フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

【犬のしつけ】家族内でルールが統一できないときの解決法とは?

しつけトレーニング トレーニング
家族内でルールが統一された犬

フローエンスがお伝えしているしつけトレーニング記事ではルールの一貫性、統一性が重要ですと何度もお伝えしていますが、「ワンちゃんのしつけトレーニングには一貫性が大切だとわかっているのに、家族内でルールを統一できない…」と悩まれている飼い主さまも多いのではないでしょうか。

コマンドの使い方やしつけの対応にバラつきがあると、ワンちゃんは混乱し、せっかくのトレーニング効果も薄れてしまいます。本記事では、家族内でどうしてもルールの統一が難しい場合でも、ワンちゃんとの生活をスムーズにするための現実的な解決法をご紹介します。一貫性のあるしつけを実現するための工夫を一緒に見ていきましょう。

なぜルールの統一が必要なのか?

しつけトレーニングにおいて「家族内でのルール統一」が重要とされる理由は、ワンちゃんが混乱なく正しい行動を学習するためです。ワンちゃんは飼い主さまの一貫した対応によって、安心感と信頼関係を築くことができます。

一方で、ご家庭にはそれぞれの価値観や生活スタイル、家族構成などの問題があり、常に完璧な統一ができるとは限りません。しかし「なぜ統一する必要があるのか」を家族全員が理解しておくことが、ワンちゃんのしつけトレーニングに対しての協力体制づくりの第一歩になります。

以下に、ルールが統一されていないことで起こる具体的な影響を紹介します。

ワンちゃんは「パターン」で学習する動物

ワンちゃんは、繰り返される「パターン」から行動を学習します。ご家族によって対応が異なると、ワンちゃんは何が正しいのか分からなくなり、混乱やストレスの原因になります。

例えば、
Aさんは「おすわり」で座らせるが、Bさんは「座れ」と言う。
Aさんはソファに乗るのを許すが、Bさんは叱る。

このようなバラつきがあると、ワンちゃんは「誰の言うことを聞けばいいのか」がわからなくなってしまいます。このようなバラつきを無くす必要があるでしょう。

問題行動が強化されてしまうことも

一貫性がないことで、ワンちゃんが意図せず「問題行動をしても許される」と学習してしまうケースもあります。

・吠えたらケージから出してくれた
→吠えがうるさくて、つい出してしまったケース
・甘えて飛びついたら撫でてもらえた
小型犬だと飛びついてきても「可愛い」と受け入れてしまうケース

これらは飼い主さまにとって好ましくない行動でも、ワンちゃんにとっては「ご褒美がもらえた!」という成功体験となり、行動が定着してしまいます。

どうしても家族内でルールを統一できないときの対処法

家庭内でルールが違う犬

ワンちゃんのしつけには一貫性が重要と理解していても、実際のご家庭ではさまざまな事情から家族全員で同じ対応をするのが難しいこともあります。小さなお子さまがいる家庭、共働きで生活リズムがバラバラな家庭、高齢のご家族がいる場合など、それぞれの状況で対応力に差が出るのは当然のことです。

無理にすべてを統一しようとしてストレスを感じたり、家族間の関係が悪くなったりしては本末転倒です。そこで、以下では「完璧な統一」を目指すのではなく、「ワンちゃんが混乱しない最低限のルール」や「家庭に合ったしつけの取り組み方」を工夫する方法を紹介します。

「絶対に守るべき最低限のルール」を決める

すべてを統一するのが難しい場合は、ワンちゃんの安全や健康に関わるルールだけでもご家族で共有しましょう。

例えば、
・人の食べ物は与えない
・散歩中はリードを必ずつける
・トイレを失敗しても叱らず静かに片づける

このように「ここだけは統一しよう」というルールを最小限に絞ることで、ご家族の合意を得やすくなります。まずは、無理のない当たり前に守れるルールから決めていくのもいいので、是非検討してみてください。

トレーニングの時間だけでも一貫性を持つ

毎日5分でもよいので、しつけトレーニングを行うだけでも、ワンちゃんにとっての学習効果は高まります。可能な限り、ご家族内でバラつきがないように工夫も必要ですが、毎朝の「おすわり」「待て」練習やご飯の前の「ハウス」練習など、短時間でも毎日同じ形で繰り返すことで、ワンちゃんの中でルールが定着しやすくなります。

ワンちゃんの集中力は短いため、5分間の短期集中でメリハリのあるトレーニングを行いましょう。

家族間のルールを「見える化」する

ご家族内で口頭だけでルールを伝えると、忘れたり誤解が生まれることがあります。
以下のように「見える化」するのも効果的です。

・しつけルールを紙に書いて冷蔵庫に貼る
・LINEグループや共有アプリでルールを共有
・トレーニングの様子を動画で記録して家族で確認

といった感じで、一例ではありますが、統一性に慣れるまではこれらを参考に家族内共有することはとても効果的です。再認識できるだけでなく、こんな感じだったのかと改善点も見えてくるため、見える化はオススメです。

家族全員の協力が難しい場合

家庭内でルールが統一された犬

理想はご家族全員が協力してワンちゃんと向き合うことですが、現実的には「家族のしつけ意識や関心に差がある」「生活リズムが合わない」「他の家族が協力的ではない」といったケースも十分にあります。

そのような場合でも、飼い主さま一人でできる工夫や外部の力を上手に活用することで、ワンちゃんにとって混乱の少ない環境を作ることは可能です。それは、

「ドッグトレーナーや専門家の力を借りる」です。

家庭だけでルールを統一するのが難しい場合は、プロの手を借りるのもおすすめです。

また、問題行動の再発がキッカケとなり強化されてしまうことも少なくありません。この場合、飼い主さまが自力で改善しようとしても上手く出来ず悪化してしまったり、飼い主さまの精神的な負担も大きくなるでしょう。

ドッグトレーナーという第三者の意見が入ることで、家族全体が客観的に状況を見直しやすくなるだけでなく、適切なアドバイスと飼い主さまの精神的負担を緩和することができるためオススメです。

まとめ

家族内でルールを完全に統一するのが難しい場合でも、いくつかの工夫でワンちゃんのしつけトレーニングの質を保つことは可能です。家族の協力が得にくいと感じる飼い主さまも、無理なく取り入れられる方法から始めてみてください。ワンちゃんとの信頼関係は、飼い主さまの努力と工夫で少しずつ育まれていきます。そして、ドッグトレーナー等に相談することも選択肢の一つとして覚えておきましょう。統一が難しくても焦らず、できることから一歩ずつ進めていきましょう!

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