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【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|14週間のまとめ
公開日:2024年9月6日(金) 更新日:2026年10月6日(火) 犬の育て方
この記事の要点
岳くんの83日目から96日目までの記録です。飼い主が倒れ、5日間ペットホテルへ預けました。初めての場所でも吠えず、トイレも失敗しませんでした。95日目は初めてのトリミング。そして14週目に「伏せ・待て・座れ」が合図だけでできるようになりました。
生後57日で迎えたポメラニアンの岳くんに、ドッグトレーナーが密着した記録の7回目です。この記事は83日目から96日目(13〜14週目)を扱います。
この2週間は、予定していたことがひとつも起きていません。飼い主が倒れたからです。岳くんはホテルへ預けられました。そして、そこで初めて分かったことがあります。
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ポメラニアンの子犬を見る岳くんのことと、前回までのあらすじ
| 名前 | 岳(がく) |
|---|---|
| 犬種 | ポメラニアン |
| 性別 | 男の子 |
| 生年月日 | 2024年2月29日 |
| この記事の範囲 | 83日目〜96日目(生後139日〜152日・おおよそ生後4か月半〜5か月) |
| 暮らす家 | ドッグトレーナーの家。先住の大型犬2頭と猫1頭がいる |
| 目指しているところ | 将来は室内でのフリー(サークルに入れずに過ごす) |
前回は69日目から82日目まででした。69日目に留守番と寝るとき以外はフリーになり、70日目に初めてのドッグラン。79日目は大勢の人が集まる会場へ同行しています。3か月目の評価で動いたのは、お散歩の1項目だけでした。
前回はこちらです↓
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|初めてのドッグラン
ポメラニアンの子犬(144頭)
83日目〜89日目|飼い主が倒れて、ホテルへ預けた
| 日 | その日にあったこと | やったこと |
|---|---|---|
| 83〜84日目 | 特に何もなく過ごした | 基礎の練習は日常に組み込んだまま継続 |
| 85〜89日目 | 飼い主が体調を崩し、岳くんをペットホテルへ預けた。生活の場は主にサークル。初めての場所でも荒れることなく、落ち着いて過ごせた。トイレの失敗もなく、シートの上でできていた | — |
5日間です。初めての場所で、知らない人に世話をされて、5日。それでも吠えず、トイレも失敗しませんでした。
この結果は、預けた日に決まったものではありません。迎えてすぐに、サークルとクレートに慣らしていたからです。
記録をさかのぼると、こうなっています。
| いつ | やっていたこと |
|---|---|
| 2日目 | サークルの中に、排泄のときだけ仕切りを立てた |
| 19日目 | クレートをサークルの中へ入れた。まだ練習はせず、「そこにある」状態に慣らすだけ |
| 27〜40日目 | クレートの中にベッドを入れたら、クレートで寝るようになった |
| 85日目 | 初めての場所のサークルで、5日間を落ち着いて過ごせた |
2日目から85日目まで、まっすぐ1本につながっています。
不測の事態は、予告なく来ます
飼い主が倒れる日は、選べません。そのとき効くのは、平時にやっておいたことだけです。
アメリカンケネルクラブは、クレートに慣れることを「大事な生活の技能」と呼び、その理由をこう挙げています。動物病院、ペットシッター、預け先、そして災害の避難。どの場面でも、犬はクレートに入ることになるからです。
言い換えると、クレートの練習は「便利だからやる」ものではありません。入れないままその日が来ると、すでに大変な日が、もう一段大変になります。
今日のうちにやっておける4つ
| やっておくこと | なぜ、その日に間に合わないか |
|---|---|
| クレートで落ち着いて過ごせる | 慣らすには数日から数週間かかる。預ける前日には作れない |
| サークルの中で、人が見ていなくても過ごせる | 預け先の生活の場はサークルのことが多い |
| ワクチンの接種証明を出せるようにしておく | ペットホテルやトリミングは、接種証明の提出を求めるところがほとんど。当日探すと間に合わない |
| 知らない人に体を触られても平気 | 預け先では、知らない人が体を拭き、薬を飲ませることもある |
