ワンちゃんとのお散歩で飼い主さまより前を歩いていませんか?今回は飼い主さまの横を歩くリーダーウォークについて詳しく解説していきたいと思います。リーダーウォークはワンちゃんが引っ張らず先に行かないため、飼い主さまのお散歩が楽になるだけでなく、飛び出し事故や突発的な事態を未然に防げるといったメリットもありますので、後ほど詳しく解説して行きますのでお散歩デビューをしたらこちらの記事もセットでお読みください!また既に飼われている方も今日からトレーニングをはじめてみましょう!
リーダーウォークは必要ない?
リーダーウォークは必要ないと言われることがありますが、私たちフローエンスのドッグトレーナーの意見としては必要なものだと考えています。
まず初めになぜワンちゃんが先を歩いてしまうのかといいますと、
元々、犬の群れではリーダーを後ろに置き、先頭で不測の事態に備え守ろうとする防衛本能でSPのような役割を担う習性があります。
そのため、飼い主さまを守ろうと先頭に立ってしまうことがあります。
また、自分が行きたい方向に自由気ままに行ってしまうのは防衛本能ではなく、興奮で飼い主さまを見失っている可能性が高いので興奮を抑えられるようなトレーニングが必要となるでしょう。
意識を飼い主さまに向けるのには、こちらの記事を参考にしてください↓
上記のようにワンちゃんがSPみたくなっている子の場合はリーダーウォークをおすすめしています。その理由は飼い主さまが犬社会で生きているようになってしまっているからです。
人間社会で犬が生きるには人間がリーダーになる必要があるため、犬社会のルールではなく飼い主さまが先頭を歩き、飼い主さまのペースで歩くのが人間社会でのお散歩だよと覚えさせていきましょう。
メリット
冒頭でもお伝えした通り、飛び出しなどの突発的な事故を未然に防ぐだけでなく他にもリーダーウォークを習得することで様々なメリットがあるのでご紹介します。
・警戒心が強い子にも安心与えられる
警戒心が強い子や少し臆病な子に対して「先を歩いていいよ」というのは人間がお化け屋敷で先頭を歩くくらい不安と緊張の時間となり、リラックスしてお散歩ができないでしょう。「先歩いて怖くないか確認してあげるから後からついておいで」と安心感を与えることで楽しくお散歩ができるようになります。
・突発的な事態に対処できる
他のワンちゃんと仲良くできない警戒心が強い子はお散歩中に吠えてしまったり、車や自転車を見ると追いかけようと急にスイッチが入ってしまう子の場合、飼い主さまが先を歩いていれば回避出来るだけでなく、もしもの時に自分の身体を壁とすることで抑止の圧がリードで引っ張るより格段にあがります。また、視界を遮ることでワンちゃんの落ち着きも期待できるでしょう。
・散歩も楽になる
飼い主さまとしてのメリットは引っ張ることがないため、お散歩が楽になることは間違いありません。行きたい方向に歩きたいスピードで向かうことができるため、ゆっくり花見をしながら、健康のためのウォーキング、お子様とのお散歩、などお散歩のバリエーションも増えることで楽しいドッグライフを送ることができます。
・出先でも安心できる
もう一つの飼い主さまのメリットとしては、出先でも安心してお散歩観光ができるようになります。出先ではワンちゃんも初めての場所で落ち着きがなくなってしまうことがあるかもしれませんが、リーダーウォークができることで、はじめての場所でも飼い主さまと歩けば怖くないと思ってくれるため、通常通りお散歩できることでしょう。
デメリット
リーダーウォークはメリットだけでなく、デメリットもあるので飼い主さまが理解を深めることでデメリットを解消することができます。
リーダーウォークのデメリットとして一番挙げられるのが
【真後ろの場合は危険回避などの観点でデメリット】
基本的なリーダーウォークの姿勢はワンちゃんが真横についている状態を指します。
飼い主さまの膝から鼻先が出るくらいが理想的なポジションとなりますが、完全に後ろを歩かせてしまう場合、ワンちゃんが何をしているか飼い主さまから目視できないため、危険回避の指示や行動が遅れてしまいます。
なお、ワンちゃんの異変に気付いた時には事後のこととなるため、リスクも大きくなってしまうことでしょう。例えば、拾い食いやトイレしようとしているのに気が付かず引っ張ってしまったことで膀胱炎になってしまうなどです。
リーダーウォークのデメリットは真後ろを歩かせることで起きることなので、お散歩中も目視できる位置を歩いてもらえば回避することができるでしょう。
犬にストレスはあるのか
最後にリーダーウォークがワンちゃん自身にストレスがあるのかについてお話します。
結論から言うと、試験並みにピッタリ真横に付けさせて歩かせてしまえばお散歩に対してストレスを感じてしまうでしょう。
ピッタリ真横につけるのは「ピッタリついて歩いて」と指示に従った行動であるため、ワンちゃんも気を張って疲れてしまいます。指示を守らなきゃと緊張感のあるお散歩はストレスを感じてしまうこともあるので注意しましょう。
リーダーウォークの教え方
ワンちゃんへのストレスでお伝えしましたが、リーダーウォークの基本姿勢は真横もしくはちょっと後ろくらいが理想的であり、距離感はお互いがゆっくり歩けるくらいがベストです。
試験などでは、ワンちゃんと飼い主さまの距離がゼロ距離で触れ合っているリーダーウォークもありますが、それは試験内容であって普段はリラックスして歩いているのでゼロ距離ではなく、ワンちゃんを守れる範囲の距離感を目指しましょう。
トレーニング方法
トレーニング方法はステップを一段ずつ確実に踏んでいきましょう。
各ステップは下記の通りです。
ステップ1:ワンちゃんが横に歩く意識付け
「ヒールポジション」と呼ばれる位置を指します。
→最初は横にいるだけで褒める
→徐々に横につくようにさせる
