ワンちゃんを迎え入れてから子供と仲良く遊んでくれることを想像していたのに実際は子供を追いかけるようになり怖がってしまっている。実はこの悩みは小さなお子様がいるご家庭からの相談で多いケースなんです。また、お子様だけがターゲットにされることが多いのも特徴です。ワンちゃんを迎え入れて笑顔が増えると思っていたのに、このようなことになっては飼い主さまも困ってしまうことでしょう。今回はワンちゃんがお子様を追いかけてしまう時の対処法について解説していきます。
なぜ子供を追いかけてしまうのか
ワンちゃんの追いかけてしまう癖を直す前に、なぜ犬は子供を追いかけてしまうのかを理解する必要があります。この理由を理解した上でトレーニングをするとより効果的に行えるだけでなく、お子様やお散歩中の突発的な事故に対しての対応も出来るようになるでしょう。
追いかけてしまう理由
元々は犬の本能である【狩猟本能】が働くことによって起こる行動です。
犬種で言えば使役犬と呼ばれるボーダーコリーなどは動くものを追いかけてしまう本能が強いため代表的な例としてあげられることがあります。
しかし、犬種に限らず【犬】という生物は潜在的に狩猟本能を兼ね備えているため、ワンちゃんの性格によっては出ない子もいますし、強く本能が働いてしまうこともあるので「〇〇(犬種)は追いかける・追いかけない」は一概に言えません。
上記の狩猟本能を前提に置いた状態で次の説明に入りますが、特に小さなお子様はワンちゃんにとって、いきなり奇声を発したり予想外な動きをしたりすることが多く不思議な生物として認識してしまいます。
そのため、この人は自分に害がある人なのか?と興味を持ってしまい結果、狩猟本能が刺激され追いかけるようになってしまうのです。
追いかけるキッカケが興味であって、追いかけた際に子供の反応が良く遊んでくれてるのか!と間違った認識を持ち毎回追いかけるようになってしまうのが最も多い理由です。
このように良い反応=報酬であり、ワンちゃんにとってはこうやって遊ぶんだと学習しているため、間違った遊びを修正していくことが必要となるでしょう。
また、身体も小さいため純粋に勝てると思い、家族内で優位に立とうと独立心の強い子は追いかけてしまうこともあるので、この場合は最悪怪我をしてしまう危険性もあるので早急に対応した方がいいでしょう。
子供と犬を遊ばせるときの注意
実際にワンちゃんとお子様を遊ばせる際に、気を付けるポイントと怪我などのリスクを回避する方法をお伝えします。
子供に犬の扱いを慣れさせる
言葉が通じる年齢のお子様であれば、ワンちゃんに対しての接し方をきちんと教えてあげましょう。お子様も接し方の正解が分からないまま触ってしまうためワンちゃんにとって不快な思いをさせてしまっている可能性があり、それを避けるために攻撃してしまうことが考えられます。
また、遊び方であってもワンちゃんを興奮させやすい行動をしている場合も同様に大人が正しい接し方のお手本を見せてあげることが重要です。
ワンちゃんとの距離感を縮めるためにも接し方を学ぶだけでワンちゃんも一緒に学んでくれるようになります。
犬にしっかりと教える
本来はこれからお伝えする方法を家族に迎え入れた時から始めていれば、追いかけてしまうこともなかったと思います。少しキツイ表現をしているのもパピー期のトレーニングの重要性と事故は起きてからでは遅いことをお伝えするためです。
しかし、今からでも遅くはないため、是非下記の方法を試してみてください。
1、リードをつけた状態で子供と触れ合ってもらう
・室内であってもリードは決して外さない
→追いかけようとしたり、飛びつこうとした際にリードで止めることができるため
→追いかけたり飛びつく経験をさせないことが重要
・興奮してしまう場合は犬を座らせた状態で子供に触ってもらう
→触れ合う際はおやつやおもちゃを子供に与えてもらう
2、犬が追いかけるのをしなくなってきたらリードはついたままフリーにする
・まだリードはつけたままです
・追いかけずに遊んでいたり子供のペースを伺っていたら褒めてあげましょう。
この二つのステップを守り生活を送ってみてください。
気を付けるポイント
・ダメな行動をしたら大人が止めて叱る、できたことは褒めてあげる
・ダメなことは見逃さずにそのタイミングで叱る
・リードが子供の足に引っかかってしまい危険な場合はハーネスにしてみる(持ち手付き)
※何かあったらすぐに止めておける状況をつくっておくことが重要
大人と一緒に遊ぶ
最も安全な方法で、同時に見本を見せることができるためおすすめです。
