フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

犬が散歩に行くときに飼い主を見ずに引っ張ってしまうリスクについて

お散歩 犬の育て方

ワンちゃんとのお散歩は日々のしつけ・トレーニングの成果を試す、試される瞬間かと思います。しかし、その中でもワンちゃんが飼い主さまを引っ張ってしまい、ゆっくりとお散歩することが出来ずに悩まれている飼い主さまも少なくありません。ワンちゃんを上手くコントロールして穏やかにお散歩に行けるように今回の記事をお役立てください。それでは、早速引っ張ってしまうことでのリスクを考えてみましょう。

散歩中の”引っ張る”リスク3選

ワンちゃんがお散歩中に飼い主さま引っ張ることで起こり得るリスクを3つにまとめてみました。しかし、該当しない子もいることでしょう。ワンちゃんも10匹いれば10匹分の性格や生活が異なるため、他のリスクも発生する可能性も十分に考えられます。その場合であっても、リスクを回避、予防、の対策を行えば軽減されるはずです。まずは、直す前に状況把握をしましょう。

苦しそうに咳をする喉に負担がかかる

まず、引っ張ってしまうことでワンちゃんの首や喉に負担がかかることです。

気管が弱い子は特に注意が必要であり、引っ張ることで自ら首を締めるため、息ができずに苦しくむせてしまいます。お散歩すぐにえずいてしまう子は気管が弱い傾向があるため、注意しましょう。

また、オールインワンと言われる首輪とリードが一体化したものや、首がきゅっと締まるチョーク系の首輪を使用されている方は、使い方を間違えないように注意しましょう。それらの道具は「首を締め、苦しい思いをさせて本人に気付いてもらう」ものではありません。引っ張れば引っ張るほど、ワンちゃんは苦しい思いをするため、散歩が終われば苦しさから解放されると思い引っ張ることをやめないでしょう。

喉への負担もあるため、首や喉に負担かからないハーネス等の使用をおすすめします。

事故

引っ張りによる事故は一番注意しなければいけません。ワンちゃんだけでなく、飼い主さまも被害を受ける可能性も十分にあります。下記に主な事故をまとめました。

飛び出し事故:
引っ張る状態とは飼い主さまより前に出てしまい、危険を察知する余裕もなく曲がり角であっても、交差点であっても、前へ前へと進んでしまう状態をさします。
そのため、ワンちゃんに気付かずブレーキが遅れ事故が起きてしまう可能性が高いです。

また、ワンちゃんだけに限らず、避けようとして事故に発展してしまうケースも考えられるので、曲がり角などの死角になる道では必ず飼い主さまが安全を確認してから進むように注意しましょう。

転倒事故:
小型犬であっても、引っ張る力は強く、大人であってもバランスを崩してしまうケースも少なくありません。子供であれば引きずってしまう力も十分にあります。

転倒での事故でもう一つ注意しなければいけないリスクは、転倒時にリードから手が離れてしまい脱走してしまうリスクです。力が強く、心配の場合は二重リードで万が一に備える方法もおすすめです。

他の人に飛びついてしまう事故:
飛びつき癖のある子であれば、通行人や対向車などに突発的に飛びついてしまう行動をコントロールすることができません。ワンちゃんを制御できる位置に必ず意識を向けて、危害を加えることのないように注意しましょう。

犬のコントロールが出来なくなってしまう

そして、最後に引っ張るリスクの中で、最も危険度が高い問題です。

それが、ワンちゃんをコントロールすることができず、目の前で事故に発展してしまうケースです。予測される事態に対し準備ができていても、突発的な事故は必ず起きてしまいます。しかし対処法やより深い理解をできていれば、より事故の発生を抑えられるほか、直面しても冷静に対処することができると思いますので、予め予習しておきましょう。

ワンちゃんが引っ張るからコントロールができないのではなく、
コントロールができないから引っ張るということを覚えてください。

コントロールが不能になる原因の多くは【興奮】によるものです。

お散歩に行けて楽しいと喜びの興奮から、お散歩は怖い、苦しいといったパニック気味の興奮まで、様々な興奮があります。

この状態では、警戒心も強く働くため、飛びつきからワンちゃん同士の喧嘩、車を追いかけてしまう衝動など、危険は身近にあるため注意しましょう。

引っ張り癖の治し方

お散歩中に脱走する犬

引っ張ってしまうことでのリスクを把握できていれば、トレーニングの重要性や意図などを理解できるため、先にお伝えしました。これからは、引っ張りを直す様々な方法をお伝えします。

トレーニング方法      

まず初めに、リーダーウォークといわれる脚側歩行をご存じでしょうか?