→横に付く際に「ヒール」や「ついて」などのコマンドを入れる
→コマンドで横についてくれるようになったら沢山褒める
【ここでの注意ポイント】
まだ、歩かず止まった状態で問題ありません。
ステップ1では横につくことは楽しいことというイメージを持ってもらうのがゴールです。
ステップ2:前に出たら反転する
次は実際に歩きながらトレーニングを行います。
このステップでは
【頭が膝から前にでたら、ワンちゃん側に身体を向けてUターンする】
を徹底してください。
ワンちゃん側にUターンすることで巻き込む形となり、前に出れない環境を作ってしまうイメージです。
【ここでの注意点は2つ】
1、前に出たことに対して反応しない
膝から頭がすっぽり出てしまっても、無反応でUターンしましょう。
反応してしまうと前に出れば構ってくれると思い、わざと前にでることがあるのでその対策です。
2、少しずつ距離を伸ばすことで問題ない
決まったお散歩コースを歩き切れなくても問題ありません。
慣れるまでは玄関前を往復するかもしれませんが、それが正しいので前に出たらUターンを徹底しましょう。
お散歩は運動解消だけのものではなく、社会化やトレーニングの意味も含まれているため、お散歩で満足のいく距離を歩けなかったらお家でボール遊びなど一緒に遊んであげることで運動不足にはなりませんので心配ありません。
ステップ3:長距離でも横について歩けるようにする
いよいよ最終ステップです。
お散歩コースをUターンせずに一周できたらゴールです。
また、飼い主さまの歩くスピードの緩急やいつもと違うコースでも同じようにお散歩が出来れば習得したと言えるでしょう。
【ここでの注意ポイント】
ここまでの道のりはそう簡単にはいかず、時間がかかって当たり前です。そのため、出来ないからといって焦ってはいけませんし、出来てない時は前のステップが完了していない可能性が高いので、一つ前に戻り確認するようにしましょう。
リード
リーダーウォークのトレーニングで使用するリードについてドッグトレーナーのおすすめ商品をご紹介します。なお、トレーニングに使用するリードは何を使っても問題ありません。今使われているモノがあれば、それらを使用し古くなってきたりリードがほつれてきた場合に買い替えるヒントとして見ていただけたらと思います。
【おすすめリード】
・長さの調整ができるためトレーニングに向いている
・ワンちゃん側にも持ち手がついていてショートリードとしても使える
・カラーバリエーションも豊富でおしゃれ
リーダーウォークに使用するリードのポイントはこちら↓
・リードは少したるむくらいが理想
・ロングリードは普段のお散歩では使用しないほうがいい
→広い公園とかでは別ですが、街中散歩でもしもの時にロングリードだと危険
・気管が弱い子はハーネスを使用するほうがいい
→首輪でも問題ないが引っ張り癖が強い子だと気管を痛めてしまう可能性が高いため
注意点
最後にリーダーウォークのトレーニングをする際に注意しておくポイントをまとめてみました。これらのポイントに注意してトレーニングを行っていただけたら間違った方向に行かずに続けていけると思います。また、トレーニングで壁にぶつかり上手くいかない時はまたここに戻って読み直してもらい再開していただけたら嬉しいです。
・お散歩スタートから徹底する
→公園までは普通に歩き、公園についたらトレーニング開始はダメです。
それをやってしまうと公園でだけリーダーウォークをするようになってしまいます。
あくまでもお散歩中に飼い主さまの横を落ち着いて歩くことがリーダーウォークの基本なので一歩家からでたらトレーニングは始まっていると意識しましょう。
・初めから完璧を求めない
→トレーニングを開始して数日で完璧にリーダーウォークをできる子はほんの限られた子だけであり、通常は数か月かかってしまうことが一般的です。
また、全てのトレーニングに共通しているのですが【目安】を設けないことがポイントです。ワンちゃんの性格によって異なりますし、飼い主さまとの信頼関係度やトレーニング環境によっても左右されるからです。
出来ないことで怒ってしまったりすることで信頼関係を失ってしまう可能性があるため焦らず出来た時にはたくさん褒めてあげて自信をつけてあげることを意識しましょう。
・できたことはしっかりと褒める
トレーニングの一番難しいところは、できない時にイライラしてしまい「なんでできないの」と怒ってしまうことです。問題行動が出る前にトレーニングを行う場合は飼い主さまの感情も穏やかな状態を保てますが、問題行動が出て困っているときはちょっとしたことでイライラしてしまうのが現実だと思います。
また、できたことに対して「できて当たり前だよ」や「ここまで続けてやっとこれか」と飼い主さまのペースで測ってしまうため褒めることが弱くなってしまうと思います。
しかし、一番の近道はしっかりと褒めて自信をつけることです。
トレーニングは大変ですが、出来た時には「そうだよ、良くできたね!」と褒めてあげましょう。
出来ない時の対処法
何度やっても出来ない時は必ずあると思います。
また、飼い主さまのモチベーションが上がらない時や「もういいや」と投げやりになってしまうこともあるかもしれません。
そういった時はステップを一個前に戻すことでどこでつまづいているのかを把握することができるので、この記事の存在を忘れないようにしてください。
また、それでもうまくいかない場合やモチベーションがどうしても下がってしまう場合はドッグトレーナーや犬友達などに相談するなどして、一人で抱え込まないようにしましょう。
こちらの記事も参考にしてください↓
【育犬ノイローゼ】犬のしつけに困り果て飼い主が疲れていませんか?
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