4つめは、家でできる練習です。動物病院グループVCAの獣医師による解説は、触られる練習を「触られたり扱われたりするときに、子犬が力を抜いて協力できるようにする練習」と定義し、「短く、楽しく。回数を決めて、子犬が喜んで、それでいて落ち着いておやつを食べている状態で終える」としています。
そして、遅すぎることはありません。成犬になってからでも、段階を踏めば入れるようになります。「うちの子はもう無理」と決めてしまうと、その日が来たときに選べる先が減るだけです。
90日目〜96日目|帰宅と、初めてのトリミング
| 日 | その日にあったこと | やったこと |
|---|---|---|
| 90〜92日目 | 家に帰ってきた。飼い主の体調がまだ戻らず、室内でゆっくり過ごした | 基礎の練習は日常の合間で続けられるので、そのまま継続 |
| 94日目 | 特に何もなく過ごした | — |
| 95日目 | 初めてのトリミングカット。暴れることなく、きれいにカットしてもらえた | — |
| 96日目 | 特に何もなく過ごした | — |
95日目のトリミングも、62日目の動物病院と同じ構造です。台の上に乗せられて、知らない人に長い時間さわられる。道具の音がする。逃げられない。
ここで効いているのも、家でやっておいた体を触られる練習です。居心地が悪いときのサインには、身をよじる/体を低くする・白目が見える/鳴く/口を当ててくる/体を離す・そむける/おやつを乱暴に取る/おやつを食べなくなる/ブラシなどを見ると近づかなくなる、などがあります。
毛の手入れそのものにも、先にやっておけることがあります。長い毛・絹のような毛・巻き毛の犬は、毛がもつれたり毛玉になったりしないよう、毎日のブラッシングが必要です。とくに耳のまわり、脇の下、後ろ足の裏側は念入りに。毛玉ができてから連れて行くと、犬にとってつらい時間が長くなります。
そして毛玉は「はさみで切らない」。毛玉を取るのはバリカンだけで、はさみは決して使いません。皮膚は思っているより毛のすぐ下にあります。ひどいときはトリマーか動物病院へ。
14週間で「伏せ・待て・座れ」が合図だけになるまで
14週目が終わる前に、「伏せ」「待て」「座れ」が合図だけでできるようになりました。手の誘導はもう要りません。
特別なことは何もしていません。おやつを手に持って誘導するところから始めて、少しずつ言葉だけにしていった。それだけです。順番はこうでした。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | おやつを持った手で誘導する。動きが出たらほめて、そのまま渡す |
| 2 | おやつを持たない空の手で、同じ動きをする。これが手の合図になる |
| 3 | 手の合図で動くようになったら、その1秒前に言葉を言う |
| 4 | 言葉だけで動くようになる |
2から3へ移るところで止まる方が多いのですが、理由ははっきりしています。言葉を先に付けてしまうと、まだできない動きに言葉が結びついて「言っても動かない合図」ができあがるからです。合図は、出せば動く状態になってから名前を付けるものです。
「待て」の時間も、同じやり方で延びています。解除する前に動いてしまうなら、その犬にとってそれは長すぎた。だから1秒ずつ、失敗させずに延ばす。41日目から14週目まで、これだけを続けました。
最後に、この記録を通していちばん伝えたいことを書きます。いきなり完璧にできる子は、ほんの一握りです。岳くんも、8日目に要求吠えが戻り、9日目にわざとトイレを失敗し、21日目にスリングの中でおしっこをしています。それでも、焦らずに続けたら14週間でここまで来ました。
14週間の記録ぜんぶ|何を、どの順番でやったか
7回ぶんの記録を1つの表にまとめます。順番そのものが、いちばん役に立つ部分だからです。
| 時期 | できごと | そのとき何をしたか |
|---|---|---|
| 1〜12日目 | 初日は2時間鳴いた。夜中3時間おきのトイレ。7日目に車で2回吐く。帰省先で要求吠えとトイレが逆戻り | 排泄の記録を取る。鳴きに反応しない(不安のサインが出たら段階を戻す)。家の中で対応をそろえる |
| 13〜26日目 | サークルを広げる。トレーを外して床を全面シートに。抱っこで初めての外 | 失敗しなくなってから広げる。クレートをサークルへ入れて慣らす。おすわりを教え始める |
| 27〜40日目 | 2回目のワクチン。クレートで寝るようになる。初めての電車で片道2時間 | クレートの中にベッドを入れる。電車は段階を踏む(キャリー→人ごみ→ホームの音→一駅) |
| 41〜54日目 | おすわりとマテが合図だけに。友人宅で先輩犬に叱られる | マテは失敗させずに1秒ずつ。犬同士は、相手を選んで会わせる |
| 55〜68日目 | 先住犬の付き添いで、自分は何もされずに動物病院へ。68日目に狂犬病ワクチン | 練習の時間は作らず、生活の中に混ぜる。病院は「何も起きない日」を先に作る |
