犬との暮らしに憧れはあるものの、抜け毛の多さが気になって踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。特にアレルギー体質の方や、室内の清潔さを保ちたいと考える家庭にとって、毛が抜けにくい犬種の存在は大きな魅力です。
当記事では、抜け毛の量に影響する「被毛の構造」に着目しながら、小型・中型・大型のサイズ別に、毛が抜けにくい犬種を紹介します。それぞれの犬種の性格や飼育のしやすさ、必要なお手入れについても解説しているため、愛犬との暮らしを具体的にイメージしたい方はぜひ参考にしてください。
毛が抜けない(毛が抜けにくい)犬種とは?
毛が抜けにくい犬種には、いくつかの共通した特徴があります。最も大きな違いは「換毛期」の有無であり、これは被毛の構造と関係しています。
犬の被毛は「ダブルコート」と「シングルコート」に分けられます。ダブルコートの犬種は、アンダーコートとオーバーコートの2層構造を持ち、季節の変わり目にアンダーコートが大量に抜ける「換毛期」があります。これが、抜け毛の多さにつながります。
一方、シングルコートの犬種にはアンダーコートがなく、換毛期がほとんど見られません。そのため、抜け毛の量は少なくなりますが、毛が伸び続ける性質があるため、定期的にトリミングを行う必要があります。また、毛がもつれやすい傾向もあるため、健康な皮膚と被毛を保つには、日常的なブラッシングを行うことが望ましいです。
毛が抜けない小型犬5選
毛が抜けにくい小型犬は、掃除の手間が軽減されるだけでなく、アレルギーのある家庭や室内飼育にも適しています。小柄な体格は抱きやすく、狭い住環境でも飼いやすい点が魅力です。人懐っこく愛嬌のある性格の犬種が多く、家族の一員として深い絆を築きやすい特徴もあります。ここでは、抜け毛が少ない代表的な小型犬を紹介します。
トイプードル
トイプードルは、ふわふわの巻き毛と明るい性格が魅力の小型犬です。人懐っこく甘えん坊な性格で、飼い主に対して深い愛情を示す傾向があります。知能が高くしつけもしやすいため、犬を初めて飼う人にも向いています。
毛が抜けにくいシングルコートで、換毛期がない点が特徴です。ただし、被毛は伸び続けるため定期的なトリミング、また毛玉ができやすいため、日常的なブラッシングも欠かせません。抜け毛や体臭が少なく、運動量もほどほどなので、集合住宅でも飼いやすい犬種です。室内での暮らしにもなじみやすく、幅広い層に人気があります。
マルチーズ
マルチーズは、純白の美しい被毛と愛らしい表情が特徴の小型犬です。古くから愛玩犬として人と暮らしてきた歴史があり、人懐っこく甘えん坊な性格をしています。賢く従順なため、しつけもしやすく、初めて犬を飼う人にも向いています。
被毛はシングルコートでアンダーコートがないため、抜け毛が少ないです。ただし、細くて柔らかい毛は絡まりやすく毛玉ができやすいため、毎日のブラッシング、月1回のトリミングが欠かせません。毛が白いため汚れが目立ちやすく、涙やけなど顔まわりはこまめなケアが求められます。
マルプー
マルプーは、マルチーズとトイプードルを掛け合わせた人気のミックス犬です。どちらの親も性格が温厚で賢いため、マルプーも人懐っこく甘えん坊で、しつけがしやすい犬種として知られています。抜け毛は少なめですが、毛質は直毛や巻き毛など個体差があり、毎日のブラッシングと月1回程度のトリミングが必要です。見た目の変化を楽しめるのも魅力の1つです。
ほかにも、チワワ×プードルの「チワプー」、ポメラニアン×プードルの「ポメプー」など、毛が抜けにくい傾向のあるミックス犬がいます。ただし、親犬の被毛の影響で差が出るため、毛質が気になる場合はブリーダーに確認すると安心です。
シーズー
シーズーは、大きな瞳と豊かな被毛が魅力の小型犬で、温和で人懐っこい性格を持っています。子どもや高齢者にもやさしく接するため、家庭犬として非常に人気があります。無駄吠えが少なく、落ち着いた性格で初心者にも飼いやすい犬種です。
被毛は抜けにくいものの、絹のように細くて長く伸び続け、量も多いのが特徴です。毎日のブラッシングと月1回程度のトリミング、特に伸びやすい顔まわりや耳の毛のカットやシャンプーも重要です。長くて柔らかい毛を生かした多彩なカットスタイルが楽しめる点も魅力です。
パピヨン
パピヨンは、大きな立ち耳と優雅な飾り毛が特徴の小型犬です。明るく活発で好奇心旺盛な性格をしており、賢く物覚えがよいため、しつけのしやすさでも知られている犬種です。
