災害時にワンちゃんと安全な場所へ移動することを同行避難といいますが、一緒に避難生活をすることを同伴避難といいます。
しかし、同じ施設や敷地内で過ごせる避難所も増えて来ているといえど、同伴避難できる場所は限られているのが現状であるため大切なワンちゃんの身を守る準備はしておきましょう。
今回はテント泊避難や車中泊避難に次いで第三弾のパートとなりますので、是非前回の記事も参考に防災意識を高めてもらえたら嬉しいです。
在宅避難のメリットとデメリット
在宅避難について紹介する理由は主に2つの心配があるからです。
1、同伴避難が出来ない場合
上記でもお伝えした通り、ペット受け入れ可能な避難所も増えてきているといえど、圧倒的に少ないのが現状です。住まれている近くの避難所でペットの受け入れは出来ないと言われてしまった場合、ワンちゃんを自宅に置いて避難するしかないケースもあります。
また、ペット不可の理由は【災害時の最優先は人命である】からです。
そのため、ペット用のスペースの確保や避難されてきた方々への精神的ストレスを考慮すると必然的にペットの避難所は少なくなってしまいます。
もう少し細かく説明すると、避難された方が全員ペット好きというわけではありません。
普段は好きだけど災害や避難生活でのストレスで不快に思うようになってしまう方、
お利口さんなワンちゃんは好きだけど吠えたり暴れん坊なワンちゃんは苦手、といったように様々な方もいます。
また、動物アレルギーを持っている方もいることを考えると難しい現状を理解できるかと思います。
2、避難先でのトラブル
幸運にも避難先でワンちゃんも一緒に避難できた場合であっても1でお伝えした通りワンちゃんが苦手な方もいることに変わりありません。
そのため、吠えなどの騒音問題、排泄物の臭い問題、抜け毛などのトラブルや苦情も一定数あると思っていてください。
ここで【飼い主】として心得てほしいポイントがあります。
苦情が入っても「優しくない人だ」と思うのはよくありません。避難所は被災された方の場所です。苦情を入れる人に対して嫌悪感を抱くのは飼い主側のエゴとなります。
私もワンちゃんを飼っていますが、日本という人間社会で共存するには一歩引かなければいけないことやルールがあるため受け入れて心得ておくことを強くおすすめします。
メリット
上記で2つの要因をお伝えしましたが、そういった心配をしないでいいのが在宅避難の最大のメリットと言えるでしょう。
ワンちゃんの性格にもよりますが、普段はめちゃくちゃお利口さんであっても災害のトラウマや避難所の慣れない環境での生活で吠えるようになったりと、変わってしまうことも少なくありません。
災害時は一番信頼している飼い主さまが不安そうな顔や辛そうな顔をしている時にワンちゃんにも伝わり不安な気持ちになってしまいます。
そのため、全ての飼い主さまにトラブルのリスクはあるということです。
在宅避難であれば、不安な気持ちは抱いても住み慣れたいつもの場所で過ごせるだけでワンちゃんの精神状態は保たれる可能性が高くなります。
飼い主さまも周りに気を使ったり、トラブルでの災害以外のストレスを受けることなく
避難生活を送れるため在宅避難はご家族にとって安心できる空間となるでしょう。
デメリット
在宅避難での一番のデメリットは【安全が確保されている場合のみ可能】です。
災害時は人命が最優先となるため、次なる被害が起こる恐れがある場合は在宅避難は決してしてはいけません。
また、「被災から時間が経ったから安全でしょ」「みんな家に戻ってるから心配ない」と思うのも大変危険ですので安全が確保されるまでは在宅避難は避けましょう。
正常性バイアスといって、自分に不都合な事態を無視し正常なんだと思い込んでしまう人間の心理状態を指す言葉です。その結果、逃げ遅れてしまったり避けられたはずの被害を受けてしまうことがあります。
自宅であれば、ある程度のものは揃っているしワンちゃんの心配もないからといって
在宅避難を選びたくなる気持ちがあっても安全が確保された後にしましょう。
今日から備えるポイント
いざという時に在宅避難ができるようにしておくために今日から備えておきたいポイントをご紹介します。あくまでも一例ではありますが、最低限の準備として覚えておいてください。
今日から実行できるので是非やってみてください。
家具の固定
在宅避難では安全を確保された地域であるのは大前提ですが、避難できる室内の状況も大切となります。そのため、倒れてしまいそうな家具の固定は必須になります。
万が一、就寝中に災害があっても家具を固定していれば逃げ道の確保や家具に潰されてしまうリスクも軽減されます。
また、ワンちゃんの安全を守るためにも十分役に立ちます。
特にワンちゃんが主に生活してるエリアには倒れてくるものだけでなく、落下してくるものにも注意しましょう。
