前回の記事では【防災】について事前の準備や対策で生存率や安全に避難することをお伝えしました。
前回の記事を読んでいない方はこちら↓
【防災】もしもの時に備えて”災害”から愛犬を守る準備と対策について
今回は【避難】について詳しく紹介したいと思います。
避難する際の流れから、生活やマナー、協力といった内容です。
実際の災害現場(避難所)では、大勢の人でごった返し声も届きにくく、みんなの不安が空気で伝わるほどの空間となります。そのため、避難訓練を重ねても、実際の現場では思う様な行動が出来ないでしょう。しかし、何も知らないより、知識を知っているかでは雲泥の差となります。
飼い主として安全に守れる行動を今回の記事を通して覚えて頂ければ嬉しいです。
避難することになったら
実際に避難することを想定してみましょう。
災害状況や住んでいる地形、またどの災害かによっても変わりますが、事前にハザードマップを用いて対策をしていれば状況判断を助けてくれるはずです。
是非下記の内容を覚えておいてください。
避難するタイミング
まず、避難するタイミングですが「正常性バイアス」という言葉をご存知でしょうか?
正常性バイアスとは本来、予期せぬ事態や心理的ストレスに直面した際に心を冷静に保とうとする人間の特性のことを指します。
しかし、災害時に「正常性バイアス」が悪い働きをしてしまい、「みんな逃げてないから自分も逃げなくていいや」「ここは何十年も被害を受けていないから今回も大丈夫だろう」と事態を過小評価することで逃げ遅れてしまうことがあります。
また、人数が多ければ多いほど正常性バイアスが働きやすくなり正しい判断が出来なくなってしまうケースも少なくありません。
下記のレベルに対しての行動は以下の通りです。
レベル1 | 災害への心構えを高める |
レベル2 | 避難に備えハザードマップ等で自らの避難行動の確認 |
レベル3 | 避難に時間を有する方から避難開始(ご高齢・障害のある方・妊婦や乳幼児など) |
レベル4 | 速やかに危険な場所から避難先へ避難 |
レベル5 | 安全に避難できる状況ではないため、命を守る行動をする |
レベル3から避難開始及び避難準備を行いましょう。
「みんなが避難したら避難しよう」ということにならない為に、レベル3が発令したら余裕があれば自分だけでなく近隣の方にも声掛けをして避難を促すことが出来れば理想です。
命を守るための行動を見極めてください。
同行避難
前回、同行避難と同伴避難の違いを紹介しました。
同伴避難は一緒に避難生活を送ることを指す言葉ですので、同行避難についてご説明します。
同行避難は国が推奨している避難行動であり、飼い主はペットと共に安全に避難先まで移動できるようにすることを指します。
その際には、避難用のバックを持ち出し、安全に移動できる準備をしておかなければなりません。
バックの中身については前回の記事にまとめてあるので参考にして頂ければと思いますが、ハザードマップの確認と独自での避難訓練の重要性を今一度確認することで練度が増し、スムーズに行動できるでしょう。
在宅避難
安全な場所にいる場合は避難場所や避難所に行く必要はありません。在宅での避難はライフラインが機能していなくても、プライベートが確保されており、ストレスの負担も少なく過ごすことができるのが最大のメリットとなります。
ワンちゃんのしつけトレーニングに対し不安がある方でも在宅避難はとても助かる空間となることでしょう。
しかし、ライフラインが止まっていることに変わりないので、フードや水、トイレなどの準備は必須になります。
様々なケースを想定しておくことが必要ですが、ワンちゃんにとっても在宅避難が理想です。
愛犬を置いて避難する場合
避難先にペットを連れていけるのか分からない場合や、やむを得ずワンちゃんを自宅に置いていかなければならない場合は、二次災害を受けない為にクレートなどワンちゃんの安全を確保できる空間に収容してから避難してください。
災害時に窓ガラスが割れたり勝手に開いてしまうことは少なくありません。
そういった場合に脱走しないために有効です。
また、ワンちゃんの側に倒れてくるモノや落下してくるモノがない場所に移動させておくなど、最低限の安全を確保してから避難するようにしましょう。
補足ですが、
誰がワンちゃんを避難させるかをご家族内で決めておくことをおすすめします。
必ずしも災害時に全員が集まっているわけではないため、人命を優先させる上でワンちゃんを置いていく決断も必要です。置いていくからには出来る限り最大限の安全を施しましょう。
避難所での生活について
