「犬のしつけに自信がない」「このやり方で合ってるの?」「うちの子だけできないのかも…」
そんな風に感じている飼い主さまは、実はとても多いです。SNSではしつけが完璧に見える投稿が並ぶ一方で、現実には試行錯誤しながら向き合っている方ばかりです。
愛犬の行動に一喜一憂しながら、「本当にこのやり方でいいのかな?」「トレーニングのステップを間違ってるのでは?」と悩む時間。それこそが、しつけを本気で考えている証拠です。だからこそ、自信をなくしてしまったときに“安心できる情報”と“気持ちが軽くなる視点”を持つことが、次の一歩を踏み出す力になります。
この記事では、「しつけに自信がない」と感じる飼い主さまのために、よくある悩みとその原因、そして前向きに取り組むための方法をご紹介しますので是非参考にしてください。
犬のしつけに自信がないのは普通のこと?
「うまくできていないのは自分だけかも…」と感じる瞬間はありませんか? けれども実際には、ほとんどの飼い主さまが同じように悩みながらしつけをしています。SNSで見かける“しつけ成功例”は一部の結果であり、その裏には多くの試行錯誤や時間の積み重ねがあるものです。
完璧に見えるしつけも、失敗の積み重ねの上にあるということを忘れてはいけません。そもそも、しつけは「正解が一つではない」分野です。愛犬の性格や環境によって、やり方も変わって当然なのです。
もちろん、ワンちゃんにプロであるドッグトレーナーでさえ、時間をかけて試行錯誤を繰り返し最適解を見つけてトレーニングに励んでいます。特に初めて飼われる初心者であれば悩んでしまうのも当然のことだと思います。
ここでは、しつけに自信をなくしてしまう飼い主さまがよく抱える悩みを整理して、まず「自分だけじゃない」と安心できる視点をお伝えします。
飼い主さまが抱えやすい不安とは?
・うまくしつけができないと落ち込んでしまう
・他のワンちゃんと比べてしまう
・何が正解か分からない
・自分が悪いのかも…と責めてしまう
・成果が出ないと「向いてないのかも」と思ってしまう
これらの気持ちはどれも自然な感情です。初めてのしつけトレーニングは、分からないことだらけで当然です。「こうしなきゃ」というプレッシャーを一度手放すことも大切です。
中でも、SNSの普及により他人との比較をしてしまう方が多くなり、育犬ノイローゼになってしまう方も一定数いるのも事実です。
育犬ノイローゼについて詳しい記事はこちら↓
【育犬ノイローゼ】犬のしつけに困り果て飼い主が疲れていませんか?

しつけがうまくいかない原因は?
「どうしてうちの子は言うことを聞いてくれないんだろう…」「他の子はもっとお利口なのに」と、しつけに苦戦する飼い主さまが抱えるモヤモヤ。その背景には、実は“間違ったやり方”よりも、“合っていないやり方”や“環境のすれ違い”が多く隠れています。
ここでは、よくある「うまくいかない理由」を整理しながら、不安の正体に向き合ってみましょう。
ワンちゃんの性格・個性を理解できていない
ワンちゃんにも「おっとり型」「慎重派」「活発タイプ」など、性格があります。すべての子が同じように学習するわけではないため、タイプに合わせた対応が必要です。
犬=○○とイメージが固定してしまっているケースが多く、例えば「犬=ドッグラン大好き」というイメージがあることでワンちゃんが実は他のワンちゃんが苦手にも関わらず無理矢理連れて行ってしまい他の子に吠えるようになってしまった。なんていうことも少なくありません。
ワンちゃんの性格も千差万別であることを理解することが最初の一歩です。
教え方がバラバラになっている
ご家族によって指示の仕方や反応が違うと、ワンちゃんが混乱してしまいます。ご家庭内でコマンドや対応を統一することが、しつけ成功のカギになります。
例えば、お母さんに飛びついたら叱られるけどお父さんに飛びついたら喜んで遊んでくれた、など対応が統一されていないケースは日常生活の中に潜んでいることが多いため、一貫性をもったルール作りが必要です。
詳しい内容はこちらを参考にしてください↓
【犬のしつけ】家族内でルールが統一できないときの解決法とは?
