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ヨークシャーテリアはどんな犬?散歩時間・性格・抜け毛・寿命と病気
公開日:2024年12月4日(水) 更新日:2026年10月6日(火) その他
この記事の要点
ヨークシャーテリアは、犬種の基準で体重「3.2キロまで」だけが決まっていて、背の高さと体重の下限は決まっていません。散歩時間にこの犬種だけの数字はなく、獣医師が監修した目安「小型犬は1回15分を1日2回」から始めて、その子の様子で決めます。基準に書かれた性格は「用心深く、利口なトイ・テリア」で、中身はネズミを追っていたテリアです。毛は一重(シングルコート)で抜け毛は少ないかわりに毎日のブラッシングが要り、子犬の黒っぽい毛色は成長で変わります。平均寿命は13.7歳、気をつける病気はひざ・ひざの靱帯・おなか(蛋白漏出性腸症)・心臓・気管です。
ヨークシャーテリアを調べると、「散歩は1日30分」「背の高さ15〜18センチ」「平均体重3キロ」「とても賢い」といった数字や評価が並びます。ただ、そのどれが犬種の基準で決まっていて、どれが誰かの見立てなのかは、ページを見ても分かりません。「ヨークシャーテリアの散歩時間はどのくらいが正しいのか」「ヨーテリーとヨーキーは同じ犬なのか」「知能は高いのか」「抜け毛と寿命は」といった、迎える前にいちばん知りたいことも、答えがばらばらです。
この記事では、犬の団体が決めている犬種の基準や、獣医師が監修したペット保険会社の資料で確かめたことに、毎日ヨークシャーテリアの子犬を見ているブリーダーとして知っていることを合わせて、迎える前に知っておいてほしいことをまとめました。いちばん多く調べられている「散歩時間」は、2つ目の章で先に答えます。
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ヨークシャー・テリアの子犬を見るヨークシャーテリアとはどんな犬|犬種の基準で決まっていること
純血の犬種には、「この犬種はこの大きさ、この見た目」という決まり(基準)があります。日本ではジャパンケネルクラブという犬の団体が、この基準を出しています。ヨークシャーテリアの基準は、体重「3.2キロまで」だけが決まっていて、背の高さ(地面から肩まで)の決まりも、体重の下限もありません。「背の高さ15〜18センチ」「体重1.5〜3キロ」のような数字を見かけることがありますが、基準にその数字はありません。
| 犬種名 | ヨークシャー・テリア(世界の犬の団体FCIの基準で No.86) |
| 生まれた国 | イギリス |
| グループ | 第3グループ(テリア)の、第4の仲間(トイ・テリア=小さなテリア) |
| もともとの役目 | 人のそばで暮らすこと |
| 背の高さ | 決まりなし |
| 体重 | 3.2キロまで(下限の決まりなし) |
| 毛 | 長い毛が、左右に同じように真っすぐ垂れる。分け目は鼻からしっぽの先まで続く |
| 毛色 | ダーク・スチール・ブルー(濃い青みがかった鋼の色。明るいシルバー・ブルーではない)と、胸のつやのある明るいタン(黄色がかった茶色)。認められている色はこの1つ |
| 性格(基準の言葉) | 用心深く、利口なトイ・テリアである。気質は安定しており、勇敢である |
ヨークシャー・テリアは、1850年代ごろに初めて見られた犬です。もとになったのは古いブラック・アンド・タン・テリアで、マルチーズやスカイ・テリアなど、ほかの犬種もまぜて作られました。いまの名前が認められたのは1870年です。ヨークシャーは、イギリスの工場の多い地方の名前で、そこでネズミ退治のために生まれた犬です。1862年に生まれたときは「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャー・テリア」という名前で、長すぎて定着せず、1870年ごろにいまの名前になりました。もとは工場で働く人たちの家でネズミを捕っていた働く犬で、そのあとお金持ちの家でもかわいがられるようになった犬種です。
