フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

犬のフリスビー競技「ディスタンス」ついて解説【初心者向けガイド】

ドッグスポーツ トレーニング
フリスビー競技のディスタンスに出場するトイプードル

ワンちゃんと一緒にフリスビーを楽しみたいと考えている飼い主さまへ。フリスビー競技の中でも特に人気があるのが「ディスタンス競技」です。シンプルながら奥が深く、ワンちゃんの運動能力や飼い主さまのスロー技術が試される競技です。

本記事では、フリスビー競技の種目の一つである「ディスタンス」に興味がある方に向けて、競技の概要やルール、必要なトレーニング方法、競技に適した犬種などを詳しく解説します。ディスタンスは、単なる遊びではなく、ワンちゃんの瞬発力や持久力、判断力を向上させる効果があり、飼い主さまとのコミュニケーションを深める絶好の機会となります。初心者でも始めやすく、愛犬と楽しく運動しながら、一緒に目標を持って取り組める素晴らしいスポーツですので是非参考にして頂き始めてみてはいかがでしょうか。

フリスビー競技「ディスタンス」とは?

フリスビー競技のディスタンスに出場する犬

ディスタンスとは、飼い主さまが制限時間内にできるだけ遠くまでディスクを投げ、ワンちゃんが正確にキャッチする能力を競うスポーツです。競技では、投げる距離の長さだけでなく、ディスクの飛行精度やワンちゃんのキャッチの成功率、さらには戻ってくるスピードなども重要な要素となります。ワンちゃんと飼い主さまが息を合わせ、最適な投げ方やキャッチのタイミングを練習することが成功の鍵となります。また、競技のレベルが上がるにつれて、風の影響やフィールドの環境にも適応する能力が求められるため、戦略的なスローイングやワンちゃんの集中力を高めるトレーニングが必要となります。

競技のルール

ディスタンス種目には、いくつかの基本的なルールが設けられています。
以下のルールに従って競技が進行し、正確性や距離、ワンちゃんとの連携が評価されます。
※ルールについては主催により異なる場合や犬種、年齢、エントリーレベルによっても異なるため、ご参考としてください。正確なルールは主催側の運営規定に従ってください。

1.制限時間
競技は通常60〜90秒の制限時間内に行われます。この時間内に飼い主さまはできるだけ多くのディスクを投げ、ワンちゃんがキャッチする回数や成功率によって得点が決まります。

2.得点システム
・短距離(10m未満) … 1点
・中距離(10〜20m) … 3点
・長距離(20m以上) … 5点

ワンちゃんが空中でディスクをキャッチした場合、追加のボーナスポイントが加算されることもあります。

3.ボーナスポイント
連続キャッチによるコンボボーナスが適用される場合があります。また、高難易度キャッチ(背面キャッチやジャンピングキャッチ)を成功させることで追加ポイントが得られることもあります。

4.競技フィールド
通常は芝生の広場や専用競技場で開催されます。エリアは明確に区分けされており、どのゾーンでキャッチしたかによって得点が変わります。

5.スローの制限
ディスクは適切なスロー技術を用いる必要があり、不正な投げ方(低すぎる、回転不足のスローなど)は減点の対象になることがあります。

6.キャッチの判定
ワンちゃんがディスクをしっかりとキャッチし、地面に落とさずに保持していれば得点としてカウントされます。しかし、ディスクを弾いてキャッチする場合も成功とみなされますが、地面に落ちた場合は無得点です。

この競技は、初心者でも手軽に始められる一方で、経験を積むほどに戦略的なプレイや技術の向上が求められるため、継続的に楽しめる魅力があります。ワンちゃんと飼い主さまが息を合わせて、正確なスローとタイミングの良いキャッチを習得することが、競技で成功するカギとなります。

ディスタンス競技のメリット

1. 犬の運動能力向上
ディスクを追いかけることで、ワンちゃんの瞬発力や持久力が鍛えられます。特に、日頃から十分な運動ができていないワンちゃんにとっては、健康維持のためにも良い運動になり、足腰の強化やバランス感覚の向上にもつながります。

2. 飼い主さまとのコミュニケーション強化
ディスタンス競技では、ワンちゃんと飼い主さまの連携が重要になります。スローのタイミングや指示の理解を通じて、より深い信頼関係を築くことができます。トレーニングを積むことで、ワンちゃんは飼い主さまの声やジェスチャーに敏感に反応するようになります。

3. 競技会への参加
全国各地で開催されるフリスビー競技会に参加することで、同じ趣味を持つ仲間との交流も楽しめます。競技会ごとにルールや難易度が異なるため、目標を持って楽しめるのも魅力のひとつです。また、表彰されることで達成感を味わうことができます。

