この記事の監修
フローエンスメディアライター 大久保 祐太
しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!
犬歴:
ゴールデンレトリーバー
ミニチュアダックスフンド
オーストラリアンキャトルドッグ
資格:
ペット・トラベルアドバイザー
ペット災害危機管理士 2級
家庭動物管理士 3級
私たちフローエンスのドッグトレーナーは定期的にドッグスポーツである「アジリティ」の大会に出場しています。ワンちゃんとの信頼関係や日々のトレーニングの成果を図る一環として出場していますが、今回はこのアジリティの魅力についてお話させて頂きます。大会の動画と共にご紹介しますので興味を持って頂けたら嬉しいです。
ワンちゃんと飼い主様が一緒に走り、設置された障害物をクリアしながら、タイムを競い合うドッグスポーツです。
飼い主様は【ハンドラー】と呼ばれ、ワンちゃんに次の障害をどのようにクリアしていくのかを指示を出し、ワンちゃんは瞬時にその指示を理解して、正しいコースを進み二人三脚でゴールを目指します。
飼い主様とワンちゃんが楽しく体を動かせるアジリティは犬本来の能力を発揮でき、ワンちゃんと飼い主様との信頼関係やコミュニケーション力を養うことができるドッグスポーツです。
1978年イギリスで開催されたクラフト展(世界最大のドッグショー)で公開したことがきっかけとなり、世界中に人気が広がったとされているイギリス発祥のドッグスポーツです。
現在では世界大会も開かれており、日本からも1996年ごろから日本代表選手が派遣されるなど、国内人口は未だ少ないものの注目を集めているスポーツです。
ドッグスポーツ(アジリティ)と聞くと「大型犬がやるスポーツ」「ボーダーコリーばかりがやっていて小型犬はやらない」と勘違いしている方が少なくありません。
アジリティを含むドックスポーツは【競技のレベル・犬の大きさ・障害物の種類・犬の年齢】などにより種目が分かれているため、大きなワンちゃんから小さなチワワやポメラニアンやトイプードルまで、多くの犬種が飼い主様と一緒に楽しんでいます。
確かに体の構造的に不向きなワンちゃんもいますが、競技に出て入賞することが目的ではなく、愛犬と一緒に何かをやるということが目的であれば健康なワンちゃんであればどなたでも挑戦できるのも魅力の一つと言えるでしょう。
体が大きく、運動神経の良いボーダーコリーと小柄なチワワやトイプードルが同じ部門で競技を行ってしまっては公平なジャッジができなくなってしまうため、クラス分けはしっかりとされています。下記では主なアジリティ大会を主催する団体でのクラス分けをご紹介します。
・JKC(ジャパンケネルクラブ)
【スモール】【ミディアム】【インターミディエイト】【ラージ】と4つの大きさ別に分かれています。
・OPDES(オプデス)
【20㎝クラス】【30㎝クラス】【40㎝クラス】【50㎝クラス】【60㎝クラス】と5つの大きさ別に分かれています。
大きさ以外でも世界大会出場を目指しているベテランペア用のIFSCチャレンジクラスから8歳以上の年齢や体の状態的に現役のころのように走れないシニアでも一緒に楽しむために通常よりバーの高さが低く設定されているクラスなど様々なクラスが存在します。
そのため現状の”自分”と”ワンちゃん”のレベルに合わせて競技に出場することができるため、是非参加してみてはいかがでしょうか!
アジリティ競技は決められたコースを【速く】そして【正確に】クリアする事が最も重要になります。
そのため、走るのが速くてもハードルのバーを落としてしまったり、障害物を正確にクリアできなかったりすると各5点(秒)の減点となります。さらに、決められた障害物の順番や方向を正確にクリアできなければ一発で失格となってしまうため、【正確性】が求められるスポーツといえるでしょう。※クラスによっては減点無し・2回走れることもある
これらがすべて本番の一発勝負で決まるため、各ペア(飼い主様とワンちゃん)の信頼関係や日頃の練習の成果が試される場でもあるのです。
アジリティ競技の障害物は大きく分けると【飛越障害】【タッチ障害(コンタクト障害)】【その他】の3つの種類に分かれています。全てではありませんが、写真と共にご紹介します。
名前の通り障害をジャンプしクリアしていきます。
クリアする際、ハードルのバーを落とさずクリアしたり、定められた方向から正しくクリアする必要がある障害です。
・ハードル
・ダブルハードル
・ロングジャンプ
・タイヤ
・レンガ(ウォール)
障害の前後一部分のみ色が変わっており色の違うエリアは必ず足が触れないと減点の対象になるため正確にタッチすることが勝敗に関わってくる障害です。
・Aフレーム
・ドッグウォーク
・シーソー
12本のポールをジグザグに走り抜けるスラロームやチューブ状のトンネルを走り抜けるトンネル、正方形の台の上で決められた時間静止しなければならないテーブルなどがあります。
・スラローム(ウィービングポール)
・トンネル
・テーブル
・BN(ビギナー) 難易度レベル★☆☆☆☆
コの字型に配置されている8個の障害(ハードル6個、トンネル2個)を2回走ることができ、結果の良かったタイムが順位を決める際に使用されます。
どの大会でもコースが変わることがなく、リードや首輪の着用が可能な種目なので初めて競技会に出るペアにオススメです。