被毛はシングルコートで、換毛期がなく抜け毛は比較的少なめですが、マルチーズなどの長毛種と比べるとやや多く感じることがあります。ブラッシングは週2~3回が目安で、特に耳や尻尾の飾り毛は丁寧に整えてあげると美しさを保てます。シャンプーやトリミングの頻度は低めですが、こまめなケアで美しい毛並みを維持できます。運動量が多いので、日々の散歩も大切です。
毛が抜けない中型犬3選
中型犬にも、抜け毛が少ない犬種がいます。存在感がありながらも扱いやすいサイズ感で、賢さを兼ね備えている点も魅力です。ここでは、毛が抜けにくく家庭でも飼いやすい中型犬を3種紹介します。
ミディアムプードル
ミディアムプードルは、トイプードルよりやや大きい中型犬で、気品ある姿と高い知能が魅力です。人懐っこく、ほかの犬や人とも友好的に接する傾向があり、家庭犬として人気があります。賢くしつけやすいため初心者の人にも向いており、日々の運動も楽しめます。
被毛は巻き毛でボリュームがありますが、シングルコートのため抜け毛は少なめです。ただし、毛は伸び続けるため、月1回のトリミングとこまめなブラッシングが必要です。
バセンジー
バセンジーは中央アフリカ原産の猟犬で、筋肉質な体と短くなめらかな被毛が特徴の中型犬です。シングルコートで換毛期がなく抜け毛は少なめですが、毛周期が短いため週2~3回のブラッシングが必要です。
性格は頑固で独立心が強く、しつけには一貫性と根気が求められます。吠えることは少ないものの、ヨーデルのような独特の声を発します。初心者向きではありませんが、知性と活発さを備えた個性的な犬種です。毎日の散歩も欠かせません。
ウィペット
ウィペットは細身で俊敏な中型犬で、優れた走力を持ちながらも家庭では穏やかで人懐っこい性格です。無駄吠えが少なく、飼い主に従順なため、初心者や子どもがいる家庭でも飼いやすい犬種と言えます。
被毛は短く密着したスムースコートで、シングルコートのため抜け毛は多くありません。ただし、毛が細かく落ちやすいため、週1回のブラッシングでこまめなケアが必要です。毛が衣類や家具に付きやすい点には注意が必要ですが、お手入れは比較的楽な部類に入ります。
毛が抜けない大型犬3選
抜け毛が少ない犬種は、小型犬や中型犬に限りません。存在感のある大型犬の中にも、被毛の構造や性質により毛が抜けにくい犬種がいます。ここでは、室内でも比較的飼いやすい、抜け毛の少ない大型犬を3種紹介します。
スタンダードプードル
スタンダードプードルは、トイプードルよりも大きな体格を持つ大型犬で、抜け毛が非常に少ないシングルコートの巻き毛が特徴です。毛は太くしっかりしており、高級な絨毯のような手触りとも言われますが、毛が伸び続けるため定期的なトリミングとブラッシングが必要です。
温厚でフレンドリー、知能が非常に高くしつけもしやすい性格です。運動能力も高く、ドッグスポーツなどのアクティブな活動も楽しめます。家族への愛情深さから、室内での暮らしにもよくなじむ大型犬です。
ワイマラナー
ワイマラナーは、グレーの被毛と引き締まった体が特徴の大型犬で、知的で活発、飼い主に対して忠実な性格です。家族と強い絆を築く一方、見知らぬ人には警戒心を見せることもあります。
被毛は短くなめらかなシングルコートで、抜け毛は比較的少なめです。ツヤのある毛並みを保つためには、週2~3回のブラッシングが効果的です。知能が高くしつけもしやすい犬種ですが、運動量が多いため、日々の十分な運動とコミュニケーションが大切です。
ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグは、水中作業をこなしてきた歴史を持つ、知的で従順な大型犬です。穏やかで愛情深く、家族との絆を大切にする性格のため、家庭犬としても人気があります。
シングルコートの巻き毛またはウェーブ毛を持ち、抜け毛は少なめです。ただし、毛が絡まりやすいため、毎日のブラッシングと定期的なトリミングが必要です。活発で体力もあるため、1日2回の散歩や水遊びなど、しっかり運動させることも大切です。
まとめ
毛が抜けにくい犬種には、「シングルコート」という被毛の構造を持つ犬が多く、換毛期がないため抜け毛が少ない傾向があります。日常的なブラッシングや定期的なトリミングが必要な犬種が多いものの、掃除の手間が少なく、アレルギーに配慮した飼育を考えている方にも向いています。
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