ディスタンス競技に適した犬種

この競技には、特に運動能力が高く、スピードやジャンプ力に優れた犬種が向いています。例えば、

・ボーダーコリー
高い知能と俊敏性でディスクを的確に追いかける。
ジャック・ラッセル・テリア
小柄ながらエネルギッシュでスピードがある。
パピヨン
軽量でジャンプ力が高く、小型犬の中でも優れた能力を発揮。
ミニチュア・シュナウザー
持久力があり、指示に従いやすい。
トイ・プードル
賢く学習能力が高いため、トレーニングを積めばフリスビーキャッチも習得しやすい。
チワワ
小柄ながら活発な性格の個体は、短距離のディスクキャッチに適している

上記で紹介した犬種はあくまでも一例であり、犬種に合った適切なトレーニングを心掛ければどの犬種であっても楽しくフリスビー競技をすることが可能です。

もちろん、小型犬でもトレーニング次第で十分競技を楽しむことができます。ワンちゃんの体型や性格を考慮して、最適な種目を選びましょう。

ディスタンスのトレーニング方法

フリスビーのスローイングの練習する人

ディスタンスに興味を持たれた方は下記のご紹介する方法でトレーニングを行ってみてください。基本的なトレーニングではありますが基礎を固めることは今後の活動にも影響するため、反復練習で身につけましょう。

「持ってくる」トレーニング

フリスビー競技を始める際の最も基本的なスキルは、ワンちゃんがディスクを確実に咥え、飼い主さまの元へ持ってくることです。これを習得することで、ディスタンス競技の基礎が築かれます。

トレーニングのステップ

  1. 興味を引く
    まずはディスクに興味を持たせることが重要です。ディスクを床に置いて遊ばせたり、おもちゃとして使うことで、ワンちゃんが自然とディスクに親しむようにしましょう。
  2. 短距離からスタート
    最初は数メートルの距離でディスクを軽く投げ、ワンちゃんが咥えて戻ってくるように促します。
  3. 「持ってこい」コマンドの定着
    ディスクを咥えた際に「持ってこい」などと指示し、ワンちゃんが戻ってきたら大げさに褒め、ご褒美を与えましょう。
  4. リリースの練習
    ワンちゃんがディスクを口から離すように「ちょうだい」や「アウト」といったコマンドを教え、スムーズに受け取れるようにします。
  5. 距離を徐々に伸ばす
    ワンちゃんが短距離で確実に持ってくるようになったら、少しずつ距離を伸ばして練習を続けましょう。

トレーニングのポイント

・ご褒美を活用する
おやつやおもちゃを使ってモチベーションを高めると、ワンちゃんが楽しく学習できます。
※おやつは最初だけにして2回に1回など徐々に減らし、ご褒美をおやつだけにしないようにしましょう。おやつのためにしか動かなくなってしまうのを防ぐためです。
・焦らず進める
一度に長時間練習するのではなく、短い時間(小型犬の場合であれば5~10分程度)で小刻みに練習し、成功体験を積み重ねることが大切です。
・ポジティブな声かけ
ワンちゃんが正しくディスクを持ってきたら、明るい声でしっかり褒めてあげましょう。
・楽しいで終わらせる
ワンちゃんが一番楽しく集中できているタイミングで練習を終えましょう。満足してからやめてしまうとフリスビーに興味を示さなくなってしまう可能性があります。

この基本トレーニングができるようになれば、ディスタンス競技に必要なスキルが身につき、ワンちゃんも楽しくフリスビーを追いかけるようになります。

「もってこい」の基本的な教え方を詳しく読みたい方はこちら↓
愛犬に「もってこい」を教える方法を初心者でも分かりやすく詳しく解説

スローの練習

飼い主さま自身のスロー技術も、ディスタンスの成功において極めて重要な要素です。ディスクの飛行軌道や回転の安定性が、ワンちゃんのキャッチの成功率を左右します。下記で紹介する方法を是非試してみてください。

スロー技術の基本ポイント

  1. グリップの確認
    ディスクの持ち方が安定しないと、正確な投球ができません。親指はディスクの上部、他の指は下側に配置し、しっかりとホールドしましょう。
  2. 適切なスナップの使い方
    手首を柔軟に使い、スナップを効かせて回転を加えます。ディスクがブレずに飛ぶようにすることで、ワンちゃんがキャッチしやすくなります。
  3. リリースのタイミング
    スローの際に手を放すタイミングが早すぎたり遅すぎたりすると、ディスクの飛行軌道が乱れます。リリースポイントを一定にすることが重要です。
  4. 体の使い方
    腕だけではなく、肩や体全体を使ってスローすると、安定した遠投が可能になります。体重移動を意識し、スムーズな動作を心掛けましょう。

スローの練習方法

・短距離から始める
最初は5〜10mの距離で正確に飛ばせるように練習します。
・回転の安定性を意識する
ディスクがブレずに飛ぶかを確認しながらスローを繰り返します。
・風の影響を考慮する
屋外では風の向きによって投げ方を調整し、安定した飛行を目指します。
ワンちゃんの習熟度に合わせる
最初は低めのスローでキャッチしやすくし、徐々に距離を伸ばしていきます。