成功体験が積み上がっていない
できたときにしっかり褒める・ご褒美をあげるなど、ポジティブな強化が足りないと、ワンちゃんのやる気や理解も進みにくくなります。
しつけトレーニング方法は飼い主さまやドッグトレーナーによっても様々です。
しかし、言葉が通じないワンちゃんにとって一番理解させやすく、繰り返しできるようになるのは「成功体験による自信」です。
○○したら飼い主さまが喜んでくれて沢山褒めてくれたという経験が行動に自信を持てるようになり、その結果、習得していたという方法が家庭犬として快適に過ごせる要素になります。
自信がないからこそ、吠えてしまったり問題行動を誘発してしまうこともあるので、自信を持たせることが重要なのです。
飼い主さま自身が不安になっている
上記の続きですが、飼い主さまが不安そうに教えていると、その気持ちはワンちゃんにも伝わってしまいます。自信のなさが、ワンちゃんの落ち着かなさに繋がることもあるのです。
ワンちゃんは飼い主さまの感情を読み取る力があります。一緒に不安を感じてしまう子や飼い主さまを守ろうと他の人・モノなどに攻撃的になる子、最悪の場合はワンちゃんから信用されず言うことを全く聞かなくなるケースもあります。
飼い主さま自身が胸を張り、自信をもって行動することはワンちゃんとの暮らしには必須条件といえるほど重要なポイントになるので心掛けるようにしましょう。

自信がないときに試したいしつけの工夫
「しつけに自信がない」と感じたときこそ、立ち止まって小さな工夫を見直してみるチャンスです。完璧を求めるよりも、“できたこと”に目を向けたり、環境を整えたりすることで、愛犬との関係にポジティブな変化が生まれます。
ここでは、しつけに悩んでいる飼い主さまに向けて、今日から取り入れられる前向きな工夫をいくつかご紹介します。
「できていること」に目を向ける
できないことばかりに目が向くと落ち込みやすくなりますが、しつけは長い目で見ることが大切です。「目が合うようになった」「おすわりの反応が早くなった」など、小さな成長に目を向けてみましょう。
全てのしつけトレーニングは、飛び級はなく基礎トレーニングからの派生で学びます。
できることを当たり前にできるレベルまであげることは次のステップに大切なスキルなので前向きに励みましょう。
環境を変えるだけで変わることも
例えばトイレトレーニングがうまくいかない場合、トイレの場所や素材、時間帯を変えるだけで改善することがあります。叱るのではなく、成功しやすい環境を整えることもひとつの「しつけ力」です。
ドッグトレーナーに相談すると、正しいと思っていたことが間違っていたり、たった一つの行動や変化でワンちゃんのしつけが上手くいった事例は沢山あります。そういった気付きを与えてくれるのもドッグトレーナーに相談するメリットの一つとも言えるでしょう。
ワンちゃんのモチベーションを再確認する
食べ物・遊び・声かけなど、どんなご褒美に反応するかを再確認して、やる気を引き出せる工夫を取り入れましょう。「褒め方が合っていなかった」だけで変わることも多いです。
日常生活の慣れや成長に伴い好みが変わってしまうこともあるので、常にワンちゃんの変化に気付いてあげることを心掛けましょう。
しつけは一人で抱え込まなくていい
工夫と言えるのか分かりませんが、困ったときは専門家を頼ることも選択肢の一つです。
無料相談やグループレッスンなど、気軽に利用できるものもあります。
ワンちゃんのしつけトレーニングは根気のいるものです。しかし、友人に相談したくても生活環境が異なるため参考にならない、ダメな飼い主と思われたくない、犬友達がいない、など気が付けば孤独になっていたというケースも少なくありません。
ご家族内でもルールを統一させたくても、みんなバラバラで上手くいかないこともあるでしょう。一人で抱え込まずにドッグトレーナーに相談するという選択肢は持っておきましょう。相談できる相手がいるという安心感はワンちゃんとの信頼関係にも直結する安心材料となるはずです。
飼い主さまと愛犬のペースで大丈夫
しつけに悩むのは、「愛犬のことを大切に思っている」証拠です。
誰だって、初めから完璧なしつけができるわけではありません。雑誌やSNSでは理想的なしつけが紹介されている一方で、現実のしつけはもっと泥臭く、試行錯誤の連続です。
けれども、焦らなくていいのです。ワンちゃんは、飼い主さまの声や表情をちゃんと見ています。日々の関わりや声かけ、寄り添いの積み重ねが、信頼と安心につながっていきます。
しつけの正解は1つではなく、飼い主さまとワンちゃんに合った方法を見つけていくことが大切です。誰かのやり方ではなく、自分たちらしいペースと関係を育てていきましょう。
自信をなくしたときは、「今できていること」「うまくいっている瞬間」を意識してみてください。どんなに小さくても、それは愛犬との信頼の証です!
まとめ
ワンちゃんのしつけに自信がないと感じたときは、自分を責めるのではなく、「もっと良い方法を探そう」と視点を変えてみましょう。しつけは一発勝負ではありません。時間をかけて、失敗しながら、少しずつ積み重ねていくものです。うまくいかないことがあっても、それを一緒に乗り越えようとする気持ちこそが、信頼関係を深めていきます。誰かと比べず、あなたとワンちゃんのペースで、楽しみながら進んでいきましょう。