この生まれは、いまの暮らしにそのままつながっています。基準を出している団体の歴史の説明には、狩りをする気持ちもふくめたテリアらしい性質から、家の中ではおもちゃのようでも、庭に出るとネズミを相手にする犬になる、という意味のことが書かれています。つまり、見た目は絹のような毛の、人のそばで暮らす小さな犬でも、中身はネズミを追っていたテリアです。おもちゃを振り回して離さない、動くものを追う、知らない相手に向かっていく。この記事の性格の章と散歩の章は、全部ここから説明できます。
日本でどれくらい多いかも書いておきます。2024年に、この基準を出している日本の団体で新しく血統登録されたヨークシャー・テリアは8,444頭で、139犬種のうち上から8番目でした(プードル・チワワ・ダックスフンド・ポメラニアン・ミニチュア・シュナウザー・マルチーズ・フレンチ・ブルドッグに次ぐ順位。血統書を取らない犬は入らないので、日本にいる頭数そのものではありません)。珍しい犬種ではなく、長く選ばれ続けている犬種です。
「ヨーテリー」「ヨーキー」「ヨークシャテリア」は同じ犬。何犬かと聞かれたら「テリア」です
「ヨーテリー 犬種」「ヨークシャーとは」「何犬?」で調べた方へ。全部同じ犬種です。正しい名前はヨークシャー・テリア(英語で Yorkshire Terrier)で、「ヨーキー」は英語の愛称 Yorkie の読み、「ヨーテリー」「ヨークシャテリア」は日本での略し方と書き方のちがいです。イギリスには親しい相手の名前の終わりに「ie」や「y」を付ける習慣があり、日本語の「ちゃん」のような親しみをこめた呼び名が「ヨーキー」です。犬種の分け方では、世界の犬の団体FCIの第3グループ「テリア」の、第4の仲間「トイ・テリア(小さなテリア)」に入ります。人のそばで暮らす小さな犬のグループ(第9グループ)ではなく、テリアのグループに入っている犬です。
当犬舎のお母さん犬が大きめな理由|お母さんと子犬の体のため
当犬舎では、ヨークシャーテリアでも、お母さん犬には体の小さすぎない、少し大きめの子を選んでいます。お母さんと子犬の、両方の体を守るためです。基準が決めているのは「3.2キロまで」という上の限りだけで、小さいほど良いとは書かれていません。
お母さん犬の体が小さいと、お産がむずかしくなりやすく、帝王切開が必要になったり、お母さん自身の体に大きな負担がかかったりします。また、親の体が小さいほど子犬も小さく生まれやすく、とても小さく、体の弱い子も生まれやすくなります。そこで当犬舎では、お母さん犬は大きめの子を選び、お父さん犬との組み合わせも、体の大きさの差を考えて決めています。
これは人でも同じです。日本の約76万人の妊娠をまとめた国立成育医療研究センターの研究では、妊娠前にやせていたお母さんは、そうでないお母さんに比べて、赤ちゃんが小さく生まれる(2,500g未満)割合が約1.6倍、予定より早く生まれる割合が約1.2倍でした。そして、小さく生まれた赤ちゃんは、言葉の発達がゆっくりだったり、落ち着きにくかったりと、育っていくうえでのリスクが高いことが知られています(こども家庭科学研究 研究班の手引き)。お母さんの体が小さいこと、やせていることが、お母さんにも赤ちゃんにも負担になるのは、犬も人も変わりません。
そのぶん、当犬舎で生まれる子犬は、少し大きめに育つことがあります。正直にお伝えすると、「大人になっても確実にとても小さい子」「ティーカップのような極小の子」を一番の条件にしている方には、当犬舎は合わないかもしれません。当犬舎は、小ささよりも、お母さん犬と子犬が元気でいられることを大切にしています。
ヨークシャー・テリアの子犬(21頭)
ヨークシャーテリアの散歩時間と運動量|15分×1日2回を出発点に様子で決める
この記事にいちばん多く来ている検索語が「ヨークシャーテリア 散歩時間」です。先に答えます。犬種の基準にも獣医師が監修した資料にも、「ヨークシャーテリアは1日何分」という数字はありません。あるのは大人の犬の散歩の目安「小型犬の場合:1回15分を1日2回」で、同じ資料が「お散歩の時間は、犬種や犬の骨格、体の特徴や年齢により異なります」「小型犬であっても体力がある犬種は標準よりも多くの時間が必要」とことわっています。「1日30分から1時間」と書いたページも見かけますが、まずは15分を2回から始めて、様子を見て延ばせば十分です。
