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OPDES(オプデス)とは|チームテストの内容・合格基準・受け方
公開日:2024年9月5日(木) 更新日:2026年10月6日(火) しつけトレーニング
この記事の要点
OPDES(オプデス)は1999年設立のNPO法人「犬の総合教育社会化推進機構」で、チームテスト・アジリティ・オビディエンス・災害救助犬試験・ラリーオビディエンス・フリースタイル・ノーズワークの7種目を実施しています。チームテストは飼い主と愛犬の「チーム」で受ける「犬の社会化認定試験」で、血統書の有無も会員かどうかも問わず、生後12か月以上で狂犬病ワクチンを1年以内に受けた犬なら受けられ、大きさや犬種の条件はありません。試験は、グラウンドで行う4課目(横について歩く・座って待つ・伏せ―呼び寄せ・伏せて待つ)のAセクション、実際の道路や施設で行うBセクション、飼い主の筆記の3部門で、Aで50点満点中35点以上、Bで全部「信頼できる」、筆記で70%以上が合格です。TT1は全課目リード付き、TT2はリードなしで、有効期限は合格日から1年、TT2には永久資格があります。会場での体罰・強制首輪は失格・禁止で、日々の練習も罰に頼らず、4課目と5つの場面を毎日のしつけに割り当てて準備します。
「オプデスって何の団体?」「チームテストって、どんな試験? うちの子でも受けられる?」。犬のしつけを進めていると、目標として「OPDES(オプデス)のチームテスト」という名前を目にすることがあります。ただ、公式サイトは会員向けの情報が中心で、初めての方が「何を、どこまでできれば合格なのか」を1枚で見わたせる場所がありません。この記事は、その1枚を作るために書きました。
先に結論を書きます。OPDESは1999年設立のNPO法人「犬の総合教育社会化推進機構」で、チームテストは飼い主と愛犬の「チーム」で受ける「犬の社会化認定試験」です。社会化とは、人や犬、いろいろな場所に慣れて、落ち着いていられるようになることです。血統書の有無も会員かどうかも問わず、生後12か月以上で狂犬病ワクチンを1年以内に受けた犬なら受験でき、大きさの条件はありません。試験は、グラウンドで行う4課目(横について歩く・座って待つ・伏せて呼び寄せ・伏せて待つ)のAセクション、実際の道や施設で行うBセクション、飼い主の筆記の3部門で、Aで50点満点中35点以上、Bで全部「信頼できる」、筆記で70%以上が合格です。この記事では、OPDESとはどんな団体か、チームテストの中身と合格基準、TT1とTT2の違い、各課目を家庭犬のしつけの言葉に置き換えた説明、家でできる準備、受け方と当日の決まり、合格したあと、ほかの家庭犬の試験との違い、小型犬でも受けられるか、やってはいけないことを、OPDESの公式サイトと2026年1月1日改正の規定書にそって書きます。公式の記載に無いことは書きません。
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子犬を見るOPDES(オプデス)とは|NPO法人「犬の総合教育社会化推進機構」
「オプデスとは」で調べて来られる方へ。OPDESは、特定非営利活動法人(NPO法人)犬の総合教育社会化推進機構の略称です。公式サイトの説明では、犬の教育社会化推進機構を略し、O(Organization:機構)・P(Promotion:推進)・D(Dog:犬)・E(Education:教育)・S(Socialization:社会化)の頭文字からOPDESと呼んでいます。団体の紹介では、設立は平成11年(1999年)4月13日、平成13年(2001年)7月26日に「犬の総合教育社会化推進機構」として認証され、事務局は東京都文京区本郷にあります。加盟している団体として、災害救助犬世界連盟(IRO・2001年加盟)と、海外のドッグスポーツの団体のUSDAA(2001年)、IFCS(2002年)、WCFO(2009年)が挙げられています。
何をしている団体かは、「OPDES WAY」という団体の考え方のページに書かれています。犬は飼い主との安定した関係を求め、観察力と洞察力で飼い主をお手本にして社会のルールを学ぶ、さまざまなドッグスポーツに取り組むことで犬に備わった能力が引き出され、飼い主との関係をさらに強化できる、という観点から、愛犬とともに楽しみながら関係性を強化するために、さまざまな試験や競技を実施している、というのが団体の自己紹介です。実施している種目は、公式サイトの「競技種目について」に7つ並んでいます。
- チームテスト……犬の社会化認定試験。この記事で書く種目
