一緒に住むにあたり、まずはじめに覚えさせておきたいのがトイレトレーニングです。人間と同じ空間であちこち好き勝手に排泄してしまったら、困り果ててしまうでしょう。
本記事では実際に犬を飼い始めて飼い主が悩む問題として、常に上位にあがるトイレトレーニングについて解説したいと思います。
トイレトレーニングはいつからやるのか
トイレトレーニングの成功のコツは今すぐに始めることです。
年齢に関係なく犬を家族に迎え入れた瞬間からトイレトレーニングを開始することを強くおすすめします。
トレーニング方法としては子犬であっても、成犬であっても大きく変化することはありませんが、覚えるスピードに差が出てしまうこともあります。その理由は以下の通りです。
子犬
一歳未満のパピー(子犬)の場合は性格が決まる前のため、スムーズにトイレを覚える傾向があります。生活習慣が固まる前であれば「トイレはここだな」と理解するのが早く、習慣化しやすいのです。また、膀胱が発達する前であるため必然的に排泄の回数も多くなり、成功体験のチャンスが増える反面、失敗する回数も増えてしまう可能性もあるので注意が必要となります。
素直に生活環境に適応する早さと排泄回数の多い子犬のうちに失敗をできるだけ少なくすることを意識してトレーニングを開始することが理想です。
成犬
反対に性格や習慣が固まってしまった成犬の場合は子犬に比べ、少し覚えるまでに時間がかかる可能性があります。また、膀胱の成長に伴い排泄回数も極端に少なくなり、成功体験を与えるチャンスが減ってしまうため、覚えるまで時間がかかってしまうことを理解しましょう。
また、今までは外で排泄してた犬を室内で覚えさせるのにも時間を有します。これも排泄は外でするものと習慣化したことを変える必要があるからです。他にも、性格が決まった成犬は自分のテリトリーが汚れることを嫌う犬もいます。
しかし、どんな犬でも必ず覚えるので諦める必要はありません。
トイレトレーニングの期間の目安
覚えるまでの期間の目安ですが、早い子で一週間程度、遅い子でも一ヶ月程度で覚えます。しかし、個体差や成長の進み具合で変化しますので、どんなに遅くても一ヶ月以内に覚えさえなければと焦る必要はありません。
間違った教え方をすると犬もどこでしていいのか分からなくなり、なかなか覚えられないこともあるので丁寧に覚えさせていくことが大切です。
トイレトレーニングのポイント
トイレトレーニングに限らず、すべてのトレーニングに共通することはポイントをきちんと押さえておくことです。トレーニングの成果は積み重ねで覚えさせていくものなので、ポイントをしっかりと守ることが成功への近道となります。
失敗をさせない
トイレトレーニングにおいて最も重要なポイントは「失敗させない」ことです。
失敗を繰り返してしまうと成功体験を積むことができず、どこでもしていいんだと間違った理解をしてしまう可能性があります。
また、飼い主ががっかりしてる顔を見て「トイレはダメなこと」と思ってしまう場合もあるので出来るかぎり失敗させない努力をしましょう。
時間を決めて連れていく(ケージ内トイレ)
犬の居住空間であるケージ内にトイレを設置したい場合は、トイレのサイクルを把握して決められた時間になったらトイレまで連れていきましょう。
ケージ内に仕切りがあるタイプとないタイプ、どちらでも共通しますが、覚えるにはトイレシーツ上で排泄させることが大前提となりますので、失敗させないように時間になったら連れていってあげましょう。
~トレーナーポイント~
・サイクルを把握して連れていく
・個体差にもよるが、子犬の場合は我慢できても2時間に一回くらいで排泄する
・排泄はトイレシーツorトイレトレーの上でさせる
トイレの場所は決めて囲う(サークル内)
犬の行動範囲を決めておくサークル内でトイレを覚えさせたい場合は、あらかじめトイレを設置する場所を決めておきましょう。(これは犬に混乱を与えないためです)
また、誘導しやすいようにトイレトレーを簡易的に囲うのもおすすめです。そのあとの流れはケージ内で覚えさせるやり方と変わらず、決まった時間に誘導してあげましょう。
