フローエンスメディアライター 大久保 祐太

しつけやトレーニングに関する記事を弊社ドッグトレーナーを通し、分かりやすく実践しやすい記事を発信します。
また、私自身がしつけに大きく悩んだ経験があるため、飼い主様にできる限り寄り添える記事を目指します!

犬歴

  • ゴールデンレトリーバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • オーストラリアンキャトルドッグ

資格

  • ペット災害危機管理士2級 講師
  • 家庭動物管理士
  • ペット防災生活アドバイザー
  • ペット・トラベルアドバイザー

愛犬のトレーニングにチョークチェーンは使うべき?正しい使い方とは

しつけトレーニング トレーニング

ワンちゃんのトレーニングにチョークチェーンを使うか悩んでいる飼い主さまも多いかと思います。トレーニングに関してネットで検索するとチョークチェーンを用いて行っていることが多く、またホームセンターなどで手軽に買えるため使ったことはないけど存在は知っている方も少なくないでしょう。今回は手軽に購入できるチョークチェーンについてお伝えしますので是非参考にして頂ければと思います。

チョークチェーンは使うべき?

正直、私たちフローエンスのドッグトレーナーとしての意見は「使うべきではない」という考えです。より細かくいうと正しい使い方で使用できないのであれば使わない方がいい、とお伝えしています。

なぜならば、チョークチェーンはトレーニングの器具としては悪くありませんが、使い方を間違ってしまうとワンちゃんを傷つけてしまうからです。

特に小型犬サイズのチョークチェーンも売られていますが、力加減を間違えたら小さな身体に重大なダメージを与えてしまうのでおすすめはできません。

チョークチェーンとは

そもそも、チョークチェーンをご存じない方に簡単にご紹介すると、チェーンを輪に通して引っ張ると自動的に締まり、テンションを掛けなければ緩むものです。

そのため、引っ張り癖のある子に使用すればずっと首を締めている状態になりますし、飼い主さまが強く引けば強く締まるものとなります。

本来は訓練やしつけなどで使用し、ワンちゃんの意識を向けさせる器具となります。指示を聞かない、もしくは興奮して聞こえない時に首が締まることで「おっと、びっくり」と気付かせる時に使用します。

何度も言うようですが、意識を向けさせる目的であっても構造的に首が締まるようになっているため強い表現でいうと【罰を与えて意識を向かせる】もののため、使い方が分からない状態での使用は様々なリスクがあるのです。

悪いものではないですが、プロ仕様もしくはプロからきちんと使い方を教わった人向けであることがお分かり頂けたかと思います。

種類

チョークチェーンの中でも多くの種類があるので、こちらもご紹介します。
※首が締まる同じ構造のものをまとめました。

・チョークチェーン
上記でお伝えしたものです。

・ハーフチョーク
チョークチェーンは全体がチェーンで絞り幅も無制限なのに対し、ハーフチョークは喉元だけがチェーンとなり、絞り幅にも限界があります。小型犬のトレーニングに使うのはハーフチョークがおすすめです。

ハーフチョークの中でもチェーンではなく生地で出来ているものもあるので、チェーンが擦れる音が気になる子であればおすすめです。

マーチンゲールとも呼ばれておりデザインも豊富なため気になる方はチェックしてみてください。

・スパイクチェーン

主に大型犬や使役犬など体力やパワーが強い子に使用するもので、内側にスパイクとなる金具が出ており締まると金具が首に刺さってくるものとなります。

こちらは一般的には使用する機会はなく、見かけることも専門店でなければないと思います。また、スパイクチェーンを使うのはプロのトレーナーのみであり、熟練者向けです。

チョークチェーンの正しい使い方

実際にチョークチェーンを正しく使えるようにお伝えしますが、こちらの記事を読み知識を入れた状態でドッグトレーナーに相談して直接レクチャーを受けることを強くオススメします。

テンションをかけるタイミングや使った後のワンちゃんへのフォローなど実際に見て覚える方が確実に理解を深めることができるでしょう。

サイズ選び

首に通してちょっと余裕があるくらいのサイズが理想的です。
あまり緩すぎるとワンちゃんに指示が伝わるのにラグが生まれてしまうため、適正なタイミングからズレてしまう可能性があります。
目安ではありますが、メジャーなどで測る際は首回り+ 5〜10センチの長さくらいです。
不安な場合はスタッフやトレーナーに測ってもらうのがいいでしょう。