では、ヨークシャーテリアはその「体力がある犬種」なのか。きれいな毛とかわいい見た目からは少し意外ですが、ネズミ捕りの働く犬として活躍していた犬種なので活発です。運動が大好きなので、毎日の散歩やおもちゃで遊ぶ時間を大切にしてください。犬種の基準にも、全体の見た目について「活き活きとした印象」「十分にバランスがとれた体格」とあり、「散歩がいらない犬」ではありません。
| 時期 | 目安 | ヨークシャーテリアで気をつけること |
|---|---|---|
| 子犬(散歩デビュー前) | 最後のワクチンを打ってから2週間ほどたったころが理想で、おそくても生後13週ごろから始まる「若い時期」に入る前には初めての散歩へ。それまでは地面を歩かせず、キャリーバッグか抱っこで外の音や景色に慣らす | 抱っこで外に出る期間が、人・車・音に慣らすいちばんの機会。用心深さが強く出やすい犬種なので、ここを飛ばさない。順番は人や音に慣らす練習(社会化トレーニング)の記事へ |
| 大人 | 1回15分を1日2回から始める。歩き足りない様子なら延ばし、息が上がる・座り込むなら短くする | 時間より「毎日出る」こと。家の中のおもちゃ遊びも運動に数える(家の中ではおもちゃのよう、というテリアの性質) |
| シニア | 若いころは1日2回でも、年をとったら1回にしたほうがいい場合もあります。体調を見ながら獣医師と相談してください | 心臓の病気が出やすい犬種(後の章)。散歩中の咳、途中で止まる、帰ってからの呼吸の速さが続くなら受診 |
「様子で決める」の中身を具体的に書きます。帰ってきて水を飲んですぐ寝るなら足りています。帰ってからもおもちゃを持ってきて走り回るなら、次の日は少し延ばしてかまいません。途中で座り込む、抱っこをせがむ、ハァハァが家に着いてもおさまらない、のどれかが出るなら、その日は多すぎたか、暑すぎたかです。散歩の回数と時間の決め方そのものは散歩の頻度の記事に分けています。
ヨークシャーテリアの散歩で、時間より気をつけてほしいことが4つあります。
- 外では必ずリードを。首輪ではなくハーネスで……気管虚脱(のどの空気の通り道がつぶれる病気)は小型犬に多く、ふだんの注意として、首輪をやめて胴に付けるハーネスを使うことが勧められています。ネズミを追っていた犬なので、鳥や猫を見つけると急にリードが張ります。3キロの体で首にかかる力は、体重のわりに大きくなります。引っ張り自体の直し方は散歩で引っ張る犬の記事へ
- ひざを守る歩き方に……ヨークシャーテリアは、パテラ(ひざのお皿がずれる病気)の多い犬種に名前が挙がっています。散歩をやめる理由にはなりませんが、階段のかけ上がり、段差からの飛び降り、急な方向転換を散歩に入れない。ひざの話は病気の章に書きます
- 夏は路面と時間帯……暑い日の散歩は日中を避けて早朝か夜の涼しい時間にしてください。熱いアスファルトで肉球をやけどすることがあります。犬は汗で体温を下げられず、口を開けた速い呼吸で熱を逃がしています。激しいハァハァ(パンティング)・よだれ・ふらつきが出たら、抱いて涼しい場所へ
- 冬は服か、日中に……ヨークシャーテリアの毛は一重(シングルコート)です。寒さを防ぐ下の毛が無い毛です。3キロ前後の体で冬の朝晩に長く歩かせるのは向きません。冬の散歩は日が出ている時間にするか、服を着せてください。服を嫌がる子の慣らし方は服を嫌がる犬の記事へ。雨の日の考え方は雨の日の散歩の記事へ
ヨークシャーテリアの性格と知能|基準は「用心深く、利口」。中身はテリアです
「ヨークシャーテリア 知能」で調べた方へ。犬種の基準の性格の欄は「用心深く、利口なトイ・テリアである。気質は安定しており、勇敢である」で、世界の犬の団体FCIの基準も同じ意味で、注意深く利口な小さなテリアで、元気で気質は安定している、と書いています。犬種の解説でも「賢く飼い主にも忠実」です。どちらにも「知能が低い」と書いたものはありません。
ただし「何位」のような順位は、この記事には書きません。犬の行動を大がかりに調べた2022年の研究(サイエンス誌・飼い主へのアンケート18,385頭・遺伝子を調べた2,155頭)では、一頭一頭の行動の違いのうち、犬種で説明できたのは約9%で、犬種による差より、同じ犬種の中の差のほうが大きいことが分かっています。「ヨークシャーテリアだから賢い」「だから覚えが悪い」のどちらも当たりません。同じ親から生まれても、初日から名前に振り向く子と、しばらく様子を見る子がいます。