- アジリティ競技会……障害物のコースを走る競技。公式サイトのよくある質問に、アジリティ1度(AG1)に出るにはチームテストの資格が必要、とある。アジリティそのものはアジリティ入門の記事へ
- オビディエンス競技会……飼い主の指示どおりに動けるかを見る競技
- 災害救助犬試験
- ラリーオビディエンス競技会……コースに置かれた看板の指示にそって、犬と一緒に課題をこなす競技
- フリースタイル競技会……音楽に合わせて、犬と一緒に動きを見せる競技
- ノーズワーク競技会……においを探す競技。家でのやり方はノーズワークの記事へ
サイトは2つあります。団体の紹介・お知らせ・開催情報・種目の紹介はメインサイト(opdes.net)、会員登録・イベントの参加申込み・成績表の閲覧は会員サイト(opdes.jp)です。「オプデス」で検索してどちらかに着き、探している情報が無ければ、もう一方を見てください。
新しく載った子犬
チームテストとは|飼い主と愛犬の「チーム」で受ける犬の社会化認定試験
チームテストの正式な名前は「OPDES 犬の社会化認定試験(チームテスト)」で、公式サイトと規定書は、「チーム」とは飼い主とその愛犬を意味する、と最初に書いています。目的は「犬の飼い主が一緒に暮らすその犬に教育を行うこと」で、OPDESの理念「命ある全ての犬に教育を」に基づき、血統書のあるなしに関わらず全ての犬が、会員・非会員に関わらず全ての飼い主が受験できる、とあります。順位を競う競技会ではなく、「この飼い主とこの犬は、社会の中で無理なく一緒に暮らせるか」を確かめる試験です。同じ理由で、受験できるのは飼い主とその愛犬だけで、公式サイトのよくある質問には、専門学校が持っている犬を、生徒が連れて受けることはできない、と書かれています。
受験できる犬・できない犬の条件は、規定書の全般規程にまとまっています。
| 条件 | 規定書の記載 |
|---|---|
| 犬種・血統書 | 血統書のあるなしに関わらず全ての犬が受験できる。ミックス犬も可。大きさ・犬種の条件は無い |
| 飼い主 | OPDESの会員でも非会員でも受験できる(イベントに出るための「会員登録」は要る。受け方の章) |
| 月齢 | 未成熟な生後12か月未満の犬は受験できない。生年月日がはっきりしない犬は飼い主が生年月日を決める |
| 体調 | 妊娠中の犬、病気や怪我をしている犬は受験できない。発情中の犬は受験できるが、順番が最後になる場合がある |
| 狂犬病ワクチン | 1年以内に接種していなければならない |
| 1日に受けられる数 | 1種目(TT1またはTT2)のみ |
生後12か月以上、という線は、しつけの順番から見ると「子犬のあいだに土台を作り、1歳を過ぎてから確かめる」試験だということです。1歳までに何を教えるかはしつけの順番の記事に、月齢ごとの目安はしつけはいつからの記事にまとめています。
試験の中身|Aセクション・Bセクション・筆記の3部門と合格基準
チームテストは3部門で構成されています。規定書の合格基準を先に表にします。
| 部門 | どこで・何を | 合格の基準 |
|---|---|---|
| Aセクション | 準備されたグラウンドや芝地(リンク)で行う、指示どおりに動けるかのテスト(オビディエンステスト)。「横について歩く」「座って待つ」「伏せ―呼び寄せ」「伏せて待つ」の4課目。2チーム(場合によっては3チーム)のペアで審査する | 50点満点中35点以上(70%以上)。合格したチームだけがBセクションに進める |
| Bセクション | 実際の道路や公共の施設で行う「実社会でのチームの態度と行動テスト」。担当の審査員がいくつかの課題から3つを選ぶ。同じ試験では全チーム共通の課題 | 課題ごとに「信頼できる」か「信頼できない」かで評価され、全ての課題で「信頼できる」と評価されると合格 |
| 筆記テスト | 飼い主が受ける。試験の前に審査員による設問についての講習があり、そのあとに実施。内容は公式サイトでは、犬の体のしくみ、犬と暮らすために知っておかなければならないこと、犬の病気など | 70%以上。一度合格すれば、次回からは免除される(犬が変わっても受け直しは不要)。小学生以下の飼い主は、講習のあとに審査員の口頭の質問に正解すれば合格 |
3部門とも満たして合格です。不合格になった場合は、間隔を空けずに再受験することができる、と規定書にあります。Aセクションの採点は課目ごとに評価が付き、10点満点の課目ならV=10点、SG=9.0〜9.5点、G=8.0〜8.5点、B=7.0〜7.5点、M=0〜6.5点で、最少単位は0.5点です。審査が終わると直ちに審査員から各課目の講評があり、得点と合否がその場で発表されます。「どこが足りなかったか」をその日のうちに聞ける、というのは、次の練習の材料としていちばん大きいところです。
