フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

【犬と対話】ボディランゲージを読み取るための必要知識のまとめ

犬の育て方

ワンちゃんを飼ったことのない方でも【尻尾】での感情表現は広く知れ渡り、尻尾を振る=楽しい、尻尾を丸める=怖い、といった知識は持ち合わせていることでしょう。

しかし【尻尾を振る=楽しい】だけではないことをご存知でしたでしょうか?
まだこちらの記事を読まれていない方は、合わせてお読み頂けるとより深い理解が得られると思います。

【飼い主必見】犬の尻尾から情報を読み取り適切な行動を目指そう

そして、今回は【尻尾】以外でのボディランゲージをご紹介します。

ボディランゲージとは

ワンちゃんは言葉を話せない代わりに尻尾を始め、耳、目、姿勢など全身を使って感情を表現します。これらの表現を読み取ることで、今ワンちゃんが何を思っているのか、何を要求しているのかを汲み取ることができるため、より深いコミュニケーションをとることが可能となるでしょう。

例えば、怖がっていることを察知できればトラウマを回避できたり、攻撃的になっていることを察知できればトラブルの回避も可能となります。

しかし、注意しなければならない問題があります。

それは、一概に全てのワンちゃんにご紹介するボディランゲージが該当するとは限らないということです。ワンちゃんの性格や飼育環境によっても表現方法が異なるため、あくまでも目安として参考にして頂ければと思います。

ボディランゲージの種類

全身を使って表現するボディランゲージについて尻尾を含めた部位ごとの解説をします。

これらの部位を使い、トータルして【感情】となるため、尻尾だけや耳だけでの判断は難しいことを理解しましょう。

目を見開いている場合は【興奮、集中、警戒】している時にみられます。

動物が獲物を狩るときに対象物をジーっと見つめるシーンを思い浮かべるとイメージしやすいかと思いますが、意識が飼い主さまへ向かってないということでもあるので注意が必要です。

上目遣いをしている場合は【不安や恐怖、リラックス】の表現です。

リラックスしている時であれば心配ないのですが、不安や恐怖を抱いている場合には対象物との距離や環境を変えてあげましょう。
飼い主さまに「これ怖いよ」と伝えてきているのに無視をしてしまえばトラウマになってしまったり「全然分かってくれない」と飼い主さまとの信頼関係にも繋がるため注意が必要です。

耳が垂れている子の場合、見分けるのが難しいのが難点ですが、よく観察すれば違いが分かるようになるので、参考にしてください。

・耳が後に倒れている場合は【服従や恐怖、不安】
・耳が横に向いている場合は【不安や警戒】
・耳が立ち前を向いている場合は【威嚇、集中、緊張】

犬の聴覚は人間の約4倍と言われ聞こえる音域も広いため、ワンちゃんにとって耳は情報を集めるセンサーとなっており重要な部位であります。

例えば、お散歩中にワンちゃんが前を向いて歩いているのに耳は飼い主さまの方へ向いていれば意識は飼い主さまの方へ向いていると言えるでしょう。

・口角を上げている場合【リラックス、安心】
・舌を出している場合【楽しい、リラックス】
・口を硬く閉じている場合【緊張、警戒、不安】
・歯を剥き出している場合【威嚇、興奮】

ワンちゃんも人間と同様に楽しくリラックスしている時は口が緩み、緊張や怒っている時は口を硬く閉じます。

尻尾

尻尾はボディランゲージの代表格といえる部位ですので、すでに知っているよという方も多いのではないでしょうか?
尻尾についてはこちらに詳しく記載していますので、今回は省略させて頂きます。

尻尾について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ↓

ワンちゃんの頭、首、背中、胴の毛が逆立っている時は主に威嚇や興奮時に見られる現象です。
逆立てる原因については相手に対し少しでも自分を大きく見せようとする行為でないかと考えられており、唸ったり、歯を剥き出してくることもあります。

また、ワンちゃんの威嚇についてですが、2種類あることも覚えておきましょう。

詳しくは下記で解説していますので一旦飛ばします。

ワンちゃんにとっての声とは【吠え】を指します。

クンクンと鳴く場合も吠えに含ませて頂いていますが、ワンちゃんは相手に意思を伝えたい時に吠えて気付かせます。
昔から作業犬として人間と共に仕事を手伝っていた歴史があり、番犬や羊追いなどでワンちゃんは活躍しています。
しかし、現代において家庭犬が多くなり【吠え】について問題視されることが多くなりました。
ワンちゃんにとっての吠えは意思表示方法のひとつであるため、吠えるのを「完全にやめさせたい」ということは人間から一生喋れないようにしたいと言われていることと同じなため、吠えるのを抑える、コントロールすることを学ばせましょう。

