フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

犬がドライヤーに対して吠える理由とその対策について詳しく解説

警戒吠え 吠え
ドライヤーに対して吠えてしまう犬

ワンちゃんと暮らしていると、「ドライヤーの音に反応して吠える」「トリミング後にドライヤーを嫌がる」といった行動に悩む飼い主さまも多いのではないでしょうか。ドライヤーはワンちゃんにとって馴染みのない音や風を伴うため、怖がったり、警戒したりすることがあります。この記事では、

1.飼い主さまが髪を乾かす際に吠える場合
2.トリミング後のドライヤーを嫌がり吠えたり噛んだりする場合

この2つのケースを軸に、具体的な原因と対策を詳しくご紹介します。

また、ワンちゃんの個性に応じた細かい対応策や、日常生活で取り入れられる実践的なアプローチについても詳しく解説しますので是非参考にしてください。

飼い主が髪を乾かす際にドライヤーに吠える

飼い主がドライヤーをしていると吠えてしまう犬

ワンちゃんと暮らしていると、「ドライヤーの音に反応して吠える」「トリミング後にドライヤーを嫌がる」といった行動に悩む飼い主さまからのご相談を受けることも少なくありません。その原因として、「音が大きくて驚く」「風が怖い」など、さまざまな理由でワンちゃんがストレスを感じることもあります。

また、ドライヤーはワンちゃんにとって馴染みのない音や風を伴うため、怖がったり、警戒したりすることがあるため、この場合の吠えは「警戒吠え」となるでしょう。

吠えの種類に対して詳しく読みたい方はこちらをお読みください↓
犬の「吠え」には種類がある!しつけの前に吠えの種類を見極めよう!

なぜドライヤーに吠えるのか?

飼い主さまが髪を乾かす際にドライヤーに吠える理由は主に、以下のようなものがあります。

・音が怖い
ドライヤーの大きな音がワンちゃんにとって驚きや恐怖を引き起こす。
・警戒心が強い
普段見慣れない動きや音が警戒心を刺激してしまう。
・遊びたい気持ち
動く風や音に反応して興奮し、遊びたい気持ちで吠えてしまう。
・飼い主さまを守りたい
見慣れないものから大切な飼い主さまを守ろうとしている可能性もあります。

ワンちゃんの行動が示す心理状態

吠える行動は、単なる防衛本能だけでなく、ワンちゃんの心理的ストレスや興奮度を反映しています。改善するためには、飼い主さまがその原因を正しく理解することが重要です。

・ストレス反応の場合
生活環境の変化や日常的な緊張が吠える行動に現れることがあります。
引っ越し直後や新しく家族が増えた場合など、ワンちゃんによってはストレスを感じ、その結果吠えに繋がってしまうことがあります。

そのため、ワンちゃんがリラックスできる空間を整えてあげることや、スキンシップを増やし不安を取り除いてあげましょう。

・過剰なエネルギー
十分な運動や遊びが足りない場合、吠えることでエネルギーを発散しようとします。
特に若い子や膨大な運動量を有する犬種に該当する現象です。

運動不足が原因で精神的にも満たされていないため、体力の使い道が分からず、その結果吠えや噛みといった問題行動が生じていると考えられるでしょう。

ドライヤーに吠える場合の対策

それでは、対策について4つのポイントを順に詳しく解説します。

① ドライヤーに慣れさせるトレーニング
ステップ1:スイッチを入れずにドライヤーを見せ、匂いを嗅がせる。
ステップ2:音が小さい弱風で短時間動かし、少しずつワンちゃんの近くで使う。
ステップ3:吠えなかったらすぐにご褒美を与えて褒める。

② ポジティブな体験を作る
ドライヤーを使用する間におやつを与えることで、良い印象をつけます。たとえば、弱風を当てている間にワンちゃんが落ち着いていられた場合に好きなおやつを与えると、「ドライヤー = 良いことがある」と認識しやすくなります。

落ち着いているときには優しく声をかけて安心させましょう。

③ 吠えても反応しすぎない
吠えるたびに飼い主さまが過剰に反応すると、吠える行動が強化されてしまう可能性があります。冷静に対応し、吠えなかった瞬間を見逃さず褒めてください。