Aセクションの4課目|TT1(リード付き)とTT2(リードなし)の違い
チームテストにはレベル1(TT1)とレベル2(TT2)の段階があります。規定書の実施要領を並べると、違いは「リードの有無」と「歩いている途中で指示を出すかどうか」です。TT1は全課目リード付き、TT2は全課目リードなしで、配点はどちらも合計50点です。
| 課目(配点) | TT1(全課目リード付き) | TT2(全課目リードなし) |
|---|---|---|
| ①横について歩く(15点) | リード付きで、要領図のコースを歩く。常歩(ふつうの速さ)・早足・ゆっくりと歩く速さを変える(歩度の変更)、左Uターン、人(原則4名)の中を8の字に歩く「群衆」、最後に中央で停止して指示なしで座る。犬が自らついて歩けていれば成立 | 出発点でリードを外して同じコースを歩く |
| ②座って待つ(10点) | 基本姿勢から「座って待つ」の指示を出し、飼い主は振り返らずに15歩進んで犬と対面。次の合図で犬のもとへ戻る | 「常歩中の座れ」。犬と一緒に歩き出し、10〜15歩の間で座って待つ指示を出し(いったん止まって出してもよい)、そのまま15歩進んで対面 |
| ③伏せ―呼び寄せ(15点) | 「伏せて待つ」の指示を出し、飼い主は振り返らずに30歩進んで対面。次の合図で犬を呼ぶ。犬は飼い主の正面か横に来て座る。正面に座った場合は、一呼吸おいて横(基本姿勢)に付ける指示を出す。呼んでも犬が向かってこなければ0点 | 歩き出して10〜15歩の間で伏せて待つ指示を出し、30歩進んで対面。あとは同じ |
| ④伏せて待つ(10点) | 伏せて待つ指示を出し、飼い主は10歩進んで犬に肩を向けて立つ。ペアの相手チームが課目①〜③を終えるまで伏せて待つ。追加の指示を出すと減点、相手が課目①を終えるまでに3メートル以上動くと0点。希望すれば、または審査員が必要と判断すれば、用意されたロングリードを付けて行う(評価には影響しない) | 同じ課目で、飼い主は20歩進む。相手が課目②を終えるまでに3メートル以上動くと0点 |
4課目は、どれも「基本姿勢」から始まって基本姿勢で終わります。基本姿勢とは、飼い主が進行方向を向いて気をつけの姿勢を取り、犬が飼い主の横で飼い主と平行に座った状態です。犬の位置は左でも右でもよく、ただしAセクションの全課目で同じ側に統一します。各課目は審査員の合図で始め、1つの課目が終わったら犬を触って褒めることができます。指示は声だけで行うのが理想とされていて、耳が聞こえないなど体に障害がある犬は、事前に申告すれば手の合図で指示を出せます。
ここで、4課目を家庭犬のしつけの言葉に置き換えておきます。課目の名前は堅く見えますが、中身は「散歩で横を歩く」「おすわりで待つ」「呼んだら来る」「伏せで落ち着いて待つ」の4つで、どれも家の中と散歩で毎日使うものです。
- 横について歩く……リードを張らず、犬が自分から飼い主の横を歩く状態。速さが変わっても、人の中を通っても、ついてくる。規定書は「犬が自らハンドラーについて歩くことが出来ていれば成立」(ハンドラーは犬を連れて歩く人)とし、指示は歩き出すときと歩く速さを変えるときだけが理想、としています。引っぱらない散歩と同じ土台です
- 座って待つ……「おすわり」のあと、飼い主が離れても座ったまま待つ。TT1では飼い主が15歩離れて向き合うあいだ、動かないこと。「待て」に、解除までの時間と距離が加わった形です
- 伏せ―呼び寄せ……「伏せ」で待たせて30歩離れ、呼んだら来て、目の前か横に座る。呼び戻しと、来たあとに座るところまでが1組です
- 伏せて待つ……ほかのチームが課目をしている横で、伏せたまま落ち着いて待つ。「何もしないでいる」ことが課目で、家では来客中や食事中のマットでの待機にあたります。規定書は、この課目で敷物を敷いてその上で待たせてもよい、としています
Bセクションの課題|道・人混み・待機・食事・診察台。実社会の5つの場面
Aセクションに合格すると、実際の道路や公共の施設でBセクションに進みます。規定書には課題の例が5つと「その他」が挙げられていて、担当の審査員がその中から3つを選びます。評価は点数ではなく「信頼できる」か「信頼できない」かで、全部「信頼できる」で合格です。TT1もTT2も共通です。
| 課題 | 何をするか(規定書の例) | 「信頼できる」と評価される状態 |
|---|---|---|
