前回に続いて第三弾の災害記事になります。
今回は【訓練】についてお伝えします。
災害時に役立つトレーニングですが、日常生活であっても、とても役に立つトレーニングとなっているので、読んで頂いたその日からトレーニングを始めてみましょう。
災害時に必要なトレーニング
災害時にトレーニングが出来ているワンちゃんと出来ていないワンちゃんだと、安全性や飼い主さまのストレスの負荷に大きく差が生まれてきてしまうのが事実です。
災害時に役立つトレーニングは日常生活での延長線で習慣化していないと、災害現場では上手くコントロールすることが難しくなるでしょう。
飼い主さまの不安や恐怖を読み取り、ワンちゃん自身も不安になってしまいます。そのため、安全にワンちゃんを守るには普段から習慣化している自信が災害時の冷静さを保たせてくれることでしょう。
下記にまとめたトレーニングを今一度見直して、新しいことにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
クレートトレーニング
災害時に必ず役に立つトレーニングは【クレートトレーニング】です。
正直、クレートトレーニングだけでもいいと言えるほど最重要トレーニングになります。
避難所での生活ではワンちゃんは必ずクレートやケージに収容され、必要最低限の飼養しかできなくなります。
そのため、ワンちゃんがクレートやケージを嫌がってしまったり吠え狂っていたら安心して預けることもできないと思います。また、クレームの対象となってしまい飼い主さまの負担も考えられるでしょう。
なので、クレートトレーニングは必須として行ってください。
ポイントとしてはクレートやサークルを安心できる空間にすることです。
参考記事↓
犬が安心できる空間を作るクレートトレーニングのやり方について解説
トイレトレーニング
次に必要なトレーニングはトイレです。
避難所ではペットの排泄場所の指定やルールが設けられます。また、ライフラインが止まってしまった環境及び災害現場では感染症が広まる可能性が極めて高いため、衛生面を考慮するとトイレのトレーニングが必要となるでしょう。
トイレトレーニングのポイントとしては
・トイレシートでの排泄
・コマンドでの排泄
上記二つが覚えさせたい内容となっています。
参考記事↓
犬のトイレトレーニングにはコツがある!成功のポイントを伝授
呼び戻し
万が一、脱走してしまった時やはぐれてしまった時に呼び戻せる様にできれば理想です。
また、災害現場では様々な人がいるので声も通りにくいため、しっかりと指示が通るようにトレーニングを行いましょう。
参考記事ではトレーニングの目標となるチームテストの記事を紹介しています。
合わせて読みたい参考記事↓
【1日5分】犬の呼び戻しの重要性とトレーニング方法について解説
社会化トレーニング
社会化トレーニングについては、不特定多数の人や車や重機の音、聞きなれないアラームやサイレン音、避難先でのワンちゃん同士の関係性など、様々な箇所で社会化の必要性を感じることとなります。
環境が変わりワンちゃん自身もストレスで体調を崩してしまったり、指示を聞かなくなってしまうことも考えられますが、少しでもストレスがかからないように、日々の生活の中で社会化トレーニングを行い慣れさせておくのが望ましいです。
参考記事↓
犬の社会化不足による問題行動の治し方と難しいと言われる理由とは
犬の社会化に”遅い”はない!社会化の理解とトレーニングについて
余裕があれば挑戦してみよう
上記で紹介したトレーニングは最低限の望ましい内容となっていますが、まだ余裕がある方はより災害時に特化したトレーニングを行うことをオススメします。
必須トレーニングではないため、まずは上記で紹介したトレーニングから行うように注意しましょう。
下記で紹介するトレーニングは上記の応用も含まれますのでトレーニングのコツやポイントを合わせて紹介します。
緊急速報でハウス
本来のクレートトレーニングでは「ハウス」のコマンドでクレートやケージに入ってもらうように指導します。
しかし、側に自分がいない時やお留守番させている時に災害が発生したらワンちゃんは驚きパニックになってしまう可能性があります。
そうならない為に【緊急速報】の”音”で自らクレート等に入ってくれるようにするのが今回紹介するトレーニングです。
難易度が高く感じるかもしれませんが、クレートに入るコマンドを【ハウス】から【音】に変えるだけなので、教え方自体は難しい内容ではありません。
この内容を習得できれば離れていても安心できるトレーニングとなっているのでオススメです。
合わせて読みたい参考記事↓
コマンドトレーニングのコツは”行動”ではなく”合図”を理解すること
車慣れ
避難する際や移動する際など車での移動は想定できます。
その場合に、車嫌いだと暴れてしまい怪我をしてしまう危険性も高く安全に移送できない可能性が生じます。
ワンちゃんによっては、酔いやすい子や酔いにくい子など個体差があるものなので、トレーニングを無理矢理行ってはいけませんが、普段から車に乗り慣れていればワンちゃんも「これは怖いことじゃない」と理解してくれるので安全に移動できることでしょう。
合わせて読みたい参考記事↓
【旅好き】犬と快適に車で移動するには?ストレスを感じさせない秘訣
