「犬を飼いたいけれど、室内でも快適に過ごせる犬種はどれ?」と疑問を抱いている方もいるでしょう。特にマンションやアパートに住んでいる場合、犬の吠え声や運動量、抜け毛など、室内飼いに関する悩みは付き物です。しかし、犬種ごとの特性を理解すれば、ストレスの少ない飼育環境を整えやすくなり、快適で愛情あふれる暮らしが実現します。
当記事では、室内で犬を飼うメリット・デメリットを整理した上で、室内飼育に向いている犬種の特徴、人気室内犬をランキング形式で10種紹介します。犬を飼うのが初めての方や、犬種選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。
犬を室内で飼うメリット・デメリット
犬を室内で飼う場合は、暮らしの中で犬との距離が近くなる分、魅力的なメリットもあれば、デメリットに感じられることもあります。ここでは、室内飼いの特徴を整理して紹介します。
犬を室内で飼うメリット
犬を室内で飼うことには、暮らしやすさや安心感につながるさまざまなメリットがあります。
- 飼い主が体調の変化に気付きやすい
室内で一緒に過ごす時間が長いと、犬の食欲や動き、排泄などの異変にいち早く気付くことができます。病気の早期発見・予防につながり、健康管理がしやすくなります。 - 脱走や事故に遭うリスクを減らせる
屋外飼いでは、リードが外れたり、囲いをすり抜けたりして犬が逃げてしまい、交通事故や盗難などの危険性もあります。室内飼いであれば、脱走や事故などのリスクを軽減できます。 - 一緒にいる時間が長くなる
同じ空間で生活することで、犬とのふれあいが増え、信頼関係が深まります。日常的にスキンシップを取ることで、犬のストレス軽減や飼い主との絆の強化にもつながるでしょう。 - しつけがしやすい
常に目の届くところにいるため、よい行動をその場で褒めたり、問題行動をすぐに注意したりするなど、効果的にしつけができます。生活のルールを覚えさせやすく、無駄吠えやいたずらの抑止にも役立つでしょう。
犬を室内で飼うデメリット
犬を室内で飼うことには多くのメリットがありますが、住環境やライフスタイルによっては注意点もあります。
- 抜け毛やニオイが発生する
犬種によっては抜け毛が多く、こまめな掃除やブラッシングが必要です。また、ニオイが気になる場合は、定期的な換気や清掃を心がけましょう。日々のケアで清潔な室内環境を保つことが大切です。 - 部屋の中をいたずらされる
「家具や壁をかじる」「物を散らかす」などのいたずらは、子犬やしつけ途中の犬に多く見られます。しつけと同時に、かじられたくない物を片づけるなど、飼育環境を整えることで予防につながります。 - 誤飲する可能性がある
室内には薬や小物など、犬にとって危険な物もあります。誤って口にしてしまうと大きな事故につながることもあるため、犬の届かない場所に保管するなどの安全対策が必要です。特に子犬期には目を離さないようにしましょう。
室内飼いに向いている犬種の特徴
室内で犬と一緒に快適に暮らすためには、種類ごとの特性を理解することが重要です。ここからは、室内飼いに適した犬に共通する特徴を解説します。
サイズが大きすぎない
室内飼いに向いている犬種の特徴として、まず挙げられるのが「体のサイズ」です。日本の住宅事情では、特にマンションやアパートといった集合住宅において、大型犬を飼うのはスペース的に難しい場合があります。
小型犬や超小型犬であれば、限られた室内空間でも快適に過ごせる上、散歩や移動の負担も軽減できます。ペット可物件でも「小型犬のみ可」とされていることが多いため、犬を室内で飼いたいときはまず小型犬が選択肢に入るでしょう。
あまり吠えない
犬の吠え声は、集合住宅などの住環境では大きな問題になりかねません。特に壁が薄く音が響きやすい物件では、犬の鳴き声が近隣トラブルの原因になることもあります。そのため、室内で飼う犬は「吠えにくい性質」を持つ犬種を選ぶと安心です。