| ①人との会話中に触られたとき | 審査員のもとへ行って握手をし、自然に会話する。犬はリードに繋がれ、立っていても座っていてもよい。審査員が「触ってもいいですか?」と尋ねてから頭をなでる程度に触る | 問題のある行動を取れば不合格。ただし、事前に審査員に申告し、飼い主が犬を十分にコントロールできていて、審査員が問題なく触れれば「信頼できる」 |
| ②人混みや道路を歩く | 会場の状況に応じて、道路・人混み・ほかの犬のいるところを審査員の指示どおりにリードで歩く。飼い主が犬をコントロールしてもよい | 問題なく歩ければ「信頼できる」 |
| ③待たされているときに人が近寄る | 審査員が指定した場所に犬を繋ぎ(適当な場所が無ければヘルパーがリードを持ち)、飼い主は犬から見えない場所に隠れる。犬を連れた見知らぬ人などがすぐそばを通る | 落ち着いた態度で飼い主を待てれば「信頼できる」 |
| ④人が食事中 | 飼い主が犬を伴ってテーブルに着席し、運ばれてきた食事を食べる。犬は足元にいる | おとなしく待つことができていれば「信頼できる」 |
| ⑤動物病院で診察を受けるとき | 診察台に見たてた台に犬を乗せ、立った状態を保てるように飼い主がコントロールする | 飼い主が十分にコントロールできていて、審査員が問題なく触れれば「信頼できる」 |
| その他 | 犬と一緒にエレベーターに乗れる、犬同伴OKのレストランがある、など会場で使える場面があれば、審査員の判断で3つの課題のいずれかに置き換える | — |
この5つは、そのまま「犬と暮らしていて、人に迷惑をかけやすい場面」の一覧です。散歩で会った人と立ち話をする、飼い主が席を外す、カフェで食事をする、病院で診てもらう。Bセクションで見られているのは犬の芸ではなく、「この犬を連れたこの人は、社会の中で信頼できるか」です。だから④と⑤には「飼い主がコントロールしてよい」と書いてあり、犬だけに任せる試験にはなっていません。カフェでの待ち方はドッグカフェのマナーの記事に、診察台での落ち着かせ方はリラックスポジションの記事に、人や犬に慣らす順番は社会化トレーニングの記事に分けています。
家でできる準備|4課目と5場面を、毎日のしつけに割り当てる
チームテストの課目は、特別な芸ではありません。家庭犬のしつけの基本4つと、社会化の場面5つで、それぞれの教え方は別の記事に詳しく書いています。試験の課目と家でやることを対応させて表にします。
| 試験で見られること | 家・散歩でやること | 教え方の記事 |
|---|---|---|
| 横について歩く(TT1リード付き→TT2リードなし) | リードを張らずに横を歩く。速さを変えても、人とすれ違ってもついてくる。まず引っぱらない散歩を作り、次に「歩き出す」「止まる」の合図だけで動けるようにする | 散歩で引っぱる犬の直し方/横につかせて歩く教え方 |
| 座って待つ/常歩中の座れ | 「おすわり」を合図1回で。次に「待て」で飼い主が離れる距離を1歩ずつ伸ばし、向き合っても動かない練習。解除の言葉まで待つ | おすわりの教え方/待ての教え方 |
| 伏せ―呼び寄せ | 「伏せ」を合図1回で。伏せで待たせて離れ、呼んだら来て、目の前か横に座るまでを1組にする。呼んで来たら必ず良いことが起きる形を崩さない | 伏せの教え方/呼び戻しの教え方 |
| 伏せて待つ | ほかの犬や人が動いている横で、マットの上で伏せたまま待つ。来客中・食事中のマット待機を家の日課にする。追加の指示なしで待てる時間を伸ばす | 待ての教え方/伏せの教え方 |
| B①⑤ 人に触られる・診察台 | 家族以外の人に触られる練習。診察台に見立てた台の上で立って待つ練習。体を触られることに慣らす | リラックスポジション/社会化トレーニング |
| B②③ 人混み・待機 | 人や犬とすれ違う散歩。飼い主が見えない場所で待つ短い練習(最初は数秒から) | 社会化トレーニング/ドッグランのマナー |
| B④ 食事中 | 人の食事中に足元かマットで待つ。食卓から与えない | ドッグカフェのマナー/家族でルールをそろえる |
合図の言葉は、家族で1つに決めておいてください。規定書は、犬の各動作は飼い主の声による指示だけで行われるのが理想、としています。「おすわり」「すわれ」「シット」が家族でばらばらだと、試験の場で1回の指示では通りません。合図の決め方はコマンド一覧の記事にあります。もう1つ、Aセクションではおやつやおもちゃを持ってリンクに入れません。家での練習も、仕上げの段階ではおやつを手に持たない・見せないで指示を出し、できたあとに褒めて渡す形に移しておくと、当日そのまま出せます。
チームテストの受け方|申込み・当日の持ち物・会場での決まり