しかし、上記でお伝えしたワンちゃんに学ばせる方法とセットであることを前提とします。
その理由として、ワンちゃんは狩猟本能から子供を追いかけてしまうと説明しましたが、これは子供だけで遊ぶとターゲットが子供のみになってしまい本能が刺激されてしまいます。そのため、大人が一緒に遊ぶことでワンちゃんも子供だけに集中せずに遊べるため、効果的といえるでしょう。
危険な場合はプロに相談
ここまでお伝えした3つの方法ですが、ワンちゃんが追いかけてしまう理由も様々で、飼育環境や性格、トレーニングのやり方などで原因は一つとは限りません。
一般的で尚且つ、今日から出来るトレーニングの一つとしてお伝えしていますが、攻撃性が高く危険だと判断した場合は速やかにプロのドッグトレーナーに相談しましょう。
怪我をさせてしまうことで、お子様もワンちゃんを怖がるようになってしまうだけでなく、ワンちゃん自身も「こんなはずじゃなかったのに」と自信を無くしてしまい悪化してしまうこともあります。
フローエンスでは相談ダイヤルだけでなく、しつけ教室も運営しているためお悩みの方はお気軽にご相談ください。
犬と子供が仲良くなるには
ワンちゃんを家族として迎え入れたらお子様とも仲良くしてほしいと思うのが親心だと思います。次はワンちゃんとお子様が仲良くなれる方法についてお話いたします。
まず、ワンちゃんと仲良くなるために重要なポイントは【コミュニケーション】です。もう少し細かくいうと、ワンちゃんは自分にとって「有益」な人を好みます。
その理由は、ご飯など人間がいないと生きていけないためです。そのため、しつけの本質的な部分はワンちゃんに依存させるためにしつけをするといっても過言ではありません。
人間は自立するために教育をしますが、ワンちゃんは依存させるためにしつけを行い、人間と共存していく方法を学ばせるのが目的です。
それらを踏まえた上で下記の方法を試してみてください。
一緒にお世話をする
お父さんお母さんの言うことだけ聞く、というケースはまさに「有益」な人だからです。
指示を聞けば沢山褒めてくれるしおやつをくれる、ご飯だってくれる良い飼い主様だと理解しているからです。
そのため、お子様にも一緒にお世話を手伝ってもらうようにコミュニケーションを増やすことがおすすめです。
例えば、ご飯をあげるのはお子様が担当するなどです。
また、慣れてきたらおやつなどをあげてもらうようにし、コミュニケーションの幅を広げていきましょう。ただあげるのではなく、座れやマテなどの指示を入れられれば素晴らしいです。
いきなり聞くことは少ないので、最初は小さなことからスタートし日頃から遊び感覚でトレーニングをしてみるのもおすすめです。
一緒に散歩にいく
このケースはお子様とワンちゃんのみでお散歩に行ける場合は有効的です。
お散歩に連れて行ってくれるのはワンちゃんにとっても一人では行けないため、嬉しい対象となり「有益」な人となりますが、飼い主様とお子様が一緒にお散歩に行ってもあまり意味はありません。それは飼い主様がお散歩に連れて行ってくれているからです。
飼い主様がメインリードを持ち、お子様が飾りのリードを持ってお散歩している方が多いですが、ワンちゃんのためではなくお子様の良い体験の一つとなるため、トレーニングとは分けて同じようにお散歩に行ってみてはいかがでしょうか。
きっとお子様も笑顔になり良い思い出となってくれるはずです!
叱るのは大人だけでなく子供も
最後に、ワンちゃんとお子様が仲良くするためのトレーニングでこれだけはやったらダメなことをお伝えします。
それは「飼い主様だけが叱る」です。
ワンちゃんも叱る人叱らない人を見極めるため、この人は叱るから大人しくしよう、といった人を見て態度や行動を変えるのは珍しいことではありません。
そのため、お子様に悪いことをしたのに「叱るのは大人」と学んでしまうとお子様に対しての行動は改善される可能性は低くなってしまうでしょう。
きちんと叱れる年齢であれば、お子様に悪いことをした時にはお子様に叱ってもらいましょう。その際の叱り方などは大人の方が教えてあげてください。
感情的に怒らない、暴力はしない、といった叱り方だけでなくタイミングや声のトーン(落ち着いて叱る)なども一緒に教えてあげられると、家族内でのルールがしっかりと確立しワンちゃんも混乱することなくトレーニングに励むことができるでしょう。
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