フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

ワンちゃんの基本トレーニングを教える最適なタイミングとは?

しつけトレーニング トレーニング
基本トレーニングを始めた子犬

ワンちゃんを飼い始めた方やこれから飼いたいと思っている方の多くが、「しっかりとトレーニングできるかな」という不安を抱いています。ワンちゃんのしつけは、正しいタイミングと適切な方法で行うことが重要であり最短ルートです。適切なタイミングで基本トレーニングを行うことで、ワンちゃんはスムーズに学習し、問題行動といった不安も解消されて飼い主さまと良好な関係を築くことができます。

本記事では、ワンちゃんの基本トレーニングのポイントと、最適な教えるタイミングについて詳しく解説します。是非参考にしてください!

ワンちゃんの基本トレーニングとは?

基礎トレーニングに励む犬の姿

ワンちゃんの基本トレーニングとは、ワンちゃんが生活する上で必要な最低限のしつけのことです。以下のようなトレーニングを行うことで、ワンちゃんが安心して暮らせるようになります。また、基本トレーニングができるようになることで応用トレーニングやドッグスポーツへの挑戦のハードルも下がるため、将来的なビジョンを現実化させるメリットにもなるでしょう。

下記では5つの基本トレーニングを紹介します。

1. おすわり

「おすわり」は、ワンちゃんの興奮を抑えたり、飼い主さまの指示を待つことを覚えるのに役立ちます。コマンドについては、「おすわり」「座れ」「シット」など様々な呼び方がありますが、飼い主さまが言いやすい言葉で問題ありせん。

参考記事はこちら↓
愛犬に「お座り」を教えるメリットと具体的な方法について解説

2. 伏せ

「伏せ」は、ワンちゃんを落ち着かせたり、コントロールしやすくするための基本トレーニングです。「おすわり」と組み合わせることで、より指示に従いやすくなります。お座りとの違いは大きくはありませんが、ワンちゃんがより興奮を抑えやすい(コントロールしやすい)効果があるので覚えさせておくことが理想です。

3. 待て

「待て」を覚えることで、ワンちゃんが飼い主さまの指示に従う習慣がつき、安全性が向上します。特にお散歩に行く前のドアの前や道路を渡る前に「待て」をさせることで飛び出し事故の防止にもつながります。

参考記事はこちら↓
犬に「待て」を教える方法!成功するための全ステップを徹底解説

4. 「こい(おいで)」

「こい」は、呼び戻しのトレーニングとして重要で、ワンちゃんの安全確保にも役立ちます。ドッグランや公園などでの自由な行動中に、確実に戻ってくる習慣をつけましょう。

また、万が一脱走してしまった際やドッグスポーツへの挑戦を考えている場合など呼び戻しの習得は幅広い場面で役立つトレーニングとなります。

参考記事はこちら↓
【1日5分】犬の呼び戻しの重要性とトレーニング方法について解説

5. 「ハウス」

「ハウス」の指示で、自分の居場所を認識させることで、安心できる環境を作ることができます。留守番の際や来客時にストレスを軽減する効果や災害時にも役立つトレーニングです。

ご家庭によってはフリーで飼育している、またはフリーで飼育したいと望んでいる飼い主様もいるため必須ではないものの、ハウスを覚えることでワンちゃんの安全や落ち着く場所を確保し提供できるためオススメのトレーニングです。

参考記事はこちら↓
犬が安心できる空間を作るクレートトレーニングのやり方について解説

ワンちゃんに教えるタイミングの重要性

愛犬を守るための基本トレーニングの重要性について解説

ワンちゃんが新しいことを学ぶ際、最適なタイミングでトレーニングを行うことが成功のカギとなります。タイミングを間違ってしまうと集中が出来ず失敗が増えてしまったりする可能性が高くなってしまいます。