| 69〜82日目 | 初めてのドッグラン。大勢の人が集まる会場へ同行 | 初回は場所に慣れるだけ。連れて行くかは「途中で降りられるか」で決める |
| 83〜96日目 | 飼い主が倒れ、5日間ホテルへ。初めてのトリミング。伏せ・待て・座れが合図だけに | これまでの積み重ねを使った週。新しくやったことは無い |
最後の行が、この記録の結論です。いちばん大変な週に、新しくやったことは何もありません。使ったのは全部、それまでにやっておいたことでした。
各回はこちらです↓
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|最初の2週間の記録
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|3〜4週目と評価表
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|電車デビューの手順
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|マテの教え方と犬同士
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|動物病院に慣らす
【生後57日から密着】ポメラニアン岳くん|初めてのドッグラン
フローエンスはブリーダー直販で、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。この14週間で岳くんがやったことは、どれも特別な道具も場所も要りません。いまどこで止まっているかを教えていただければ、次の一段をお伝えできます。専門トレーナーのトレーナーダイヤルへどうぞ。
よくある質問
急に犬を預けることになりました。何を準備すればいいですか?
その日に準備できるものと、できないものがあります。先に用意しておけるのは4つです。ひとつ、クレートで落ち着いて過ごせること。慣らすには数日から数週間かかるので、預ける前日には作れません。ふたつ、サークルの中で人が見ていなくても過ごせること。預け先の生活の場はサークルのことが多いです。みっつ、ワクチンの接種証明。ペットホテルやトリミングは、接種証明の提出を求めるところがほとんどです。当日探すと間に合いません。よっつ、知らない人に体を触られても平気なこと。預け先では知らない人が体を拭き、薬を飲ませることもあります。岳くんが5日間のホテルで吠えず、トイレも失敗しなかったのは、迎えてすぐにサークルとクレートに慣らしていたからです。
クレートの練習は、本当に必要ですか?
必要です。アメリカの犬の団体は、クレートに慣れることを「大事な生活の技能」と呼んでいます。理由は、動物病院、ペットシッター、預け先、そして災害の避難。どの場面でも犬はクレートに入ることになるからです。つまりクレートの練習は「便利だからやる」ものではありません。入れないままその日が来ると、すでに大変な日が、もう一段大変になります。岳くんの場合、19日目にクレートをサークルの中へ入れて「そこにある」状態に慣らし、そのあとクレートの中にベッドを入れたら寝る場所になりました。合図も練習も要りませんでした。
成犬になってからでも、クレートに慣らせますか?
慣らせます。遅すぎることはありません。扉を開けたままにして、犬が自分から入るところから始めてください。クレートの横に座って、犬が近づいたらおやつを中へ投げる。中にいる間は数秒ごとにおやつ。犬が見ていないときに中へおやつを置いて、見つけさせるのも良い方法です。そして、罰として使わないこと、長く入れすぎないこと、無理に中へ入れないこと、泣かせきりにしないこと。うろうろする、震える、扉をかじる、よだれが出るといったサインが出たら、段階を戻します。「うちの子はもう無理」と決めてしまうと、いざというときに選べる預け先が減るだけです。
初めてのトリミングで暴れないか心配です。
トリミングは、動物病院と同じ構造です。台の上に乗せられて、知らない人に長い時間さわられ、道具の音がして、逃げられない。だから効くのも同じで、家でやっておく「体を触られる練習」です。同じ動物病院グループの獣医師は、これを「触られたり扱われたりするときに、子犬が力を抜いて協力できるようにする練習」と定義し、「短く、楽しく。回数を決めて、子犬が喜んで、それでいて落ち着いておやつを食べている状態で終える」としています。居心地が悪いときのサインは、身をよじる、体を低くする・白目が見える、鳴く、口を当ててくる、体を離す、おやつを乱暴に取る、おやつを食べなくなる、ブラシを見ると近づかなくなる。出たら、その回は終わりにしてください。
トリミングの前に、家でやっておくことはありますか?