賢さの順位より知っておいてほしいのは、この犬は「利口なテリア」だということです。テリアらしさを強く持っていて、用心深さと勇敢さから知らない人や犬に吠えることもあります。賢いので、子犬のころに人や犬、音などに慣らす練習(社会化)をして、しつけをしっかりすれば、いっしょに暮らしやすい犬種になります。飼い主さまが「困った」と感じる場面は、たいてい次の3つで、どれも「テリアが利口に働いている」場面です。
| 困る場面 | 実際に起きていること | 直すところ |
|---|---|---|
| 来客・物音・すれちがう犬に吠える | 賢さではなく用心深さ。基準の「用心深く」「勇敢」がそのまま出ている。3キロの体で相手を追い払おうとしている | 吠える前の距離で慣らす。叱っても止まらない。大人になってからでも、反応が出ない距離から慣らし直せる。やり方は人や犬に慣れていない犬(社会化不足)の記事へ |
| おもちゃやスリッパをくわえて振り回し、離さない | 家の中ではおもちゃ、庭ではネズミを相手にする、というテリアの性質。ネズミを捕る動きがそのまま遊びに出ている | 取り上げて終わりにせず、「離したら別のおもちゃで遊べる」交換を教える。待てを教える記事の順番が使える |
| 呼んでも来ない・鳥や猫を見つけると聞こえなくなる | 狩りの本能。動くものを追うほうが、戻ることより大事だと判断している | 来たらいいことが起きるようにする。外では必ずリード。呼び戻しの記事へ |
もう一つ。世界の犬の団体FCIの基準は、「攻撃的、または過度に臆病」を失格としています。吠えて向かっていくのも、震えて隠れるのも、この犬種の正しい姿ではありません。向かっていく子の多くは、「こわい」が先にあります。アメリカの獣医の行動学の学会(AVSAB)は2021年に、力や不快なことに頼るやり方はしつけに使うべきでなく、罰を使うやり方は不安からくる行動とつながりが見られる、という考えを出しています。用心深さからの吠えは、叱ると「やっぱり怖いもの」になります。相手が遠いうちに名前を呼んで、こちらを見たらほめる、を先に作ってください。
「ヨークシャーテリアは留守番が苦手」と書かれたページもありますが、離れると強い不安になる「分離不安」になりやすいと報告されている犬種として名前が挙がっているのは、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアン、ミニチュア・シュナウザーで、ヨークシャーテリアは入っていません。留守番の練習は犬種に関係なく要りますが、ヨークシャーテリアだから特別に苦手、と考えなくて大丈夫です。留守番の時間の目安は留守番の記事に書いています。
毛と毛色と抜け毛|シングルコートで抜け毛は少ない。子犬の黒は成長で変わる
世界の犬の団体FCIの基準は、毛を「体の毛はほどよく長く、完全に真っすぐ(ウェーブしない)で、つやがあり、細く絹のような手ざわりで、羊の毛のようではない」と書いています。この犬種が生まれたばかりのころは、今よりかたくしっかりした毛で、かたくキラキラ光る様子から「動く宝石」と呼ばれたこともあります。ドッグショーで見る、床まで伸びた長い毛(フルコート)はこの基準どおりの姿で、家では短くカットしている子がほとんどです。カットしても基準に反するわけではなく、テディベア風などのカットを楽しめるのも魅力です。
抜け毛について。ヨークシャーテリアは毛が一重(シングルコート)なので抜け毛が少なめの犬種です。そのかわり毛が伸び続けるので定期的なトリミングが必要で、毎日ブラッシングをしないとすぐにからまって毛玉ができます。シングルコートは下の毛が無い一重の毛で、毛の生え替わりの時期(換毛期)がなく、抜けた毛や毛玉をそのままにすると皮膚病の原因になります。つまり「抜け毛が少ない」は「手入れが少ない」ではなく、抜けないかわりに伸びてからむ毛です。毛が抜けにくい犬種の比べ方は毛が抜けない犬種の記事に分けています。
毛色は1色だけ。子犬のときは黒っぽく、成長で変わります
日本の団体が認めている毛色は「ダーク・スチール・ブルー&タン」の1色だけです。基準では、濃い青みがかった鋼の色(ダーク・スチール・ブルー。明るいシルバー・ブルーではない)が頭の後ろからしっぽの付け根まであり、胸はつやのある明るいタン、タンの毛は根元が濃く、毛先ほど明るい色です。「ブラックタン」「ゴールド」といった呼び方を見かけますが、基準の色はこの1つです。