BNに出場した尾東サンリュウペアの動画です↓(サンリュウ初出場)
・NV1(ノービスレベル1) 難易度レベル★★☆☆☆
ハードルとトンネルのみの使用で約10個の障害を使用しコースが作られます。
BNのようにコースが決まっておらず、当日設営されているコースを検分時間(10分程度)に把握しハンドリング方法を決める必要があります。
コース内容は比較的簡単に作られており、審査に関しても拒絶(ワンちゃんが障害を拒否すること)がとられないため初心者ペア向けの種目になっています。
・NV2(ノービスレベル2) 難易度レベル★★✬☆☆
ハードル、トンネル、タイヤの3種類の使用で10〜15個の障害を使用しコースが作られます。NV1のように拒絶がとられないが少し難しく設営されているため、初心者ペア向けではあるものの、練習の成果が求められるクラスになっています。
・JP(ジャンピング)
タッチ障害以外を使用し構成され、レベル1〜3に分かれ競技が行われます。タッチ障害がないためAGよりもスピード感のある種目です。
※レベル1からレベル2、レベル2からレベル3に昇格するためには、JPで1回AG(アジリティ)で2回の減点無しの成績が必要になります。
JP1(ジャンピングレベル1) 難易度レベル★★★✩✩
タッチ障害以外で構成されており約17〜20個の障害を使用しコースが作られJPの中で1番簡単なコース内容です。
JP2(ジャンピングレベル2) 難易度レベル★★★★☆
タッチ障害以外で構成されており、約17〜20個の障害を使用しコースが作られており、JP1よりも難しいコース作りになっています。
コース内容は、JP1よりも蛇行したコースになっていてワンちゃんをハンドラーとは反対側にあるハードルを飛ばせる動きが必要になってきます。
JP3(ジャンピングレベル3) 難易度レベル★★★★★
タッチ障害以外で構成されており約18〜22個の障害を使用しコースが作られていてJP2よりも難しいコース作りになっています。
コース内容はJP2よりも複雑となり、ハードルを進行方向とは逆側から飛ばせたりワンちゃんとハンドラーの息が合わないと失敗してしまう位置に別の障害が置いてあるような難しいコースです。
・AG(アジリティ)
アジリティ競技のメイン種目でタッチ障害、飛越障害、その他の障害の中で約15〜22個使用し、コースが作られレベル1〜3に分かれ競技が行われます。
※レベル1からレベル2、レベル2からレベル3に昇格するためには、JPで1回AGで2回、減点無しの成績が必要になります。
AG1(アジリティレベル1) 難易度レベル★★★☆☆
AGの中では一番簡単で17〜20個(内コンタクト障害が1〜3個)ほどの障害が使用され設営されたコースです。
AG2(アジリティレベル2) 難易度レベル★★★★☆
AG1よりも難しく障害が設営されており、コンタクト障害が2~3個使用され設営されたコースです。
またAG1よりも蛇行したコースになっていてワンちゃんをハンドラーとは反対側に飛ばせる動きが必要になります。
AG3(アジリティレベル3) 難易度レベル★★★★★
AG2よりもさらに難しく障害が設営されていて、進行方向とは逆側から障害をクリアしなければならなかったりハンドラーと犬の走る位置を反転しなければいけないコースです。コンタクト障害がAG1より1つ増え2〜3個あります。
SP(スティープルチェイス) 難易度レベル★★★★★
AG3レベルのコースですが内容は2パターンあり、JP競技にタッチ障害のAフレームが加わり、なおかつAフレームを2回クリアする必要のあるコースか、スラロームを2回クリアする必要があるコースです。
これは当日、検分時にならないと分からないためコンタクト障害の正確性とスラロームの正確性を安定させ挑む必要があります。
さらに、拒絶による減点がされない競技なのでスピードが重視される種目です。
他にも『スヌーカ』や『ギャンブラー』など他のアジリティ種目とは違った物もありますが、少しマニアックな種目のため割愛させて頂きますが数多くの種目があるので、興味のある方は是非相談してください。
アジリティ競技は【サイズ】【年齢】【犬種】関係無く健康であればどんなワンちゃんでも飼い主様と一緒に楽しむことができ、関係性の構築にも繋がる競技です。
どのペアも最初は初心者です。「うちの子にはできない」と決めつけずにチャレンジしてみることで今までとは違ったドッグライフになると思います。アジリティ競技は全国で開催されていますので、まずは会場で実際の競技風景を体感してみてはいかがでしょうか。
また、フローエンスのドックトレーナーにはアジリティ大会での入賞者も在籍しておりますので、ご興味を持って頂けたら是非ご相談してください!
記事やコンテンツについて、ご意見ご要望があればご協力お願い致します。
アンケート結果はより良い記事提供にするべく役立たせて頂きます。
カテゴリ
タグ
この記事の監修
フローエンスメディアライター 大久保 祐太
しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!
犬歴:
ゴールデンレトリーバー
ミニチュアダックスフンド
オーストラリアンキャトルドッグ
資格:
ペット・トラベルアドバイザー
ペット災害危機管理士 2級
家庭動物管理士 3級
新しい記事
よく読まれている記事
まだデータがありません。