理想をいえば、ワンちゃんの足やご家族の足を守るためにもガラスフィルムを貼り、飛散を防いだり、警報アラートでハウスに入るトレーニングなども行えると安心ですが、まずは外に逃げられるように窓やドア付近や怪我のリスクがありそうな家具を中心に対策していきましょう。
ワンちゃん用の防災バックの準備
在宅避難であっても、いつ何が起こるか分かりません。
突如、在宅避難が困難になり避難所、親族の家、友人宅などに緊急で避難する際に「何も準備してなかった」と慌てて準備していたら危険度も高くなってしまう可能性もあるので、すぐに移動できるように最低限の準備はしておきましょう。
防災バックの中身はご飯や水、トイレ以外にもワンちゃんが安心できるように匂いのついたタオルやワクチン証明書(無いと受け入れてくれない場合がある)、処方されていれば薬、万が一はぐれてしまった時のためのワンちゃん情報(飼い主さまと一緒に映っている写真は一枚入れていれば引き取りがスムーズになります)などを入れておくといいでしょう。
ワンちゃん用のトイレの準備
災害時ではお買い物に行けるか分かりません。例え行けてもペット用品が売られているかは定かではありません。そのため、トイレシートの準備は必ずストックしておきましょう。
また、外でしかトイレをしない子の場合であっても災害時はお散歩に行ける余裕があるか分からないため、トイレシートでトイレ出来るようにしておくのもおすすめです。
ワンちゃんのご飯の準備
トイレと同様にワンちゃんのご飯が売っているかは分かりません。また甚大な被害がある場合など人命優先であるため、物資配給も人間用のモノしか届かずペット用品は後回しになるため、自分のワンちゃんは自分で守るくらいの気持ちを持つことが重要です。
フードの封を開けてしまえば、劣化やカビが生えてしまう可能性もあるので、未開封のモノを1週間分は最低でも準備しておくことがおすすめです。
在宅避難の注意ポイント
最後に、在宅避難で注意するポイントについてお伝えします。
在宅避難といっても、電気・ガス・水道が全て使えるかは分からないため、
全てのライフラインが止まっていることを想定しておきましょう。
最悪の状態を想定した準備であれば、万が一のときでも安心感が違うはずです。
しかし「ここまで準備したから安心だ」となってしまうと、一瞬の気の緩みで様々なリスクが高くなります。特に自宅で過ごせるということだけで少し気が緩んでしまうと思いますので、これから紹介するポイントは必ず覚えておくようにしてください。
火の取り扱い
まずは、火の取り扱いについてです。
ライフラインが止まった際に調理や暖を取るため、明かりを灯すため、と様々な使い道があり災害時には重宝する【火】ですが、取り扱いを怠ってしまうと避難している自宅だけでなく、近隣住宅への二次被害も考えられます。
災害時に災害を起こすようなことがないように、きちんと管理を行い正しい使い方を守るようにしましょう。また、カセットコンロの使用時はガス漏れがないかなど、いつも以上に気を付けて使用しましょう。
火はとにかく危ないので、ワンちゃんが通って倒れて引火などないように対策は必須です。
脱水症状
ライフラインが止まっていると、体温調整は換気や洋服で調整するしかありません。
ワンちゃんに至っては、毛を纏っているため夏場は相当辛い思いをするはずです。
また、夜の場合は暗くて体調面を目視することが難しくなり気が付くのに遅れてしまう可能性もあります。
ワンちゃんも飼い主さまも夏場は細かく水分補給はしましょう。
災害時はワンちゃんも人間も精神的なストレスから体調を崩しやすいため、このような事前知識をいれ覚えておくことでリスクは軽減されるはずです。
脱走防止対策
夏場の換気や災害によって窓が割れてしまったり、扉が閉じられなくなるケースもあります。
その際に一番気を付けなければならないことがワンちゃんの脱走です。
特にライフラインが止まっている時の夜は暗く、人間の目では判断が鈍くなりますがワンちゃんは夜間でも見えているので一瞬の隙で脱走してしまう可能性は高くなります。
万が一、脱走ができてしまうスペースがあれば室内でもリードをつけておいたり、ケージやサークルを利用して活動範囲を制限させる方法などの対策を施しましょう。
在宅避難でおすすめのアイテム
1、家具固定と食器棚等の扉ロック
2、ガラスフィルム
・ワンちゃんや飼い主さまの足を守ります
3、防災バック
・何を準備していいか分からない方はこちらがおすすめ
・防水で安心
アンケートのご協力
記事やコンテンツについて、ご意見ご要望があればご協力お願い致します。
アンケート結果はより良い記事提供にするべく役立たせて頂きます。
また、こういう記事を書いてほしいなどのご要望があればお気軽にご記入ください。
可能な限り記事にしてお答えさせて頂きます。