フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

犬が掃除機に吠えてしまったり噛んできたりする理由と解決方法について

警戒吠え 吠え
掃除機に過敏に反応して吠えてしまう犬

掃除機をかけようとすると、ワンちゃんが吠えたり掃除機に向かって噛みつこうとすることにお悩みの飼い主さまも多いのではないでしょうか?掃除機の音や動きに過敏に反応するのは、ワンちゃんの本能や性格が関係している場合があります。例えば、活発で感受性の強い犬種や、縄張り意識が強い犬種は特にその傾向が顕著です。本記事では、ワンちゃんが掃除機に吠えたり噛んだりする理由と、その解決方法について詳しくご紹介します。

また、掃除機の音に対して吠えてしまうのは「警戒吠え」となるため、吠えの種類についての詳しい内容はこちらも合わせてお読み頂ければと思います。
犬の「吠え」には種類がある!しつけの前に吠えの種類を見極めよう!

掃除機に対し吠える・噛む心理とは

掃除機に吠えてしまう犬

ワンちゃんが掃除機に対して吠えたり噛みつく行動には、さまざまな心理的な背景があります。それは単なる癖や気まぐれではなく、彼らの本能や環境への適応が影響していることが主な原因と考えられるため、以下で詳しく解説します。

掃除機の音に対する恐怖心

掃除機の大きな音は、ワンちゃんにとって予測できない刺激となり、恐怖心を引き起こしてしまっているかもしれません。特に音に敏感な性格のワンちゃんや、小型犬は掃除機の動作音を「危険」と感じやすい傾向があります。

なぜ音が怖いのか?

ワンちゃんの耳は人間の耳よりもはるかに高い周波数を感知できます。そのため、掃除機の音がワンちゃんには非常に不快に感じられることがあります。また、音がどこからなっているのかが分からず不安になってしまったり、突然の動作音(床を這う音)が、さらに恐怖心を煽る要因となっています。

動くものへの反応

掃除機が動くことで、ワンちゃんの狩猟本能が刺激されることがあります。これは、特に活動的な犬種や、普段からエネルギッシュなワンちゃんによく見られる行動です。

狩猟本能とストレスの関係

動く掃除機を追いかけたり吠えたりする行動は、ワンちゃんにとってエネルギーの発散の一環と捉えられがちですが、実際にはストレスの蓄積につながる場合もあります。この行動が頻繁に繰り返されると、ワンちゃんの精神的負担が増える可能性があります。

自分の縄張りを守ろうとする

ワンちゃんは、自分の家を「縄張り」として認識しています。掃除機がその縄張りを侵害していると感じると、吠えたり攻撃的な行動を取ることがあります。

縄張り意識が強い犬種

特定の犬種が他の犬種よりも縄張り意識が強い傾向があるということはありません。そういった歴史を持っている犬種であっても、しっかりとトレーニングを行えばこのような問題は起きにくいでしょう。しかし、番犬として育てていたり、家族を守る意識が高い性格の子は、掃除機に対し敏感に反応する場合があります。

掃除機への過敏な反応を解決する方法

掃除機を気にせずお昼寝する犬

掃除機に対して過敏に反応してしまうワンちゃんの行動を改善するには、ワンちゃんの心理や行動を理解し、それに合わせたアプローチが重要です。例えば、過去に飼い主さまが行った事例として、掃除機を使うたびにワンちゃんに「お座り」のコマンドを教え、集中力を切り替えさせたことで吠える行動が改善したケースがあります。また、別の飼い主さまは、掃除機を動かしながらワンちゃんに好きなおもちゃを与え、掃除機に対する恐怖心を少しずつ軽減することに成功しました。

これらのように解決策を下記にて、具体的なトレーニング方法や環境の整え方をご紹介します。飼い主さまが実践しやすい手順を取り入れることで、ワンちゃんの負担を軽減し、落ち着きを取り戻すサポートを行いましょう。

ワンちゃんの恐怖心を取り除くトレーニング

ステップ1: 掃除機を見せることに慣れさせる

最初に、掃除機を動かさずに静かに置いておきます。ワンちゃんが掃除機に近づいても怖がらないようなら、褒めたりご褒美を与えて安心感を与えましょう。

トレーニングのポイント

この段階では、ワンちゃんが掃除機に少しでも興味を示したらすぐに褒めることが重要です。ポジティブな体験を積み重ねることで、掃除機に対する恐怖心を徐々に取り除いていきます。

