする犬

・カーブを描きながらすれ違う
→相手に対し怖がらせないように敵意はないことを示している

・あくび
→ストレスや緊張を緩和させるために行う仕草

・間に割って入る
→争いごとに発展しそうな時やしている時に仲裁には入る行動

・静止あるいはゆっくりとした動き
→敵意がないことを示し、相手に落ち着いてほしいときに行う行動

・座る
→相手に敵意がないことを示し、落ち着かせる行動

・伏せる
→自分の高まった気持ちを落ち着かせる時や相手に敵意がないことを示す行動

ストレスを感じている時のサイン一覧

上記では主に「敵意がないことを示す・ストレスの緩和」でしたが、ストレスの度合いが高くなると下記のようなサインをだすことがあります。

・暑くないのに呼吸が荒い
・よだれを垂らす
・急にフケがでる
・換毛期でないのに大量に毛が抜ける
・排泄の回数が増える
・下痢をする
・嘔吐する
・足の裏に汗をかく
・食欲がなくなる
・筋肉がこわばる
・身体を振るわす
・耳が後に垂れる
・吠える(鳴く)
・集中できない
・過剰なグルーミングを行う

これらの行動が確認された場合は、ストレスの原因の解明と改善を行いましょう。

犬のストレスについて

適度なストレスは適応性をつけるために必要だが、過剰なストレスはバランスが崩れ限界を超えると心や身体に様々な問題が発生してしまいます。
また、個体によってもストレスに対し、受ける影響は異なり表現方法も異なるため、一概に言い切ることはできません。
一般的にワンちゃんは「普段と違うこと」に対してストレスを感じやすいため、普段からの社会化トレーニングの重要性が高いことが分かるかと思います。
高い社会性を身に着けることで、適応能力も高くなりストレスを感じにくくなるため社会化トレーニングは日常生活の中で養っていきましょう。

社会化トレーニングの方法は下記の方法を参考にしてください↓

犬の社会化に”遅い”はない!社会化の理解とトレーニングについて

ストレスによる3つの行動

極度の緊張によるストレスを感じた際にとる3つの行動をご紹介します。

1、固まる
→ストレスで動けなくなってしまう
→対象物例は環境や他のワンちゃん、車など

2、逃走する
→その場から逃げて危険を回避しようとする動物の習性
→対象物例は他のワンちゃんや車など

3、攻撃する
→逃げ場がない場合に攻撃に転じて状況を打破しようとする習性
→対象物例は主にワンちゃんや車など

上記の3つの行動はストレスが原因による代表的な行動です。

ワンちゃん同士の付き合い方を知っている子であれば知らないワンちゃんがいても必要以上にストレスがかかることもありませんが、飼い主さま(ご家族)しか知らないような環境で育った子は見知らぬワンちゃんを見るだけでも強いストレスを感じてしまうようになります。

このような意味でも子犬の時期に社会性を身に着けることが重要と言えるでしょう。

カーミングシグナルを失うことも

カーミングシグナルを失った犬

カーミングシグナル=ワンちゃんの言葉とご説明しましたが、飼い主さまの観察不足によって表現しなくなることもあります。
ワンちゃんが伝えるのを辞めてしまうことで何を思っているのかを読み取ることが出来ず、ずっとワンちゃんにストレスを感じさせてしまうことになってしまうため下記で紹介する2点は意識して注意しましょう。

カーミングシグナルを出しても無視され続ける

ワンちゃんが飼い主さまにカーミングシグナルを出しているのに気付かずにワンちゃんの意思とは反対な行動や対応をしてしまうとワンちゃんは「全然分かってくれないや」と表現を諦めてしまい、そのまま表現しなくなることがあります。

カーミングシグナルはワンちゃんの本来の習性だから無くなることはないと考えるのは間違いであり、飼い主さまに伝えたいことをシグナルとして表現しているのです
人間と同様に無視され続ければ伝えようとするのを辞めるのと同じであり、ワンちゃんもカーミングシグナルを出さなくなる可能性があることを理解しましょう。

極度のストレス

もう一つの原因は「ストレス」です。

極度なストレスを感じるとカーミングシグナルを出すことが出来ず、ただただ辛い思いをしている状態です。
もうどのシグナルを出せばいいのか分からなくなっている状況であり、パニック症状とも言える場合です。

強いストレスがかかる環境に長くいたり、誰にも助けを求められない環境などで過ごしているワンちゃんに見られることがあります。本来であればそうならないために環境を整え、ワンちゃんのシグナルを見逃さないことが重要です。

日々のコミュニケーションでワンちゃんが発信するシグナルを可能限り読み取れるように心掛けましょう。

最初から全てを読み取ることを求めない

飼い主さまにカーミングシグナルを全て読み取ることは不可能です。初めて飼う方なら尚更ですが、プロであってもワンちゃんとの信頼関係を築く前に断言することは至難の技と言えるでしょう。カーミングシグナルはワンちゃんの性格や生活環境によっても表現方法が異なり、ストレスの感じ方も個体差によります。日々のコミュニケーションや犬の幼稚園などを活用して【犬や人、モノやコト】に多く触れる機会があれば犬同士の遊び方やシグナルの出し方も上手になり、飼い主さまも読み取りやすくなることでしょう。

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