ここで、見学のときに必ず聞かれることを書いておきます。ヨークシャーテリアの子犬は、基準の色をしていません。子犬のころは全体に黒い部分が多く、ところどころにタンの金色っぽい毛が見られ、大きくなるにつれて黒かった毛は白やシルバーに近い色になり、つやも出てきます。一生のうちに7回も変わるとも言われています。子犬の写真の「黒い犬」と、大人の「銀色と金色の犬」は同じ犬です。見学で「思っていた色と違う」と感じる方もいますが、それがふつうです。
体の形も、暮らしに関わるところだけ、世界の犬の団体FCIの基準から抜き出します。頭は「やや小さく平ら」、耳は「小さくV字形で立ち、短い毛でおおわれ、色はとても濃いタン」、目は「中くらいで暗い色、鋭く利口な表情」。しっぽについては、基準に「以前は慣習的に断尾されていた」とあり、しっぽを短く切った(断尾した)形と、切っていない形の両方が書かれています。しっぽを切る必要はありません。
お手入れ|毎日のブラッシングと歯磨き、定期的なトリミング
ヨークシャーテリアの手入れは、抜け毛の掃除ではなく、からむ前にとかすことと、歯です。獣医師が監修した資料で確かめた回数を表にします。
| お手入れ | どのくらい | ヨークシャーテリアで気をつけること |
|---|---|---|
| ブラッシング | 毎日 | 絹のような細い毛は、ほうっておくと耳の後ろ・わき・内もも・首輪やハーネスの当たる場所からからむ。力を入れず、毛先からほぐす。やり方はブラッシングの記事へ |
| トリミング | 定期的に(毛が伸び続けるため) | 短くしておくと毎日のブラッシングが楽になる。長い毛のままにするならブラッシングの時間が増える |
| 口まわり | 汚れるたびにふく | 口まわりの毛が伸びやすく、食事と水で汚れる。ほうっておくと色が変わり、においの元になる |
| 歯みがき | 毎日が理想 | 犬は3歳以上でおよそ8割が歯周病(歯ぐきの病気)で、歯の汚れ(歯垢)は数日で歯石になります。小型犬の下あごは、歯周病から骨が折れることもあります。子犬のうちから口をさわる練習を。始め方は歯磨きの記事へ |
| シャンプー | 20日〜1か月に1回くらいで十分なことが多い | 体が小さく冷えやすいので自然に乾かさず、タオルでふいたあと必ずドライヤーで乾かす。ドライヤーは30センチ以上はなして、同じ所に当て続けない。怖がる子はドライヤーを嫌がる犬の記事へ |
| 耳 | 定期的に見る | 短い毛の立ち耳なので蒸れにくいが、においと赤みを見る。奥を綿棒でこすらない |
| 爪と足裏 | 定期的に。床でカチカチ音がしたら伸びている | 足裏の毛が伸びると滑る。ひざの靱帯(前十字靱帯)が切れるのを防ぐために、足裏の毛を短くカットして滑らないようにすることが大切です(次の章) |
| 体重 | 毎月はかる | 3キロ前後の犬では100グラムでも3%。ひざ・靱帯・心臓のすべてに体重がかかわる。おやつは1日の量の中で |
気をつけたい病気と寿命|ひざ・心臓・気管・おなか(蛋白漏出性腸症)・ひざの靱帯
ほかの犬種と比べてヨークシャーテリアがなりやすい病気として、おなかからタンパク質がもれる病気(蛋白漏出性腸症)、次にひざの靱帯が切れる病気(前十字靱帯断裂)、そのほか腎臓の病気(慢性腎臓病)と気管虚脱が挙げられています。これに、ヨークシャーテリアの名前が挙がっているパテラ(ひざのお皿がずれる病気)と心臓の弁の病気、小型犬に多い低血糖と歯周病を加えて表にします。
| 病気 | どういうものか | 気づきやすいところ・できること |
|---|---|---|
| パテラ(ひざのお皿がずれる病気) | ひざのお皿が正しい位置から外れます。特に小型犬では子犬のころから発症する可能性が高く、多い犬種にトイ・プードル、ポメラニアン、チワワ、ヨークシャーテリアが挙げられています | スキップのような歩き方、片足を後ろに伸ばす、ジャンプをいやがる。ソファやベッドからの飛び降り、飛びはねる遊び、急な方向転換をさせず、滑る床にマット。症状が無くても、ワクチンのときにひざを診てもらう。くわしくはおすわりで後ろ足が崩れる記事へ |