避難所での生活は寝泊りが最低限できる空間であって、快適に過ごせるスペースもなければ、プライバシーの確保も無いもしくは、簡易的なものでストレスのかかる生活を余儀なくされます。
その状況下では、予想できない問題も発生しやすくなるため、トラブルを回避するためにも下記でまとめたポイントを忘れないようにしてください。
みんなが犬好きとは限らない
「ワンちゃんが好きな人もいれば嫌いな人もいる」
それは当たり前だと思っていても、災害時にはより当たりが強く感じることもあるかもしれません。
吠えがうるさい、臭いが気になる、小型犬はいいけど中型犬からは怖い、など普段は別の環境で生活をしているからトラブルにならなかっただけで、一緒の空間で生活を共にするとなると話は別になるケースも多いです。
飼い主のマナーやモラル
好き嫌いがあるように、みんなが嫌いなわけではありません。
とは言っても、誰に対しても攻撃的な態度や吠えてくる場合は誰も良い気持ちはしないと思います。そのためにも、しつけトレーニングが必須となるのです。
飼い主である責任を持ち、マナーやモラルを守っていればワンちゃんも受け入れられ飼い主さまのストレスも軽減されることでしょう。
いざという時のためにトレーニングしたり、排泄物の管理や抜け毛防止のウエアを着させるなどの配慮を心掛けましょう。
一次避難と二次避難
避難する際に知っておきたい情報として、一次避難と二次避難があります。
一次避難 | 身の安全を確保し、命を守るステージ |
二次避難 | ライフラインが復旧するまで避難生活を送るステージ |
災害発生時にはまず、一次避難で身の安全を確保して命を守る行動をとってください。
二次避難先での環境が整うまでの時間は施設によって異なりますが、学校や役場、仮説住宅など様々な場所に設置され、必要とする方が対象となります。
高齢者、障害のある方、妊婦さんや乳幼児、家が倒壊してしまった方などが対象です。
飼い主同士の助け合い
避難所だけでなく、災害時は全ての場所で助けが必要になってしまい、全てに手が回らないのが現実です。
そのため、ペットを飼う者同士が手を取り合い団結して乗り越えられれば、とても精神的にも楽になり「一人じゃない」という安心が、また他の誰かを勇気付けるキッカケにもなります。
下記にまとめたポイントを本記事を読んで頂いた飼い主さまが、愛犬や家族の他に困っている人を助けることに、役に立てれば嬉しいです。
避難所でのルールを設ける
災害時には【動物救護本部】が設置されます。
自治体や獣医師会、愛護団体の方が集結し、ペット物資の支援窓口を担ったり、怪我の手当から迷子の対応まで幅広く活動してくれます。
しかし、全ての施設に開設されるわけではないため、施設内のルールは施設によって異なります。そのため、飼い主さま同士が助け合い、施設内でのルールを設けるのです。
主な役割は避難所の運営サイドと協力をして共存できるルールを決めることです。
トイレ問題、ゴミ出し場、吠えや臭いの対策、クレーム対応など、多岐に渡りますが、ペットが暮らせる環境を整えるためには誰かがやらなければなりません。
積極的に仲間を集める
ルール決めと平行して、積極的に仲間を集めましょう。
ペット事業関係者などペットを理解している人に仲間に入ってもらえれば、精神的にも楽になりますし、専門知識を有することでリスク回避も可能となります。
避難所でのペット飼育は簡単ではなく、一人で行うのも現実的ではありません。協力し合って乗り越えましょう。
積極的に声掛けする
これも同様に積極的に声掛けして頂きたいのですが、運営ではなく、困っている飼い主に向けてです。
避難所に行きたいけどうちの子は暴れていけない…など様々な悩みを持った飼い主さまがいると思いますが、そういった方達を放っておかずに救いの手を差し伸べてください。
この記事を読んだ時点で、何も知らない飼い主ではなく、知識を持った飼い主になります。
少しでも多くのワンちゃん、飼い主さまが救われるように協力しましょう。
日常生活は意識を変えるだけで訓練になる
防災訓練とは予定を入れて行うものではなく、日々の生活に取り入れ、意識を変えることで本領発揮します。日常的に災害時の話を家族内でしたり、避難に必要なトレーニングを行ったり、防災用品の準備などもすれば、災害に直面した際に「これだけ準備したんだ」と自信にも繋がり、ワンちゃんや家族を引っ張って行ける存在になれます。
また、ワンちゃんを守るには飼い主さまが安全でなくてはいけません。安全に避難できるように日々の意識やトレーニングを行いましょう。
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