正しい付け方

トレーニングをする際は耳のうしろに当てるイメージで使用し、集中力が抜けてきた場合などに「こっちだよ」程度に使用するだけであれば首の位置で大丈夫でしょう。

しかし、耳のうしろや首の位置、また犬種によっても異なるため、実際にドッグトレーナーに会ってレクチャーを受けることがおすすめです。文章で上手く伝えようとしても感じ方によって捉え方が変わってしまう可能性があるので、それほどにチョークチェーンの扱い方は難しいと思って頂ければと思います。

正しい使い方

チョークチェーンの正しい使い方について、引っ張り癖のある子には不向きだということを前提にお伝えします。その理由については、チョークチェーンが緩んでいる状態がスタート姿勢となるからです。

上記でお伝えした通り、緩んでいる状態から締まることで意識を向けるため最初から締まっている状態であれば本来の使い方と異なり、ただ首が締まって苦しいだけになってしまいます。
緩んだ状態でスタートし、意識を向けたい時、いけないことをしている時、注意が散漫になった時にテンションをかけてください。

テンションをかける力ですが、手首の力でくくっとする程度で大丈夫です。
正しい位置についていればしっかり伝わるでしょう。
腕の力を使う場合は、興奮して飼い主さまの声が届いていない時や突発的に他のワンちゃんに攻撃しそうな時など、いざという時くらいです。

力を入れた分だけ締まってしまうので、トレーニング中は手首の力だけで十分だということを覚えておきましょう。

そして、最後は必ず緩めることを忘れないでください。

基本的には力を緩めたらチョークチェーンも緩みますが、たまに毛が絡まったりチェーンの向きなどで緩まないこともあります。
首が締まっていることに気が付かずそのままトレーニングを続行することのないように注意しましょう。

これだけは覚えておこう

チョークチェーンについてお伝えしてきましたが、最後に使用する際にこれだけは覚えてほしいということを3つお伝えします。

罰を与える分、倍の報酬を与えよう

チョークチェーンは意識を向けさせる用途で使用し、多少の痛みを含む罰としての器具となるため、ワンちゃんにとっても自信を無くしてしまう可能性が高くなるリスクがあります。

そのため、罰を与えた分、その倍の報酬を与えて自信を無くさないようにしてあげましょう。しっかと褒めてあげることでワンちゃんのモチベーションが保たれるため、特別なおやつやいつも以上に褒めるなどチョークチェーンを使う際は通常より意識して行うようにしてください。

誤った使い方はしない

何度も言うように、チョークチェーンは首を締めて強制的に意識を向かせることに特化しているモノではありませんが、トレーニング用品であり、虐待道具でないことを十分に理解しましょう。使い方次第では、ワンちゃんを苦しめてしまう危険なモノと化してしまうため決して誤った使い方はしないようにしてください。

使い方については本記事を参考にして頂き、分からない部分やより実践的な使い方を肌で感じたいと思う方はドッグトレーナーに相談をしてレクチャーを受けることをおすすめします。

そして最後に、使用する際は必ず
【締めた状態をキープしないこと】
を徹底するように心掛けましょう。

きちんと緩んでいるかを確認する癖をつけることがおすすめです。

しつけに絶対必要とは限らない

チョークチェーンは興奮しやすい子や飼い主さまの声が入りにくい子などに効果的ではありますが、何度もお伝えしている通り使用方法を熟知していないと危険が伴うものとなります。そのため、しつけトレーニングで悩まれている飼い主さまが「これを使えば直る」という気持ちで手をだしてはいけません。

罰が多めなモノとなるため扱うのも難しいので、チョークチェーンを使う前にプロに相談することがおすすめです。

また、理想的な考え方として問題行動が出たからチョークチェーンを使用するのではなく、問題行動が出たタイミング(前兆など)でまずは相談することが望ましいでしょう。

問題行動が定着した後と前では、改善する方法や所要時間も大きく変わります。

チョークチェーンを使い力で制御するのではなく、ワンちゃんとの信頼でコントロール出来るようになるには時間がかかることもあります。しかし、この先の長いワンちゃんとの生活には時間を掛けてでも信頼でコントロール出来た方が圧倒的にお互いが幸せに過ごせることができます。

悩んだ際には、まず相談するという選択肢を持ちましょう。

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