トイレシートのみでの排泄
トイレトレーニングをより災害に特化すると【トイレシート1枚】で排泄出来るのが望ましいです。
理由としては、トイレトレーや仕切り、囲いなど今まであった環境でトイレを覚えていたと思いますが、何もないシートのみで成功するようになれば、狭い空間での生活でもトイレを我慢させることなく生活が送れるようになります。
まずは通常のトイレトレーニングを行い、余裕があればシートのみでの排泄に挑戦してみてはいかがでしょうか。
災害時を想定したトレーニング
最後に、災害時を想定した飼い主さまとワンちゃんの合同避難訓練をおすすめしています。
避難訓練といっても、楽しく訓練できれば継続できると思いますので、難しく考えずに遊び感覚で防災を意識して遊んでみてください。
下記で紹介するのは一例であり、新しいものを取り入れても問題ありません。
目的は【遊びに防災意識を取り入れる】ですので、様々な工夫で楽しみながらやってみましょう。
避難所までのルートを歩く
防災バックに家族分とワンちゃん分の必要用品をしまい、シミュレーションしましょう。
ここでの注意ポイントは【よりリアルを想定する】です。
実際に避難所まで荷物を背負い歩いてみたり、避難経路上にアンダーパスがあれば冠水する可能性も高いので、より安全なルートを確保しなければなりません。
この訓練は実際にワンちゃんが避難所まで行けるのかを確認する要素も含まれており、大きい道で交通量が多い道での散歩は平気か、大きい交差点を渡れるのか、などチェックする項目を決めて不安な点があればトレーニングを強化できるメリットもあります。
アウトドアレジャー
アウトドアレジャーでは、実際に悪路をどれだけの時間でどれくらいの距離を移動できるのか、よく行くアウトドアレジャースポットでの避難経路の確保や被害想定、必要品の洗い出しなど、メリットは沢山あります。
また、キャンプもおすすめできるレジャーとなっており、限られた空間をどれだけ活用できるのか、非常食の食べ方や美味しくする工夫、実際にワンちゃんに必要な水やご飯、など避難を想定し体験することで余裕が生まれます。
是非、一度は旅行感覚で訪れてみてはいかがでしょうか。
合わせて読みたい参考記事↓
愛犬との旅行は防災の意識を持ってお出かけしてみよう【お泊まり編】
ドッグシューズトレーニング
災害時は土砂や瓦礫が飛散している状況です。その中を歩いて移動しなければならない時にワンちゃんの足(肉球)を守ってくれるのが【ドッグシューズ】です。
ドッグシューズは普段から履き慣れていないと嫌がってすぐに脱いでしまう子がほとんどだと思いますので、日常生活の中に取り入れて慣れさせておきましょう。
慣れさせ方としては、履かせた後に嫌がる素振りを見せたらおやつやオモチャで意識を足元からこっちに向けさせます。ポイントとしては、嫌がっている時に脱がせないことです。脱がせる際はワンちゃんが足元気にしていないタイミングを見計らって脱がせてあげましょう。
また、ドッグシューズの選び方は出来るだけ脱げにくく靴底があるものを選ぶようにしてください。足を守るアイテムとして機能させるには、脱げない破れないが理想ですので、ワンちゃんに合ったシューズを見つけましょう。
車中泊
上記のキャンプと似ていますが、実際にペットを飼っている方で避難所生活を送る人は多くなく、車での生活を選ぶ方が多い傾向があります。
車であればプライベートの確保もでき、ワンちゃんも一緒に生活できるので他の家族は避難所生活でワンちゃんと飼い主さま一人だけ車、という選択も正しいと思います。
そのため、車で寝泊りできるような工夫や経験を積んでいれば、避難先の選択肢の一つとして加えることができるので、精神的にも楽になるのでオススメです。
合わせて読みたい参考記事↓
犬との防災訓練として車中泊避難を実際にしてみよう!【車中泊編】
電気無しでの在宅避難
在宅避難を想定した訓練も一度行うのが理想です。
在宅避難はペットを飼う全ての飼い主さまにとってベストな選択肢なので、危険がないことが判明したら在宅避難を選ぶと思います。しかし、ライフラインが止まってしまい通常の生活は望めず、不安な夜を過ごすこととなるでしょう。
合わせて読みたい参考記事↓
犬と自宅で避難する際のポイントと注意点について【在宅避難編】
少しでも不安を取り除くには【経験】と【自信】が重要となります。
真っ暗では生活出来ないので、どれくらいの数のライトが必要なのか、ヘッドライトの方がいいのか、ラジオなどで情報は集められるのか、暑さ寒さの対策はどうするか、など実際に体験することで見えてくるものがあると思いますので是非一晩過ごしてみてください。
日常の”訓練”で災害に備えよう
日常生活の中に訓練を取り入れ、防災を意識することで災害時に備えることができることをお伝えしました。災害はいつどこで発生するか分かりません。いかなる状況でも”飼い主”は”ペット”を守り管理する責任がありますが、自分自身も安全に避難できなければ本末転倒です。自分の身は自分で守り、安全の確保ができたら家族を守る行動に移りましょう。
アンケートのご協力
記事やコンテンツについて、ご意見ご要望があればご協力お願い致します。
アンケート結果はより良い記事提供にするべく役立たせて頂きます。