フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

犬が男性を怖がるのはなぜ?対処法と克服トレーニングのポイントについて

犬の育て方
男性を怖がる犬

ワンちゃんが男性を怖がる理由はさまざまですが、その多くは小さいころの経験や環境によるものです。この記事では、ワンちゃんが男性に対して抱く恐怖心の原因とその克服に向けた具体的な対処法・トレーニング方法について詳しく解説します。無理をせず、少しずつ慣れさせていくことが大切であり、ワンちゃんが安心して過ごせるような環境作りをサポートします。ワンちゃんがリラックスして男性とも接することができるように、一歩一歩進んでいきましょう。

犬が男性を怖がる理由とは

ワンちゃんが男性を怖がる理由はいくつか考えられることがあります。また、男性だけでなく女性や子供だけを怖がってしまうケースもあるので、下記にて詳しく解説します。

なぜ男性を怖がるの?

ワンちゃんが男性を怖がる理由には、次のようなものがあります↓

  • 男性の声が低く、背が高いため威圧感を感じることがある
  • 小さいころに男性から怖い経験をさせられたことがある
  • 動物病院の先生など、男性に対して嫌なイメージがついている
  • 男性がいる環境に慣れていない

これらのように、男性の声が低く、体格が大きいことでワンちゃんに威圧感を与えることが原因として考えられます。また、小さいころの経験が影響することが多く、男性が大きな声で叱ったり、物音を立ててワンちゃんを驚かせたりした場合、それがトラウマとなり、男性全般に対して恐怖を感じることがあります。他にも、病院で男性の先生から治療を受けて痛い思いをした経験も、男性に対する嫌なイメージを形成する原因となります。

女性や子供だけを怖がることもある?

男性だけなく、女性や子供に対しても怖がるケースは十分にあります。
これは次のような理由が考えられます↓

  • 女性がいない環境で過ごしていたため、慣れていない
  • 小さいころに女性から怖い経験を受けたことがある
  • 子供と接したことがない
  • 子供の予測不能な動きや発声に驚いた

女性や子供がいない環境で育った場合、ワンちゃんが女性や子供を怖がることもあります。たとえば、飼い主さまの家庭に女性や子供があまり訪れない場合、女性や子供という存在が珍しく、警戒心を抱くことがあります。

また、小さいころに女性や子供から何らかの怖い体験をした場合、女性や子供に対して不安を感じるようになることもあります。このような場合も、無理のない範囲で女性と子供との触れ合いを通じて、少しずつ良いイメージを持たせていくことが克服への第一歩です。

克服トレーニングの方法

男性のみに限らず、女性や子供であっても基本的な克服トレーニングは変わりません。
今回は男性を例に方法をお伝えしますが、対象物に合わせて是非参考にしてください。

男性を怖がるときの初期対応

ワンちゃんが男性を怖がる場合、無理に触れ合わせようとせず、少しずつ環境に慣れさせることが大切です。普段から男性のいない環境にいる場合は、男性がいる環境を少しずつ作り、ワンちゃんが自然に慣れるのを待ちましょう。

無理に接触を強要すると、ワンちゃんの恐怖心をさらに強めてしまう可能性があるため、まずはワンちゃんが安心して過ごせる距離を保ちながら、少しずつ男性がいる環境に慣れさせることが重要です。例えば、男性がいる空間にワンちゃんを連れて行き、無理に触れ合わないようにしつつ、ワンちゃんが自由にその場に慣れるのを待つと良いでしょう。

トレーニングのステップ

男性を怖がる犬の克服トレーニング

まずはご家族や友人から飼い主さまと近い距離の関係から始め、慣れてきたら公園やドックカフェなど徐々にステップアップしていくイメージでトレーニングをしていきましょう。

さらに詳しい方法を下記でお伝えします。

1.男性と関わる環境を作る
相手はワンちゃん好きな男性が好ましいです。同じ空間で過ごし、何も怖くないことをワンちゃんに教えます。
ワンちゃんにとって男性が安心できる存在であることを理解させるためには、まずはワンちゃん好きの男性が協力者となると良いです。その男性と同じ空間で過ごすことで、徐々に「男性がいても何も怖くない」ということを学ばせることができます。最初は男性が遠くからワンちゃんを見守る形で慣れさせ、少しずつ距離を縮めていきます。