スロー技術を磨くことで、ワンちゃんのキャッチ成功率が向上し、より高得点を狙えるようになります。

キャッチの練習

ディスタンスで成功するためには、ワンちゃんがディスクを的確に追いかけ、確実にキャッチできるようになることが重要です。キャッチの練習を通じて、ワンちゃんの反応速度やジャンプ力を高め、競技での成功率を向上させることができます。

フリスビーをキャッチしやすくするためには、適切なディスクを選ぶことが重要です。キャッチしやすいディスクの選び方については下記を参考にしてください。

1.サイズと重さ
小型犬には軽量で柔らかいディスクが適しており、口にフィットするサイズを選びます。中・大型犬には適度な重量と耐久性のあるディスクが理想的です。
2.素材の柔らかさ
硬すぎるディスクは歯や口を傷つける可能性があるため、初めは柔軟性のある素材を選びましょう。布製ディスクやラバー製ディスクは、特に初心者のワンちゃんに適しています。
3.耐久性
噛む力が強いワンちゃんには、耐久性の高いディスクを選び、すぐに破損しないものを使用しましょう。競技用ディスクは軽量ながら丈夫で、遠くへ飛びやすい設計になっていますが、お値段も上がってしまうので注意しましょう。

キャッチの基本ステップ

  1. 短距離からスタート
    最初はディスクを低く、短い距離(1〜2m程度)で投げて、ワンちゃんが確実にキャッチできるようにします。
  2. 視線を誘導する
    ディスクを投げる際に、ワンちゃんの視線をディスクの軌道に合わせて誘導し、飛行するディスクを自然に追う感覚を身につけさせます。
  3. ジャンプキャッチの導入
    徐々にディスクの高さを上げていき、ワンちゃんがジャンプしてキャッチする感覚を習得できるようにします。
  4. 距離を伸ばす
    ワンちゃんが安定してキャッチできるようになったら、5m、10mと徐々に距離を伸ばし、実践的なキャッチのトレーニングを行います。
  5. 風の影響を考慮する
    屋外での練習では、風の影響を考慮してディスクの軌道をコントロールし、ワンちゃんがキャッチしやすいように工夫しましょう。

キャッチの練習ポイント

・水平ではなく山なり
最初の段階では水平に投げずにふわっと投げてキャッチしてもらうようにしましょう。
・体格に合わせた高さ
無理なジャンプをさせないように、ワンちゃんの体格や能力に応じた高さで練習しましょう。
ポジティブなトレーニング
成功したときにしっかり褒めることで、ワンちゃんがキャッチに対して意欲的になります。
失敗を気にしない
最初はキャッチに失敗することもありますが、繰り返し練習することで成功率が上がります。

スタミナを鍛える

飼い主と一緒にランニングをするトイプードル

ディスタンスでは、ワンちゃんが長時間走り続けることが求められるため、持久力と筋力の強化が不可欠です。スタミナを鍛えることで、競技中もスピードと集中力を維持し、安定したパフォーマンスを発揮できます。

スタミナ向上のためのトレーニング方法

  1. ランニングトレーニング
    • 5〜10分程度のジョギングを取り入れ、徐々に距離を伸ばしていく。
    • 飼い主さまと一緒に走ることで、ワンちゃんがペースを調整しやすくなる。
  2. インターバルトレーニング
    • 短距離ダッシュとゆっくりした歩行を交互に繰り返すことで、瞬発力と持久力を同時に鍛える。
    • 例えば「30秒間全力で走り、1分間ゆっくり歩く」セットを5〜10回繰り返すなど。
  3. 水泳トレーニング
    • 水の中での運動は関節への負担を減らしながら、全身の筋力をバランスよく鍛える。
    • 週に1〜2回、水泳を取り入れると、持久力の向上に効果的。

トレーニング時の注意点

・適切な休憩をとる
長時間の運動を続けると疲労が蓄積し、集中力が低下するため、定期的に休憩を挟む。
水分補給を徹底する
特に暑い時期は、脱水症状を防ぐためにこまめに水を飲ませる。
体調をチェックする
無理なトレーニングは関節や筋肉に負担をかけるため、ワンちゃんの様子を観察しながら行う。

まとめ

フリスビー競技の種目「ディスタンス」は、ワンちゃんの運動能力を高めながら、飼い主さまとの絆を深める素晴らしいスポーツです。初心者でも始めやすく、トレーニングを重ねることで、ワンちゃんも競技の楽しさを実感できるようになります。ぜひ愛犬と一緒にチャレンジし、フリスビーの楽しさを体験してみましょう。競技に参加することで、愛犬との充実した時間を過ごし、新しい世界が広がるかもしれません!

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