「オプデス チームテスト」で調べて来られる方の多くが知りたいのは、ここだと思います。公式サイトと規定書に書かれている範囲で、順に書きます。
- 開催日程を見る……メインサイト(opdes.net)の「イベント開催日程・結果」に、種目別に開催日・会場・審査員・申込締切・担当事務局・規定書と案内書が載っています。チームテストは単独開催のほか、オビディエンス競技会と同じ日に併催されることもあります。2026年9月時点の一覧では、北海道・埼玉・新潟・石川・大阪・兵庫・岡山・福岡・鹿児島など各地で開かれていて、申込締切は開催日より前に設けられています
- 会員サイトで登録する……会員サイト(opdes.jp)の会員登録フォームから登録します。公式サイトには、入会せずにイベントに出場する場合も会員登録が必要で、その場合の登録区分は「非会員」になる、とあります。会員区分は非会員・一般会員・ジュニア会員(18歳未満)で、非会員はエントリーできる競技が限定されますが、チームテストは規定書に「会員・非会員に関わらず全ての飼い主が受験出来ます」と明記されています。会員の年会費と参加費は公式サイトの「会員登録・年会費」「イベント参加費規則」のページで確かめてください(この記事には金額を書きません)
- 申し込む……会員ページの「イベントスケジュール・申込み」から。申込みの確認メールが届かない場合は、会員登録情報の「エントリー履歴」で確かめる、と公式のよくある質問にあります
- 当日……受験登録申請書に、受験クラス(TT1/TT2)、申込犬の最新の合格日、筆記テストに合格したことがあるか、飼い主と犬の情報を書きます。Aセクション→(合格なら)Bセクション→講評と合否発表、筆記テストは講習のあとに実施、という流れです
当日の決まりも、規定書に細かく書かれています。知らないと当日にあわてるものだけ抜き出します。
| こと | 規定書・公式サイトの記載 |
|---|---|
| 狂犬病ワクチン | 1年以内に接種していること |
| 首輪・ハーネス | Aセクションでハーネス(胴輪)を使ってよい。その場合は首輪を外し、首輪か胴輪のどちらか1つにする(公式よくある質問)。締まる形状の首輪は、首が締まらないようにリードを付ける。試験会場での強制首輪などの使用は禁止 |
| リード | TT1はリード付き、TT2はリードなし。外したリードはポケットに入れるか肩に掛ける。試験中の過度なリードの使用は失格になることがある |
| 手に持つもの | 手には何も持たない。防寒目的以外の手袋も禁止。おやつ・おもちゃなど、犬のやる気を引き出す物を持ってリンクに入れない |
| 犬の服・敷物 | 犬に服を着せて受験してよい。「伏せて待つ」では敷物(マット)を敷いてよく、使う場合は審査員に申告する |
| 排泄 | 試験中に排便・排尿をすると5点減点。会場(駐車場を含む)で犬の排便をそのままにしておくと失格になることがある |
| 失格になること | 犬に対する体罰、受験犬がほかの犬に噛みつく、などを審査員が確認した場合。審査員が続行不可能と判断した場合はその時点で中止・不合格 |
| 記録 | 合格などの記録は「グリーンブック」に記録される。無くしても受験はできるが記録できないので、イベント受付で再発行を申し出る(公式よくある質問) |
合格したあと|有効期限は1年。TT2・永久資格・ゴールドペア
チームテストは「一度取れば終わり」の資格ではありません。公式サイトと規定書では、TT1・TT2ともに有効期限は合格日から1年間で、年に1回受験して合格し続ける必要があります。これは、試験の目的が「合格」ではなく「飼い主が愛犬に教育を行い続けること」だからです。段階は次のように進みます。
- TT1に合格……翌日からTT2に申し込める(公式よくある質問)。TT2を受けられるのはTT1の有効期限内(合格日から1年以内)に限る
- TT2に合格……一度でもTT2に合格したチームは、有効期限が切れていてもTT2から受験できる
- 永久資格(TT2のみ)……毎年の受験の負担を減らすための制度。条件は、TT2に最初に合格した日から半年以上の間隔を空けて2回目を受験し、Aセクションで2回連続40点以上(50点満点)を取って合格すること。退会しても記録は残り、永久資格は無くならない(公式よくある質問)
- ゴールドペア……永久資格を取得したのちにTT2を3回合格すると受賞条件を満たし、申請できる(公式よくある質問)
チームテストの資格は、OPDESのほかの種目の入口にもなっています。公式サイトのよくある質問に、アジリティ1度(AG1)に出場するにはチームテスト資格が必要、とあります。「アジリティをやってみたい」という方にとって、チームテストは最初の目標として自然な位置にあります。