ステップ2: 音に慣れさせる

掃除機を動かさず、音だけを少しずつ聞き慣らします。最初は距離を取りながら、徐々に音に慣れるようにします。音に慣れても怖がらない場合、褒めてあげましょう。

ステップ3: 動作に慣れさせる

掃除機をゆっくり動かし、ワンちゃんの様子を観察します。吠えたり怯えたりしなければ、再度ご褒美を与えて行動を強化します。

代替行動を教える

掃除機を使うときに、ワンちゃんにお気に入りのおもちゃやおやつを与えて、掃除機に意識が向かないようにする方法も有効的です。
また、「おすわり」や「待て」などの基本コマンドを活用して落ち着かせるのも良いでしょう。

基本コマンドを活用する場合↓

ワンちゃんが吠え始めた際に「待て」や「伏せ」などのコマンドを与えることで、行動をコントロールできます。これにより、掃除機に対する執着を減らし、落ち着かせることが可能です。

コマンドトレーニングについて詳しく読みたい方はこちら↓
コマンドトレーニングのコツは”行動”ではなく”合図”を理解すること

環境を整える

掃除機をかけるときには、ワンちゃんを別の部屋に移動させたり、サークル内で安心して過ごせる環境を作ることも効果的です。特に音が苦手なワンちゃんには、遮音・防音性のある部屋に移動させる、布をかけてあげる方法もおすすめです。
しかし、これらの対策は根本的な解決策にはなっていないため、一時的な対策として取り入れるように注意しましょう。

安心できるスペースの作り方

クレートやサークル内にワンちゃんがリラックスできるベッドやブランケットを用意しましょう。また、好きなおもちゃや噛むおやつを与えることで、掃除機の時間をポジティブに過ごせるようになります。

安心できる空間を作る参考となる記事はこち↓
犬が安心できる空間を作るクレートトレーニングのやり方について解説

掃除機選びのポイント

掃除機を選ぶ際には、ワンちゃんのストレスを軽減するためのポイントを押さえることが重要です。トレーニングをして慣れさせるのが最短の解決策となりますが、選び方ひとつで、掃除機がワンちゃんにとって敵ではなく、共存できる存在になります。

ここでは、掃除機の買い替えを検討している飼い主さまにワンちゃんに優しい掃除機を選ぶためのポイントをご紹介します。是非参考にしてください。

※掃除機購入の際は家電量販店のスタッフや専門家に相談してください。

静音設計の掃除機を選ぶ

ワンちゃんの音へのストレスを軽減するために、静音設計の掃除機を選ぶと良いでしょう。静音性が高く、ペットの毛もしっかり吸引できると評価されているものがおすすめです。最近では、ペット向けに特化した掃除機も販売されています。

ペット向け掃除機の特徴

ペット用掃除機は、音が静かなだけでなく、毛や汚れを効率的に吸引する機能が備わっています。これにより、ワンちゃんの負担を最小限に抑えながら、家を清潔に保つことができます。

自動掃除機の活用

ロボット掃除機を使用することで、ワンちゃんのストレスを減らすケースもあります。ロボット掃除機は、動作音が比較的静かで、ワンちゃんが慣れやすい製品が多いです。

ロボット掃除機への慣れ方

最初はワンちゃんがロボット掃除機に対して不安を感じるかもしれませんが、徐々に慣れさせることで問題を軽減できます。掃除機の動きを見守りながら、ワンちゃんがリラックスできるようサポートしましょう。

掃除機の悩みを乗り越えるために

掃除機を気にせずリラックスする犬

ワンちゃんが掃除機に吠えたり噛むのは、恐怖心や縄張り意識が原因である場合がほとんどです。飼い主さまが根気よくトレーニングを行い、環境を整えることで、ワンちゃんのストレスを軽減できます。ワンちゃんにとって掃除機が怖いものではなく、日常の一部として慣れさせてあげることが大切です。

個体差があるため、全てのワンちゃんがすぐに問題行動を改善できるわけではありませんが、根気よく正しいトレーニングを行うことで必ず改善されます。快適で穏やかな生活を送れるように今回の記事を参考になれば嬉しいです。

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