フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

【生後57日から密着】ポメラニアン「岳くん」のトレーニング記録

犬の育て方

トレーニング・しつけ記事を発信している私たち(ドッグトレーナー)が実際に生後57日の子犬から成犬になるまでの期間に密着し、トレーニング記録記事を作成することにしました。その背景には、今までの記事内では”問題行動が起きてから”がメインとなり、問題行動を起こさないようにするための記事は発信出来ていなかったためです。本来であれば、問題行動が起きなければ飼い主様が悩むこともなく、ワンちゃんも人間社会での生活を快適に送ることができ、飼育放棄や犬育ノイローゼなどの問題が解消されると思い発信を続けますので、是非今後のワンちゃんライフを充実させるために参考にして頂ければと思います。

密着犬のプロフィール

名前:岳
犬種:ポメラニアン
性別:男の子
生年月日:2024年2月29日 産まれ

トレーナー環境:

・大型犬2匹
・猫1匹 

と暮らしている。

密着スタイル:

【ご家庭に必ず面倒を見れる方がいる場合を想定】

密着のルール

・ドッグトレーナーと生活を共にします
・担当トレーナーの方法でトレーニングを行います
・よりリアルな環境を整えるために、ライフスタイル別に密着を行います
・密着期間は1年間とします
・トレーナーが定めた進捗レベル評価表を基に1ヶ月に一度進捗報告をします

1日目~7日目(第1週間)

1日目:

【トレーナーメモ】
・迎え入れた当日はサークルの中で2時間鳴き続けていた
・先住犬、猫とは近づけてない
・トイレのタイミングの記録付け
→記録内容は「時間・失敗ありなし・うんちorおしっこ」

【対処】
・どんなに鳴いても無視を徹底する
・鳴き止んだら褒める
→褒め方については優しく声を掛けてお触りしてあげる

【ポイント】
・褒める時はちゃんと落ち着いている時タイミングで褒める
→鳴き止んでいても落ち着いていない場合は徹底無視をする

2日目:

【トレーナーメモ】
・トイレの仕切りはあり※画像1
・吠えは15分吠えて休み、また15分吠えて休むを繰り返すこと1時間
・夜は3時間置きに起床して岳をトイレに促しトイレの練習
→岳の排泄時間が約3時間だったため

【対処】
・吠えは徹底して無視
→要求吠えをさせないため

【ポイント】
・仕切り使うのはトイレを失敗させないため(画像を参考にしてください)
→仕切りを使うのはトイレ時のみだけ設置
→仕切りを使う理由はシート上で寝るのを覚えさせないため

犬のサークル内でのベッドとトイレのレイアウト参考例

3日目:

【トレーナーメモ】
・トイレのための夜間起床の時間を1回にした
→失敗をしなくなったため、4時間に間隔を広げた
→日中はトイレに仕切りを使うも、夜間は使用するのをやめた
・吠えるものの単発となり、鳴き続けることはなくなった

【ポイント】
・トイレの間隔をあけるのは失敗をしなくなった時タイミングで
・失敗させないためにまだ時間を決めて促すことを忘れずに

4日目:

【トレーナーメモ】
・トイレの失敗がなくなったので夜間起床はなし
・要求吠えもしなくなった

【対処】
・人間の寝る時間と起きる時間を短めにすることで夜間起床のカバーをした

【ポイント】
・トイレの成功時はちゃんと褒める
・失敗させないために睡眠時間を調整した

5日目:

【トレーナーメモ】
・夜間にトイレをしなくなった
→朝一と人間が起きている時間だけでトイレを済ますようになった原因
・おやつを手から食べる練習

【ポイント】
・起床時間に合わせて寝る前に必ずトイレのチェックをしていた
・トレーニングを始める前段階の手からおやつを食べる練習をする
→何気ないことですが手から食べる行為を覚えるのも大切な準備です

6日目:

【トレーナーメモ】
・トイレ問題は無くなった(自発的に行けるようになった)
・お座りのトレーニングを開始

【ポイント】
・おやつを使いお座りの動きを教えただけでコマンドは無し
→おやつを持った手をワンちゃんの頭の上にあげることで自然と座る姿勢をとらせる

7日目:

【トレーナーメモ】
・実家帰省に伴い初めての車に乗車し車酔いにて2度吐いた
→移動時間は2時間半

【対処】
・安全のためクレートに入れていたがクレートの空間で酔ってしまったので、安全対策を講じクレートに入れるのやめた
・1時間に一回は休憩をすることにした

【ポイント】
・基本的には安全確保のため、車移動時にはクレートに入れるのがベター
・個体差によって酔いやすい子は安全対策をしっかりと行うことを前提でクレートに入れず乗車させる
・ドライブボックスや二重リードなどがおすすめ

第1週間を振り返るトレーナーアドバイス

迎え入れた日から、ワンちゃんの排泄時間のチェックをおすすめします。
また、最初は数時間置きに起きてワンちゃんをトイレに促すのは大変かと思いますが、失敗をさせないために覚えるまでの数日間だけ頑張ってみてください。
また、ワンちゃんは吠える生き物のため、自分の要求を訴えるために吠えて飼い主様の気を引こうとします。しかし、子犬で可愛らしく甘やかしたくなる気持ちをグッと耐えることで今後の要求吠えの軽減に大きく影響するでしょう。

個体差はありますが、基本的な接し方は同じなので是非参考にしてみてください!

8日目~12日目(第2週間)

8日目:

【トレーナーメモ】
・要求吠えの再発
→実家帰省中にて

【対処】
・環境の変化と両親の甘やかしが原因と考えられたのでルールの徹底をお願いした

【ポイント】
・徹底無視とは怒ってもいけない本当の無視
→怒ってるつもりでもワンちゃんにとっては遊んでると勘違いしてしまうことがあるため

9日目:

【トレーナーメモ】
・トイレ失敗(おしっこ二回失敗)
→環境の変化と両親の甘やかしから、失敗時に構ってくれたことが嬉しくてわざと失敗するようになった。必ず人がいるときに失敗する。

【対処】
・トイレ失敗時の適正な行動をとる
→ご褒美となる行動はとらない。例えば声掛けや注意
→無視して淡々と掃除する
→じゃれてくる場合はクレートやサークルに一度しまう

【ポイント】
・ワンちゃんは構ってくれる行動をすぐに覚えます。それが良い方向の場合は問題ありませんが、今回のようにわざと失敗する、要求吠えをするなど問題行動となることも少なくありません。ちょっとした注意のつもりでも振り向いてもらえたと覚えてしまったら振り向いてくれるまで吠え続けることもあるので注意しましょう。

10日目:

【トレーナーメモ】
・吠えが単発ではあるものの有り
・トイレの失敗

【対処】
・吠えについては帰省時の要求を覚えてしまったので徹底無視
・トイレの失敗も同様にわざとだったため、元のやり方で修正

【ポイント】
・今回の一度要求が通ってしまうと

11日目:

【トレーナーメモ】
・トイレの失敗無し
・要求吠え無し
・初めての首輪の着用

【ポイント】
・迅速に対応をすれば個体差はあるものの悪い癖は早く改善されます
・首輪について気にする子の場合は意識が違うことに向いている時にだけ着けて慣れさせる
→ご飯を食べているタイミングや遊んでいるタイミングなど

12日目:

【トレーナーメモ】
・初シャンプー(うんちを踏んでしまったため)

【ポイント】
・初めてのお風呂ではトラウマになってしまうリスクがあるため、無理矢理行うのは厳禁です。シャワーの音から慣れさせていき、温度管理をしたうえで優しく身体からお湯を掛けてあげましょう。また、慣れるまでは時間をかけずに短い時間で流してあげればシャワーを警戒するリスクも軽減されるはずです。

第2週間を振り返るトレーナーアドバイス

8日目からの帰省にて「車酔い・吠え・トイレ」の問題がありました。

上記でもお伝えした通り、車移動の場合は安全面を考慮し、クレートに入れてあげるのが最適です。しかし、クレートに慣れていても移動中のクレートでは酔ってしまう子も少なくありません。そのような場合はハーネスと首輪の二重対策などで飛び出し防止策やドライブボックスの活用など、安全を守る対策はしてください。膝の上に乗せて運転や窓から顔を出して走行するなど、危険が伴う行動は決して行わないように注意しましょう。

吠えやトイレに関しては家庭内でのルールが統一されていないことが原因となります。

しつけ記事で毎度お伝えしている【家庭内ルールの徹底】の悪い例が今回のパターンです。吠えても無視、トイレの失敗は黙々と片付けるなどルールの統一は心掛けましょう。

また、再発した場合は元のやり方を徹底すれば改善されます。

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