もちろん、どのような犬でも吠えることはありますが、吠えにくい犬種を選び、さらに適切なしつけを行うことで、無駄吠えを減らすことは可能です。室内で犬を飼う際は、吠え癖を直すトレーニングも押さえておきましょう。
穏やかでしつけやすい性格をしている
犬を室内で飼う場合は、性格の穏やかさやしつけやすさも大切です。攻撃的な性格の犬種や落ち着きのない犬種は、限られた空間の中でトラブルを起こすことがあります。特に小さな子どもや高齢者がいる家庭には、穏やかで人懐っこい性格の犬種が望ましいでしょう。
また、しつけがしやすい犬種であれば、トイレトレーニングやいたずら防止などのルールを早く覚えやすく、室内生活のストレスも軽減できます。犬を飼うときは、飼い主と犬の双方にとって心地よい関係を築くことが理想です。
運動量が少ない
運動量が多い犬種は、狭い室内ではストレスが溜まりやすくなります。活発で遊び好きな犬にとっては、室内だけの生活では運動が足りず、問題行動につながるケースも考えられます。
反対に、運動量が少ない犬種であれば、軽い遊びや1日1~2回の短めの散歩でも満足できるため、忙しい方や高齢者の方にも向いています。限られたスペースでも落ち着いて過ごせる犬種を選ぶことで、犬にとっても快適な生活環境を整えやすくなるでしょう。
ニオイや抜け毛が少ない
犬を室内で飼う上で「清潔感」が気になる方もいるでしょう。抜け毛が多い犬種は掃除の手間が増え、アレルギーのリスクも高まるため、アレルギー反応が出やすい方や犬アレルギーが心配な方は抜け毛の少ない犬種を選ぶと安心です。
また、皮脂分泌が少なく被毛の短い犬種であればニオイが出にくく、室内環境を清潔に保ちやすくなります。とはいえ、どのような犬にも日常的なケアは必要です。こまめなブラッシングやシャンプーを行い、衛生的な空間を維持しましょう。
室内で飼うのがおすすめの犬種TOP10
室内飼いに適した犬種には、それぞれ異なる魅力や特徴があります。ここでは、初心者でも飼いやすく、室内での暮らしに向いているおすすめの犬種をランキング形式で紹介します。
トイプードル
トイプードルは、体長と体高がほぼ等しいスクエア体型と、ふわふわの巻き毛とぬいぐるみのような愛らしい見た目が人気の超小型犬です。非常に賢く、しつけがしやすい性格のため、初めて犬を飼う方にもおすすめの犬種です。無駄吠えが少なく、人懐っこくてフレンドリーな性質を持っており、他の犬や子どもとも仲良くできます。
無駄吠えが少なく、集合住宅でも安心して飼える点も魅力です。被毛はシングルコートで抜け毛が少ないため、部屋の中が毛だらけになりにくく、清潔に保ちやすいのも室内飼育に向いている理由の1つです。運動好きな一面もありますが、広いスペースは不要で、室内での遊びや短時間の散歩で満足できます。多彩なカットスタイルができるので、外見のおしゃれを楽しみたい飼い主にもぴったりです。
チワワ
チワワは、大きな瞳と丸い頭(アップルヘッド)を持つ愛らしい見た目が特徴の世界最小級の超小型犬です。短くなめらかな毛並みのスムースコートと、ふんわりとした長毛のロングコートの2タイプがあります。抜け毛は多めのダブルコートですが、日常的なブラッシングで対処できます。
性格は甘えん坊で活発、好奇心旺盛で勇敢な一面もあります。飼い主に対する愛情が深く忠実ですが、警戒心が強く臆病な面もあるため、初対面の人には吠えてしまうことがあります。室内でもよく動き回りますが、体が小さいため必要な運動量は多くなく、1日2回10~20分程度の散歩で十分です。寒さに弱いので、防寒対策をしながら、室内での生活を快適に整えてあげましょう。
パグ
パグは、つぶれた鼻とシワの多い顔、くるりと巻いたしっぽが特徴的な小型犬です。短くなめらかな毛並みを持ち、フォーンやブラックなどの毛色がよく知られています。性格は非常に愛情深く、明るく社交的で家族と過ごすことが大好きです。一方で、少し頑固なところもあり、しつけには根気と一貫性が求められます。怒るよりも褒めて伸ばすスタイルが向いています。