ほかの家庭犬の試験との違い|家庭犬訓練試験(CD)・アメリカのCGC
日本で家庭犬が受けられる試験には、日本で血統書を出している団体(ジャパンケネルクラブ)の家庭犬訓練試験(CD)もあります。海外では、アメリカの犬の団体の「よい家庭犬」の試験(CGC)が知られています。それぞれの公式サイトの記載で、チームテストと並べます。
| OPDES チームテスト | 家庭犬訓練試験(CD) | アメリカのCGC | |
|---|---|---|---|
| 受けられる犬 | 血統書の有無・犬種を問わず全ての犬。生後12か月以上 | その団体の会員の名義で、生後9か月1日以上の、その団体に登録した犬。会員が飼っている、その団体が認めていない犬種の犬・ほかの団体に登録した犬・ミックスの犬もCDは受けられる | 純血種にもミックスにも開かれ、年齢の下限も上限も無い |
| 段階 | TT1(リード付き)→TT2(リードなし)。有効期限1年、TT2に永久資格 | CD I(家庭犬初等科・規程2+選択3=5課目)→CD II(10課目)→CD III(20課目)→CD X(30課目)。CD Iだけリード付きで受けられる | 10項目の1段階 |
| 見るもの | Aセクション(4課目・50点満点中35点以上)+Bセクション(実社会での態度・全部「信頼できる」)+飼い主の筆記 | 各課目の得点が60%以上、かつ合計得点が70%で合格。試験合格後に登録すると血統証明書に「訓練資格」が記載される | 知らない人を受け入れる・なでられて座る・人混みを歩く・おすわりと伏せと待て・ほかの犬への反応・気を散らすものへの反応・飼い主が3分間見えなくなる、など「地域に受け入れられるために全ての犬が持つべき実用的な行動」 |
| 特徴 | 飼い主と犬の「チーム」で受け、実際の道路や施設での課題と、飼い主の筆記がある | 訓練でどこまでできるようになったかを確かめる試験で、「力だめし」のつもりで受験することを勧めている | 犬に良いマナーを、飼い主に責任ある飼い方を教える10項目のテスト |
チームテストに特徴的なのは、実際の道路や公共の施設で行うBセクションと、飼い主が受ける筆記テストです。犬の作業だけでなく「飼い主が犬のことをどれだけ知っているか」と「社会の中でどう振る舞うか」を試験の一部にしている、というのが団体の名前(犬の総合教育社会化推進機構)どおりの設計です。どの試験を目標にするかは、お住まいの地域で受けられる会場があるか、血統書の有無、犬の月齢で決まります。
トイプードルやチワワでも受けられますか|大きさの条件はありません
受けられます。規定書は「血統書のあるなしに関わらず全ての犬が」受験できるとしていて、大きさ・体重・犬種の条件はどこにも書かれていません。当犬舎で紹介しているトイプードル、チワワ、ミニチュアダックスフンド、ポメラニアン、マルチーズ、シーズーのような小型犬にも、そのまま当てはまります。小型犬で気をつけたいのは、試験の内容より当日の道具と環境です。
- ハーネスでよい……公式のよくある質問に、Aセクションでハーネス(胴輪)を使ってよい、その場合は首輪を外す、とあります。首の細い小型犬は、ふだんハーネスで散歩しているならそのままで受けられます
- 服と敷物……犬に服を着せて受験してよく、「伏せて待つ」で敷物を使ってよい(審査員に申告)とあります。冬の屋外や冷たい地面で伏せて待つ課目には、小型犬ほど助かる決まりです
- 歩く距離……「横について歩く」は常歩で最低40歩から最大50歩、そこに早足・ゆっくり・群衆が加わります。小型犬の歩幅で無理のない距離で、走らせる課目はありません
- 診察台の課題……Bセクション⑤は、台の上で立った状態を保つ課題です。小型犬は日ごろの抱っこと、台の上で触られる練習を家でしておくと、当日そのまま出せます
犬の性格は犬種では決まりません。犬の行動を大規模に調べた2022年の研究(サイエンス誌)では、犬種で説明できるのは一頭一頭の行動の違いのうち約9%で、同じ犬種の中の差のほうが大きい、と報告されています。「小型犬だから」「この犬種だから」で受けられるかどうかは決まらず、決めるのは1歳までに積んだ社会化と、飼い主さまとの毎日の練習です。
やってはいけないことと、相談の目安
チームテストは「犬に教育を行うこと」が目的の試験なので、規定書の側に、やってはいけないことがはっきり書かれています。試験会場での犬に対する体罰は失格の対象、強制首輪などの使用は禁止、試験中の過度なリードの使用も失格になることがある。これは試験の日だけの話ではなく、日々の練習にもそのまま当てはまります。アメリカの獣医師の学会(米国獣医行動学会)が2021年に出した考え方も、力・痛み・不快に頼る方法は犬のしつけにも問題行動の対応にも使うべきではなく、罰を使った方法は攻撃的な行動や不安に関わる行動と関連が見られ、効果の面でも劣る、としています。