以下の5つのポイントを押さえて、効果的にトレーニングを進めましょう。

開始時期のお悩みについて

ポイントを説明する前にひとつお伝えさせてください。

ワンちゃんを飼い始めたばかりの飼い主さまやこれから迎え入れようかと検討している方の多くはトレーニングの【開始時期】について悩まれていますが、結論から言いますと開始時期は「今から」です。ワンちゃんのしつけトレーニングに関して、早い遅いはなくいつからでも始めることが可能で、いつ始めても必ず成果はついてきます。

子犬の時期を逃したら遅いと言われているのは、難易度が少し上がってしまう事実があります。その理由としては、ワンちゃんの性格が形成され自我が確立してしまっているからです。そのため、嫌なことは嫌だ、自分のルールがある、といったように習慣化されてしまっているものを急に直すことは時間がかかってしまうのです。

理想は迎え入れた日から始めるのが一番おすすめですが、成犬になってからでも手遅れということはないので開始時期で悩まれている場合は今日この瞬間から始めてみましょう。

社会化トレーニングにて時期について解説しているのでこちらも参考にしてください↓
犬の社会化に”遅い”はない!社会化の理解とトレーニングについて

1. ワンちゃんが落ち着いているとき

トレーニングを行う大前提として、興奮している状態では学習しにくいため、落ち着いているタイミングを選びましょう。興奮している場合は遊びの後やお散歩の後の少し余っているエネルギーを解放したタイミングがおすすめです。

2. 短時間の集中できる時間に

ワンちゃんの集中力には限りがあるため、トレーニングは子犬は1回3分〜5分、成犬の場合は5分~10分程度にしましょう。特に子犬の場合は、短い時間でこまめに繰り返すのが効果的です。集中力が切れている状態でのトレーニングは失敗が増えてしまい、自信を無くしてしまう恐れがあるため注意しましょう。

3. 食事の前後を避ける

満腹時や空腹時は集中しづらいため、食事の直前・直後のトレーニングは避けましょう。特に空腹すぎるとストレスがたまり、トレーニングの効果が落ちることがあります。

下記でおやつについての解説をしますが、空腹時のおやつは効果は大きいですが良いことをした後のご褒美とならず、空腹を満たすために指示を聞くようになってしまう可能性も考えられるため、食事の前後は避けるのがいいでしょう。

4. ポジティブな雰囲気で

ワンちゃんは飼い主さまの喜ぶ表情が大好きで、飼い主さまが嬉しそうに褒めてくれるから指示を聞こうと努力してくれます。そのため、ワンちゃんが楽しんで学べるように、褒めながらトレーニングを進めることが大切です。飼い主さまが楽しく取り組むことで、ワンちゃんも学ぶ意欲が高まり、お互いに楽しくトレーニングを行うことができるでしょう。

5. 毎日継続して行う

一貫性を持って毎日短時間ずつ続けることで、ワンちゃんがより早く学習します。日常生活の中に組み込んで習慣化させると効果的です。

より具体的にお伝えすると、前回は褒めてくれたのに今回は褒めてくれない、前回は叱られなかったのに今回は叱られた、などワンちゃんが混乱してしまう対応は望ましくありません。そのため、日常生活の中に自然とトレーニングを含ませて褒める時は褒める、ダメな時はダメと一貫性を持って接しましょう。

成功させる基本トレーニングのコツとは

日常生活でトレーニングを取り入れている姿

上記にてトレーニングを行うタイミングについてお伝えしましたが、下記ではトレーニングを行う上で失敗するリスクを最小限にするコツをお伝えします。

基本トレーニングは生活をする上で必要な最低限のトレーニング内容としていますが、飼い主さまがトレーニングをする上で必要な「心得」が重要となります。今後、難しいトレーニングをすることになったとしても教え方についての基本は変わらないので、これから紹介するコツを是非覚えて頂ければと思います。

1. ご褒美を活用する

ワンちゃんが指示に従ったら、大好きなおやつやおもちゃを使って褒めることで、学習意欲を高めます。食べ物だけでなく、好きな遊びを報酬にするのも良い方法です。また、ワンちゃんにとって飼い主さまから褒めて貰えることも立派なご褒美になります。