| ひざの靱帯が切れる(前十字靱帯断裂) | 太ももの骨とすねの骨をつなぐ靱帯が切れます。年齢や太りすぎで切れやすくなり、小型犬でパテラがあると靱帯に負担がかかって原因になります。急なジャンプやダッシュ、急な方向転換などで起きます。ヨークシャーテリアで2番目に多い病気です | 切れた直後は足を着けない・挙げたままにする。体重の軽い犬では痛みが2〜3日で軽くなることが多く、そのまま長引くと運動のあとに足を引きずる。防ぐには、体重を増やさない、滑る床を避ける、足裏の毛を短く、ジャンプや運動のしすぎをさせない。パテラのある子はとくに注意 |
| おなかからタンパク質がもれる病気(蛋白漏出性腸症) | 腸からたくさんのタンパク質がもれ出て、血液の中のタンパク質が少なくなる病気。原因はいろいろで、男の子・女の子や年齢に関係なく起きます。ヨークシャーテリアで最初に多い病気です | 長く続く下痢が多いが、見られないこともある。体重が減る・元気がない・吐く・体の水分が足りなくなる(脱水)、進むとむくみやおなかに水がたまる。発症を予防することは難しい病気ですが、下痢が続くときは早めに受診してください。「小型犬の下痢はよくあること」で流さない |
| 心臓の弁の病気(僧帽弁閉鎖不全症) | 心臓の弁が閉じきらず、血液が逆に流れます。老齢の小型犬での発症が多い病気で、犬種では特にマルチーズ、ヨークシャー・テリア、シーズー、キャバリアなどに発症が多いです | はじめは症状が無く、診察のときの心臓の雑音で見つかることが多い。進むと咳・運動をいやがる・興奮したときに倒れる。防いだり、完全に治したりするのが難しい病気なので、年1回の健康診断で心臓の音を聞いてもらう。7歳からは半年に1回 |
| 気管虚脱(のどの空気の通り道がつぶれる病気) | 気管がもとの強さをなくして、つぶれたように形が変わり、息がしづらくなる。小型犬に多い | 興奮したあとや首輪で首がしまったあとに、「ガーガー」というアヒルの鳴き声のような音。首輪をやめてハーネスに。太らせない |
| 低血糖(子犬) | 子犬は食事の間があくと血液の中の糖が足りなくなりやすく、とくにとても小さい犬ほど起きやすいです | ぐったりする、ふらつく、けいれん。子犬は食事の回数を減らさず、おなかがすいた時間を続けない。寒さと移動の疲れでも糖が減る。お迎えの直後に食べないときは早めに受診 |
| 歯周病(歯ぐきの病気) | 小さいあごに歯がつまり、歯の汚れ(歯垢)が数日で歯石になる。3歳以上でおよそ8割 | 口のにおい、歯の根元の茶色いよごれ。毎日の歯みがき。小型犬の下あごは、歯周病から骨が折れることもある |
この表で、ヨークシャーテリアらしいのは上の3つです。パテラとひざの靱帯は同じ後ろ足の話で、パテラが靱帯の切れる原因になります。つまり「滑らない床」「飛び降りさせない」「太らせない」の3つが、2つの病気の両方に効きます。おなかの病気(蛋白漏出性腸症)は防ぐのが難しい病気なので、できることは「下痢が続いたら早めに受診」と「体重を毎月はかって減っていないか見る」の2つです。腎臓の病気も、健康診断の血液検査で見つけるものです。少なくとも1年に1回、年をとったら半年に1回の健康診断をおすすめします。
寿命は、ペット保険のアニコム損害保険がまとめた「家庭どうぶつ白書2025」の犬種ごとの平均寿命(2023年度)で、ヨークシャー・テリアは13.7歳です。犬全体の平均は14.1歳なので、平均を少し下回ります。同じ表で、トイ・プードルは15.3歳、チワワは13.7歳、マルチーズは13.5歳、シー・ズーは14.0歳です。「14歳」「15年」と書かれたページは、古い年の白書か、出どころの分からない数字です。上の表の病気はどれも、早く見つければ手を打てるものなので、健康診断を続けることと、体重を増やさないことが、飼い主さまにできることです。
ヨークシャーテリアが向いている家庭・向きにくい家庭
子犬をお渡しする立場ですが、合わないまま迎えられるほうが困ります。正直に両方を書きます。
| 向いています | 向きにくいです |
|---|---|
| 集合住宅や広くない家。抜け毛の掃除より、毎日5分のブラッシングのほうが続けられる | ブラッシングを週末だけにしたい。毛玉になったらトリマーに任せればいいと思っている |
| 毎日15分の散歩を2回、雨でも寒くても出られる | 「小型犬は散歩がいらない」と思っている。逆に、一緒に長い距離を走りたい |