吠えの種類にも色々あり、悩んでいる方はこちらからどうぞ↓

姿勢

代表的な姿勢を4つ紹介します。

1、遊ぼうの姿勢
前足を下げてお尻を高く上げ、尻尾も振っている姿勢は遊ぼうと誘っているポーズです。

2、安心・リラックスの姿勢
ワンちゃんにとって一番の弱点であるお腹をさらけ出し仰向けになっている姿勢は攻撃する気は全くないよ!ということを表しています。

3、攻撃的な姿勢
毛が逆立ち、飛びつけるように溜めを作り、尻尾の位置も高くなっています。

4、防御的な攻撃姿勢
上に似ていますが、耳は寝て、尻尾は下がり後ずさりするかの姿勢で唸っています。

飼い主さまが噛まれてしまう原因の多くは4番の姿勢が多いかと思います。また、他のワンちゃんに対し、これらの姿勢を見せたら遊ばせてあげるか、その場から離れるかの判断を飼い主さまが下してあげましょう。

ケース別の見分け方

怒っているときの犬のボディランゲージ

上記では部位ごとの説明をしましたが、ワンちゃんの感情ケース別でのボディランゲージをまとめてみました。
目安として参考にして頂ければと思います。

リラックスしているとき

リビング内でのケースを想定します。

目→上目遣い、目を合わせても逸らす
耳→飼い主さまの方へ向いている、だらんとしている
口→口角が上がっている、舌を出してハァハァしてる
尻尾→だらんとしている、低い位置でゆっくり揺らしている
姿勢→仰向けでお腹を見せている、寝息が聞こえるほど寝ている

一例ですが、リラックスして飼い主さまを信頼している時に見せる姿です。

緊張しているとき

お散歩中のケースを想定します。
緊張している、つまり警戒していることを想定してご説明します。

目→ジッと見つめてる
耳→前の方向(対象物)に向けて研ぎ澄ませてる
口→しっかりと閉じている
尻尾→地面と水平もしくは水平にしてゆっくりと揺れている
姿勢→ピンと立ち、より多くの情報を得るために頭の位置は高い

怒っているとき

怒っている時に見られる【威嚇】ですが、攻撃的な威嚇の他に自分を守るための威嚇もあります。「怖いけど立ち向かわなきゃ」と自己防衛のための威嚇となり、ワンちゃんを触ろうとして噛まれたというケースはこれに該当することが多いです。

下記で詳しい状態を紹介します。

・攻撃的な威嚇

目→見開いている
耳→ピンと立ち対象物へ向いている
口→歯(牙)を剝き出している
尻尾→高い位置でピンと立てている
毛→主に首・背中の毛が逆立っている
声→唸っている、吠えている
姿勢→やや前傾姿勢ですぐに飛びかかれる体勢

・守りの威嚇

目→目線は逸らす
耳→後へ寝ている
口→閉じている、引きつるように歯(牙)を出す
尻尾→身体の内側へ丸め込んでいる
声→唸る場合や吠える場合がある、クンクンと鳴く時がある
姿勢→うずくまっている、後ずさりできる姿勢

怖がっているとき

対象物に対して怖がっている時や不安がっている際のケースです。

目→上目遣い、目線を逸らす
耳→後に寝ている
口→閉じている
尻尾→身体の内側へ丸めこんでいる
声→クンクンと鳴くことがある
姿勢→うずくまっている、正面を向かない

これらのボディランゲージが見られたら飼い主さまは対象物から距離をとり、安心させてあげてください。そのまま放ってしまうと、トラウマになってしまったり、ストレスで体調を崩してしまう可能性があるので見逃さないように心掛けましょう。

ボディランゲージは飼い主との対話

飼い主とコミュニケーションをとる犬

言葉を話すことが出来ないワンちゃんに対し、飼い主さまがワンちゃんの情報を読み取ろうとしないことは無視し続けていることになります。すると、次第にワンちゃんは飼い主さまに対し感情を出すことがなくなったり、信用することが出来ず指示を聞いてくれなくなる可能性も高くなるでしょう。ボディランゲージからワンちゃんが何を思っているのか、どういう対応をしてほしいのかなど読み取ることが出来るために本記事を参考にしてもらい信頼を深めて頂けたら嬉しいです。

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