フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

愛犬を叱ったら自信を無くしてしまった場合の対処法を詳しく解説

犬の育て方
叱られて反省する犬

ワンちゃんを育てる中で、飼い主様がしつけの一環として叱る場面もあるかもしれません。しかし、過度に叱ってしまうことで、ワンちゃんが自信を無くし、不安を感じるようになる場合があります。本記事では、叱ったことで自信を無くしてしまったという課題を解決するために、具体的な対処法や再び信頼関係を築く方法を詳しく解説します。

ワンちゃんが自信を無くしてしまう理由

ワンちゃんが自信を無くす原因の一つに、飼い主様の叱り方があります。たとえば、トイレの失敗や家具をかじったときに、感情的になって大声で叱るケースがよく見られます。また、お散歩中に他の犬に吠えたときに強く引っ張ったり、叱る時間が長引いたりすることも、ワンちゃんの自信喪失につながりやすいです。それでは、下記にて詳しく説明します。

叱り方が原因になることも

・大声で叱る
・長時間にわたる叱責
・ワンちゃんが理解できないタイミングでの叱り

これらの叱り方に対してワンちゃんは飼い主様の声や表情から感情を敏感に読み取ります。そのため、感情的に叱ってしまうと、混乱や恐怖心を与えてしまうことがあります。これが続くと、ワンちゃんの行動に悪影響を与え、学習能力や信頼感が低下する可能性があるでしょう。

叱り方について詳しく読みたい方はこちら↓
犬のしつけで正しい叱り方とは?「怒る」ではなく「叱る」を意識しよう

環境のストレス

叱ること自体が原因ではなく、他のストレス要因も影響することがあります。

・環境の変化(引っ越しや新しい家族の増加)
・他のペットとの関係
・日常生活のリズムの乱れ

これらが重なると、ワンちゃんの精神的な負担が大きくなり、自信を失いやすくなります。特に、ワンちゃんが新しい状況に慣れるまでに時間がかかる場合は、慎重な対応が必要です。

遺伝的な性格の影響

ワンちゃんの性格には遺伝的な要因も影響することがあります。もともと敏感で繊細な性格のワンちゃんは、叱られることによるストレスを強く感じやすい傾向があります。このような場合、叱るしつけよりも、褒めるしつけがより効果的です。

ワンちゃんの性格は千差万別で、叱られて伸びる子や褒められて伸びる子、他のワンちゃんから学ぶ子や飼い主様が喜ぶ姿を率先して行動に移す子など様々なタイプの子がいるため、愛犬にあった叱り方(覚えさせ方)があるので注意しましょう。

自信を無くした時のサイン

叱られて反省する犬

ワンちゃんが自信を無くしているかどうかを見極めるためには、以下のような行動をチェックしましょう。

典型的なサイン

・飼い主様を避けるような行動をとる
・元気がなく、食欲が低下する
・しっぽを下げて歩く
・指示に対して反応が鈍くなる
・他の犬や人と接するのを嫌がる

その他の注意が必要なサイン

・部屋の隅でじっとしていることが増える
・呼びかけに対して反応が遅れる、または反応しない
・睡眠時間が増える
・過剰な舐め行為や自傷行為をする

これらの行動が見られた場合、早めに対策を講じることが重要です。特に、軽視してしまうと、長期的な行動問題に発展する可能性があります。

ワンちゃんは話すことができないため、読み取ることが難しいと感じることが多いかと思いますが、これらのサインのように特徴的な行動をとることがあるので見逃さないように注意することが必要でしょう。

自信を取り戻すための具体的な対策

自信を無くしてしまったワンちゃんに自信を取り戻すための対策を具体的に解説します。
一度、自信を無くしてしまうとトラウマのようになり日常生活も悪循環が生じることがありますが、しっかりとワンちゃんと向き合えば元の状態に戻すことも十分に可能ですので諦めずに以下の方法をお試しください。

ポジティブな声かけと褒める習慣をつける

ワンちゃんが自信を取り戻すには、叱るよりも褒めることが効果的です。

・小さな成功でも大げさに褒める(「お座り」や「待て」ができたときなど)
・落ち着いた声で優しく話しかける
・名前を呼びながら笑顔で接する

上記のように大きな変化や行動は必要なく、ゆっくりと時間をかけましょう。
褒める際には、ワンちゃんが喜ぶおやつや遊びを取り入れると、さらに効果的です。
また、褒めるタイミングが重要で、成功した直後に褒めることで、ワンちゃんが自分の行動とご褒美を結びつけやすくなります。