- 合格のために叱る・引っぱる・押さえつける……罰を使った方法は不安と攻撃に関わり、覚える力も落とします(アメリカの獣医師の学会の考え方)。試験会場では失格の対象です。できないなら、1つ前の段階へ戻します
- チョークチェーンや締まる首輪で歩かせる……強制首輪の使用は会場で禁止です。締まる形状の首輪は、首が締まらないようにリードを付けることが規定されています。ふだんの散歩からハーネスか平首輪へ。引っぱりの直し方は散歩で引っぱる犬の記事へ
- 1歳前から「試験対策」の練習を長く続ける……受験できるのは生後12か月以上です。1歳までは社会化と基本の合図を短く楽しく。長い練習はしつけはいつからの記事にあるとおり、子犬には合いません
- おやつを見せて動かす練習だけで当日を迎える……Aセクションはおやつ・おもちゃを持って入れません。仕上げは、手に何も持たずに指示を出し、できたあとに褒める形に移しておきます
- 家族で合図がばらばらのまま受ける……声の指示だけで動くのが理想とされる試験です。言葉と手の動きを家族で1つに。家族でルールをそろえる記事へ
- 「合格したから終わり」にする……有効期限は1年です。試験は目標であって、目的は毎日の暮らしの中で犬が落ち着いていられることです
相談の目安です。「横について歩く」でリードが張ったまま直らない、「伏せて待つ」でほかの犬が動くと立ってしまう、呼んでも来ない日がある、人に触られると固まる・唸る。そういうときは、試験の日程を先に決めるより、どの課目のどの段階でつまずいているかを人に見てもらってください。フローエンスはブリーダー直販で、お迎えのあとも、しつけのご相談を365日お受けしています。「どの課目が、どこまでできて、どこで崩れるか」が分かっていると、専門トレーナーのトレーナーダイヤルでの相談がその場で具体的になります。相談のタイミングに迷ったら、ドッグトレーナーに相談するタイミングの記事も参考にしてください。
よくある質問
OPDES(オプデス)とは何の団体ですか?
特定非営利活動法人(NPO法人)犬の総合教育社会化推進機構の略称です。公式サイトでは、O(Organization:機構)・P(Promotion:推進)・D(Dog:犬)・E(Education:教育)・S(Socialization:社会化)の頭文字で、設立は1999年4月13日、2001年7月26日に「犬の総合教育社会化推進機構」として認証され、事務局は東京都文京区本郷にあります。災害救助犬世界連盟(IRO)や、海外のドッグスポーツの団体(USDAA・IFCS・WCFO)に加盟し、チームテスト・アジリティ競技会・オビディエンス競技会・災害救助犬試験・ラリーオビディエンス競技会・フリースタイル競技会・ノーズワーク競技会の7種目を実施しています。団体の紹介と開催情報はメインサイト(opdes.net)、会員登録と申込みは会員サイト(opdes.jp)に分かれています。
チームテストとはどんな試験ですか?
OPDESの「犬の社会化認定試験」で、「チーム」とは飼い主とその愛犬を意味します。目的は「犬の飼い主が一緒に暮らすその犬に教育を行うこと」で、順位を競う競技会ではありません。試験は、準備されたグラウンドや芝地で行う4課目(横について歩く・座って待つ・伏せ―呼び寄せ・伏せて待つ)のAセクション、実際の道路や公共の施設で行うBセクション、飼い主が受ける筆記テストの3部門で構成されます。規定書の合格基準は、Aセクションで50点満点中35点以上、Bセクションで全ての課題が「信頼できる」の評価、筆記テストで70%以上です。審査のあと直ちに講評と得点・合否が発表され、不合格でも間隔を空けずに再受験できます。
チームテストは誰でも受けられますか?受験資格を教えてください。
規定書では、血統書のあるなしに関わらず全ての犬が、OPDESの会員・非会員に関わらず全ての飼い主が受験できます。大きさ・犬種の条件はありません。受験できないのは、未成熟な生後12か月未満の犬、妊娠中の犬、病気や怪我をしている犬で、狂犬病ワクチンを1年以内に接種していることが必要です。発情中の犬は受験できますが順番が最後になる場合があります。1日に受けられるのは1種目(TT1またはTT2)のみです。受験できるのは飼い主とその愛犬だけで、専門学校が持っている犬を、生徒が連れて受けることはできない、と公式のよくある質問にあります。
TT1とTT2は何が違いますか?