一言でいえば、飼い主さまの横について歩くことを指します。横について飼い主さまのスピードに合わせて歩くため、ワンちゃんも落ち着いて歩けるほか、飼い主さまも余裕を持てるため、突発的な事態にも迅速に対応できるメリットがあるため、是非ともリーダーウォークのトレーニングを取り入れてみてください。

リーダーウォークのトレーニング方法は下記の通りです↓
愛犬との散歩でリーダーウォークを教えるメリットと方法について解説

1、飼い主さまの足より頭がでたらワンちゃんの行きたい方向と真逆にいく 
【ポイント】
・一切、声を掛けずにパッとターンすること

2、ひたすら1の繰り返し
【ポイント】
・玄関前の往復しか出来なくても間違いではない
※1週間くらい距離が変わらない場合はその子に合ってない可能性があります

3、1,2の応用
【ポイント】
・1のターンの応用で、頭が足から出たらその場で、飼い主さまが軸となり一周してください。
・もう一つはその場で一時停止し、横に着かせてからお散歩を再開する。徐々にワンちゃんが自発的に横に戻るまで待ち、そしてお散歩を再開する。

以上がリーダーウォークの方法です。

正しい位置で歩いていれば褒めてあげましょう。繰り返すことで正しいポジションはどこなのかをワンちゃんが自分で理解してくれます。

飼い主を全く見ない

上記でご説明した通り、リーダーウォークなどワンちゃんをコントロールする際に必ずアイコンタクトはとても重要になります。

どんな状況であれ、意識が飼い主さまの方へ向いていなければ、指示も通ることはないでしょう。

反対にリーダーウォークが出来てきたのに目が合わない状態は惜しい状態といえるため、アイコンタクトのトレーニングもしっかりと行いましょう。

トレーナーおすすめアイテム【散歩用品】

トレーナーがおすすめするアイテムとして、イージーウォークハーネスを紹介します。

リードを付けるリングは通常背中にありますが、イージーウォークハーネス前方についているため、ワンちゃんが引っ張ると胴体が横に向いてしまう構造となっておりワンちゃんが引っ張る威力を軽減できます。
ワンちゃん自身も前に行きたくても、体が横を向いてしまうため歩きにくくなり引っ張るのを矯正する効果も期待できるようになっています。突発的な飛び出しにもリードさえ離さなければ、大きな問題に発展するリスクを軽減できるためおすすめです。

治らない場合

ここまで読み、色々試した方もいるかと思います。

それでも改善されず、ネットの情報も信用できないと思うことでしょう。

そんな状況でも諦めないメンタルを維持するのは簡単ではありません。下記では、上手くいかない時の対処法と、別の手段をご紹介します。

イライラしてしまう気持ちを堪える

悩んでいるから飼い主さま自ら色々と調べ、取り組んでいたと思います。
それなのに、なかなか上手く進まず、改善されずいると段々とイライラしてしまうことがあります。

なんで出来ないの、こう言ってるでしょ、などワンちゃんにも個体差があり時間がかかることを理解していても、イライラする気持ちはどうしても芽生えてきてしまうものです。

その感情を抑えられなければ、ワンちゃんに自信を与えることは出来ず、悪循環になってしまいます。

上手くいかない時には、別の方法を考えてみましょう。

プロに相談

すべて、一人で解決しなければいけないことはありません。

人間であっても、沢山の人が支えてくれて子育ては成立するのと同じであり、ワンちゃんだって沢山の人のサポートがあってもいいのです。

自分の意思で飼ったのに、相談するのはダメな飼い主として思われてしまうのではないかと、相談するのをためらう方も少なくありません。しかし、私たちトレーナーからすると悩みから目を背けずに相談してくれた飼い主さまは、飼い主として責任をしっかりと持っている素晴らしい方だと思います。

また、イライラが積み重なり、ワンちゃんを嫌いになってしまっては大変ですので、ちょっと今はワンちゃんと離れたい、という気持ちであってもお気軽にご相談ください。

一人で悩まないようにする

現代では、調べれば見つからないことなどない程にいくらでも情報は集めることができます。そのため、ワンちゃんを迎え入れてからしつけは全部自分でやると決めている方も少なくないと思います。

しかし、現実は書いてある通りには進まないことがほとんどだと思います。全ての情報が間違っている訳ではなく、あくまでも方法の一つに過ぎません。

そのため、嘘を言っているわけではないですが、その子にとっては意味のないトレーニング方法だったということです。それほどにしつけ・トレーニングは一筋縄ではいかないこともあるため、一人で悩まず相談してください。

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