室内飼育に向いている理由として、無駄吠えが少なく比較的穏やかな気質であることが挙げられます。また、運動量は多くないため、1日2回20~30分の散歩で十分です。ただし、太りやすく暑さに弱い体質のため、室内でも適切な温度管理とこまめなケアが必要です。抜け毛は多めなので、毎日のブラッシングで清潔を保ちましょう。
ミニチュアダックスフンド
ミニチュアダックスフンドは、胴長短足の体型と豊かな表情が魅力の小型犬です。毛質はスムース・ロング・ワイヤーの3タイプがあり、それぞれに性格の傾向が見られるのが特徴です。スムースは好奇心旺盛で活発、ロングは温厚で甘えん坊、ワイヤーはやんちゃで自立心が強い傾向にあります。
いずれも人懐っこく、飼い主に忠実で遊び好きな性格をしており、小さな子どもの遊び相手にも向いています。しつけは比較的しやすいですが、もともとの狩猟本能から警戒心が強く、吠えやすい面もあるため、子犬の頃からのトレーニングが重要です。運動量はやや多めで、1日2回30分程度の散歩が理想です。明るく陽気な性格で、家族の一員として楽しい日々を過ごせる、室内飼いにぴったりな犬種です。
ヨークシャーテリア
ヨークシャーテリア(通称ヨーキー)は、「動く宝石」とも称される美しい被毛と、黒く輝く大きな瞳が魅力の超小型犬です。長くまっすぐ伸びるシルクのような被毛は、トリミングで多彩なスタイルを楽しめる点でも人気を集めています。賢く飼い主に従順ですが、独立心が強く頑固な面もあるため、しつけは根気強く行うことが大切です。吠えグセを防ぐためには、甘やかしすぎずメリハリのある対応が求められます。
性格は活発で好奇心旺盛、体は小さくても勇敢な気質を持ち、自信に満ちた堂々とした一面もあります。運動量は多くありませんが、毎日の散歩や遊びでストレスを発散させることが大切です。シングルコートで抜け毛は少ない反面、被毛が絡まりやすいため、日々のブラッシングと月1回程度のトリミングで美しさを保ちましょう。
狆
狆(ちん)は、短く詰まったマズルや丸く大きな瞳、ふんわりとした被毛が特徴の小型犬です。日本で誕生した由緒ある愛玩犬で、歩く姿は優雅で気品があり、静かな美しさを持つ犬種として世界でも愛されています。性格は物静かで穏やか、人懐っこく飼い主への愛情が深いのが特徴です。活発に走り回るタイプではなく、飼い主のそばで静かに寄り添うことを好みます。
無駄吠えが少なく、落ち着いた性格から室内でとても飼いやすく、初めて犬を迎える方や高齢者の方にも向いています。運動量は少なめで、軽い散歩や室内遊びで十分です。抜け毛は少ないものの、柔らかい被毛は絡まりやすいため、日々のブラッシングで美しさと健康を保ちましょう。静かな環境でゆったりと暮らしたい場合に理想的な室内犬です。
マルチーズ
マルチーズは、シルクのような純白の被毛とつぶらな瞳が魅力の小型犬です。古くから愛玩犬として親しまれてきた歴史があり、小さな体に明るさと愛らしさを兼ね備えています。被毛は抜け毛が少ないシングルコートですが、細く絡まりやすいため、毎日のブラッシングや定期的なトリミングが必要です。
性格は陽気で甘えん坊、家族に対して深い愛情を示し、人懐っこく穏やかな性格です。一方で警戒心が強く、初対面の人や犬に吠えることもありますが、しっかりとしつけをすれば社交的になります。賢く、飼い主に褒められるのが大好きな性格なので、褒めて育てるしつけが効果的です。活発で好奇心旺盛な面もあり、毎日の散歩や室内での遊びは欠かせません。見た目も性格も可愛らしく、初心者からシニア層まで幅広い家庭で飼いやすい室内犬です。
ポメラニアン