ここでの注意点は「おやつが貰えるから指示に従う」ことにならないようにしましょう。

興味や集中を飼い主さまや指示に向けるキッカケ作りとしておやつを活用し、おやつがなくても指示に従ってくれるようにご褒美を徐々におやつから褒めるに移行するなどが重要です。

2. 一貫したコマンドを使う

毎回同じ言葉やジェスチャーを使うことで、ワンちゃんが混乱せずに覚えやすくなります。「おすわり」「ふせ」などのコマンドは、家族全員で統一するようにしましょう。

また、コマンドの統一だけでなくお散歩に行く前の扉の前では座る、ご飯は必ず指示の後、といった指示を出すシーンも統一させましょう。

頭の良いワンちゃんは指示を出す場所、言葉が違ってしまうと、指示を聞く人聞かない人を分けてしまうことがあるので注意しましょう。

参考記事はこちら↓
コマンドトレーニングのコツは”行動”ではなく”合図”を理解すること

3. 短い時間で繰り返し行う

ワンちゃんの集中力が続く短い時間で何度も練習することで、学習効果が上がります。1日に何回かに分けて、遊びの中でトレーニングを取り入れるのもおすすめです。

トレーニングの目安は
子犬:3分程度
成犬:5〜10分程度

集中力は個体差によって異なる部分ではあるので、ワンちゃんのペースに合わせることが重要ですが、まずは上記の時間を目安に集中して行いましょう。

また、ポイントとしては「楽しいと思えている時にやめる」です。
満足するまでやってしまうとそのトレーニングに飽きてしまい、興味がなくなり集中しないようになってしまう可能性が高くなります。
トレーニングを終える時は成功して褒められて気分がルンルンな状態で切り上げましょう。

4. 失敗しても叱らない

トレーニング中に間違えてしまっても強く叱らないようにしましょう。
全てのトレーニングに共通するものですが、基本的には強制させて覚えさせるのではなく、成功したときに褒める、ポジティブなトレーニングで学習させましょう。

特に子犬は学習の過程で失敗することが多いため、忍耐強く見守ることが大切ですが、上手く出来ず叱ってしまうと自信を無くしてしまい学習スピードも低下してしまいます。成功体験を沢山積ませて自信を付けさせることでメリハリのあるトレーニング成果が期待できるでしょう。

叱って自信を無くしてしまうケースについての詳しい内容はこちら↓
愛犬を叱ったら自信を無くしてしまった場合の対処法を詳しく解説

合わせて読みたい叱ると怒るの違いについてはこちら↓
犬のしつけで正しい叱り方とは?「怒る」ではなく「叱る」を意識しよう

5. 環境を整える

トレーニングを行う場所を静かで落ち着いた環境にすると、ワンちゃんが集中しやすくなります。周囲の雑音やほかの動物の気配が少ない場所を選びましょう。

ワンちゃんの性格にもよりますが、集中できる環境としては
自宅→お庭(ベランダ)→人気のない公園→大きな公園
といったように意識が他に移らない環境から始め、徐々に刺激があっても飼い主さまへ意識が向かう状態となるように環境を変化させながらトレーニングを行いましょう。

まとめ

ワンちゃんの基本トレーニングは、正しいタイミングと正しい方法で行うことでスムーズに習得できます。落ち着いているときや短時間の集中できるタイミングを見極め、楽しみながら継続することが大切です。飼い主さまとワンちゃんが楽しく学べる環境を作り、より良い関係を築いていきましょう!

しかし、トレーニングの習得スピードは個体差や飼い主さまのスキルによって異なります。
そのため、他の飼い主さまと比較せず、愛犬とのペースで進めていきましょう。もし不安や上手くいかない時はドッグトレーナーに相談するといった方法もあるので、前向きに進めていけることを願っています。

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