ブラッシングです。長い毛・絹のような毛・巻き毛の犬は、毛がもつれたり毛玉になったりしないよう、毎日のブラッシングが必要です。とくに耳のまわり、脇の下、後ろ足の裏側は念入りに。毛玉ができてから連れて行くと、犬にとってつらい時間が長くなります。そして、毛玉は自分ではさみで切らないでください。毛玉を取るのはバリカンだけで、はさみは決して使いません。皮膚は思っているより毛のすぐ下にあります。ひどいときはトリマーか動物病院にお願いしてください。
合図(言葉)だけで動くようにするには、どうすればいいですか?
順番は4段階です。①おやつを持った手で誘導する。動きが出たらほめて、そのまま渡す。②おやつを持たない空の手で、同じ動きをする。これが手の合図になります。③手の合図で動くようになったら、その1秒前に言葉を言う。④言葉だけで動くようになる。止まりやすいのは②から③のところです。言葉を先に付けてしまうと、まだできない動きに言葉が結びついて「言っても動かない合図」ができあがります。合図は、出せば動く状態になってから名前を付けるものです。岳くんは41日目におすわりとマテが合図だけになり、14週目が終わる前に伏せも合図だけでできるようになりました。
うちの子だけ、なかなか覚えません。
いきなり完璧にできる子は、ほんの一握りです。岳くんの記録にも、つまずきがそのまま残っています。8日目に帰省先で要求吠えが戻り、9日目には人がいるときにだけわざとトイレを失敗し、21日目には抱っこ散歩のスリングの中でおしっこをしました。7日目には初めての車で2回吐いています。それでも、失敗させない形に戻して続けたら、14週間で「伏せ・待て・座れ」が合図だけでできるところまで来ました。覚えないのではなく、その段階がまだその子に早いことがほとんどです。1秒でも、1歩でもいいので、成功する形まで下げてから積み直してください。
この14週間で、いちばん大事だったことは何ですか?
順番です。いちばん大変だった週(飼い主が倒れて5日間ホテルへ預けた週)に、新しくやったことは何もありません。使ったのは全部、それまでにやっておいたことでした。2日目にサークルの中へ仕切りを立て、19日目にクレートを入れ、そのあとクレートの中にベッドを入れて寝る場所にした。85日目に効いたのは、この積み重ねです。しつけは「問題が起きてから直すもの」だと思われがちですが、この記録で効いたのはすべて「起きる前にやっておいたこと」でした。そして、どれも特別な道具も場所も要りません。
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まとめ
岳くんの83日目から96日目までの記録です。この2週間は、予定していたことがひとつも起きていません。飼い主が倒れたからです。85日目から5日間、岳くんはペットホテルへ預けられました。初めての場所で、知らない人に世話をされて5日。それでも吠えず、トイレも失敗しませんでした。この結果は預けた日に決まったものではありません。2日目にサークルへ仕切りを立て、19日目にクレートを中へ入れ、そのあとクレートの中にベッドを入れて寝る場所にした。2日目から85日目まで、まっすぐ1本につながっています。飼い主が倒れる日は選べません。そのとき効くのは、平時にやっておいたことだけです。クレートに慣れることは「大事な生活の技能」で、理由は動物病院・ペットシッター・預け先・災害の避難です。どの場面でも犬はクレートに入ることになります。今日のうちにやっておけるのは4つ。クレートで落ち着いて過ごせること、サークルで人が見ていなくても過ごせること、ワクチンの接種証明を出せるようにしておくこと、知らない人に体を触られても平気なこと。そして、遅すぎることはありません。95日目の初めてのトリミングも、動物病院と同じ構造でした。台の上、知らない人、長い時間、逃げられない。効いたのは家でやっておいた触られる練習です。毛玉は自分ではさみで切らないでください。14週目が終わる前に「伏せ・待て・座れ」が合図だけでできるようになりました。手の誘導から空の手、そして言葉へ。言葉を先に付けると「言っても動かない合図」ができあがります。いきなり完璧にできる子はほんの一握りです。岳くんも要求吠えが戻り、わざとトイレを失敗し、スリングの中で粗相をしました。それでも14週間でここまで来ています。いちばん大変だった週に、新しくやったことは何もありませんでした。使ったのは全部、それまでにやっておいたことです。
