TT1(レベル1)は全課目リード付き、TT2(レベル2)は全課目リードなしで、配点はどちらも4課目で合計50点です。課目も少し変わります。TT1の「座って待つ」「伏せ―呼び寄せ」は基本姿勢から指示を出して離れますが、TT2では犬と一緒に歩き出して10〜15歩の間に指示を出す「常歩中の座れ」「常歩中の伏せ―呼び寄せ」になり、「伏せて待つ」で飼い主が離れる距離もTT1の10歩からTT2の20歩に伸びます。TT2を受けられるのはTT1の有効期限内(合格日から1年以内)に限られ、TT1に合格した翌日から申し込めます。一度TT2に合格したチームは、有効期限が切れていてもTT2から受験できます。
チームテストの有効期限と、永久資格・ゴールドペアとは何ですか?
TT1・TT2ともに有効期限は合格日から1年間で、年1回の受験と合格が必要です。負担を減らすため、TT2にのみ永久資格があり、条件は、TT2に最初に合格した日から半年以上の間隔を空けて2回目を受験し、Aセクションで2回連続40点以上(50点満点)を取って合格することです。退会しても記録は残り、永久資格は無くなりません。永久資格を取得したのちにTT2を3回合格するとゴールドペアの受賞条件を満たし、申請できます。いずれも公式サイトとよくある質問の記載です。
トイプードルやチワワのような小型犬でもチームテストを受けられますか?
受けられます。規定書は血統書の有無にかかわらず全ての犬が受験できるとしていて、大きさ・体重・犬種の条件はありません。公式のよくある質問には、Aセクションでハーネス(胴輪)を使ってよい(その場合は首輪を外す)とあり、規定書では犬に服を着せて受験してよく、「伏せて待つ」で敷物を使ってもよい(審査員に申告)とされています。「横について歩く」は常歩で最低40歩から最大50歩に歩度の変更と群衆が加わる程度で、走らせる課目はありません。Bセクションの診察台の課題に向けて、台の上で立って触られる練習を家でしておくと安心です。
チームテストに向けて、家で何を練習すればいいですか?
課目は特別な芸ではなく、家庭犬のしつけの基本4つです。リードを張らずに横を歩く(引っぱらない散歩)、「おすわり」と「待て」で飼い主が離れても動かない、「伏せ」で待たせて呼んだら来て目の前か横に座る、ほかの犬や人が動いている横でマットの上で伏せて待つ、を毎日の暮らしに割り当てます。Bセクションに向けては、家族以外の人に触られる、人や犬とすれ違う散歩、飼い主が見えない場所で短く待つ、人の食事中に足元で待つ、台の上で立って触られる、の5つの場面を作ります。規定書は犬の動作を飼い主の声の指示だけで行うのが理想とし、Aセクションにおやつやおもちゃを持って入れないので、仕上げは手に何も持たずに指示を出してできたあとに褒める形に移します。会場での体罰は失格、強制首輪は禁止で、日々の練習も罰に頼りません。
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まとめ
OPDES(オプデス)は1999年設立のNPO法人「犬の総合教育社会化推進機構」で、O・P・D・E・Sは機構・推進・犬・教育・社会化の頭文字です。災害救助犬やドッグスポーツの海外の団体に加盟し、チームテストをはじめ7種目を実施しています。チームテストは飼い主と愛犬の「チーム」で受ける犬の社会化認定試験で、血統書の有無・会員かどうか・大きさ・犬種を問わず、生後12か月以上で狂犬病ワクチンを1年以内に受けた犬が受けられます。試験はAセクション(横について歩く・座って待つ・伏せ―呼び寄せ・伏せて待つの4課目・50点満点中35点以上)、Bセクション(人に触られる・人混み・待機・食事中・診察台などから審査員が選ぶ3課題・全部「信頼できる」)、飼い主の筆記(70%以上・一度合格すれば免除)の3部門で、TT1はリード付き、TT2はリードなし、有効期限は合格日から1年、TT2には永久資格とゴールドペアがあります。受け方は、メインサイトで開催日程を見て、会員サイトで登録(非会員でも登録は要る)して申し込み、当日は狂犬病ワクチンの証明、首輪かハーネスのどちらか1つ、手には何も持たない、服と敷物は可、という決まりで臨みます。家での準備は、引っぱらない散歩・おすわりと待て・伏せと呼び戻し・マットでの待機の4つと、人に触られる・人混み・飼い主が離れる・食事中・台の上、の5場面を毎日に割り当てることです。日本の家庭犬訓練試験(CD)は団体の会員の登録犬で生後9か月1日以上、アメリカのCGCは10項目で年齢制限なし、と受けられる犬と段階が違い、チームテストの特徴は実社会でのBセクションと飼い主の筆記です。会場での体罰・強制首輪は失格・禁止で、アメリカの獣医師の学会も、罰を使った方法を勧めていません。リードが張ったまま直らない、ほかの犬が動くと立ってしまう、人に触られると固まるなら、日程を決める前にどの課目のどの段階でつまずいているかをドッグトレーナーに見てもらってください。
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