しかし、トイレを覚えていない状態で広い空間を自由に与えてしまうと失敗をするリスクが高くなります。そのため、トイレの周辺にトイレシートを複数枚敷きシーツの上で排泄できるようにしましょう。それでも不安な場合は行動範囲を最小限にしてトイレができたら少しづつ広げていく方法で失敗をしない状況を作ることで回避できます。
~トレーナーポイント~
・トイレの設置箇所をきめておく
・トイレトレーを囲ってあげる
・不安ならシーツを敷きつめる
・成功したら行動範囲を徐々に広げる
成功した時はしっかり褒めてあげる
成功した時はしっかりと褒めてあげましょう。ここでトイレすれば褒めてくれるんだと認識すれば自分からトイレに向かうようになります。成功したときは「いい子だね」と伝えてあげてください。しかし、過剰な褒めは興奮させてしまったり、怒られていると勘違いしてしまう場合もあるので、穏やかな気持ちでゆっくり褒めてあげましょう。
一からやり直しにならないためのポイント
やっとの思いでトイレトレーニングを覚えさせたのに、失敗が増えてきた!とならないためにはいくつかポイントがあります。完璧にできると過信してしまうと、目を離した隙に失敗してしまったり、元の状態に戻ってしまうことも珍しくありません。
これから紹介する4つのポイントを忘れずにトレーニングを行いましょう。
1、失敗させないこと(最重要)
繰り返すことになりますが、トイレトレーニングのカギは失敗させないことです。カーペットの上でおしっこをしてしまうと拭いても臭いは完全に拭き切ることはできません。臭いでトイレをしていい場所と覚えてしまったら繰り返してしまいます。
失敗をできるだけ避けて、成功体験を積むことが大切です。
2、トイレサイクルを把握
失敗させないためのポイントですが、把握することで大幅に失敗を回避できます。子犬のうちは2時間程度で排泄してくれるので、そのチャンスを無駄にしないように心掛けましょう。
サイクルの把握は排泄の時間を記録することで、うっかりミスを回避できます。
3、怒らない
失敗したらつい怒りたくなってしまうと思います。何回も言ってるのになんでできないのと頭を抱えてしまうこともあるでしょう。しかし、ここで感情的に怒ってしまうと犬はトイレをしたら怒られると覚えてしまい我慢するようになります。トイレを覚えてないまま我慢できずに排泄してしまうという悪循環にならないためにも、失敗しても怒らないようにしましょう。
4、失敗した際は淡々と掃除
失敗したあとのフォローは必要ありません。失敗しちゃったね、次はうまくやろうね、などの優しい声掛けは犬にとっては「褒めてくれる」と認識してしまいます。そのため、失敗しても怒らず無言で淡々と掃除しましょう。
うまくいかない時の対処法
上記で解説した方法を試しても、なかなか覚えてくれないこともあります。失敗が続くとイライラしてしまったり、ノイローゼになったり、愛情が薄れてしまったり、とネガティブな気持ちになってしまうでしょう。そういった時は一人で悩まず下記で紹介することを思い出してください。
ポイントのおさらい
時間の経過と共にポイントからズレてしまい、自己流の教え方になったり、怒ってしまったり、悪い方に向かっていないかの確認してみてください。
もし、間違っていたら最初から本記事を読み直してポイントをおさらいしましょう。
トレーナーに相談
ポイントをおさらいしても覚えない場合は、悩まずにトレーナーに相談しましょう。飼い主の教え方が正しくても、犬の性格によって覚えるスピードは変わります。トレーナーに相談して犬の性格を見抜いてもらい最適なトレーニング方法を教えてもらいましょう。
教室に通う
自分で教えることに不安を感じる、または、自信がない場合は、教室に通う選択肢もあります。実際に対面で教えてもらうことができ、精神的にも前向きにトレーニングと向き合うことができるのが最大のメリットです。また、同じ悩みを持つ”犬友”との交流が増えて、楽しくトレーニングをすることができるでしょう。
できない子はいない
一発で成功して完璧に覚えるのは理想であって、現実はうまくいかないことがほとんどです。しかし、どんなに失敗してしまう犬でも必ずトイレを覚えます。うちの子はダメだなんて決して思わず、失敗をしても怒らず、成功を褒めてトレーニングしましょう。犬を信じ、諦めずに続けることで楽しい日々を過ごせるでしょう。