| 吠えたら叱るのではなく、吠える前に慣らす、をやれる。子犬のうちに人・犬・音に会わせる時間を取れる | 吠えを絶対に許せない。または「テリアは吠えるもの」とあきらめている |
| 家の床に滑り止めを敷き、ソファからの飛び降りを止められる | ベッドやソファへの飛び乗り・飛び降りを自由にさせたい |
| 年1回の健康診断で心臓とひざを診てもらい、体重を毎月はかることを続けられる | 病院は狂犬病の注射だけにしたい |
| 子犬の黒っぽい毛色が、成長で銀色と金色に変わるのを楽しめる | 子犬のときの色のまま育つと思って選ぶ |
1行目と3行目が、この犬種でいちばん大事です。ヨークシャーテリアの飼いやすさは「抜けない毛」と「小さな体」にあり、手のかかり方は「からむ毛」と「テリアの中身」から来ます。どちらも同じものの裏表です。「ヨークシャーテリアの値段」で調べて来られる方もいますが、価格は子犬ごとに違うので、この記事には書けません。それぞれの子の価格はヨークシャーテリアの子犬一覧に載せています。
日本では動物愛護管理法という法律で、生後56日を過ぎるまで子犬を売ることができず、売るときは子犬の様子を直接見せて、向かい合って説明することが決まっています。フローエンスはブリーダー直販で、親犬の性格と体格を見たうえで子犬を迎えていただけます。お父さん犬とお母さん犬の組み合わせは、体の大きさの差を考えて決めています。同じ親から生まれても、来客に寄っていく子と、様子を見る子がいます。見学のときに、親犬の体格と毛色、その子の体重とはかった日、ひざを触られたときの反応、歩き方を確かめてください。お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。
ヨークシャーテリアを検討されている方はこちらも必ずお読みください↓
犬の飼い方|初心者が迎える前に知ること・手続き・最初の1週間
よくある質問
ヨークシャーテリアの散歩時間はどのくらいが正しいですか?
犬種の基準に、「ヨークシャーテリアは1日何分」という数字はありません。あるのは大人の犬の散歩の目安「小型犬は1回15分を1日2回」で、同じ目安が「散歩の時間は犬種や骨格、年齢により異なる」「小型犬でも体力がある犬種は多くの時間が必要」とことわっています。ヨークシャーテリアはネズミ捕りの働く犬だった活発な犬種なので、15分×2回から始めて、帰ってすぐ寝るなら足りている、まだ走り回るなら翌日少し延ばす、途中で座り込む・抱っこをせがむ・呼吸がおさまらないなら多すぎ、と様子で決めてください。シニアは1日1回にしたほうがいい場合もあり、獣医師と相談します。外では必ずリードで、首輪ではなくハーネスを使います。
ヨーテリー・ヨーキー・ヨークシャテリアは違う犬種ですか?何犬ですか?
全部同じ犬種です。正しい名前はヨークシャー・テリアで、「ヨーキー」は英語の愛称、「ヨーテリー」「ヨークシャテリア」は日本での略し方と書き方のちがいです。世界の犬の団体FCIの分け方では、第3グループ「テリア」の第4の仲間「トイ・テリア(小さなテリア)」で、人のそばで暮らす小さな犬のグループではなく、テリアのグループに入っています。生まれた国はイギリス。1850年代ごろに初めて見られ、ブラック・アンド・タン・テリアにマルチーズやスカイ・テリアをまぜて作られ、1870年にいまの名前が認められました。もとはヨークシャー地方の、工場で働く人たちの家でネズミを捕っていた働く犬です。2024年に日本の団体で血統登録された数は8,444頭で、犬種の中で8番目でした。
ヨークシャーテリアは成犬でどのくらいの大きさになりますか?
犬の団体が決めている犬種の基準は「体重3.2キロまで」だけで、背の高さの決まりも、体重の下限の決まりもありません。「背の高さ15〜18センチ」「体重1.5〜3キロ」といった数字を見かけますが、基準にその数字はないので、大きさは体重で見てください。基準は、小さいほど良いとはしていません。3キロ前後の体では100グラムの増減でも3%にあたり、ひざ・靱帯・心臓のすべてに体重がかかわるので、毎月はかることをおすすめします。なお当犬舎では、お母さんと子犬の体を守るために、お母さん犬には少し大きめの子を選んでいます。
ヨークシャーテリアは賢いですか?知能は高いですか?