「ポメ」の愛称でも親しまれるポメラニアンは、ふわふわとした豊かな被毛と愛らしい表情が魅力の小型犬です。直立した三角形の耳、大きな瞳、背中に巻き上がるしっぽが特徴的で、顔立ちは「きつね顔」と「たぬき顔」の2タイプに分かれ、それぞれ異なる魅力を持っています。被毛はダブルコートで毛量が多く、換毛期には抜け毛が増えるため、毎日のブラッシングが必要です。
警戒心が強く吠えやすい傾向があり、知らない人や物音に敏感に反応するため、子犬の頃からの社会性を身に付けさせるしつけが欠かせません。しかし、学習能力は高いことからしつけしやすく、明るく活発で甘えん坊、好奇心旺盛な性格です。元気で遊び好きなので、1日2回15~30分程度の散歩に加え、室内遊びも取り入れましょう。
シーズー
シーズーは、丸い顔に大きな瞳、そして長く美しい被毛が特徴の小型犬です。「小さなライオン」という意味を持つその名の通り、気品のある姿と豊かな被毛が魅力です。抜け毛は少なめですが、柔らかく絡まりやすい被毛のため、毎日のブラッシングと定期的なシャンプーが欠かせません。
性格は基本的に人懐っこく穏やかで忠実、小さな子どもや他の動物にも友好的です。一方で、マイペースでプライドが高く、頑固な一面もあるため、しつけは子犬期から丁寧に行うことが大切です。飼い主に褒められることで学習意欲が高まり、礼儀正しい成犬へと成長してくれるでしょう。また、運動不足や肥満を防ぐため、1日2回の散歩や適度な室内遊びも必要です。
ミニチュアシュナウザー
ミニチュアシュナウザーは、立派な眉と口ひげが特徴的な小型犬です。作業犬としての歴史から警戒心が強く、吠えやすい傾向があるため、子犬の頃からの社会化としつけが重要です。頭のよさを生かし、遊びの中にトレーニングを取り入れると、楽しくしつけを進められるでしょう。
飼い主には従順で甘えん坊な一面もあり、家庭犬として非常に飼いやすい犬種です。他の犬や人とも仲良くなりやすいので、子どもがいる家庭にも向いています。毛質は硬いワイヤーヘアのダブルコートで、抜け毛は少ないですが絡まりやすいため、毎日のブラッシングが欠かせません。月1回のシャンプーに加え、2~3か月に一度のトリミングで、清潔感のあるスタイルを維持しましょう。運動量がやや多いため、1日2回30分以上の散歩が理想です。
犬を室内で飼うときの部屋の作り方
犬と快適に暮らすためには、人の生活空間と犬の安心スペースのバランスを取ることが大切です。以下では、犬を室内で飼う際に意識したい部屋づくりのポイントを4つ紹介します。
- 安心して過ごせる専用スペースを設ける
犬は縄張り意識のある動物なので、落ち着けるパーソナルスペースが必要です。ケージやサークルは、人の動線や窓際、テレビのそばなどを避け、静かでリラックスできる場所に配置しましょう。空調の真下や真横も避け、温度・湿度管理を意識してください。 - 床は滑りにくく、安全な素材にする
フローリングは滑りやすく、関節を痛める原因になります。クッションフロアや滑り止めマット、専用ワックスなどで対策をしましょう。犬用マットを活用すれば、足腰の負担を軽減できます。 - トイレは静かな場所に設置する
犬は騒がしい場所では排泄しにくいため、トイレは人の出入りが少ない静かな場所に置きましょう。掃除のしやすさも考慮して、衛生的に保てるスペースがおすすめです。 - ゲートを活用して危険な場所への侵入を防ぐ
誤飲・転落・火傷のリスクがあるため、キッチンや浴室、階段、玄関などは、ペットゲートなどでしっかりガードしましょう。犬の行動範囲を決めることで安全性が高まります。
まとめ
室内で犬を飼う際は、飼い主との距離が近くなることで愛着や健康管理のしやすさなど多くのメリットがあります。一方で、抜け毛やニオイ、いたずらなどへの対策も必要です。愛犬とともに快適な室内生活を送りたい場合は、サイズが大きすぎず、吠えにくく穏やかな性格で、手入れやお世話がしやすい犬種を選ぶことが重要です。
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