犬を叱れない優しい飼い主さまへ「叱る」と「伝える」の違いを伝えます

犬の育て方
叱れない飼い主

「本当は叱った方がいいって分かってる。でもどうしても叱れない…」

ワンちゃんを大切に思っている飼い主さまほど、強く叱ることに抵抗を感じてしまうものです。「怖がらせたくない」「信頼関係が壊れるのが怖い」と感じて、何も言えずに困っている方も多いのではないでしょうか。

でも、叱れないことで自分を責めてしまう必要はありません。この記事では、「犬を叱れない」と悩んでいる飼い主さまに向けて、“叱らないとダメ”という思い込みを手放し、ワンちゃんにしっかりと気持ちを「伝える」しつけの考え方と方法をご紹介します。あなたの優しさをしつけの強みに変えていくヒントとなると思うので是非参考にしてください。

叱れないのは優しさの証拠

「叱れないのは甘やかしなのでは?」と不安になるかもしれません。でもその気持ちの裏には、「ワンちゃんを大切に思っている気持ち」「関係性を大事にしたい気持ち」があるはずです。

それはとても素敵なことですし、飼い主さまとしての強みでもあります。優しさからくる迷いや葛藤は、決して間違っているわけではありません。まずは、「叱れない自分を責めないこと」が大切です。

大切なのは、叱る・叱らないではなく、“伝わるかどうか”です。
言葉だけでなく、表情や行動、日々の関わりの中で、ワンちゃんに飼い主さまの想いを届けることができます。優しさを生かしたしつけの方法は、ワンちゃんも安心してしつけトレーニングに励めるはずなので、適切なトレーニング方法を見つけ出しましょう。

怒鳴らなくても伝える方法はある

「叱れない」と悩む飼い主さまが持つ最大の不安は、「じゃあどうやって伝えればいいの?」ということではないかと思います。

怒鳴ったり、強く言ったりしなくても、ワンちゃんに行動の良い悪いを伝える方法はたくさんあります。この章では、優しさを損なわずに、ワンちゃんに「ダメだよ」がしっかり伝わるしつけの考え方と具体的な手段をご紹介します。

「無視する」も立派なしつけのひとつ

問題行動を取ったとき、言葉で叱らずに“構わない”ことでワンちゃんに「それは望ましくない行動だよ」と伝える方法です。アイコンタクトを避ける・背を向けるなどの行動をとることで、無言の意思表示になります。

ただし、正しい行動をしたらしっかり褒めてあげる「セット」が大切です。
「ダメ」は無視で、「いいね」はしっかり反応してあげましょう。これだけで、ワンちゃんは徐々に学んでいきます。

タイミングを意識すれば伝わる

叱らないと決めていても、伝えるタイミングがズレると、ワンちゃんは何を指摘されたのか分かりません。伝えたい行動の直後に、表情・ジェスチャー・声のトーンなどで「NO」を示すだけでも十分伝わります。

例えば、手を噛んできた時にすぐに手を引き、無言でその場を離れる。それだけで、「その行動をされると楽しい時間が終わる」とワンちゃんに伝わります。

トレーナーも“怒鳴る”より“気づかせる”が基本

実は、多くのプロのドッグトレーナーも、強く叱るよりも「学習のきっかけ」を作ることを重視しています。

声を荒げず、状況を変えてあげたり、違う行動に誘導することも「しつけ」の一つです。優しい飼い主さまにこそ向いているスタイルともいえるでしょう。飼い主さまの優しさは、しつけにおいても強みに変えられるのです。

叱れない飼い主のお悩みと解決のヒント

「本当は叱ったほうがいいのかもしれない…」と分かっていながらも、どうしても踏み出せない。その気持ちは、とてもよく分かります。ワンちゃんの目を見て、何かを伝えることに躊躇してしまうこともあることでしょう。

この章では、叱れないことで抱えやすい具体的なお悩みと、それに対する考え方のヒントをご紹介します。飼い主さまの優しさを活かしながら、ワンちゃんとの関係をよりよい方向に導くヒントになれば幸いです。

一度怒ったら距離ができた気がした

ワンちゃんは飼い主さまの気持ちに敏感ですが、正しく伝える関わり方で信頼関係はむしろ深まります。怒るのではなく“伝える”を意識することで、距離は縮まります。

信頼関係を壊すのでは…と不安になるかもしれませんが、誠実に伝えれば、逆に「安心できるリーダー」として見てもらえるようになります。

叱らないから、なめられてるかも

ワンちゃんとの生活は「上下関係」よりも「ルールの共有」が大切です。家族としてのルールを“穏やかにでも一貫して”伝えていれば、なめられることはありません。

一貫性を持って対応すれば、たとえ厳しい言葉がなくても、ワンちゃんはしっかり理解してくれるでしょう。

他の人に比べて自分は甘い気がする

他人と比べる必要はありません。ワンちゃんとの間に合った方法で、安心できる関係を築けていれば大丈夫です。

しつけに正解はひとつではありません。飼い主さまのやり方が、愛犬にとっての“正解”になればいいのです。

叱る代わりにできること

「叱れない」という気持ちは、視点を変えることで「伝え方の工夫」に変えることができます。ここでは、叱らなくてもできる、優しさを生かしたしつけ方法をご紹介します。

・問題が起きにくいよう、事前に環境を整える(ゴミ箱や配線を避ける、誤飲しやすいものを片づける)
・行動を予測して先回りし、成功体験を誘導する(例:おすわりを促し、できたらご褒美)
・表情・ボディランゲージで「それは違うよ」と静かに伝える
・正しい行動をした時にはすかさず褒める(声・アイコンタクト・なでる)
・日々の生活リズムを整え、安心感と信頼感を育てる

こうした「怒らずに伝える手段」をたくさん持っていると、叱れない不安も少しずつ解消されていくでしょう。

まとめ

叱れないことは決して悪いことではありません。それは、ワンちゃんとの関係を大切に思っている優しさの証拠です。大切なのは、“叱る”のではなく、“どう伝えるか”。 その方法は、怒鳴ることでも、無理に威圧することでもありません。飼い主さまの声・表情・毎日の接し方が、ワンちゃんにとっての「信頼」と「学び」になります。小さな変化に気づき、成長を喜び合える関係こそが、理想的なしつけの形だと思います。叱れないことで悩むより、あなたのやさしさを“伝える力”に変えていくしつけで、もっと安心できる、温かい関係を築いていきましょう。

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