犬種の基準の性格の欄は「用心深く、利口なトイ・テリアである。気質は安定しており、勇敢である」で、犬種の解説でも「賢く飼い主にも忠実」です。どちらにも「知能が低い」と書いたものはありません。ただし2022年の研究では、一頭一頭の行動の違いのうち、犬種で説明できたのは約9%で、同じ犬種の中の差のほうが大きいので、順位は書きません。知っておいてほしいのは「利口なテリア」だということで、吠える・おもちゃを離さない・呼んでも来ないは、どれも用心深さと狩りの本能が利口に働いている場面です。子犬のうちに人・犬・音に慣らし、叱らずに、吠える前の距離で教えることで、いっしょに暮らしやすくなります。
ヨークシャーテリアは抜け毛が多いですか?お手入れは大変ですか?
毛が一重(シングルコート)なので抜け毛が少なめの犬種です。そのかわり毛が伸び続けるので定期的なトリミングが必要で、毎日ブラッシングをしないとすぐにからまって毛玉ができます。シングルコートは下の毛が無い毛で、毛の生え替わりの時期がなく、抜けた毛や毛玉をそのままにすると皮膚病の原因になります。つまり「抜け毛が少ない」は「手入れが少ない」ではなく、抜けないかわりに伸びてからむ毛です。毎日のブラッシングと歯みがき、汚れるたびに口まわりをふくこと、20日〜1か月に1回のシャンプー、足裏の毛のカットが、ふだんの手入れです。
ヨークシャーテリアの毛色は子犬と成犬で違うのですか?
違います。日本の団体が認めている毛色は「ダーク・スチール・ブルー&タン」の1色だけですが、子犬のころは全体に黒い部分が多く、ところどころにタンの金色っぽい毛が見られ、大きくなるにつれて黒かった毛は白やシルバーに近い色になり、つやも出てきます。一生のうちに7回も変わるとも言われています。子犬の写真の「黒い犬」と大人の「銀色と金色の犬」は同じ犬で、見学で「思っていた色と違う」と感じるのはふつうのことです。
ヨークシャーテリアの平均寿命と、かかりやすい病気を教えてください。
ペット保険会社の「家庭どうぶつ白書2025」の犬種ごとの平均寿命(2023年度)では、ヨークシャー・テリアは13.7歳で、犬全体の平均14.1歳を少し下回ります。ほかの犬種と比べてなりやすい病気として、おなかからタンパク質がもれる病気(蛋白漏出性腸症)、次にひざの靱帯が切れる病気(前十字靱帯断裂)、そのほか腎臓の病気と気管虚脱が挙げられます。また、パテラ(ひざのお皿がずれる病気)と心臓の弁の病気が多い犬種としても、名前が挙がっています。滑らない床・飛び降りさせない・太らせないの3つがひざと靱帯の両方に効き、下痢が続いたら早めに受診、年1回(7歳からは半年に1回)の健康診断で心臓の音と血液検査を、というのが飼い主にできることです。
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まとめ
ヨークシャーテリアは、犬種の基準で体重「3.2キロまで」だけが決まっていて、背の高さと体重の下限の決まりが無い、イギリス生まれの小さなテリアです。散歩時間にこの犬種だけの数字はなく、獣医師が監修した目安「小型犬は1回15分を1日2回」から始めて、帰ってからの様子で延ばしたり短くしたりして決めます。外では必ずリードとハーネス、夏は時間帯と路面、冬は服か日中に。基準の性格は「用心深く、利口なトイ・テリア」で、吠える・おもちゃを離さない・呼んでも来ないは、どれもテリアの中身が利口に働いている場面です。叱らず、吠える前の距離で教えます。毛は一重(シングルコート)で抜け毛は少ないかわりに、毎日のブラッシングと定期的なトリミングが要り、子犬の黒っぽい毛色は成長で銀色と金色に変わります。多い病気は、おなかからタンパク質がもれる病気(蛋白漏出性腸症)・ひざの靱帯が切れる病気・パテラ・心臓の弁の病気・気管虚脱で、滑らない床・飛び降りさせない・太らせないの3つと、年1回の健康診断が、飼い主にできることです。平均寿命は13.7歳です。
フローエンスでは、生まれたときからヨークシャーテリアの子犬を毎日見ています。同じ親から生まれても、初日から名前に振り向く子と、しばらく様子を見る子がいます。お母さんと子犬の体のために、お母さん犬には少し大きめの子を選んでいます。見学のときに、親犬の体格と毛色、その子の体重とはかった日、ひざを触られたときの反応、歩き方を確かめてください。お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。
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