叱る代わりに無視を活用する

問題行動を止めさせたい場合、必ずしも叱る必要はありません。無視を使うことで、ワンちゃんに冷静に行動を見直させることができます。

・問題行動が起きたら目を合わせず、無視する
・落ち着いたらすぐに褒めてポジティブな行動を強化する
・トイレの失敗は無表情で静かに掃除する

無視を活用することで、ワンちゃんにプレッシャーを与えず、自然に正しい行動を学ばせることができます。

補足として、ワンちゃんが飼い主さまの気を引こうとわざと失敗することもあります。
叱っているつもりでも、ワンちゃんにとって叱られている実感はなく、飼い主さまが構ってくれたと認識している子の場合は無視することが効果的な場合があります。

ボディランゲージを利用する

ワンちゃんは、飼い主様の体の動きから感情を読み取ります。リラックスした姿勢や優しい動きで接すると、安心感を与えることができます。例えば、ワンちゃんの目線に合わせてしゃがみ込み、優しく手を差し伸べるだけで、ワンちゃんは安心感を覚えることがあります。

上下関係を構築しようとワンちゃんに対して威圧的な態度で接してしまうのはNGです。
特に男性の場合は体も大きく声も低いためワンちゃんが怯えてしまうことがあり、飼い主さま以外の人に対して警戒して吠える原因となることもあるので注意しましょう。

ストレスを軽減する環境作り

ワンちゃんが安心して過ごせる環境を整えることも重要です。例えば、ワンちゃんが安心して過ごせるクレートを設置したり、リラックスできるマットやお気に入りのおもちゃを配置することで、安心感を与えることができます。また、静かで落ち着いた場所にそのスペースを設けると、ストレスを軽減しやすくなります。

・静かな場所に専用のスペースを用意する
・規則正しい生活リズムを維持する
・適度な運動や遊びを取り入れる

これらのようにストレス軽減には、お散歩や自然との触れ合いも効果的です。特に、新しい散歩コースを試したり、ドッグランや公園で遊ぶ時間を設けると、ワンちゃんの気分転換になります。

また、散歩コースを選ぶ際には、安全性を最優先に考えましょう。慣れるまでは交通量の少ない道や人混みを避けられるルートがおすすめです。また、他の犬や人との接触をコントロールしやすい場所を選ぶと安心です。初めて訪れる場所では、地面の状態(ガラス片や鋭利な物がないか)や周囲の環境を確認し、ワンちゃんがリラックスできるよう心がけてください。

ワンちゃんとの信頼関係を再構築するために

叱られて自信を無くした子が自信を取り戻そうと向き合っている犬

ワンちゃんとの絆を深めるためには、一緒に楽しい時間を過ごすことが不可欠です。例えば、ボール遊びやフリスビーなどの運動系の遊びは、エネルギーを発散させるだけでなく、コミュニケーションを深める良い機会になります。また、隠されたおやつを探すゲームや、簡単なトリックを教える知育遊びも、ワンちゃんの知的好奇心を刺激し、自信をつけるのに役立ちます。下記で詳しく解説します。

楽しい時間を共に過ごす

・お散歩やドッグランで遊ぶ
・知育玩具を使って頭を使う遊びをする
・マッサージやスキンシップでリラックスさせる

特に、知育玩具を使った遊びは、ワンちゃんの頭を使うことで自信をつける手助けになります。また、マッサージを通じてリラックスを促すことで、飼い主様との信頼感が強まります。

リラックスポジションを詳しく読みたい方はこちら↓
ケアが嫌いな犬との信頼関係を構築するリラックスポジションについて

おすすめのおもちゃを知りたい方はこちら↓
愛犬がおもちゃで遊ばないのはなぜ?その理由と対策について解説

一貫性のあるしつけを行う

ワンちゃんが混乱しないよう、一貫性のあるしつけを心がけましょう。

・家族全員でしつけ方法を統一する
・同じコマンドを使う(例:「待て」「おいで」)
・過度な期待をせず、小さな進歩を喜ぶ

一貫性を保つことで、ワンちゃんが混乱せず、安心して行動を学ぶことができます。
これら3つのポイントを意識してしつけトレーニングを行いましょう。また、短期的な結果を求めるのではなく、長期的な視点で取り組むことが重要です。

ワンちゃんの心のケアは飼い主次第

ワンちゃんが自信を無くした場合、飼い主さまの対応が鍵となります。叱ることを控え、褒める習慣をつけることで、ワンちゃんは安心感を取り戻し、自信を持てるようになります。

また、ワンちゃんの個性や性格を理解し、それに合わせた対応を心がけることが大切です。ポジティブなコミュニケーションとは、ワンちゃんに対して優しい声で話しかけたり、笑顔で接したりすることです。たとえば、「いい子だね」「がんばったね」といった肯定的な言葉を使い、ワンちゃんが安心感を持てるようにします。また、体を撫でたり、穏やかなトーンで名前を呼ぶことも効果的です。こうした接し方は、初心者の飼い主様でもすぐに取り入れられる方法であり、ワンちゃんとの絆を深めるための第一歩となるでしょう。

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