吠える=構ってもらえた成功体験となってしまった場合はドライヤーに対しての「警戒吠え」ではなく、飼い主さまに構ってもらう「要求吠え」となってしまうので注意しましょう。

④ 日常的な音慣れトレーニングを行う
ドライヤー以外にも、掃除機やテレビなどの日常的な音を少しずつ聞かせ、音に対する耐性を高めます。

音に対して敏感なワンちゃんはドライヤーに限らず、あらゆる生活音に敏感なケースが多いです。そのため、子犬期から日常的に生活音を聞かせる社会化トレーニングが最も有効的ですが、子犬期を過ぎてしまっていても遅いことはないため、継続して慣れさせましょう。

社会化についてはこちらも参考に合わせてお読みください↓
犬の社会化不足による問題行動の治し方と難しいと言われる理由とは
犬の社会化に”遅い”はない!社会化の理解とトレーニングについて

トリミング後にドライヤーを嫌がり吠えたり噛んだりする

トリミング後にドライヤーを嫌がる犬

上記では、飼い主さまがドライヤーを使用する際に吠えてしまうケースについてお伝えしましたが、次はワンちゃんに対して使用する際のケースについて詳しく解説します。

比較的、こちらのケースの方が多いため、細かいアプローチ方法も合わせてお伝えします。

トリミング後にドライヤーを嫌がる理由

ワンちゃんがドライヤーを嫌がる原因の多くは、音や風の刺激、そしてトリミング中の制約された環境によるストレスが主な理由と考えられます。

また、一部のワンちゃんはドライヤーの熱風を嫌がるだけでなく、サロンの雰囲気そのものに緊張を感じることや過去に熱くて痛い思いをしたり、抑えつけられて怖い思いをしたといったトラウマベースの理由も考えられるでしょう。

トリミング後のドライヤー対策

トリミング後にドライヤーを嫌がってしまう対策だけでなく、初めからドライヤーに対して嫌な思いをさせないためにも効果的なポイントを下記にてお伝えします。
これらのポイントでは実際にトリミング施術を行う現場でトリマーが用いるスキルでもあるため、是非参考にしてください。

① 低温・弱風でゆっくり乾かす
・ドライヤーを低温・弱風に設定し、ワンちゃんが嫌がらないよう少しずつ乾かします。
・直接風を当てるのではなく、タオル越しに風を当てると負担が軽減されます。

② ご褒美や休憩を取り入れる
・トリミング中におやつを与えたり、途中で休憩を挟むことでリラックスさせます。
・短時間ずつドライヤーを使い、ワンちゃんのストレスを減らすよう心掛けましょう。

③ 日常で少しずつ慣れさせる
・普段の生活の中でドライヤーを短時間使用し、日常的なものとして慣れさせます。
・散歩後やリラックスしている時間に試してみましょう。

④ トリミングサロンに相談する
・ワンちゃんの性格に合った方法で乾かしてもらえるよう、トリミングサロンに相談してみるのも良い選択です。
・サロンによっては静音ドライヤーを使用している場合もあります。

⑤ トリミング後のリラックスケアを取り入れる
・トリミングが終わった後は、好きなおもちゃやおやつでリラックスさせ、良い経験として記憶に残るよう工夫しましょう。

まとめ

ワンちゃんがドライヤーに吠える、もしくは嫌がるのは、音や風、熱に対する警戒心や過去の経験が原因です。上記でお伝えした2つのケースの対策を通じて、ワンちゃんがドライヤーをストレスの少ない日常の一部として受け入れることができれば、飼い主さまとワンちゃんの生活はより快適になることでしょう。

  • 飼い主さまが髪を乾かす際に吠える場合は、ドライヤーに慣れさせるトレーニングやポジティブな体験を通じて改善できます。
  • トリミング後のドライヤーを嫌がる場合は、低温・弱風での使用や短時間での乾燥を心がけ、徐々に慣らしていくのがポイントです。

無理をせず、ワンちゃんのペースに合わせてトレーニングを進めることで、ドライヤーに対する恐怖心やストレスを減らすことができます。飼い主さまとワンちゃんが快適に過ごせる環境を作るため、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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