2.無理に近づかない
男性がワンちゃんに無理に近づかず、ワンちゃんから近づいてきたときにおやつをあげるなどして、良いイメージをつけていきます。
ワンちゃんが自分から男性に興味を持ち、近づいてきた際にご褒美としておやつを与えることで、男性とポジティブな体験を関連付けることができます。このようなポジティブな強化が、ワンちゃんにとって男性との接触をより楽しいものと感じさせることにつながります。無理に触れ合いを強要することは避け、ワンちゃんが自発的に接近するのを待つことが大切です。

3.徐々に触れ合う
ワンちゃんが男性に慣れてきたら、男性から近づいておやつをあげたり、触ってみたりします。触られるのが好きなワンちゃんなら、徐々に触れ合いを増やしましょう。
ワンちゃんが男性に慣れ始めたら、男性から少しずつワンちゃんに近づき、おやつをあげたり、やさしく触れたりします。この時点でワンちゃんの体が硬直したり、無理せずリラックスしているかを確認しながら進めることが重要です。触られることが好きなワンちゃんなら、積極的に触れ合いを楽しむことで、さらに良い印象を持たせていくことができます。

また、ワンちゃんへの触り方にも注意しておきたいタイミングでもあるので、こちらも参考にしてもらいワンちゃんへの配慮も忘れずに触れてあげてください。
犬の正しい撫で方と初対面での触れ合い方について詳しく解説

4.他の男性にも慣れさせる
問題なく触れ合えるようになったら、別の男性とも良いイメージを持てるようにします。たとえば、お散歩中に友好的な男性からおやつをもらうなど、他の男性とのポジティブな経験を増やしていきます。

ここでの注意ポイントとしては、無理に触ってもらう必要はありません。

もちろん、誰に触られても平気なくらい克服してくれることが理想ですが、焦らずゆっくりと進めて行けばいいのです。そのため、基本的にはドッグカフェやドッグラン、お散歩コースの変更などで、普段見かけない男性がいる環境を作り慣れさせていけばいいでしょう。

時間をかけて様々な状況で異なる男性とポジティブな経験を積むことで、男性に対する恐怖心を克服していきます。

トレーニングの注意点

  • ワンちゃんが怖がっている場合、人間側から無理に近づかないようにし、様子を確認しながら進めます。
  • 男性に慣れさせたいからといって、いきなりたくさんの男性がいる場所に連れて行くことは避けましょう。ステップを踏んで少しずつ進めることが重要です。
  • 慣れさせる際には、ワンちゃんが何を感じているかに注意しましょう。

悪い例:
怖がっているのに無理に慣れさせようとし、怖いまま過ごしてしまうと、怖いイメージが残ってしまいます。

良い例:
少しでも楽しそうにしていたり、おやつをもらったりするなど、良いイメージを作りながら進めると、徐々に怖い思いがなくなっていきます。

トレーニングの際には、ワンちゃんの恐怖心を理解し、そのペースに合わせて進めることが大切です。無理にたくさんの男性と接触させると、恐怖心がさらに強くなる可能性があります。そのため、ワンちゃんがリラックスしているかを常に観察しながら、少しずつ男性との関わりを増やしていくようにしましょう。ステップを踏みながら進めることで、ワンちゃんにとって安全で楽しい学習体験を提供することができます。

特定の性別に対して苦手意識を持たせない方法

男性を怖がっていたが克服して仲良く過ごす犬

小さいころからの経験はワンちゃんのイメージに大きく影響を与えます。そのため、初めから男性・女性または子供などと触れ合える環境を作り、良いイメージを持たせておくことが大切です。

パピー期にいろいろな人と触れ合う機会を作ることで、特別なトラウマがなければ特定の性別を怖がることはないでしょう。理想はワンちゃんをお迎えした後に、友達や家族に協力してもらい、男性も女性も子供も関係なくワンちゃんと触れ合ってもらうことで、ワンちゃんにとっていろんな人が「安全で楽しい存在」だと学ばせることができます。特に小さいころにこのような経験を積むことで、大人になってからも性別に関係なく、いろんな人とリラックスして過ごせるようになるでしょう。

まとめ

ワンちゃんが男性を怖がる理由はいろいろありますが、無理をしないで少しずつ慣れさせることが大切です。トレーニングのときは、ワンちゃんのペースに合わせて、良い経験を重ねることで少しずつ苦手な気持ちを克服していきましょう。

ワンちゃんが怖がる気持ちを克服するためには、安全で楽しいと感じる経験をたくさん積むことが大事です。無理に触れ合いをさせようとせず、ワンちゃんのペースに合わせて少しずつ進めることで、男性との接触が良い経験になるようにしましょう。

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